【企業分析】三菱総研DCSの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024年8月15日更新
はじめに
三菱総研DCS株式会社(以下、三菱総研DCS)は東京都品川区に本社を置く三菱系列のIT企業です。
創業は1970年と古く、ITの黎明期から存在するSI企業でもあります。
SIとはシステムインテグレーションの略で、システムの導入に関するサービスをBtoBで行っている企業のことを言います。
今回は、そんな三菱総研DCSの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
三菱総研DCSへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 三菱総研DCSの仕事内容が気になる
- 三菱総研DCSの就職難易度を知りたい
- 三菱総研DCSの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、IT業界やSI業界全体については、以下の記事でまとめているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
【業界研究ガイド】業界一覧 | 就活ハンドブック (jo-katsu.com)
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、三菱総研DCSの就職難易度は、やや高いと言えます。
やはり三菱系企業の1社ということもあり、学生からの人気が高く、倍率が高騰する傾向にあります。
ですが、採用大学は最難関大学から標準的な大学まで幅広い分布となっているため、学歴フィルターはあまり存在しないでしょう。
また、新卒では総合職採用の1つだけとなっていますが、配属される所属先には、システムエンジニア職・ソリューション営業職の2つあります。
そのため、選考の段階で、入社後に取り組みたい事業分野を明確にしたうえで、本選考に臨みましょう。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
三菱総研DCSについて
出典先:三菱総研DCS株式会社
会社概要
三菱総研DCS株式会社は1970年に創業しており、2007年まではダイヤモンドコンピューターサービスという社名でした。
2004年の段階で三菱東京フィナンシャル・グループ(現・三菱UFJフィナンシャル・グループ)の完全子会社となり、その3年後に三菱総研DCSという企業名に変更しました。
2024年2月現在は、三菱総合研究所の連結子会社で、三菱系列のIT企業となりました。
事業内容は企業向けのシステム導入事業がメインで、中でも金融機関向けのサービスを強みとしています。
また、シンクタンク・コンサルティングといった事業も行っています。
関連企業に三菱UFJフィナンシャル・グループがあることからも、金融分野でのITサポートを得意としています。
細かい括りでいうと、金融系SIerという企業分野です。
各事業別の売上規模構成について
売上構成費比(2023年9月期実績)売上高122,126百万円 単位:百万円
三菱総研DCSの2023年度の売り上げ収益は、1221億円でした。
また、事業別売上高の推移をみると、年々増加傾向にあります。
参照ページ
各事業セグメントの解説
三菱総研DCSの主な事業セグメントは以下の通りです。
これらの事業部門の中で、コンサルティング・セールス部門以外は、全てITサービスによる部門となっています。
また、新卒入社でコンサルティング・セールス部門に配属されることはないようです。
選考の段階で、「コンサルティング事業に興味がある」とアピールすれば、ゆくゆく配属される可能性は十分にあると考えられます。
事業部門 | 活動内容 |
産業・公共部門 | 産業、公共、電力 |
金融・決済部門 | 金融開発、決済開発、カード開発 |
テクノロジー部門 | データ、クラウド、インフラテクノロジー |
コンサルティング・セールス部門 | マーケティング、営業、コンサルティング |
コーポレート部門 | 人事、総務部、広報部 |
三菱総研DCSで働いている社員は?
平均勤続年数は?
三菱総研DCSの平均勤続年数は14. 6年です。
SI分野はIT業界の中でも平均勤続年数が短い傾向にあり、6. 9年というデータが出ています。
そのため業界平均と比べると三菱総研DCSの社員定着率はかなり高い水準だと言えるでしょう。
財閥系企業という安心感が大きいためか、「どんどんスキルアップをしていきたい」という方よりも、「終身雇用で安定的に働きたい」という方が多いのかもしれません。
平均年収は?
2021年度の三菱総研DCSの平均年収は704万円です。
全国平均の年収が443万円であることを考えると、かなり高い水準です。
また、IT業界の平均年収が457万円なので、同業他社と比較しても高いことが分かります。
なお、年収範囲は350〜1200万円で、56人の正社員からの回答となっています。
平均残業時間は?
