他の学生の「内定状況」なんて、気にしても仕方ない。

他の学生の「内定状況」なんて、気にしても仕方ない。

いつのまにやら、もう6月ですね。
この季節になると、いままで以上にまわりの学生たちのことが気になっちゃったりしませんか?

とはいえ、まぁ結論から書いてしまうならば、
「そんなん気にしてもしゃ~ないよ♪」
という話なのです。が、やっぱり学生のみなさんはちょいちょい気になっちゃったりもすると思うので、そのへんについて書いてみますね。

たとえば、わかりやすいのが、毎月発表される「学生の内定状況」ってのがあります。
(学生が見る必要なんてないので、リンクは貼りません。Yahooニュースに上がっていたとしても、見なくていいです)
その資料では、今年の学生たちの内定率がどれくらいか、例年と比べてどれくらい多いか少ないか、みたいなことが書いてあるんですが、あれってホントに意味がない。意味がないどころか、学生のみなさんにとっては、むしろ害悪でしかないので、ぜ~んぜん気にしないようにしましょう。

「内定状況」を見ても意味がない2つの理由。

ひとつめの理由は、「数字に信憑性がないから」です。

まずもって、リアルな数字じゃありません。ってか、リアルであるはずがありません。

だって普通に考えてみてください。こういうアンケートがWeb上に表示されていたとして、自分がすでに内定をとっている場合と、まだとっていない場合で、回答するかどうかはぜんぜん変わる気がしませんか。

それこそ早い段階で内定をとっていたら、「おしゃ~、自分はもってるぞ~う!」なんて気持ちになって、ちょいと協力(&自慢)してやろう、という気持ちで積極的に答えそう。

逆に、まだ内定がない場合、わざわざそんなアンケートに答えようとします? そんな心の余裕と、労力を割くほどの時間なんて、そんなにないと思うんです。

つまり、どう考えても、このアンケートに答えるのは「内定をとっている人」ばかりです。

そりゃ現実よりもカサ増しされていると考えたほうが、自然です。

 

さらには、アンケートの回答数を見ても明らかです。

基本的に、毎年就活をする学生は40万人くらい。

その人数に対して、たとえば就活初期に行われる「人気企業ランキング」を見てみると、回答数は多いところで4万8000人(マイナビ)、少ないところでも1万人(学情)です。1万人ですら、全体の2.5%でしかありません。

でありながら、「内定状況」のアンケートの回答者数を見てみると、リクルートで2000人、ディスコ(キャリタス)ではたかだか1300人程度。

母集団はほとんど変わらないはずなのに、回答者数が10分の1にまで減っている。こんなの信じてどうすんね~ん! としか思えません……。

もちろん媒体社としては、経年比較をして分析をする必要があったり、取引企業に向けて「もうこんなに学生たちは内定をとっているので、もっと採用に力を入れないとヤバいですよ!」と言うためには、こうした調査も大事です。

ただ、学生のみなさんにとっては、結局そういう背景を考えると、「だから何やねん」くらいの感覚でいいんです。というかむしろ、ホントに気にする必要がない。

「コントローラブル」だけに目を向けよう。

そして、気にする必要がない理由のふたつめ。

「知ったからといって、何も変わらないから」です。

 

世の中には、それを知ることで自分の人生や生活に「良い影響を与える情報」と、「良くない影響を与える情報」、そして「ど~でもいい情報」があります。

それはもちろん、受け手のスタンスや精神状況にもよるので、他の学生の内定状況を見ることで、「うまくいってる学生がこんなにいるんだ! よ~し自分も!」と奮起発奮できるなら、ぜひぜひどんどん見たらいいと思います。

でも、たぶん多くの学生にとっては、そうじゃないことのほうが多そう。

どちらかといえば、精神状態に「良くない影響を与える情報」である可能性が高そうです。

そもそも「内定状況」という情報なんて、学生のみなさんにとっては本来ただただ「ど~でもいい情報」でしかないんです。

だって、単純にその情報は、「自分のコントローラブルなものに影響を与えない」から。

せっかく自分が生きていて、使える時間と脳みそには限りがある。

そんな状況の中で、自分がコントロールできないものに対して、時間や脳みそを使っても仕方がありません。できるだけ自分がコントロールできるものに焦点を当てたほうが、自分の人生はよっぽど良くなる可能性が高いはず。

そしてそれは、ネガティブなものよりも、ポジティブなものに投下したほうが良いはずです。

「アンコントローラブル」は、妄想。

こんな感じです。

この4つの中で、いちばん効果的なのは、右上の「ポジティブ×コントローラブル」の部分です。自分にとってポジティブで、自分でどうにかできること。そこに、時間や脳みそを使っていきたい。

たまには「ポジティブ×アンコントローラブル」のことを考えるのも、いいかもしれません。自分でどうにかできるわけじゃないけれど、「こんなことがあったらいいな」、「こうなったら楽しいだろうな~」と想像するのも、精神的には良いことです。

 

この2つを考えた上で、それでもまだ脳みそにも時間にも、さらには精神的にも余裕があるなら、右下の「ネガティブ×コントローラブル」に目を向けてみる。減らすことのできそうなネガティブをへらすための方法を考えてみるのも、たまにはちょっと違った思考の練習になるでしょう。

 

で、いちばん考える必要のない、かつ意味がないどころか良くないことにしかならないのが左下の「ネガティブ×アンコントローラブル」の部分です。

ネガティブで、しかも自分ではどうしようもないはずのことをいくら考えたって、何も起きません。何も変わらないどころか、気持ちが沈んで良くないサイクルにハマっていっちゃうだけ。そんなことに、大切な時間と脳みそを使うなんて、もったいないこと極まりない……。

ゆ~たら、左側は「妄想」なんです。

 

それこそ、世の中の他の学生たちの「内定状況」なんて、ネガティブになるわ、自分でどうにかできるものではないわで、ホント~に無意味な妄想です。

そんなことを気にしてしまう時間があったら、酒でも飲みながら楽しいことだけ考えましょう。できればノートに書きながら。

 

この時期は、ちょこちょこと精神的に影響を受けることも増えたりします。そして、不安になればなるほど、就活病のウィルスはその心の隙間に入ってきて、すぐに感染しちゃいます。

できるだけ、そうしたアンコントローラブルなものに意識をとられないように、楽しくてコントローラブルなものだけ、考えていきましょう。

無意味な情報に振り回されて、ネガティブになっちゃう学生が一人でも減りますよ~に。

 

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ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人

光城 悠人

立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。

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