【新卒で秘書になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

【新卒で秘書になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説

2023年11月18日更新

はじめに

新卒で秘書になりたいと思っているが、仕事内容や年収、やりがいなど、具体的にどんな職種なのか気になる方も多いと思います。秘書に就職することを考えて、本記事では新卒で秘書になるための方法を詳しく紹介しています。

 

企業研究をする前に、まずはその職種について深く知り、自分と合っているか検討しましょう。

秘書とは

秘書とは、上司や社長、政治家、弁護士などの身の回りの世話や、スケジュール管理などの庶務をすべて管理する人を言います。企業や団体のトップに位置する人たちは、常に重要な業務を担っているため、その業務に専念してもらうためにサポートするのが仕事です。

 

秘書といえば、女性のイメージが強いですが、男性でも秘書になることは可能です。国会議員の秘書である「議員秘書」は、男性のほうが圧倒的に多いため、男女関係なく秘書になれます。秘書としての素質やスキル、適正が大切なので、能力次第で秘書になることが可能です。

 

秘書は「グループ秘書」と「個人秘書」の2種類があります。グループ秘書は、企業によく見られる形で、複数人で組織の管理の下で働きます。

 

一方の個人秘書は、上司とマンツーマンでつく形で、大学教授や法律事務所、外資系の企業に多いです。

秘書の仕事内容

秘書の仕事は幅広く多岐にわたるため、しっかり理解しておくことが重要です。それでは、秘書の仕事内容を見ていきましょう。

 

電話やメールなどの郵便物をチェック

上司宛に来る電話やメール、手紙といった郵便物をチェックし必要な内容を伝えるのが仕事です。上司宛に来る郵便物は多く、上司がすべてをチェックする時間がないので、必要なことだけをまとめて伝えなくてはいけません。

 

中には上司宛に届いたものであっても、該当部署が確認するものが混ざっている場合もあるため、選別する必要があります。

 

重要な物や必要なものであれば上司のスケジュールを確保し、対応してもらいますが、秘書が対応できるものであれば、上司の手を煩わせないように努めるのが秘書の役目です。

スケジュール管理

上司が「いつ・どこで・何をするのか」といったスケジュール管理を行うのが仕事です。上司に聞かれてもすぐ答えられるように覚えておく必要があります。特に分単位で働いている上司の秘書であれば、スケジュール管理が仕事の生産性に大きく関わります。

 

スケジュール管理に伴い、資料のファイリングや整理整頓といった細かい作業も秘書の仕事のひとつです。上司の机の上は資料などで乱雑になりがちであるため、秘書がわかりやすいようにまとめておく必要があります。

 

上司の仕事がスムーズに進められるように、スケジュールや資料の場所などをすぐ答えられるようにしておきましょう。

 

出張手配

上司が出張する場合、新幹線のチケットやタクシーといった交通手段から、宿泊まで手配するのが仕事です。海外出張の場合は飛行機を利用しますが、国内出張の場合は、飛行機なのか新幹線なのか車なのか、どれにするのかを事前に上司と相談しておきます。

 

出張手配といっても、ただ宿泊や新幹線などを手配するだけではなく、「上司の希望(好み)に沿った」ものを手配することが重要です。

 

例えば、タバコを吸う上司であれば室内でもタバコを吸える宿泊先を選ぶ、といったように気配りができているかどうかも秘書にとって大切なスキルです。

 

その他業務

秘書の仕事は多岐にわたるため、細かな作業もこなす必要があります。例えば以下のような仕事も秘書の役割です。

 

・会議や商談で必要な文書・資料作成

・接待を行うお店選び

・出張精算や経費精算

・相談相手になる

・お礼状の作成

 

秘書は一つの仕事に時間をかけるのではなく、複数の仕事を素早く的確に行うため、どんな作業でも苦手意識なくできるようにしましょう。

秘書になるには

新卒で秘書には資格がいるのか、どの大学に通うべきなのか、といった秘書になるためにどうすればいいのか紹介します。

秘書に必要な資格

秘書になるために必ず必要な資格はありませんが、取っておくと有利になる資格はあります。秘書になるために取っておいたほうがいい資格は以下の通りです。

 

