【性格検査】YG性格検査ってどんな検査?概要や試験内容・判定結果について紹介します!
2024年1月20日更新
はじめに
本記事では、就職活動の性格検査で用いられる「YG性格検査」について解説します。
「YG性格検査ってどんなテスト?」
「YG性格検査でどんなことが分かるのか知りたい!」
「YG性格検査を受けるときに意識するべきポイントは?」
上記のようなあらゆる悩みを持つ就活生に対して有益な情報をまとめてますので、ぜひ最後まで読んでいってください!
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性格検査とは
性格検査とは、就職活動時に学生の性格を客観的に分析するための検査です。
一般的には「適性検査」という名のもと、企業が採用面接時に学力検査と性格検査を同時に行って、就活生の能力や人物像を見極めていきます。
性格検査を企業が行う理由は、主に下記2点が挙げられます。
- 企業の社風、風土と学生の人物像がマッチしているか把握するため
- 面接官が面接時で感じた就活生の印象が、客観的な分析結果と比較して大きく乖離しないか
上記の内容は、企業が効率的に就職活動を進めていくことに繋がります。
また2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってWeb面接を実施する企業が増えていますが、Web面接の実施は対面の面接に比べて「学生と企業のミスマッチ」のリスクを拡大する可能性があり、それを懸念する声も高まっています。
従来においても「性格検査」は常に多くの企業が実施していましたが、Web面接の推奨により、性格検査結果の重要性はより高まってきているといえます。
性格検査は選考でどれくらい重要?
「性格検査」を実施するタイミングは企業によって様々ではありますが、大抵の企業はエントリーシート提出後で、1次面接実施前に行います。
具体的には、エントリーシートの内容と適性検査の結果を総合的に判断して、1次面接に呼ぶかどうかを判断する企業が多いです。
先ほども述べましたが企業は効率的に優秀な学生を採用したい意図があり、例えば最終面接前に適性検査を実施した場合に、採用してはいけないほどに能力や性格が欠落していることが判明したら、今までに費やしてきた時間が無駄になってしまうためです。
上記のような、企業側が持つ適性検査の役割を把握すると
「性格検査の結果のせいで落ちたくないから、なんか対策方法はないかな…」
というように、性格検査に対して不安を感じてしまう方も少なくありません。
しかし結論から申し上げますと、性格検査の結果が原因で選考に呼ばれなくなる可能性は「極めて低い」といえます。
性格検査はあくまで学生を見極めるための補助的なツールであり、1次面接前に呼ばれなかったケースがあれば、
- 学力検査の点数がボーダーラインを割ってしまった
- エントリーシートの内容が合格点に満たなかった
- 学歴フィルターに引っ掛かっていた
- OB・OB訪問を実施した学生しかそもそも選考に呼ばない
など、性格検査でない他の要素が原因となって落選するパターンが大半です。
そのため、性格検査よりもエントリーシートや学力検査のために時間を使っていくことをオススメします。
YG性格検査の概要
YG性格検査とは「矢田部ギルフォード性格検査」の略語で、企業が採用を行う際に用いる「性格検査」の1種になります。
アメリカの心理学者「ジョイ・ギルフォード(Joy Paul Guilford) 」が独自の研究で作成した「ギルフォード性格検査」をもとに、京都大学名誉教授の心理学者「矢田部達郎」が日本人向けに作成した性格検査で、50年以上にわたって研究されてきた歴史があります。
現在でも多くの企業が「採用」と「組織開発」のために利用し、また教育機関(官公庁、大学・高校・専門学校など)でも幅広く利用されています。
当初は検査の用紙に回答を記載して性格診断を行っていく「筆記式」が主流でしたが、ネット需要が高まったことをうけ、Web上でYG性格検査を受験できる「YGPI-WEB」も誕生し、変化し続ける社会の中で柔軟に対応しています。
またYG性格検査を受けることで下記4つの適性性格が分かると言われています。
- 情緒特性(情緒が安定しているかどうか)
気分にムラがある、不安定な行動をしやすい、などがわかります。
- 人間関係特性(人間関係の築き方)
社交的な性格か、協調的な性格か、などがわかります。
- 行動特性(物事の取り組み方)
積極的、衝動的など、生活態度や姿勢がわかります。
- 知覚特性(物事の捉え方)
主観的か客観的か、現実的か空想的かがわかります。
参照・引用ページ:
YG性格検査の分析内容
50年以上にわたって研究を重ね、多くの企業から信頼を得ている「YG性格検査」ですが、実際にこの性格検査を受けることでどのような内容を分析できるのでしょうか。
YG性格検査のホームページでは「企業向け」と「学校向け」にサービスが紹介されていますが、就職活動で用いられるのは「企業向け」の性格検査になるため、下記で紹介します。
メリット(企業向け)
面接の印象に加えて、客観的な内容で判断できる。
人材採用や配属先を決めていく際に、その人の見た目や受け答えなど「外見的」な印象から、つい主観的に判断してしまい、上手くいかなかったことはありませんか?
