【新卒で保育士になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

【新卒で保育士になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

2023年11月23日更新

はじめに

新卒で保育士になりたいと思っているが、仕事内容や年収、やりがいなど、具体的にどんな職種なのか気になる方も多いと思います。保育士に就職することを考えて、本記事では新卒で保育士になるための方法を詳しく紹介しています。

 

企業研究をする前に、まずはその職種について深く知り、自分と合っているか検討しましょう。

保育士とは

保育士は、「児童福祉法」において以下のように位置づけられています。

 

保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

引用元:児童福祉法 第18条第4項

 

簡単に言えば、0歳から6歳までの子どもを保育所や児童福祉施設などで預かり、世話をする人のことです。保育士は、以前までは「保母・保父」という名称でしたが、平成11年4月の児童福祉法施行令の改正により「保育士」という名称に変わりました。

 

また、平成15年11月の児童福祉法改正により名称独占と規定され、国家資格になりました。「名称独占」というのは、「保育士」という名称を資格を持たないものが使ってはいけない、ということです。

 

名称を使ってはいけないだけであり、保育士が行っている業務内容と同じ仕事はできます。名称があることで、専門知識を有している、水準が高い、ということをアピールできます。

 

保育士として働くためには、保育士資格の取得に加え、都道府県の保育士登録簿に登録されていることが必要です。

 

保育士は、保育の専門家として働いていますが、近年では、地域の子育て支援として、子どもの考える力や感性などを育てる役割に期待されています。

保育士の仕事内容

保育士の主な仕事は、自分で子供の保育をすることができない親に代わって、一定時間の間子どもの世話をする仕事です。全国の保育所を中心に、母子生活支援施設、児童養護施設、乳児院、障害児施設、児童福祉施設などで地域の子育て支援を行います。

 

基本的に0歳から6歳児までの子どもを預かり、子どもの年齢や発達状況、病気などの有無にあわせて遊び方や接し方を変えます。

 

子ども一緒に遊ぶことはもちろん、食事や排せつ、歯磨き、お昼寝といった身の回りの世話、その他にも子どもたちの交流や生活リズム、決まり事などを教えるのが仕事です。

 

子どもたちの安全を確保することは当然ですが、安心・安全に預けることができる環境を整え、保護者が納得して子ども預けられるようにすることも役目です。保護者からの相談にも対応するだけでなく、在宅育児をしている家庭への支援なども行っています。

保育士になるには

保育士になるために必要な資格や、通うべき学校などを見ていきましょう。

 

保育士必要な資格

保育士になるためには「保育士資格」を取得する必要があります。取得するためには以下の2つの方法で取得できます。

 

1.厚生労働大臣が指定している保育士養成施設に入学し、必要な単位を取得して卒業する方法。

保育士養成施設には、大学、短期大学、専修学校などがあり、昼間部・夜間部・通信課程などがあります。

2.都道府県知事が実施する保育士試験に合格する方法。

 

1の方法は、保育士養成課程のある学校に入学すれば、基礎から学ぶことができ、必要な単位を取得するだけで、卒業と同時に保育士資格を取得できます。

 

2の方法は、学歴などの条件さえ満たせば誰でも受験することが可能です。独学で勉強するため自分のペースで学ぶことができますが、試験の合格率が低いためハードルは高いです。

 

保育士になるために通うべき学校

上記でも説明しましたが、「都道府県知事が実施する保育士試験に合格する方法」以外で保育士になるためには、「保育士養成施設」に通わなければいけません。

 

保育士を目指している方は、一般的に保育士養成課程のある学校に入学し、必要な単位を取得し卒業と同時に保育士資格を取得します。保育士養成課程のある学校は、4年制大学、2年制の短大、専門学校の3つです。

 

4年制大学は、一般教養と保育の勉強の両方を同時に広く学べるのがメリットです。「小学校教諭一種」や「幼稚園教諭一種」など、保育以外の資格も取得できる大学もあるため、教育関連の就職を一緒に考えている方に向いています。

 

