【企業研究】小学館の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年11月25日更新
はじめに
株式会社小学館は、本社は、東京都千代田区に所在する出版業界に属する企業です。
小学生向けの教育図書出版を主業務として1922年(大正11年)に創設され、現在では、雑誌や書籍などを出版しながら、作品の映像化やデジタル化、キャラクタービジネス、海外版権ビジネスなどを展開すると共に、その他にもイベントやプロデュース事業なども手掛け、従来の“出版”の枠を越えた新たなビジネスも推進する総合出版社として、日本の4大出版社の一角を担う企業に成長を遂げています。
この記事では、小学館を志望するみなさんの為に、小学館の企業概要や採用傾向、社風、求める人材像などを紹介します。
就活にあたっての一助として、この記事を参考にしていただけたら幸いです。
事業内容
幼児誌、週刊誌、ファッション誌、ライフスタイル誌、コミック誌など、幅広いジャンルの雑誌を発行しています。また、書籍部門では絵本や図鑑、辞典、百科事典、文芸書、実用書、電子書籍などを発行しています。
その他にも、書籍と連携した体験型施設の運営も手掛けており、2021年7月には、電通や朝日新聞社などの7社と「ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑 NEO」を開業しました。
デジタルとリアルを融合させ、これまで図鑑の中でしか見ることのできなかった『小学館の図鑑 NEO』シリーズからピックアップされた、多種多様な生き物たちに出会える体験型施設です。
紙媒体のイメージが強い出版業界ですが、コンテンツのデジタル化や体験型施設の運営など、単に”出版”という業務カテゴリーの枠を越えて、様々な事業にも多角的・積極的に取り組んでいます。
新卒選考フロー
①プレエントリー小学館採用サイトから、プレエントリーをします。
②エントリーシートプレエントリーのうえ、マイページより「エントリーシートの入力」および「手書き課題のアップロード」を行います。
過去のエントリーシートでは以下のような内容を聞かれていました。
・雑誌名や企画などを交えて、具体的にどんな仕事に関わりたいか
・好きな本の解説
・小学館の強み
・ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組みしていたこと)
また、出版社では文書作成・文書読解能力も重要なスキルとして求められます。仮に入社出来た場合、当該スキルの発揮を求められる局面が多々あるかもしれませんし、小学館の就職試験の際に、その能力を試される可能性もありますので、就活にあたって、ある程度訓練しておくこともオススメです。
エントリーシートを提出する前に、先輩社員への質問会も実施されていました。企業の社風や就労環境の実態などを知る上で絶好の機会となるはずですので、この機会をぜひ活用していただきたいと思います。採用の募集要項などには顕れない企業の実態を窺い知ることで、入社後に、自分と企業のミスマッチに気付くような失敗を避けられます。
③Webテスト
「デザイン思考テスト」と「TG-WEB」(言語・非言語・性格)を受験します。
こちらは難易度が高いと言われています。なので、他の企業も複数受け練習しておく事が最も良いですが、不可能であればアプリや本など各自でも対策しておきましょう。また、アプリによっては模試を受ける事もできます。
本番前に一度受けておくと、自分の苦手なところもわかり、さらに場数も増えると一石二鳥。Webテストで落とされてしまうと、自分を伝えることもできずに終わる就活となってしまいます。
④複数回面接例年小学館の面接は、計4回実施されています。。
一次面接・二次面接はグループ、三次面接と最終面接(四次面接)は個人で行われます。
一次面接は、面接前に30分程度で新しくESを書き、それを元に進められます。志望動機や入社後の目標についてなど一般的な質問が多く、会話形式で話が進んでいくので志望者のコミュニケーション能力が選考の判断基準にも含まれていると考えられます。
二次面接では、これまで熱心に取り組んできたことや、それについての深堀りなどを通じて、志望者の「人となり」を判断されることが多いです。
ポイントは「自分にはこんな長所があり、それを活かして会社でどう活躍ができるか」を伝えることです。