三菱総研DCSの残業時間は平均35時間程度と言われています。
ですが、これは部署ごとにかなり差が大きく、技術部門だけだと40時間以上だと言われています。
また、以前は、繁忙期の際に80時間ほど残業をすることもありましたが、今は残業を無くそうとする動きが強いようです。
IT業界ではプログラマーの残業が、たびたび問題になりました。
その点、三菱総研DCSはクリーンな企業だと言えます。
残業は1分単位で時給がつくため、同業他社と比較しても残業に対する意識は高いでしょう。
平均ボーナス額は?
三菱総研DCSの平均ボーナス額は70万円の年2回で約140万円です。
一般的なIT企業のボーナス平均が年間105万円であることから、給与に加え、賞与も高い水準にあると言えるでしょう。
どんな文化なの?
一言でいうと、安定・堅実という社風です。
働いている社員の方々の意見からも、「真面目な人が多い」や「保守的である」といった声が上がりました。
また、基本的には年功序列の体制であるため、良くも悪くも日系企業だと言えるでしょう。
ですが、一方で1年に数回、面談が設けられ、上司とのコミュニケーションも気軽に取れる風通しの良さがあると言われています。
近年では、若手の給与体制や評価制度の見直しが少しずつされているため、今後は若手も活躍しやすい社風になると予想されます。
参考ページ
三菱総研DCSの転職・採用情報|社員口コミでわかる【転職会議】 (jobtalk.jp)
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
ここでは、三菱総研DCSと他の金融系SIer企業と比較していきます。
IT業界やSI業界で比較してしまうと、かなり膨大な企業数になってしまうため、狭い分野での比較となります。
金融系SIerの中での三菱総研DCSの立ち位置をご紹介します。
売上高で他社比較をしてみても、三菱総研DCSはかなり上位の企業だといえます。
比較に挙げた、日本総合研究所(三井住友系フィナンシャルグループ)や、みずほリサーチ(みずほフィナンシャルグループ)などは金融系SIer最大手と呼ばれる企業ですが、それらと比べても見劣りしないほどの売上高です。
金融系SIerでは、顧客が大手銀行や証券会社、保険会社になる傾向にあります。
同じ三菱グループに日本最大手のUFJ銀行がある三菱総研DCSでは、他の企業よりも基盤がしっかりしているといえます。
ITサービス以外に、コンサルティング事業も拡大しているため、収益の柱として十分な安定感が期待できます。
コンサルティング事業は、あらゆる業界の中でもトップクラスに利益率が良い事業と言われています。
今後、コンサルティング事業の割合が増えることに伴い、売上高も増加していくでしょう。
また、参考までに競合4社の売上高と就職偏差値・難易度もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(億円) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
日本総合研究所 | 2197 | 830万円 | 62 | プライベートも大切にする社風 |
みずほリサーチ | 1404 | 660万円 | 61 | 革新的、チャレンジする社風 |
三菱総研DCS | 1221 | 704万円 | 58 | 充実した教育を施す社風 |
大和総研 | 852 | 727万円 | 55 | 上下関係なく風通しの良い社風 |
三菱総研DCSの新卒募集要項について
以下に三菱総研DCSの新卒募集要項についてまとめました。
三菱総研DCSでは総合職採用としています。
ですが、選考の段階でどちらかの職種を希望することで内定後の配属職種が決まります。
総合職採用
職種 | 総合職(システムエンジニア職・ソリューション営業職) |
給与 | 大学院卒の場合(月給)248,000円 大学卒の場合(月給) 240,000円 専門卒の場合(月給) 211,000円 超過勤務手当、通勤費、家賃補助、昼食補助、他 |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
勤務形態 福利厚生 | 完全週休2日制(土日祝) 有給休暇(最大20日※初年度14日)、年末年始休暇(12/29~1/3の6日) 慶弔休暇、誕生日休暇、連続休暇(5日以上)、半日休暇、特別休暇あり |
研修期間 | 6か月あり、労働条件の変更なし |
