製薬業界と医薬品業界って違いはあるの?業界研究はこれで完璧!

製薬業界と医薬品業界って違いはあるの?業界研究はこれで完璧!

2023年11月26日更新

はじめに

製薬業界や医薬品業界は競争率の高く、就活生の人気もある業界です。

しかし、

「製薬業界と医薬品業界って似ているけど何が違うのかな?」

 

「製薬業界と医薬品業界はどんな業界で、詳しい仕事内容は何?」

 

このような疑問を持っている就活生もいるのではないでしょうか。

 

この記事では以下について詳しく解説します。

 

 

  • 製薬業界と医薬品業界の違い
  • 業界の概要
  • 主要な職種
  • 求められるスキル
  • 志望動機の作成例

 

 

業界のことを詳しく知らず、入社してしまうと「こんなはずではなかった…」と後悔する可能性があります。

 

この記事では製薬業界や医薬品業界について詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。



製薬業界と医薬品業界の違い

製薬業界は、医薬品の開発、製造、そして市場への販売を主要な事業とする分野です。

この業界の核心は、新しい薬の研究開発にあり、患者に必要な医療用薬品の提供を目指しています。

 

製薬業界で生み出される製品は、病気の治療や予防に不可欠な役割を果たします。

 

一方で、医薬品業界は、製薬業界の一部として位置づけられることもありますが、特に医薬品メーカーに焦点を当てた呼び方として使われます。

医薬品業界では、医療用薬品と一般用医薬品に分けて取り扱っています。

 

これら二つの業界は、呼び名や重点を置く事業内容に違いはありますが、「医薬品を通じて人々の健康を支える」という共通の大きな目的を持っています。

 

そのため、この二つの業界は、異なるアプローチを持ちつつも、ほぼ同じ分野と見なすことができるでしょう

以降、この記事では製薬業界と医薬品業界を同義であるとして解説をします。



製薬業界(医薬品業界)の概要

製薬業界は、医薬品の製造と販売を主要な事業としています。

日常生活で使用する風邪薬や痛み止め、病院で処方される特定の疾患に対する薬まで、幅広い種類の医薬品を提供しています。

特許期間が切れた後に製造されるジェネリック医薬品を含め、多様な医薬品を扱っています。

 

他には既存の薬の改良や、新しい薬の研究開発も重要な業務です。

こうした研究開発は、新たな治療法の発見につながるため、医療の進歩に欠かせない役割を果たしています。

 

しかし、新薬の開発には莫大な時間と費用が必要であることから、製薬業界には資本力のある大企業が多いのが特徴です。



製薬業界(医薬品業界)の主要な職種とその役割

研究職

製薬業界の研究職は、新しい医薬品を生み出すという大きな役割を担っています。

研究職では、医薬品の成分や有効成分に関する深い知識が求められ、これを基に新薬の開発が進められます。

 

研究者は、病気の根本的な原因を理解し、薬の効果や副作用を理解することが求められます。

常に新しい研究動向や最先端の技術を取り入れ、知識のアップデートが欠かせません。

 

また、研究職に従事する人々は、ほとんどが理系出身者です

開発職

製薬業界の開発職は、研究職によって作り出された新しい医薬品の臨床試験を担当します。臨床試験とは、新薬の安全性と効果を確かめるための重要な試験で、この試験を通過した薬だけが市場に出回るため、開発職の役割は極めて重要です。

生産・技術職

製薬業界の生産・技術職は、承認された医薬品の製造に従事します。

この職種の最も重要な任務は、製造過程での品質管理と品質保証です。

 

これらのプロセスは、医薬品の安全性と効果を保証するために不可欠であり、患者の健康を直接的に守る役割を果たします。

 

具体的には、製造ラインの管理、機器のメンテナンス、製品の検査などが主な業務です。

これらの作業を通じて、生産・技術職は安定した品質の医薬品を供給し、業界の信頼性を支えています。

MR(営業)

製薬業界のMRは、医薬品の情報を医師や薬剤師に伝え、その使用を勧める重要な役割を担っています。

MRは、医薬品の効果や注意点などに関する専門知識を有している必要がある上に、医療関係者との信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力も必要です。

 

