【業界研究】Sier業界は!特徴や向き不向きは?選考に役立つ情報を徹底解説!
2024年1月23日更新
はじめに
就活を行う上でまず初めにすべきことは、業界研究です。
業界研究ができていなければ志望する企業や職種の理解もできません。
そこで今回この記事では、Sier業界について基本概要から業務内容、就活に役立つ情報を詳しくご紹介します。
この記事は以下のような項目を知りたい就活生を対象に解説をしていきます。
- Sier業界ってどんな仕事をするの?
- Sier業界の就活難易度はどれくらい?
- Sier業界の選考対策が知りたい
また、Sier以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
競合他社が多く、需要が高まっているSier業界の就職難易度はやや難しいといえるでしょう。
業界は拡大していく一方、優秀な人材を見極めるため選考も厳しいといえます。
もし業界大手の企業を志望するなら、明確な理由や自身が企業で提供できる技術は何かをはっきり伝える必要があります。
選考対策として業界理解を深めることと併せて自己分析をしっかりと行うことが求められます。
エントリーシートや面接の頻出質問にしっかりと対応できるように対策しておきましょう。
後ほど具体的な方法を紹介しますので是非最後までご覧ください。
Sier業界とは?
Sier業界は、IT業界におけるシステム開発や設計、運営、コンサルティングを請け負う事業やサービスを提供する業界です。
専門的なノウハウや知識に精通しており、企業などのクライアントの要望に応じて、さまざまな業務を担います。
主なクライアントは、医療機関や金融機関、官公庁などの非IT企業が該当します。
「Si」とは、「System ietegration(システムインテグレーション)」の略称です。
「〜する者」を意味する接尾語の「- er」をつけて、「Sier(エスアイヤー)」という言葉が生まれました。
Sier業界の現状は?
トピック1:優秀なエンジニアの奪い合い
現在、IT業界全体で人材不足が顕著に現れています。
2015年の時点でIT業界の人材不足数は、約17万人とデータで発表されていますが、15年後の2030年には約59万人にもなるだろうと予測されています。
Sier業界だけでなく、IT業界全体で人材が不足しているため、Web系やユーザー企業とも人材を奪い合っている状況です。
人材不足の主な原因として、スキルアップが難しかったり、職場環境がよくないといった労働環境が問題視されています。
トピック2:スキルアップが難しい
IT専門の知識やシステムに関する高度なスキルを持ち合わせているというイメージがありますが、それらを活用しない業務も数多く担うため、スキルアップが日常的にできる環境ではないといえます。
業務内容には、技術的なスキルを必要としない資料の作成や納期管理など、事務的な業務をメインに行う場合もあります。
これらのような管理作業を主に担っていると、プログラミングやシステム設計、運営など専門スキルを習得して磨き上げる機会が少なくなります。
参照ページ
SIerの将来性は?なくなると言われる理由や今後も必要な6つの理由
みずほ情報総研「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査-」
Sier業界の未来は?
トピック1:アジャイル型開発の積極的な導入
現在Sier業界では主に、ウォーターフォール型の開発が行われています。
ウォーターフォール型とは、開発の工程を1つずつ分けて、フェーズごとにクライアントと確認しながら抜け漏れがないよう、それぞれの工程を確かめながら進めていく手法です。
スケジュールが立てやすく、ミスも最小限に抑えられるなどのメリットがありますが、リリースまでに多大な時間やコストを費やすというデメリットもあります。
その難点を解決できるのがアジャイル型の開発です。アジャイル型開発は、比較的リリースまでの期間を短縮でき、ビジネス始動が早められるというメリットから近年導入が増えてきている手法です。
トピック2:2025年の崖問題
「2025年の崖」とは、経済産業省が警鐘を鳴らしているIT業界に多大な損失をもたらすであろうと言われている問題です。
2025年までに業界を率先しているベテランIT人材が退職したり、関連サポートの機能が停止することにより、システムの開発や管理が十分にサポートできず機能不全を起こすリスクが高くなるといわれています。
これらの問題解決ができなければ、システムの維持費が増し最先端の技術やデータの活用が難しくなります。
参照ページ
Sier業界の職種
職種内容①:ユーザー系Sier
IT以外を本業としていた親会社である大手企業の、情報システム部門が独立して誕生した企業です。
この時、親会社は商社や製造、通信系や金融とさまざまな業種の企業が該当する場合があります。
経営基盤が安定していますが、親会社の業績や方針に左右されやすいのが特徴です。
主に親会社からシステム開発や運用、保守の案件を請け負い、培った業務知識や技術をもとに、ハードウェア開発の提案をします。
さらに、他社からの案件も請け負います。
この時、業界や企業は限定されていますが、ユーザーに近い立場で課題解決に努めることができます。
職種内容②:メーカー系SIer