求める人材
三菱総研DCSが公表している、求める人物像と企業理念についてご紹介します。
求める人材には、「3つの共有したい価値観」と題し、以下のことを挙げています。
- 信頼と信用
相手のことを正しく理解し、自分の考えをしっかりと伝えることができる。
主体的かつ誠実に行動し、責任をもって最後までやり遂げることができる。
- プロフェッショナリズムとチームワーク
ICTプロフェッショナルとして社会に価値を提供し続けることができる。
お互いを認め合い、共に切磋琢磨しながらチームをリードして最高の成果を出すことができる。
- 挑戦と成長
自らの成長に貪欲であり、現状に満足せず常に高い目標に挑戦し続けることができる。
厳しい状況でも自らの発想で未来を切り拓くことができる。
三菱総研DCSでは、以上3つの価値観を持ち合わせている方を求めています。
「相手」や「チームワーク」といったワードが含まれていることからもわかるように、協調性に優れた人が求められているでしょう。
「ITと言えば1人で黙々とパソコンをカタカタ」というイメージを持っている方は多いはずです。
しかし、そういった状況はかなり少ないと言えるでしょう。
特にSIの分野では、顧客から求められたシステムやサービスを複数人のチームで提供するため、多方面で綿密なコミュニケーションが必須です。
また、三菱総研DCSの企業理念が「未来共創・価値提供」であることからも、顧客第一という考えが非常に強いことが判断できます。
参照ページ 採用担当者からのメッセージ | Recruit | 三菱総研DCS | 新卒採用情報 (dcs.co.jp)
新卒採用のフロー
三菱総研DCSの本選考はかなり特殊で、エントリーシートの提出前にオンラインでのグループディスカッションや適性検査を実施しています。
そのため、一般的な選考とは採用基準が大きく異なると考えられます。
本記事に何度も目を通して、しっかり選考対策をしてください。
①新卒エントリー
三菱総研DCSのホームページやマイナビ・リクナビからエントリーしましょう。
この段階でオンライン説明会も行っているため、参加することをおすすめします。
②適性検査(SPI3)
オンラインで適性検査を受験することになるでしょう。
適性検査の内容は一般的なSPI3で、特別なIT知識やプログラミング技術を求められる試験ではありません。
中高の基礎知識をしっかり復習すれば、問題なく合格できるはずです。
③グループディスカッション(オンライン)
オンラインでのグループディスカッションが実施されます。
主に現場で活躍している社員の方が選考を担当します。
なお、ここでも特別なIT知識は不要とされており、誰でもディスカッションに参加できる課題となっています。
IT業界の中でも、グループディスカッションを導入している企業はかなり少ないでしょう。
そのため、三菱総研DCSでは「チームでの活動」という点を重要視しているといえます。
求める人材にも「チームワーク」の重要性が明記されているので、チームに貢献できる個性を持っているという点をアピールしましょう。
④エントリーシート提出&一次面接(対面)
この段階では、事前にオンラインで送ったエントリーシートを基に面接が進められます。
つまり一般的な企業選考と異なり、エントリーシートだけで合否の判断はされません。
また、一次面接では一問一答ではなく、雑談の中で質問をされていくイメージに近いでしょう。
このため、丸暗記した言葉を発するのではなく、状況にあった言葉で回答しましょう。
⑤最終面接(対面)
最終面接では役員1名との面接となります。
一次面接と比べ、緊張感がある面接です。
しかし、複数人の面接官を相手にするよりは落ち着いて話せるでしょう。
質問内容は、今後の三菱総研DCSやIT業界全体についてのことが多いです。
⑥内定
最終面接に合格すれば、晴れて内定獲得です。最終面接から3日程度で連絡が来ます。
採用大学
三菱総研DCSのホームページによると、採用大学の実績校は以下の通りです。
難関大学からITに強い大学まで幅広い採用実績となっております。
<大学>
会津大学、青山学院大学、茨城大学、大阪市立大学、大妻女子大学、お茶の水女子大学、学習院大学、神奈川大学、京都大学、近畿大学、公立はこだて未来大学、駒澤大学、芝浦工業大学、首都大学東京、専修大学、千葉大学、千葉工業大学、中央大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都市大学、東京農工大学、東京理科大学、同志社大学、日本大学、法政大学、北海道大学、明治大学、横浜国立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学等他その他、大学院、大学、短期大学、専門学校 多数採用実績あり
