企業から信用を得るために、とっても大事な第一歩。
就活のことを考えると、学生のみなさんはいろんなことが気になってしまうと思います。
何を伝えればいいんだろう、自己PRをどうすれば、業界や会社のことはどこまで研究すればいいのかな、あの人とこの人は言うことが違うけど、どっちを信じればいいのかな、強みや弱みってどう答えればいいんだろう……、と気になることばかり。
誰かに聞いても人によって言うことは違うから、何が評価されているのかわからない。
世の中には、あらゆる「就活のアドバイス」が溢れています。
なぜなら、就活のアドバイスって、誰でもできるから。
社長や人事部長ならまだしも、学生が接待されるほどの恩恵を受けたバブル期就職のおっさんでも、何十年も同じ業界しか見ていない人でも、iPhoneも使いこなせないくらいに変化についてきていない人でも、果ては働いたこともない大学の先輩でさえも、「就活経験者」か「働いたことがある人」なら、誰でもそれなりに就活のアドバイスはできちゃう。
なぜなら相手が、まだ社会を経験していない学生だから。
そして未経験で無垢な学生たちは、そういう人たちのそれぞれの成功体験や御高説を素直に受け取りつつ、人によってそれぞれ異なるアドバイスを浴びて、悩んだり迷ったりするわけです。
社会も就活も「信用」が大前提。
ぼくが20年ほど企業の採用活動や学生の就活にかかわってきて、いま改めてしみじみ思うのは、答えはシンプルです。
企業は、学生の何を見ているのか、というと。
「この人、信用できるかな?」
です。
それこそ社会も就活も、「信用を獲得できる人が評価される」という目的とルールが存在する信用獲得ゲームであり、社会人も就活をしている学生も、信用獲得ゲームのプレイヤーです。
信用されれば、どうにでもなる。信用こそすべて。信用の有無で評価が変わる。というくらいに、社会も就活も信用によって成り立っている。
いわゆる「就活っぽいこと」に縛られることで、むしろ信用から遠ざかっているわけです。
何を聞いても、他の学生と同じ「正解っぽいこと」しか言わない。ノックの回数やお辞儀や話し方に気を取られて、明らかに「普段の姿じゃない」振る舞いしかしない。そして何より、そもそも不安と緊張が高まりすぎて、ときに挙動不審かというくらいに自信がなさそうなんです。
学生のみなさんが想像しているよりもずっと、就活のハードルは低く設定されています。なのに、学生の多くがカン違いすることによって、その低いハードルさえも超えることなく、脱落していってしまっているように見えます。
明らかに借り物の言葉を話し、形式的な振る舞いばかりで、自信なさげで挙動不審な人、を誰が一緒に働きたいと思うかな? という話です。そりゃ信用できないのも当たり前。しかも学生のほとんどが、そうなんです。そりゃ企業の採用ハードルも下がっていきます。
みんなが、的ハズレの方向に「努力」をしちゃっているのは、本当にもったいない。
まずは、自分を信用する(=自信)ことから。
じゃあ、具体的には何をどうすればいいか、というと。
「信用される言動をしよう」ということに他なりません。
という状況の中で、世間の学生に何が起きていて、何が足りないかというと、根本にあるのはたったひとつの要因に辿りつく、というのがぼくの考えです。
それは、ほとんどの学生は「自信がない」から、うまくいきにくい。
ということなんです。
「自信」って、自分に対する信用です。
自分が自分を信用していなくて、自分が信用できる言葉を発することができなかったら、そりゃ他人である企業の人たちは、それ以上に信用するのはむずかしくなります。
逆にいえば、就活病をテクニックや知識だけで上手に昇華してごまかせている人は、なんだか自信ありげに見えたりします。それによって、小手先で内定をとる方法に長けている人もいます。
もちろん過剰な自信も、逆に信用を失う方向に働くこともあります。
だからこそ、適切な自信をもつこと。
それだけで、就活も仕事も人生も好転する可能性が高い、とぼくは考えています。
そして、それは正解に縛られ、人に合わせて、細かいお作法を学んだり、失敗を怖がったり、本来の自分を偽っていたら、いつまでも身につかないと思うんです。
だから、ぜんぶ逆のことをすればいいだけです。
信用を得るためには、まずは自信をもつこと。自信をもって話せる言葉をもつこと。
いまの低いハードル化している採用市場くらい、さらっと跨いで越えていきましょう~。
ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人
立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。