ユーザーの課題に対してハードウェアを中心に開発を行う情報機器メーカーが、情報システム開発部門を独立させて、トータルで手掛けている業態です。
情報システムの提案から構築、運用までを担い、大規模なプロジェクトに携わりながら、IT関連の知識を深めていくことができます。
親会社が大手メーカーのグループ企業ということもあり、比較的経営が安定しています。
メーカーの情報システム部が基盤となっているため、案件数は安定していますが、仕事内容が自社の案件のみに限定される場合があります。
職種内容③:独立系SIer
親会社を持たず、独自の経営でシステム開発やソリューション提案をしている企業です。
特定の親会社はないため、企業や業界に縛られず、顧客に合った解決策を提案します。
多様な技術を追求でき、大手企業から中小企業まで存在するのが特徴です。
また、親会社に経営を左右されないため、比較的昇進や出世がしやすい傾向です。
新しいものを取り入れる柔軟性が高い企業が多い傾向にあります。
それゆえ、斬新なアイデアや最新の技術を駆使して業務に取り組めるといえます。
職種内容④:外資系SIer
グローバルに事業を展開するIT企業で、システム開発事業を担う海外に本拠を置く日本法人の企業です。
海外で開発されたソリューションを日本企業へ導入し、パートナー企業と協力し合い開発業務に取り組みます。
扱う案件は国際的で大規模なプロジェクトが多いため、将来的に世界規模で自分の技術を活用したい人に向いています。
また日本のような年功序列はなく、実績で評価されるため、年齢や性別に囚われずに活躍できます。
職種内容⑤:コンサル系SIer
企業の経営課題の発見や改善に焦点を当てて、ITを解決手段としてシステム開発に携わる企業です。
経営戦略やIT戦略の支援を強みにして、開発案件にも取り組みます。
今後デジタル化が加速されていくと考えられるので、さらに需要が高まっていくと予想されます。
高度なスキルを要するため、IT業界の職種の中でも高収入です。
しかし開発業務がメインではないため、プロジェクト運営力は他のSierと比べて比較的劣る傾向にあります。
参照ページ
Sier業界の市場規模・推移
2020年におけるSierの市場は12兆9,102億円で、2021年では、13兆5,500億円となり前年度比4.5%増となりました。
2022年は13兆6,400億円、2023年度は13兆8,800億円となっており、年々市場規模は大きくなっており、さらなる成長が期待できる業界だといえます。
益々ネットワークの成長が加速され、需要が高まるのではないでしょうか。
参考ページ
Sier業界の売上高ランキング
Sier業界に関する企業の売上高ランキングは上記のグラフ通りです。
上記企業はSier業界に属していますが、事業内容や規模は異なり、大手の富士通やNECは比較的数値が高くなっています。
しかし、オービックやTISなどの企業も今後発展していく企業だといえます。Sier業界を志す際は、選考に進む前に各企業の事業内容を調べることが必要です。
専門的な分野に特化している事業なのか、あるいは多角的に展開している総合企業なのかを把握しておきましょう。
参照ページ
Sier業界の大手企業紹介
売上高ランキング上位5つの会社をご紹介します。
- 日立製作所
- NTTデータ
- 伊藤忠テクノソリューションズ
- 富士通
- NEC
企業①日立製作所
出典:【社食訪問記】株式会社日立製作所(「産業・流通」「水」ビジネスユニット)
日立製作所は、長年国内の総合電機メーカーとして高い知名度を誇る企業です。
事業範囲は幅広く、近年では進化した社会イノベーション事業を展開し、ITの活用と競争で地球規模の課題へ挑んでいます。
Sier事業の売上は2.3兆円ほどで、国内トップクラスです。
企業②NTTデータ
出典:NTTデータグループが決算、鍵を握るデータセンター事業と海外事業
NTTデータは、日本全国への営業や海外企業を含めた組織改編を行う情報サービス事業最大手の企業です。
データ通信やシステム構築事業を行っており、近年では世界への展開も加速させようとしています。現在では海外拠点は55ヶ国208都市にまで広がっています。
主に公共分野や金融、製造、通信などの法人向けのシステム構築に尽力しています。3兆円越えの売上を誇る、日本企業トップといえる企業です。
企業③伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズは、伊藤忠商事株式会社を親会社とし1972年に創立されました。
情報通信分野のインフラ構築が強みで、多くのITベンダーとパートナーシップを築いています。
顧客の要望に合わせた適切なソリューションを提供できることが特徴です。
ネットワークシステムの管理やソフトウェア受託開発、情報処理、科学、工学系情報サービスのサポートなどの事業を行っています。
企業④富士通
出典:富士通JAPAN
1935年創業の富士通は、テクノロジーを基盤に置きサーバー製品の国内シェアが高い
グローバルICT企業です。
理化学研究所と共同でスーパーコンピューター「富岳」の開発も手がけており、さまざまなテクノロジーサービスやプロダクト、ソリューションを提供しています。
保守的な風土で、技術力が強みの業界トップの地位に居続けています。
ITサービスでは国内No.1を誇り、世界的にも上位のシェアを占めています。
企業⑤NEC
出典:NEC公式サイト