過去には「一発芸はある?」と聞かれた方もいるため、そうしたユニークな質問にも対応できる臨機応変さも必要になっています。
ここまでの面接は、現場の社員2名で行われます。
三次面接では、人事担当者との対面スタイルで行われることが多いです。
ここは、企業研究や事業研究が要となっており、事前にしっかりと準備しておきましょう。
最終面接(四次面接)では、複数役員に対し学生1人というスタイルで行われることが多いです。
面接官の人数が多いので、一つの質問への追及が深く、短いスパンで次々に質問を投げかけられたりなど、判断基準が難しいと言われています。
面接前にぜひしていただきたい事が、漫画や本が好き!という熱意だけを伝えるだけでなく、一度「自分はなぜ好きなのか、新卒としてこの業界・会社で何をしたいのか」を論理的に考える事です。
意外とできていない学生が多く、言語化すると支離滅裂になってしまうなんてことも。
出版業界は、言語化のプロが集まる場です。言語化のプロが行う面接ですから、詰めが甘いと見破られてしまいます。
自分の人生と「出版」という仕事を紐付け、言語化し、周囲の人に聞いてもらうなど練習しておくのがおすすめです。
⑤内々定
内々定後、実家への家庭訪問があり、保護者へ会社の取り組みや仕事・研修内容についての説明をします。内定者の人柄を聞き、今後の教育方針の参考にもしているそうです。
社風
小学館は、子供から大人まで幅広い世代に向けた多種多様なジャンルの本を発行しているのが特徴なので、エンタメや専門図書などどちらかに片寄ることなく中庸で落ち着きのある社風だと言われています。
面接を受けた学生からは、真面目で堅苦しい印象というより温かみのある社員が多かったとの声が多く見受けられました。
また、実際働いている社員のインタビューで「ベンチャー企業と同じくらいボトムアップで仕事できる社風だ」と話していることから、失敗を恐れず挑戦できる環境であり、「個人」の力を伸ばすことに重視していることがわかります。
求める人材
株式会社小学館では、求める人材として下記のものを公表しています。
・相手の気持ちを見ながらコミュニケーションをとれる人
・好奇心旺盛でフットワークの軽い人
・バイタリティーとリーダーシップのある人
・情報感度が高く人脈も広い人
最も大切なことは以下の内容になります。
・出版コンテンツへの愛があり、
自分の「好き」や「個性」を活かした「やりたいこと」がある人
引用:
https://x.com/shogakukansaiyo/status/1074994446289199105?s=46&t=dyorWiYDdD
上記で記した人物像に寄せた偽った”自分”よりも、これまで培ってきた自分自身の個性・経験を大事にしてそれを伝えた方が良いでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
書籍・雑誌・漫画といった私達が子供の頃から慣れ親しんだ媒体を創り出しているのが出版業界です。一時期は、人口減少やインターネットなどのデジタル媒体の普及により、市場縮小が囁かれていましたが、コロナを原因とする巣ごもり需要の拡大や、海外における日本のサブカルチャー人気に端を発したマンガ人気による海外からのマンガ需要によって、活気づいている業界のひとつです。最近では、紙媒体のみならず、ウェブ媒体やデジタルメディアの活用する動きも目立ち、着実に進化をし続けています。
就活学生の中では、昔から今現在迄、憧れの職業の1つとして挙げられる”出版業界”において、小学館がどのような立ち位置にあるかについて紹介します。
出版業界において、圧倒的な力を有する4大出版社と言われているのが講談社・集英社・KADOKAWA、そして小学館です。
小学館は、その4大出版社の中にあって、トップクラスの認知度と人気を誇っており児童書・図鑑や辞典など、幅広いコンテンツを取りそろえてる点と、1959年に創刊されて以降、根強い人気を誇る週刊少年サンデーを軸とする豊富なマンガコンテンツを保有する点などに強味があるのが特徴です。
会社名 | 売上高(億円) (2021年~2022 年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
集英社 | 1,951 | 620万円 | 66 | 人を大切にし、育てて伸ばす社風 |
講談社 | 1,707 | 1058万円 | 66 | デジタルシフトやライツ強化など様々な確信的な取りくみをしており、社員の挑戦を重んじる社風 |