結論として、三菱総研DCSでは学歴フィルターはあまりないと考えられるでしょう。
本選考ではエントリーシートの提出前に、グループディスカッションや適性検査を実施しています。
このことからも、学生の実力を見て選考をしていると考えられるでしょう。
もちろん、学歴による区別はどの企業ですが、三菱総研DCSがその点を軸として採用している企業ではないと断言できます。
採用人数
過去3年間の新卒採用者数(男女・職種別)です。
三菱総研DCSは、採用人数が毎年増加傾向にありますが、現在のIT業界をかんがみると必然といえるでしょう。
現在日本では、ITの人材不足が非常に問題となっており、IT企業はどこも人手が足りていない状況です。
IT業界は引く手あまたとなっているほか、研修にも注力し、IT人材を増やしていこうとする取り組みが業界全体で行われています。
男性 | 女性 | 合計 | |
2023年 | 60名 | 29名 | 89名 |
2022年 | 55名 | 21名 | 76名 |
2021年 | 38名 | 24名 | 62名 |
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、三菱総研DCSの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はやや高いといえます。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 学生に大人気な三菱系企業
- 高いコミュニケーション力が求められる
- グループディスカッションによる選考
よって、グループディスカッションの対策は必須になるでしょう。
三菱総研DCSのホームページでも、「アピールしている個性が三菱総研DCSの中でどのように活かせるかを確認する」と明記しています。
そのため、グループディスカッションでは積極的に発言し、チームの柱となるように立ち回りましょう。
その中で、”今後一緒に働く姿”を社員に想像させることができれば必ず通過できるはずです。
三菱総研DCSの場合、一般的な選考とは流れが多く異なりますが、「文章で伝えるよりも、言葉で伝える方が得意だ」という方はとても有利な選考です。
しっかりと企業分析と自己分析を行い、内定を獲得してください。
就職偏差値・難易度については以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
【選考通過したエントリーシートを大公開】先輩就活生のエントリーシートを見れば選考通過のヒントが得られるかも?!
「エントリーシートに正解はあるのか」「書き方が良く分からない…」こんなことを考えたことはありませんか?
就活生にとって、エントリーシートは第一関門ともいえるものです。
今回は、選考を通過したエントリーシートを20社分用意しました。
各エントリーシートにはポイント付きで解説しています。
まとめ
三菱総研DCSは、IT業界の中でもSIと呼ばれる分野に属しています。
金融へのシステムサービスの導入がメインの事業です。
また、グループディスカッションの実施やチームワークが重要視されており、「協調性」という強みが重宝されます。
ガクチカや自己PRといった設問では、「サークル活動」や「アルバイト活動」といったチームでの活動をアピールできると効果的でしょう。
三菱総研DCSは三菱系企業ということもあり、学生からの人気が非常に高いです。
そのため、自分の個性をしっかりアピールしなければ埋もれてしまうでしょう。
「システム開発に興味がある」ではなく、「金融分野の中でも証券のシステム開発をしたい」のように具体的な言葉を使ってください。
三菱総研DCSは金融業界の顧客がメインのため、経済学部の方やFP・簿記の資格を持っている方は、非常に親和性が良いです。
「大学で学んだことが活かせる」という主張を積極的にしましょう。
まだ不安な方は、この記事をもう一度よく振り返って三菱総研DCSの選考対策をしてください。
他にもIT企業を数多く紹介していますので、ぜひご覧ください。
皆さんの就職活動が前に進んでいくことを願っています。