【学力検査】 公務員試験で行われる「基礎能力検査」の内容・難易度を徹底解説!

【学力検査】 公務員試験で行われる「基礎能力検査」の内容・難易度を徹底解説!

2024年1月20日更新

はじめに

本記事では、公務員の学力検査で用いられる「基礎能力検査」について就活生向けに紹介していきます。

「基礎能力検査って何?」

「基礎能力検査って簡単で対策不要なの?」

「基礎能力検査を使用する自治体の特徴を知りたい!」

上記のような悩みを持つ様々な就活生に対して有益な情報をまとめてますので、ぜひ最後まで読んでいってください!

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基礎能力検査とは

基礎能力検査とは、公務員試験の採用で用いられる学力試験のうちの1つを指します。

採用試験に基礎能力検査を用いるのは市役所をはじめとした、中規模〜小規模の地方自治体が多いという特徴があります。

また基礎能力検査と称して試験を課す自治体が、すべて同じ形式の試験を採用しているわけではなく、各自治体で使用する試験が異なる点に注意が必要です。

そのように様々な試験の形式が採用されている基礎能力検査ですが、最も利用されている形式が「SCOA総合適性検査」と呼ばれる試験です。

この試験は株式会社日本経営協会総合研究所(通称:NOWA総研)が1985年に開発された適性検査で、年間でいうと約2,000以上もの団体が利用している実績があります。

そしてSCOA総合適性検査の中でも数種類の試験形式があり、また民間企業でよく採用される

SPIをはじめ、玉手箱、GAB、TG‐Webも基礎能力検査に用いられるケースがあります。

そのため、基礎能力検査とは「公務員試験の選考で行われ、自治体によって採用する形式が異なる」試験だということができます。

参考・引用

公務員試験とSCOA|公務員試験ラボ (koumuin-lab.com)

SCOAを導入する市役所が増加中!見分け方やSPIとの違いを解説 (komuin.net)

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選考における学力検査の重要度

公務員は国家公務員・地方公務員など種類が多岐に渡りますが、民間企業の採用面接と比較すると、内定を獲得するための学力検査の重要度が相対的に高いです。

そのため、公務員と民間企業の選考フローの違いについて下記で紹介します。

・公務員試験の選考フロー(1例)

①受験申込(エントリーシート提出)

②1次試験→学力検査

(基礎能力検査含む。試験内容は、教養・専門・論文試験の3種類が一般的で、教養・専門試験の解答方法は、マークシートによる五肢択一式です。

③2次試験→集団面接・個別面接

(国家公務員など難易度の高い職種については、記述式試験がプラスで行われることも)

④最終合格者の発表

⑤個別面接(意思確認)

公務員の場合は上記のようなフローで進むパターンが多いです。

受験申し込み時に、後の個別面接で利用するための「エントリーシートを提出」をする必要がありますが、内容は「自己PR」と「志望動機」に関するオーソドックスな問いが一般的と言われています。

そして次に「1次試験」に進みますが、学力検査として実施される「1次試験」の出来をもとに2次試験へ進める学生を決めていきます。

1次試験は内容が3種類(教養・専門・論文試験)行われるため、しっかりと試験対策に時間を充てないと1次試験突破することができないといえます。

そのためTACや東京リーガルマインド(LEC)などをはじめとした「公務員予備校」と呼ばれるサービスに申し込み、長期的に対策を進めていく学生も多いです。

「2次試験」では面接が実施されますが、国家公務員などについてはこのフローで再度記述試験を行うケースも。

複数の試験を終えてはじめて「最終合格者」という形で内定の可能性が高い学生がピックアップされ、意思確認含めた個別面接を最後に行い内定を出していきます。

・民間企業の選考フロー(1例)

①マイページ登録・エントリーシート提出

②学力検査・適性検査

③個別面接(2~3回)