短大は、4年制大学と同様に一般教育も学ぶことができます。しかし、2年間も短いため、大学よりもハードスケジュールです。専門学校も短大と似ていますが、より実践的な内容が多くなっているので、保育に集中して学びたい方におすすめです。

 

保育士に向いている人

保育士に向いている人は以下のような特徴があります。

 

・体力がある人

子どもは大人と違い制御がうまくできないため、遊ぶことにも全力です。さらには、ひとりで複数人の子どもの世話をしなければいけないため、常にあらゆることに神経をはっておく必要があります。肉体的にも精神的にも疲労があるので、それに負けない体力が必要です。

 

・責任感のある人

保育士は子供の安全を守らなくてはいけません。子どもを守る立場でありながら、子どもに暴力をふるうことは言語道断です。保護者の大切な子どもを預かっているという自覚を持ち、責任感をもって保育できる人が向いています。

 

・幅広い年代の方とコミュニケーションが取れる人

子どもと触れ合うだけでなく、保護者とコミュニケーションを取ることも仕事の1つです。また子どもと散歩に出かけたときには、地域のみなさんとの交流もあります。誰とでも気さくにコミュニケーションが取れる人に向いています。

 

このほかにも「人をサポートすることが好き」「面倒見がいい」「些細なことにも目が行く」といった特徴のある方はおすすめです。

 

保育士の魅力・やりがい

保育士の魅力・やりがいはたくさんあります。いかにまとめたので見ていきましょう。

①なかなか笑ってくれなかった子供の笑顔が見れたとき

②子どもと遊ぶ中で成長を感じられたとき

③自分の計画した行事が成功したとき

④新入社員で入社し、先輩保育しや園長に信頼してもらえたとき

⑤保護者から感謝の言葉をもらったとき

⑥子どもと想いが通じ合えたとき

⑦子どもと一緒に自分の成長を実感できたとき

⑧社会貢献できていると感じたとき

⑨子どもから感謝の意を込めてプレゼントをもらったとき

⑩自分が世話をした子どもの大きくなった姿を見たとき

 

保育士は子どもと接する仕事なので、子どもに関するやりがいが多いです。子どもは予測不能な動きをする分、自分の思った通りに事が運ぶとやりがいへとつながります。

保育士の1日のスケジュール

保育士の一日は対応年齢や所属する園で異なる場合ありますが、一般的な保育士の一日のスケジュールを見ていきましょう。

時刻仕事内容
7:00出勤 掃除やスケジュールの確認
7:30園児のお出迎え
9:00クラスごとに分かれて遊ぶ
11:00お昼ごはんの準備・配膳
12:00子どもと一緒にお昼休憩
13:00お昼寝の準備
14:00お昼寝中に事務作業 休憩
15:00おやつ 子供のお出迎え対応
16:00遅番と交代

保育士の求人について

保育士の求人について見ていきましょう。

保育士の新卒採用について

保育士の需要は非常に高く、保育士を求めている保育園や施設は多いです。保育園の入園募集を出せば、希望者が殺到するほど、子どもを預けたい保護者が多いです。そのため、保育園も人手を確保するために新卒採用を行っています。

 

求人が出る施設は保育園だけにとどまらず、障害児施設や母子生活支援施設、児童養護施設、ベビーホテルなど多いです。特に都心部では、保育園だけではなく、ベビーシッターや託児所などの需要も高くなっており、保育士が求められる場が広がりつつあります。

 

新卒の求人を探すなら「保育士・幼稚園教諭を目指す「学生向け」就職活動情報サイト | 保育士バンク!新卒 (hoikushi-syusyoku.com)」がおすすめです。

 

エリアごとに新卒の募集を探すことができ、また「事業所内託児所」「賞与あり」「マイカー通勤可」といった条件を絞って求人を探すことも可能です。ぜひ参考にしてください。

 

保育士の平均年収

保育士は需要のある職種ではありますが、それとは裏腹に平均年収は高くありません。日本の平均年収が458万円に対し、保育士の平均年収は381万円です。

 