そのような悩みを解決するためには、その人の「人間性」を、より客観的に判断することが重要です。
YGPIを実施することにより、その人が持つ個性や適性が見えてくるので、客観的な判断材料となり、より高度な採用・人材配置・育成の実現に繋がります。
採用のミスマッチを未然に防ぐ。
新しく採用した人材が、人間関係で悩んだり社風が合わず早期離職してしまう…なんてことは少なくありません。
しかしYGPIを実施すれば、判定結果からその人がどのような「性格」なのかを面接を行う前に把握することができます。
そのため事前に「その人にとって入社した後にミスマッチが起こりそうな場面」を想定した質問を用意するなど、適切な準備をした上で面接に臨むことができます。
選考にかける時間短縮や、人員削減ができるなど「効率性」を追求できる。
YGPI-WEBを利用すれば、受検者はお手持ちのタブレットやパソコンにて自宅などで検査を実施できます。
そのため、検査会場まで移動するための時間・費用など、受検者の負担を削減できます。
また、企業の人事担当者は、検査会場の設営、検査監督、採点…様々な手間が省けるので、従来の性格検査よりも大幅に人件費コストを抑えることができます。
学生ごとの最適な配属先を決められる。
YGPIの判定結果から、その人の得意・不得意の傾向がわかるので、どのような仕事が向いているかを判断しやすくなります。
最適なポジションに就かせることで、その人が本来持つ能力をしっかり発揮でき、本人のモチベーション維持や、ひいては会社の生産性向上にも繋がります。
「本人の希望」や「周囲の評価」などの主観的な意見だけでなく、判定結果のような客観的な判断材料を持つことで、より効果的な配置転換を実現します。
引用ページ:YGPI-WEB YG性格検査 WEB版|日本心理テスト研究所株式会社 (sinri.co.jp)
5分類の診断結果(企業向け)
またYG性格検査によって5つのタイプに分析することが可能です。
A‐TYPE
グループ内でバランスを取るのが上手く、調和的な思考を持つ性格です。
(適性職種の例)
進行管理・管理職・企画
B‐TYPE
活動力、行動力を兼ね備え、先陣を切って行動を起こせる性格です。
(適性職種の例)
プロジェクトリーダー・企画開発
C‐TYPE
確実性・堅実性が高く、根気強さがあり、情緒的に安定している性格です。
(適性職種の例)
経理・進行管理・ライン作業・企画
D‐TYPE
社交的でコミュニケーション能力に優れ、気配り上手な性格です。
(適性職種の例)
営業・企画・管理職
E‐TYPE
論理的に物事を捉え、一つのことに集中して取り組める性格です。
(適性職種の例)
技術者・企画立案・専門職
引用ページ:
YG性格検査の試験内容
上記ではYG性格検査を受けることによるメリットや診断結果について紹介しましたが、次に実際の試験内容について紹介していきます。
試験概要(用紙・Web)
記載内容 | 用紙(筆記) | Web |
問題数 | 120問(3択選択式) | 120問(3択選択式) |
所要時間 | 約25分 | 約15分 |
試験時に必要なもの | ・YGPI受検アカウント | ・YGPI回答用紙 ・黒ボールペン ・オペレーションガイド ・施行用CD ・検査実施判定マニュアル |
参照ページ:YGPI-WEB YG性格検査 WEB版|日本心理テスト研究所株式会社 (sinri.co.jp)
またYG性格検査は「強制速度法」による試験を実施する点が特徴的です。
強制速度法とは、試験の監督者が質問を読み(または録音を流し)、そのペースに合わせて受講生が回答していく方法です。
質問内容を音声でしか把握できないため、受講者は次の質問が始まる前までには読み上げた質問に回答しなければいけなくなります。
そのため、回答を意図的に操作することを防ぎやすいメリットがあります。
参照ページ:Y-G性格検査とは?やり方や結果の解釈、代表的な類型について解説 – Psycho Psycho (psycho-psycho.com)
回答に一定の速度が求められる性格診断ですが、実際に質問される内容はシンプルで、また回答も3択選択式(「はい」「どちらでもない 」「 いいえ」)で答えていく形式のため、雑念なく回答していければ決して時間が足りないとは感じにくい内容といえます。
YG性格検査の判定結果について
YG性格検査では受講生の回答をもとに、「型判定結果」と「プロフィール表」の2つの表で検査結果が表示されます。
型判定結果
先ほどの「5分類の診断結果(企業向け)」で記載した5つの型を用いて、受講者の性格を表します。
- A‐TYPE(集団の中で調整役を担う力がある)
- B‐TYPE(活発な性格で、先陣を切って行動を起こすことができる)
- C‐TYPE(メンタルが安定している、粘り強くて堅実性も兼ね備えている)
- D‐TYPE(高いコミュニケーション能力を持ち、社交性に溢れている)
- E‐TYPE(論理的に考えるのが得意で、高い集中力を発揮できる)
プロフィール表
プロフィール表の場合はさらに12の尺度を用いて受講者の性格をより詳細に分析します。
【プロフィール表の12の尺度について】