・秘書検定

秘書検定は、「秘書として働くにあたって必要な能力があるか」を評価する検定です。「理論(資質、職務知識、一般知識)」と「実技(マナー・接遇、技能)」の2つの分野をチェックし、それぞれ60点以上で合格となります。

 

1級・準1級・2級・3級の4つのレベルに分かれており、2級~準1級であれば「部長や本部長クラス」、準1級~1級であれば「役員クラス」が目安となっています。まずは2級の資格を取得できるように目指しましょう。

 

・日商簿記検定

秘書は経費精算など事務的な仕事も多いため、簿記検定がおすすめです。簿記検定を取得していれば、企業の財政や経営状態を把握することができるので、仕事を有利に進めることができます。

 

簿記検定は、簿記初級・3級・2級・1級の4つのレベルに分かれているので、まずは3級以上を目指しましょう。

 

秘書が通うべき学校

秘書になるために通わなければいけない学校はありません。どの学校からでも採用のチャンスはあります。秘書にとって必要なことは、学歴ではなくスキルです。そのため、先ほど紹介した「秘書検定」「日商簿記検定」の資格を取っておきましょう。

 

秘書学を専門で学べる大学はないので、自分で学ぶことが大切です。秘書といっても「医療秘書」「弁護士秘書」「議員秘書」など様々な種類があります。例えば、自分が医療秘書になりたい場合は、医療に特化した大学に通うべきです。

 

なりたい秘書を想定してそれに特化した大学に通いましょう。ちなみに、採用試験の応募資格に「大卒であること」が条件として入っている場合が多いので、大学は卒業しておきましょう。

 

秘書に向いている人

秘書に向いている人の特徴は以下の通りです。

 

・几帳面な人

スケジュール管理や資料の整理整頓など、乱雑な人であれば務まりません。細かい作業が多い仕事なので、ひとつひとつ丁寧に作業できる几帳面さが必要です。

 

・柔軟性の合う人

綿密にスケジュールを管理していても、イレギュラーな事態は起こりえます。スケジュールの変更などに対して、マニュアル通りに動くのではなく、その状況に応じて臨機応変に動ける柔軟性が必要です。

 

・気配りや気遣いができる人

宿泊場所や食事など、上司の好みに合わせて手配することも重要です。また、必要な資料などを事前に用意しておく、わかりやすい報告をするといった気配りや気遣いも求められます。

 

・コミュニケーション能力が高い人

上司はさまざまな役職・企業の方たちと接することが多いです。必然的に秘書もさまざまな方たちと接することになるので、コミュニケーション能力が求められます。

 

もちろん上司とも密に連絡を取り合うことになるので、スムーズかつ正確に報連相を行うにはコミュニケーション能力が重要です。

 

・人を支えるのが好きな人

秘書は、上司を支える仕事なので、「誰かのために役に立ちたい」と思える人が向いています。上司の役に立つにはどうすればいいのか、負担を減らすために何をするのか、といったことを考えながら行動できる人におすすめの職種です。

 

・マルチタスクが得意な人

秘書の仕事は一つの作業を黙々と行うのではなく、複数の作業をこなしていきます。そのため、どんな仕事にも柔軟に対応でき、マルチタスクが得意な人に向いています。

 

接客業や事務作業、ライン作業など、さまざまな仕事を経験しておけば、マルチタスクも苦になることなく取り組めるでしょう。

 

秘書の魅力・やりがい

秘書は所属している組織のトップクラスの人たちをサポートする仕事なので、常に高いレベルの人たちと一緒に働くことができます。本来、社長や部長などと一緒に働く機会は少ないため、貴重な経験を得られます。

 

また秘書の仕事はマルチタスクです。上司のスケジュール管理、会議資料の作成、電話対応、来客対応など幅広い業務ををひとりでこなす必要があるため、豊富な知識を身につけることができます。

 

特に仕事においての基礎的なスキルを身につけられるため、仮に転職したとしても、どんな仕事にも役立つスキルが備わっていることが魅力のひとつです。

秘書の1日のスケジュール

秘書は、基本的に上司よりも早く出勤し上司よりも遅く帰ります。上司によってスケジュールは変わりますが、大まかな一日の流れを見ていきましょう。

 