創業120年を超えるNECは、デジタルテクノロジーを活用してDXを進め、情報通信サービスの提供や情報通信機器の製造、販売を行うIT企業です。
マネジメント業務を中心に、社会のあらゆる安全、安心、公平を先進のIT技術で実現します。
優秀な人材が多く、最先端の技術を駆使して技術革新に努めます。
参照ページ
Sier業界で働くメリット
Sier業界で働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは代表的な2つのメリットについて確認してみましょう。
メリット①さまざまなスキルが習得できる
SIerはさまざまなクライアント企業の案件に従事します。
多岐にわたる業務に関われるため、汎用性の高いスキルを習得できるといえます。
なぜならITの業務以外にも対応する場面が多いからです。
ITシステムの構築や運営に加えて、プロジェクト管理やサポートなど、ビジネス全体の視点を持った業務も行います。
そのため、コミュニケーション能力やプレゼンテーションスキル、資料作成やマネジメントスキルなど、幅広いスキルを習得できるといえます。
メリット②規模の大きいプロジェクトに携われる
SI業界には豊富なプロジェクトが数多くあるため、規模が大きいプロジェクトを担うこともあります。
プロジェクトの大きさとしては、主に中〜大規模なシステム開発を手掛けるケースが多いです。
分野を問わず、システム開発の全工程に携わることができるため、多様な経験を積むことが可能です。
Sier業界で働くデメリット
Sier業界で働くことはメリットだけではありません。
サイバーセキュリティ業界で働くデメリットには下記の2つのようなものがあります。
デメリット①最新の技術を学びにくい
Sierは大規模なプロジェクトに関与することが多いですが、規模の大きいシステムほど古い技術を使用することが多いため、最新技術を学ぶ機会が少ないのです。
なぜなら、既に研究されつくした古い技術を使ったほうが効率よくリスクを最小限に抑えられるからです。
また、プロジェクトの安定性や品質を重視するため、新しい技術への導入には慎重で、時間を要します。
そのため、最新の技術を学ぶ機会が少ないといえます。
デメリット②企業規模によっては給料が上がりづらい
大規模なプロジェクトに携わる機会が多いSierですが、下請けSierの場合は給料が低かったりなかなか給料が上がらないことが多いです。
なぜなら下請けSierは、比較的小さなプロジェクトを扱う機会が多いため、得られる利益が少額になるからです。
企業の規模やスキルや経験に応じて昇給がある企業かどうかをしっかり確認してから従事しましょう。
Sier業界への就活を成功させるためには
まず初めに就活に関する基本的なこととして、業界関係なく事前対策が合否に大きく関わります。
エントリーシートのブラッシュアップ、面接対策は何度も行いましょう。
また、この業界を志望する理由は明確に書くことも必須です。
その上で、志望動機を書く際の注意点や大切なポイントが4つあります。
それぞれの特徴とSier業界でよくある志望動機を見ていきましょう。
①なぜSier業界なのか
- 複数ある業界の中からなぜSier業界なのか
- Sier業界でしか達成できないことはあるか
②なぜその企業なのか
- 数ある企業の中でなぜその企業を志望するのか
- 競合他社との違いは何か
③なぜその職種なのか
- 志望する職種で成し遂げたいことはあるか
- その職種の魅力は何か
④Sier業界の今後
- Sier業界は今後どう発展すると考えるか
- 今後取り組みたいことは何か
上記の4つ内容に相違はないか、論理的に破綻していないかを確認ましょう。
自身が企業や業界を通じて達成したいことにマッチするかがポイントです。
ES・面接頻出質問をご紹介
Q.なぜこの業界・弊社を志望しているのですか?
A.私が貴社を志望する理由は、多種多様なシステム開発ソリューションを通じて、業界を率先する人材になりたいと考えているからです。
私は大学で情報工学を専攻し、プログラミングやデータベースの知識を身につけてシステム開発の重要性を学びました。
貴社は、幅広くシステム開発を手掛けており、私は自分の経験や技術を活かして社会に貢献したいと考えています。
入社後は、まずはプログラミングのスキルを磨き、一人前のシステムエンジニアとして活躍したいと考えています。
この質問返答を4つのフレームワークに当てはめて回答すると以下のようになります
なぜSier業界なのか
- 顧客や社会のためにシステム開発を通して役に立ちたい
- 最新の技術を活用してより便利な社会をつくりあげたい
なぜその企業なのか
- 競合他社にはない◯◯が魅力で、自身のスキルアップにつなげたい
- 貴社の◯◯という強みを活かし、高度なシステム開発にチャレンジしたい
なぜその職種なのか
- 数ある職種の中でも◯◯に特化しており、その業務を通して◯◯を成し遂げたい
このように自分の挑戦したいことを志望理由に混ぜながらその企業や業界の特徴を関連づけるとベストです。
また、具体的な面接対策を紹介している記事などが他にありますので、是非合わせて読んでみてください。
まとめ
本記事ではSier業界について解説しました。近年益々成長し拡大している業界であるため、需要が大きく志望者が多くなっている業界だといえます。
そのため、志望理由や業界を志す目的を明確にして就活に励んでください。