D尺度
「抑うつ性」を表す尺度です。
得点が高いとうつの症状がよく出ると判断でき、得点が低いとうつの症状が出にくいと判断できます。
具体的には得点が高いほど、ネガティブな感情(罪悪感・悲壮感など)になり気分が落ち込みやすく、得点が低いとポジティブ(楽観的・明るい)な性格といえます。
C尺度(気分の変化)
「気分の変化」を表す尺度です。
メンタルが不安定な人ほど得点が高くなり、情緒不安定で感情が変化しがちと言えます。
一方、得点が低いとメンタルが安定し、感情に支配されず常に冷静に物事を考えられるといえます。
I尺度(劣等感)
「劣等感」を表す尺度です。
他人と自分を比較する時に起きる感情の傾向を分析することができ、高得点なほど自分に自信が持てず、「自分は他人より劣っている」と判断してしまいます。
一方、得点が低い人は自信に満ちている方ということができ、点数によっては「自信過剰」と判断されるケースもあります。
N尺度(神経質)
「神経質の加減」を表す尺度です。
点数が高い人ほど、心配性な性格で他人が不安に感じないような細かいところも気になってしまいます。
一方点数が低いと、細かいことが気にならないために精神が安定していると判断できますが、
あまりにも点数が低いと「無神経」で、デリカシーの欠ける人物と判断されてしまうかもしれません。
O尺度(客観性)
「客観性」を表す尺度です。
点数が高いほど主観的で、点数が低いほど客観的に考えて判断ができるといえます。
Co尺度(協調性)
「協調性」を表す尺度です。
点数が低いほうが「客観的な人物」と判断することができ、壁を作らずに人を信頼しやすい傾向があります。
一方で、点数が低い場合は人間不信的な一面があり、それ故他人に対しては協力的な姿勢をとらない傾向が強くなります。
Ag尺度(攻撃性)
「攻撃性や衝動性」を表す尺度です。
点数が高い人ほど積極的な行動をし、また我慢ができず短気な性格と判断することができ、点数が低い人ほど行動力や積極性に欠けますが、他人に対して優しく接する性格の持ち主といえます。
G尺度(活動性)
「心身両面の活動力」を表す尺度です。
点数が高いと行動力が高いが、慌てやすいと判断でき、点数が低いと行動するまでは遅いが、慌てず冷静に対処できる傾向があるといえます。
R尺度(決断力)
「決断力」について表す尺度です。
点数が高いほど決断までが早く、逆に点数が低い人ほど決断力に乏しく慎重な性格といえます。
T尺度(思考的外向)
「物事を深く考えるかどうか」を表す尺度です。
点数が高いと、小さいことを気にしない「大雑把な性格」と言えます。
一方得点が低いと、深く思考することを苦としないような「計画的な性格」といえます。
A尺度(リーダーシップ)
「リーダーシップ」を表す尺度です。
点数がが高いと、リーダーシップが高い人物と言うことができ、指導に対する意欲・自己顕示など「他者を引っ張る」ことができる傾向があります。
一方点数が低いと、他人についていく人物像と言うことができ、大人しく服従的である傾向が高いと言えます。
S尺度(社交性)
「社交性」を表す尺度です。
点数が高いと、人と関わることが好きで社交性あふれる人物である可能性が高く、一方点数が低いと、一人でいることが好きで社交性があまりない人物といえます。
参照・引用ページ:
Y-G性格検査とは?やり方や結果の解釈、代表的な類型について解説 – Psycho Psycho (psycho-psycho.com)
YG性格検査を受ける時に意識すべきポイント
YG性格検査を受けるときに意識するポイントは、他の性格検査と同様に「正直に答える」ことであると考えます。
YG性格検査は企業の選考で用いられ、企業側はこの診断結果を参考にして受講生の人物像を把握します。
採用するかどうか判断するうえでの要素になるため、学生の多くはできる限り企業側に好印象を感じてもらえるような診断結果にしたいと思うものです。
しかし強制速度法という形式の中で120の質問に「自分を繕って」答えると、回答に矛盾が生じてしまうこともあります。
また診断結果のみで採用・不採用を決断するケースは極めて稀で、あくまで面接をスムーズに展開していくうえでの参考資料と捉えても問題ないと考えます。
そのため、補助的な側面を持つ性格検査に囚われずに、後に行われる面接で最高の力を発揮できるように対策を練っていくことをオススメします。
まとめ
本記事では、【性格検査】YG性格検査ってどんな検査?概要や試験内容・判定結果について紹介します!というテーマで、就活生に役立つ情報をまとめました。
企業の採用・組織開発に加えて、教育機関でも使用されている性格検査であるだけあって、分析結果がより詳細に把握でき、また受講生の本質を把握しやすいように「強制速度法」を採用したりと、とても高度な性格検査であることがわかりました。
就職活動でYG性格検査を受ける機会があれば、本記事を参考にしながら「自分に正直に」回答をしていくようにしましょう。
この記事を参考にしてくれた学生の方々が、志望する企業から内定をもらえることを祈っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。