④最終面接

民間企業は上記のパターンで選考が行われることが多いです。

内定獲得のために最も重要な内容が個別面接の評価で、個別面接を進めていくうえでの材料となるのがエントリーシートになるため、エントリーシートの出来も重要です。

そしてエントリーシートの内容も、企業によっては「ガクチカ」「自己PR」「志望動機」に加えて多くの特徴的な問いを設けてくる企業があり、エントリーシートの作成にも時間をかけていく必要があります。

また民間企業の中には「学歴フィルター」を設ける企業もあり、学歴フィルターで定められたボーダーライン未満の学生や、エントリーシートの出来があまりよくない学生は個別面接に進むことができません。

また公務員の場合は学力試験の出来が内定獲得のために重要になりますが、民間企業の場合は「個別面接に呼びたい学生が最低限の学力をしっかり持っているか」を確認する、という役割で学力試験を利用する場合が多いです。

そのため公務員予備校と呼ばれるようなサービスもなく、学生は書店で購入した参考書で試験対策を進めていきます。

民間試験の場合は、あくまで「学生が最低限の学力を持っているか」という点を判断するための選考フローのため、公務員の就職活動における学力検査とは大きく違うものになるといえます。

参考・引用

公務員試験の採用の流れがわかる!準備のポイントや試験区分・学習開始のタイミングを解説|ユーキャンの大卒公務員通信教育講座 (u-can.co.jp)

基礎能力検査の難易度・内容について

基礎能力検査は公務員試験特有の学力検査ですが、尾張旭市のホームページには基礎能力検査の難易度について以下の記載があります。

社会で必要とされる基礎的な知的能力、応用力、学力を測定する検査で、難易度は高校1~2年程度の教科書レベルのため、試験対策をしていない方も、解きやすい問題が多い試験になります。

引用:採用試験に関するよくある質問 – 採用 – 尾張旭市公式ホームページ(人事課) (owariasahi.lg.jp)

難易度は高校生でも解けるレベルのものが多いようで、また「試験対策をしていない方も、解きやすい問題が多い試験になります。」という紹介文が特徴的です。

民間企業の選考に比べて重要度の高いと記載した公務員試験の学力検査ですが、基礎能力検査については学生によっては、対策に時間をかけなくても高得点が狙える内容といえます。

また基礎能力検査の内容としては「五肢択一式」が大半で、一般知能(知能分野)と一般知識(知識分野)に分かれているため下記で紹介します。

・知識分野とは

一般知能は、計算能力が問われる「数的推理」、論理的な思考が問われる「判断推理」、グラフや図表などのデータを読み解く「資料解釈」、現代文・英文・古文を読んでその内容・要旨が問われる「文章理解」の4科目が課されます。

また、数的推理では計算問題で、判断推理では展開図や軌跡などで、平面図形や立体図形も出題されます。

東京都特別区など一部の公務員試験では、これら数的推理や判断推理の図形問題を、「空間概念」「空間把握」という科目として課すこともあります。

文章理解に関しては、長めの問題文を読んでその内容に沿った選択肢を選んだり、複数の文章の適切な順序を選ぶという問題が見られます。

大半は現代文か英文で、古文・漢文が出ることは稀です。

・知識分野とは

一般知識(知識分野)は、社会科学、人文科学、自然科学の3分野に分かれます。

高校で学習する内容に相当します。

国家総合職など難関と言われる公務員試験を除き、一般的な公務員試験なら、基礎~標準問題が中心で、未習科目でも十分に対応できます。

・社会科学

政治、経済、法律、時事問題

・人文科学

日本史、世界史、地理、思想(倫理)、文学・芸術

・自然科学

物理、化学、生物、地学、数学

引用

教養試験(基礎能力試験)とは? | 公務員試験ガイド (bcmguide.com)

要するに知能分野は「数学・国語」に関する内容で、知識分野は「理科・社会」に関する内容が多く出題され、難易度は高校で教わるレベルの内容、ということになります。

また基礎能力検査の形式は先ほど述べたように「SCOA」「SPI」「玉手箱」など多岐にわたり、それぞれで試験内容の特徴があるため、次章以降では各試験形式の内容について述べていきます。