KADOKAWA | 1,282 | 822万円 | 63.2 | ピラミッド組織ではなく、チームやプロジェクトなどの集合体を目指している社風 |
小学館 | 1,057 | 1195万円 | 66 | 失敗を恐れずに様々な事業に挑戦できる環境で、個人の力を伸ばせる社風 |
採用人数が少なく、採用倍率は1260倍だと言われています。東洋経済新聞の「内定の競争倍率が高い会社ランキング100」には競争率の高い倍率は66倍~と記載があることから、小学館の採用倍率は高いと考えられますが、それだけ企業としての魅力・価値が高いことを裏付けていると言えます。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
採用大学
小学館は、国公立大学や有名私立大学からの採用が目立ちます。
人気企業で採用人数も少ないことから学歴フィルターが設けられていることも考えられますが、デジタル、編集、広告、営業などのセクションがあり、各セクションに応じた要求人材(能力保有者)であれば、採用されるチャンスはあるものと考えられます。
【2021年入社新入社員の採用大学】
青山学院大学、茨城大学、京都大学、慶應義塾大学、上智大学、東京大学、一橋大学、北星学園大学、早稲田大学
引用:https://job.mynavi.jp/25/pc/search/corp70448/outline.html
【2022年入社新入社員採用大学】
早稲田大学、東京外国語大学、慶應義塾大学、日本大学、東京大学、京都大学、上智大学、中央大学、武蔵野美術大学、明治大学、明治学院大学
引用:https://univ-online.com/rank3/y2022/publication/r1930359/
小学館の将来性について
結論から申し上げると、小学館の将来展望は非常に明るいものと予測されます。
皆さんもご承知の通り、“マンガ”を代表とする日本のサブカルチャーは、現在、国内の枠を越えて海外でも大きな人気を博しており、マンガというコンテンツの市場規模は大幅に拡大している状況にあり、今後更なる進展が見込まれています。
日本が人口減少の傾向が、様々な企業・業界において憂慮すべきネガティブな要因となっていることは周知の事実です。こうした状況の中における活路として挙げられるのは”海外展開”であり、マンガは、日本のソフト・パワーの代表的コンテンツとして注目されています。
その証拠として、現在、海外から日本に訪れる観光客が口にする理由として、”マンガの影響“が挙げられます。
とあるリサーチによれば、世界のマンガ市場規模(印刷コンテンツタイプ)は、2022年から2030年にかけて、年平均成長率16.9%の成長が見込まれ、その市場規模は422億米ドルに達するという予測が立てられています。縮小する国内市場を補って余りある市場確保が、マンガのグローバル展開によってもたらされる公算です。
こうした将来予測がある中、日本の4大出版社の一角を担う小学館には、これまでに数々のヒットマンガを生み出してきたノウハウの蓄積によって、前途ますます有望な企業であるということが言えると思います。
まとめ
就活で他の学生に打ち勝つためには、企業を理解することは必須条件です。そして、自分が当該企業に入社した場合、どのように貢献出来るのか、どういった能力を発揮出来るのかをアピールすることが大事です。
小学館は、人気の高い出版業界の中にあって、とりわけ魅力のある優良企業ですから、志望する学生も多く、内定の競争倍率は大変高い会社だと言えます。そうした前提において内定獲得する為には、「小学館が好きだ」ということをアピールするだけでは内定は難しいと思います。
過去・現在の小学館を知るだけでなく、小学館の今後の展望・戦略を知り、その中にあって、自分がどのように貢献出来るか、何をしたいかというビジョンを明確に持った上で、貴方がしっかりと自己アピールをすることで、小学館の採用担当者にも貴方の熱意が伝わるものと思います。
また、企業の利益規模、給料の多寡などだけではなく、企業理念、社風なども、就活対象の企業選定にあたっては極めて重要であり、換言すれば、貴方にマッチする会社であるかの見極めも重要です。
是非、この記事を参考にしていただき、更に企業研究を深め、ライバルとなる他の学生に差をつけてください。
就活対象企業の過去・現在・未来を知り、自分がどのような働き方をしたいのか。
「敵を知り己を知れば百戦危からず」です。頑張ってください。