MRは、市場の動向や競合製品の調査なども行い、常に業界の最新情報を把握することが求められます。

事務職

製薬業界の事務職は、他の業界における人事、総務、経理、広報などの業務を担っています。

彼らは直接的には研究や開発には関与しませんが、製薬業界のスムーズな運営を支える非常に重要な役割を果たしています。

 

事務職は、製薬業界における日常の業務や社内コミュニケーションの円滑化、財務管理など、組織が効率的に機能するための基盤を築きます。

また、他の職種と比較して、特別な資格や経験がなくても活躍できる点が特徴です。

管理薬剤師

製薬業界の管理薬剤師は、医薬品の品質と安全性を監督する重要な役割を担っています。

彼らは製薬会社において不可欠な存在であり、製造される医薬品が厳しい品質基準を満たしているかを徹底的にチェックします。

 

品質に問題がある場合は、それを報告し必要な改善を行わせることで、患者に安全な医薬品が提供されることを保証します。

薬事部門

製薬業界の薬事部門は、医薬品に関する法的な業務を担当しています。

具体的には、厚生労働省への報告書作成や医薬品の法的な取り扱いを確認することが主な仕事です。

 

この部門では、薬事法の改正を常に注視し、改正が行われた際には迅速に対応することが求められます。

このため、薬事部門のスタッフは、法律の知識と医薬品に関する専門知識を併せ持つ必要があります。

 

彼らの仕事は、製薬業界が法令を遵守しつつ、効果的に医薬品を提供するために不可欠な役割を果たしているといえるでしょう。

マーケティング・広報

製薬業界のマーケティング・広報部門は、医薬品のブランディングや情報発信を担当する職種です。

彼らは、新しい医薬品の市場導入時や、既に市場にある医薬品のブランドイメージ向上のために、多様な広告やプロモーション活動を企画し、実施します。

 

これには、製品の特徴や利点を伝えるキャンペーンや、消費者への啓発活動が含まれます。

 

さらに、製薬会社自体の企業イメージを高めるための広報活動も重要な役割を果たします。マーケティング・広報部門は、製薬業界において製品と会社の両方の評価を高めるための重要な存在です。



製薬業界(医薬品業界)で求められる能力

製薬業界での仕事は、人の命に関わるため、医薬品や人体に関する基礎的な知識が不可欠です。

この業界は医療費の抑制などにより競争が激しくなっており、問題点を積極的に見つけ、能動的に解決する姿勢が求められます。

 

特に研究職では、疾患に対する深い理解と医薬品の広範な知識が必要とされます。

また、製薬業界はグローバルな競争が激しく、海外の団体との共同研究や買収提携などを行うことが多いです。

 

そのため、グローバルな環境で働く上で英語力は欠かせないスキルとなります。

この業界で成功するためには、医薬品に関する専門知識とともに、国際的な視野とコミュニケーション能力も非常に重要です。



製薬業界(医薬品業界)の将来性

製薬業界の将来性は、多くの要因によって形成されています。

高齢化社会の進展に伴い、医薬品への需要は高まり続けています。

 

これは、病気や健康問題が増加する中で、治療法や予防策として医薬品が重要な役割を担っているためです。

しかし、医療費の増加は国民の負担を重くするため、問題視する人も多く、政府は医療費の軽減を目指し、薬価の引き下げを進めています

 

これにより、製薬業界は大きな影響を受け、業績に悪影響を与えているのが実情です。

 

製薬業界はこの状況に対応するため、買収、結合、再編成などの戦略を採用し、苦境を乗り越えようとしています。

このような動きは、製薬業界の将来性にとって重要なポイントであり、持続可能な成長への道を模索している途中だといえるでしょう。



製薬業界(医薬品業界)の志望動機

志望動機の作成方法

製薬業界への志望動機を作成する際、最も重要なのは「なぜ製薬業界やその企業を選んだのか」を明確にすることです。

志望動機では、他の業界では実現できない自分の目標や動機を伝えることが大切です。

 

例えば、「現在は有効な治療薬がない難病の治療薬を作りたい」といった、製薬業界ならではの動機が理想的でしょう

製薬業界は人の命を救う仕事であり、真面目さや責任感、規範に順応することができる人材が求められます。

 