基礎能力検査「SCOA」とは

基礎能力検査として最も有名といわれているのは「SCOA総合適性検査」で、コンセプトはホームページにて以下で紹介されています。

『人を知り、人を活かす』これがSCOA総合適性検査のコンセプトです。

SCOA総合適性検査は、ひとりひとりの個性を理解し、持ち味を生かすことを目的として、1985年に開発されました。

”テストを受ける個人の幸福”を第一に考え、その内容は、若林明雄氏(千葉大学名誉教授)を委員長とする「人事測定・評価開発研究委員会」によって、常に厳しく分析・検証され、信頼性の高いデータの提供に努めております。

引用:SCOA総合適性検査 | 株式会社 日本経営協会総合研究所 (noma.co.jp)

またSCOAの特徴としては、試験を通して個々人の「知・情・意」という3つの側面を見極めることができると言われています。

・「知」→基礎的な知的能力や実務遂行能力などの知的側面

・「情」→持って生まれた気質

・「意」→後天的に形成される性格や意欲

引用:SCOAを導入する市役所が増加中!見分け方やSPIとの違いを解説 (komuin.net)

そのように個々人を多面的に分析できるといわれるSCOAですが、SCOAは具体的に以下3種類あります。

・基礎能力の理解:「SCOA A・F」

・パーソナリティの理解:「SCOA-B」

・事務能力の理解:「SCOA C」

SCOAの試験は60分間で120問に答えていく形式で、1問あたりに費やすことができる時間は平均で「30秒」でとても少ないという特徴があります。

また出題内容は「言語・数理・論理・常識・英語」に分かれていて、「常識」という分野がいわゆる知識分野(理科・社会)に当たります。

先ほどは「基礎能力検査は問題の難易度が高くない」というような記載もしましたが、解くスピードが必要になるため、制限時間を意識した対策は事前にやっておくことをオススメします。

またSCOAは全ての問題を正確に解くことを目指すというよりは、「自分が正解できる問題を必ず正解させる」という意識を持って試験を受ける意識も必要といえます。

SCOAの「試験会場」については以下3つのパターンがあり、各自治体ごとで受験場所が異なります。

・テストセンター

全国の提携試験会場に足を運んで、パソコンを利用して解答する ・受検者が都合の良い会場・日程を選んでSCOAの受検が可能

・自宅

自宅においてPC、タブレット、スマートフォンいずれかを準備して受検する

・指定会場

紙のマークシート方式の場合によく見られる ・企業や団体が指定した会場や日程でSCOAを受検する

参考・引用

SCOAを導入する市役所が増加中!見分け方やSPIとの違いを解説 (komuin.net)

基礎能力検査(その他)の解説

先ほどは「SCOA」について解説しましたが、近年は応募者数の増加を目的として民間企業との併願ができるように、民間企業と同様に「SPI」「玉手箱」などを利用する自治体も増えてきています。

またSPIや玉手箱は総じて知識分野(理科・社会)が導入されていない試験のため、SCOA以外の基礎能力検査の場合は知能分野(国語・数学・英語)のみの出題になると考えられます。

そのため、下記では基礎能力検査として利用された実績がある「その他学力検査」について、3つ解説していきます。

・SPI

「Synthetic Personality Inventory」という各単語の頭文字をとった言葉で、リクルートマネジメントソリューションズが開発した学力検査です。

年間約15,000社の採用試験で利用されていると言われているほどメジャーな試験で、主に「能力検査」と「性格検査」の2種類があります。

能力検査においては「言語・非言語」の2種を試験内容とする企業が大半ですが、実際には以下4種類の試験を設けることができます。

・言語分野(国語)

・非言語分野(数学)

・英語能力検査(英語)

・構造把握(5つの文章において、文章構造が一致・類似しているペアを選択する)

SPIは点数換算ではなく「偏差値換算」で、出題される問題についても受験生ごとで異なる特徴があります。

難しい問題に正解していくことが高偏差値に繋がり、また「低い難易度の問いをしっかり正解する」ことで難しい問題が出題されるために必要です。

高偏差値をとる条件に全ての問題を解き終えることは含まれないため、出てきた目の前の問題を確実に正解することを意識していきましょう。

参考

SPIとは?対策方法から練習問題まで大公開!全341問解説付き | SPI対策問題集 (careermine.jp)