需要の高さと平均年収のギャップを改善するために、国も現状を改善するために保育士を確保する取り組みを進めています。その結果、平均年収も少しずつ上昇しているので、この先、保育士の平均年収は高くなるでしょう。

保育士の平均年収

引用元:厚生労働省 保育士の現状と主な取組

 

他の職種でも同じ傾向にありますが、保育士も経験年数とともに平均年収が高くなります。新卒からベテラン保育士になるまでの平均年収を見ていきましょう。

 

経験年数平均月収

(手取り額)

平均賞与

(手取り額)

平均年収

(手取り額)

新卒(0年)約22万円

(約17万円)

約47万円

(約37万円)

約311万円

(約249万円)

1年~4年約23万円

(約18万円)

約57万円

(約46万円)

約333万円

(約266万円)

5年~9年約25万円

(約20万円)

約66万円

(約53万円)

約366万円

(約293万円)

10年~14年約26万円

(約21万円)

約73万)

(約58万円)

約385万円

(約308万円)

15年以上約30万円

(約24万円)

約99万円

(約79万円)

約459万円

(約367万円)

 

新卒では、年収が約311万円に対し、15年経つと約459万円まで上昇します。経験年数が15年経てば、日本の平均年収と同等の高さまで給与が上がります。

 

また年齢別でみても20代では平均年収が約346万円に対し、ピークとなる40代では約435万円と、役職に就く方が増えるため給与が高くなることが多いです。

 

保育士の就職先

新卒で保育士になった方の多くが、保育園を最初の就職先にしています。保育園では、職員の人数によっても異なりますが、担当者・リーダー・主任・園長という順に役職があがります。

 

まずは担当者として入社し、先輩に教わりながらスキルや知識を増やし、リーダーや主任へと目指していきましょう。

 

保育園以外にも就職先はたくさんあるため、簡単に紹介します。

 

就職先特徴
認定子ども園幼稚園と保育所の要素をあわせ持った施設

入園申込は自治体ではなく直接子ども園に申し込む

地域型保育事業保育所より少ない人数で、0~2歳児を対象とした事業

待機児童の解消が目的

文部科学省管轄

(幼稚園)

3歳~5歳までの幼児を教育する場

就職する場合は、保育士資格とともに幼稚園教諭免許が必要

認証・認定保育園東京都が独自に設けた基準を、

民間企業や個人がその基準に合わせて設置した保育所のこと

企業内保育所企業の従業員が就業中に子どもを預けられるように、企業敷地内や近隣に設置する保育施設のこと
院内保育所病院内もしくは、その近隣に設置する、医療従事者の子どもを預かる保育施設
託児所商業施設や医療機関などで、一時的に子どもを預かる保育施設のこと
プリスクール業務内容のの大半を英語で行う保育施設のこと
児童福祉施設児童福祉に関わる事業を行っている施設
児童養護施設児童養護施設は事故や災害などにより保護者がいない子どもや、虐待や育児放棄が原因で安定した生活環境の確保が必要な子どもなどが入所できる施設
乳児院なんらかの理由で家庭での養育が困難な乳児を入所する施設
母子生活支援施設母子家庭の自立を支援する児童福祉施設
障害児入所施設18歳未満の身体に障害のある子どもや知的障害を持つ子どもが入所する施設

引用元:日本自動教育学校

 

保育士の志望動機や目指すきっかけ

保育士の志望動機として最も多いのが「子どもが好き」という理由です。よっぽどの人でなければ、保育士を目指している方は全員子どもが好きです。そのため、この理由だけで面接に挑んでも合格することができません。

 

「子どもが好き」以外の志望動機を考えておくことも忘れずに行いましょう。

 

他の志望動機としては、「子どもの個性を大切にする保育方針に強く共感した」といった企業の経営方針や「子どもの頃に関わった保育士さんに憧れた」といった過去の経験などを志望動機とする方も多いです。

 

まとめ

保育士の需要は高く、将来的にもなくならない仕事だと言えます。また国も保育士をサポートしているため、徐々に平均年収が高くなっているため待遇面もよくなっていくと予想されます。就職先も幅広くあるので、自分の好きな道を歩みましょう。

 

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