志望動機の中で、これらの特性を持っていることをアピールすることが重要です。

自身がどのようにこれらの資質を持ち合わせているかを具体的に述べることで、製薬業界での就職への強い意欲と適合性を示すことができます。

志望動機の回答例

志望動機の回答例を記載するので参考にしてください。

 

【研究職の志望動機】

 

貴社が難病の治療に対して持つ強い信念に、私は深く共感しています。

世界中にはまだ治療法が見つかっていない難病で苦しむ人々が多く、彼らのために新しい治療薬を提供することが緊急の課題です。

貴社が新薬の研究を重視し、迅速な開発で世界各国に医療用医薬品を供給している点に魅力を感じています。

私自身も、幼い頃に病気で母を失い、その病気に対する有効な薬が今も存在しないことを痛感しています。

貴社に入社することで、高い製剤技術を持つ社員の方々と協力し、難病で苦しむ人々を救うという私の夢を追求したいと考えています。

 

【MRの志望動機】

 

私は、貴社のMR育成環境が他社と比較して優れていると考え、志望いたしました。

MRは、医師や薬剤師など医療関係者と接する機会が多く、医療技術に関する知識や、自社製品の効能や副作用に関する知識を豊富に持っていなければなりません。

そのため、一人のMRとして成長することが必要不可欠です。

貴社は、MRの研修や支援制度が充実しており、新卒MRの定着率も高いと聞いております。

また、国内トップシェアの製薬会社として、多くの命を救うために日々研究開発に取り組んでいらっしゃいます。

私は、貴社の一員として、多くの人から信頼され、世界中に正しい医療情報を発信していきたいと考えています。

 

【製造職の志望動機】

 

貴社への志望理由は、その徹底した衛生管理と医薬品の品質の高さに感銘を受けたためです。

最近、衛生問題がよく問題になる中で、貴社の製造ラインでの管理技術は他社と比較しても顕著に優れていると感じました。

新薬の研究開発から製造管理に至るまで、責任を持って最高品質の医薬品を提供することは、病に苦しむ人々への重要な使命です。

貴社が世界に向けて新薬を発信している姿勢は、日本の製薬企業の中でも特に称賛に値すると考えております。

私もその一員として力を尽くしたいという強い意欲を持っております。

 

【事務職の志望動機】

 

私は、貴社の医薬品を通じて多くの人々の生活の質の向上に貢献したいという熱意から、貴社の事務職を志望いたしました。

私の母は、貴社のサプリメントを常用しており、毎日健やかに過ごせているのは貴社のおかげだと感じています。

その感謝の気持ちを、事務職として貴社に還元したいと考えています。

大学時代、学生委員会の事務局長として活動した経験から、情報の整理やデータ管理の重要性を実感しました。

委員会の業務において身につけた細部への配慮やコミュニケーション力を活かし、貴社の業務の効率化や部門間の連携をサポートしたいと考えています。

また、貴社の持つ企業文化や倫理観に共感し、長期的に一緒に成長していきたいと考えています。

事務職として、貴社のビジョンの実現に貢献することが私の目標です。

まとめ

製薬業界とは、医薬品の製造・販売を行う業界で、医薬品業界とも呼ばれ、ほとんど同じ業界だと考えてよいでしょう。

 

製薬業界では、ドラッグストアで売られている風邪薬などの一般用医薬品や病院で処方される医療用医薬品まで、幅広い種類の医薬品を提供しています。

 

製薬業界の重要な業務のひとつは、新薬の研究開発です。

新薬の開発には、場合によっては100億円以上の費用がかかることもあるため、製薬業界は資金力のある大企業がほとんどを占めています。

 

近年、政府による医療費の削減など、製薬業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。

しかし、製薬業界の使命は、人々の健康を守ることであり、その重要性は今後も変わらないでしょう。

 

製薬業界への就職を志望する人は、難病を治すための薬を作りたい、新しい治療方法を開発したいなど、製薬業界にしかできないことを志望動機に挙げるとよいでしょう。

 

この記事が、製薬業界への就職の一助になることを願っています。

 

監修者情報

須藤由加里

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社やまとに新卒入社。
全国での採用担当&新卒中途の研修担当の3職種を経験。 その後挑戦心が原動力となり2020年に株式会社ナイモノにジョイン。 現在キャリアアドバイザー リーダーとして就活生のサポートを行う。