時刻仕事内容
7:00出社。本日の仕事の流れや作業を確認
8:00上司が出社。飲み物の用意。スケジュールを確認。
9:00始業。朝礼。会議の準備。
10:00メールや郵便物の処理。電話対応。関係部署と連絡。
11:00来客対応。
12:00お昼休憩
13:00事務作業。案件の対応。
14:00出張手配。
15:00上司との打ち合わせ。指示対応。
16:00上司外出・退勤。
17:00残務処理。明日の業務の確認。
18:00退勤。

秘書の求人について

秘書の求人について見ていきましょう。

秘書の新卒採用について

秘書の求人は非常に少なく、新卒で採用している企業はほとんどありません。そのため、正社員で秘書になる場合は、秘書専門の人材派遣会社や、人材紹介エージェントなどを活用しましょう。

 

新卒で秘書を目指す場合は、自分の希望する企業に就職し、事務職などでスキルを磨いてから、秘書室などへ異動できるチャンスを伺うしかありません。または新卒を諦めて、スキルを身につけてから転職する方法がおすすめです。

 

需要はあるものの求人は少ない職種であるため、必要なスキルや資格などを取得し、いつチャンスが訪れてもいいように事前に準備を進めておきましょう。

 

秘書の平均年収

秘書の平均年収は300万円~500万円であることが多いです。スキルやキャリアによって大きく異なり、外資系の企業であれば1,000万円近い年収を得ている人もいます。

 

秘書の年収はスキルや経験年数によって異なります。例えば、専門知識を必要とする「医療秘書・議員秘書・弁護士秘書」などは、待遇がいいことが多いです。秘書として働く場合は、大企業であることが多いため、福利厚生が整い安定した職であることが予想されます。

 

秘書の就職先

秘書の就職先は、一般的な企業の他に医療関係(大学病院など)、IT系企業、法律事務所、政治家事務所などが多いです。

 

・病院

病院で働く秘書を「医局秘書」や「医療秘書」といい、院長やドクターの下で働きます。「医療秘書技能検定」という資格があるほど、専門性の高い仕事であり、秘書経験だけでなく、医療経験があると採用に有利です。

 

・法律事務所

弁護士や公認会計士の下で働き、書類の作成などが多いです。書類1つ作り上げるためにも、専門用語を多く使用するため専門性が強く、経験者が優遇されます。

 

秘書の志望動機や目指すきっかけ

秘書を目指すきっかけとして多いのは以下のようなものです。

 

・人の役に立つことが好き

・マルチタスクをこなすことが得意

・責任感のある仕事がしたい

・秘書が働く姿にあこがれた

 

秘書はリーダーシップを発揮するような仕事ではなく、サポートする仕事です。「誰かの役に立ちたい」「サポートしたい」といった志望動機がよく挙げられています。

 

業務内容やこなす作業が多い反面で、人を支えることにやりがいを感じることができる人は秘書の仕事が向いているでしょう。また事務作業などの経験があり、自分のスキルを活かしたい、といった志望動機も多いです。

まとめ

残念ながら新卒で秘書になることは難しいです。新卒で求人を出している企業が少ないため、募集を探すのに時間がかかってしまいます。そのため、まずは事務職などの経験を積み、秘書室などの異動のチャンスを伺うのが得策です。

 

新卒ではなく中途採用であれば、募集もあるので転職で求人を探すことも一つの手です。すぐに秘書になれるわけではないので、「秘書検定」「日商簿記検定」といった資格を取得するなど、準備を整えてから秘書を目指しましょう。

 

秘書の業務内容は多岐にわたるので、就職する前には何事にも積極的に挑戦し、経験を増やしておくことがおすすめです。

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監修者情報

近藤明弘

キャリアアドバイザー

株式会社ニトリに新卒入社。
個人売率ランキングでは全国で10位に入賞するなど、多くの成果を生み出してきた。 2021年より株式会社ナイモノにジョイン。 リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の経験を持ち、現在はCAとして急成長中。