・玉手箱/C‐GAB

これらは「日本SHL社」が作成している学力検査で、「言語(国語)」「計数(数学)」を出題していく点も玉手箱とC-GABでかなり類似しています。

一方、玉手箱とC-GABの違いは試験会場と電卓の使用有無です。

・試験会場→玉手箱は自宅または会社、C-GABはテストセンター

・電卓→玉手箱は電卓使用「可能」、C-GABは電卓使用「不可」

試験時間に比べて出題数がとても多く、SPIとは異なり時間との勝負になります。

そして問題の特徴も「文章問題」や「図形の読み取り」などSPIと異なるため、SPIとは別に対策を進めていく必要があります。

また、日系の大手企業の場合は「6~7割」をボーダーラインに設定していることが多いと言われていますが、公務員試験の基礎能力検査は「そこまで難しくない」と言われているため、ボーダーラインは日系大手に比べて低くなると予想します。

・TG‐Web

ヒューマネージ社が開発したテストで、近年利用する企業が増えている学力検査です。

試験内容は言語・計数・英語で、また試験の形式が「旧型」と「新型」の2種あり、特徴は以下になります。

・旧型→問題の難易度が高い

(言語・英語は難解な文章が多く、計数は展開図や暗号といった「頭の柔らかさ」を問うような内容が大半)

・新型→問題は単純で簡単だが、時間がない。

(言語は7分で34問、係数が8分で36問出題)

TG‐Webの場合も大手企業のボーダーラインは「6~7割」といわれていて、基礎能力検査でTG‐Webを用いる場合は玉手箱やC-GABと同様に、ボーダーラインを低く設定すると予想します。

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SPIなどの適性検査に自信がない学生は多いでしょう。

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SPIの出題範囲である言語/非言語/英語といった問題を完全網羅しています。

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この機会にぜひ、問題集を解いて対策しておきましょう。

SPI頻出問題集

URLによる試験形式の見分け方

新卒採用についての学力検査を行う場合に、自治体側は

「SPIを受けてください。」

「基礎能力検査はSCOAです。」

のように試験の形式を直接的に伝えてこないケースがあり、その場合に困ってしまう学生は少なくないです。

またインターネット上に載っている「選考体験記」を見れば、過去の基礎能力検査内容について確認できますが、いきなり次年度から試験の形式を変えてくるケースもあります。

一方、だからといってヤマを張って運任せで、試験開始後に形式を把握しないといけない訳ではなく、企業から送られてくるURLで基礎能力検査の内容を把握できる場合があります。

そのため、下記で試験形式ごとのURLについて紹介していきます。

試験形式URL
SCOAapps.ibt-cloud.com
SPIaroruaを含む
玉手箱など

(日本SHL社の試験)

nsvs1.e-exams4または

nsvs2.e-exams4

TG‐Web・c-personalまたはe-gitestを含む

参考・引用

【公務員志望必見】テストセンター方式の基礎能力検査一覧 | SPI,玉手箱も | 就活の教科書 | 新卒大学生向け就職活動サイト (reashu.com)

Webテスト15種類の見分け方|URL一覧と形式概要を紹介 | 就活ならOfferBox=オファーボックス|企業からオファーがくる

 

まとめ

本記事では、【学力検査】 公務員試験で行われる「基礎能力検査」の内容・難易度を徹底解説!というテーマで、就活生向けに役立つ情報をまとめました。

基礎能力検査の難易度は高くないとされていますが、試験形式が様々あり、また公務員試験は民間企業に比べて学力検査の重要度が高いため、事前の対策を行っていくべき試験といえます。

自身の目標を達成する就職活動にできれば、今後の人生における大きな自信に繋がるため、内定獲得できるように地道に粘り強く対策を行っていきましょう!

この記事を参考にしてくれた学生の方々が、志望する企業から内定をもらえることを祈っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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