【業界研究】プラント業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

【業界研究】プラント業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

2023年10月26日更新

はじめに

就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。

 

そこで、ここではプラント業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。プラント業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。

プラント業界

プラント業界とは石油やガス、発電などのエネルギー関連や化学製品の製造工場、ゴミ処理場など、複数の設備を備えた大型生産設備の建設やメンテナンスなどをおこなう業界のことです。大型生産設備を扱うため主に官公庁や大手企業を顧客としています。

 

プラントには下記のような種類があります。

 

  • 産業系プラント:日常生活に身近な製品を作るプラント
  • 化学系プラント:原料を化学反応させて化学製品を作るプラント
  • 環境系プラント:廃棄物処理や水処理など環境維持に必要なプラント

 

プラント業界の市場規模は経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2021年度のプラントエンジニアリング業の受注高は前年度比5.0%減の7兆9,170億円。国内が同4.7%増の6兆4,508億円となっています。しかし、国外は同32.3%減の1兆4,662億円と大幅に減少しました。国外は市場規模が減っていますが、国内では好調に伸びています。

 

経済産業省 特定サービス産業動態統計調査

 

令和3年賃金構造基本統計調査によると、プラントエンジニア業界の平均年収は587.3万円でした。全産業の平均年収が443万円であるため、業界全体として高水準であることが分かります。

 

厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

プラント業界の種類

一口にプラント業界といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。

種類①プラントエンジニアリング

プラントに勤務する技術者をプラントエンジニアと呼びます。プラントエンジニアリングはプラントの設計や建設工事、メンテナンスなどの業務をおこないます。プラント業界=プラントエンジニアリングとされていることも多く、プラント業界のメインです。

種類②プラントメーカー

プラント建設のための機械や部品を取り扱う企業が属します。取り扱う機械や部品には、溶接機や熱交換器、ポンプなどがあります。メーカーの中でプラント企業に出品している企業であればプラントメーカーであると認識しておきましょう・

種類③プラント商社

商社とは輸出入貿易や国内における物資の販売を業務の中心にした、商業を営む業態の会社です。プラント商社はその中でもプラント会社に特化した会社であり、プラント企業と密接に関わり合って事業を進めていきます。

 

機器単体を取り扱うところもあれば、海外からプラントの建設を一括で受注する所謂総合商社もあります。取り扱っている商品は企業によって異なるため、企業研究にて調べることが必要です。

種類④サブコン

サブコンはsubcontractorの略称であり、下請け企業と呼ばれる企業が属します。空調、排水設備など一部の設計・施工をおこなうことが一般的です。また、企業によってはメンテナンスをおこなっていることもあります。

プラント業界の主な業務内容

プラント業界には下記の4つの主な業務内容があります。それぞれの業務内容のなかで、自分がとくに関わりたいものはどれであるのかを確認していきましょう。

業務内容①設計

設計は計画設計と図面設計の2つがあります。計画設計は実現するのに必要な費用を計算し、計画が実現可能であるのかを確かめていきます。また、コストを抑える方法などの検討もおこなうことが一般的です。

 

図面設計はより詳細な設計をおこなっていきます。配管サイズや機器との取り合いなどを考えていき、設計するための図面に落とし込んでいくのが主な業務です。図面設計は間違ってしまうと全てがやり直しになるなど責任が大きな業務になっています。

業務内容②調達

調達は設計によって必要とされた部品を購入していく業務です。会社では調達部門が担当することが一般的になっています。また、部品が工事の時期に届くように調整するのも調達の仕事です。

業務内容③建設

建設では実際に工事をおこなっていきます。工事のフェーズによって担当業者が変わることが多いです。この業務では納期に間に合わせることが重要であり、間に合いそうに無い場合は残業などが起こることも少なくありません。

業務内容④メンテナンス

メンテナンスでは建設したプラントに問題がないかを定期的に確認します。もし、問題があれば適切な修繕をおこなっていきます。メンテナンスの頻度は会社によって異なるため、それぞれで確認が必要です。

 

また、最近では保守・点検を専門とする部署を設けている企業も増えてきており、明確に分類されるようになってきました。保守・点検に特化したいのであれば、そのような部署を設けている企業を探していきましょう。

プラント業界のメリット・デメリット

メリット①グローバル的な働き方ができる

プラント業界の市場は国内ではある程度成熟しています。国内では新たなプラントを次々と建設することはなかなか難しく、あっても数件であり、主な業務はメンテナンスとなっています。

 

そのため、プラント業界はプラント建設が盛んである新興国がメインになるのです。グローバル的な働き方に自然と傾くため、世界で働いていきたい方にとってはとても大きなメリットになります。

メリット②仕事の規模が大きい

プラント業界の建設は数億円になることが少なくありません。また、期間も数年単位となることが通常です。さらに、携わる人の数も非常に多くなっています。

 

仕事の規模が多いため、その分責任感も重くなってきますが、やりがいという面では非常に大きな業界でしょう。責任感が大きな仕事が向いているかどうかは個人の性格に非常に左右されます。そのため、こちらの点がメリットになるかどうかは自己分析が重要です。

メリット③業界として安定している

プラント業界はクライアントが官公庁や大手企業になります。そして、プラント建設に携わる立場である企業も大手企業であることが多いです。

 

さらに、プラントはインフラのインフラを創る業界であるため常に需要があり、業界が安定しています。ただし、業界全体で安定しているといっても各会社で見た場合はそうでないことも少なくありません。そのため、安定性を重視するのであれば各会社に対する研究も非常に重要になります。

デメリット①世界情勢に影響を受けやすい

プラント業界は新型コロナウイルス、ウクライナ情勢、原油価格の上昇と世界情勢の影響を全て受けてきました。というのも、プラント業界はグローバル的な業務となるため、国内だけでなく世界情勢についても考慮しなければならないのです。

デメリット②転勤・出張が多い

プラント業界の業務は建設現場が転々とすることがあります。そのため、、転勤や出張が比較的多い業界としても知られています。場合によっては数週間~数か月間ホテル暮らしという事も少なくありません。

 

こちらは家族がいる方にとってはデメリットになります。勤務体系については家族に理解してもらわなければなりません。しかし、転勤や出張が多いことから手当が付き、収入が多くなりやすいといったメリットも出てきます。

プラント業界に向いている人・求められるスキル

プラント業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方がプラント業界に向いています。

 

  • コミュニケーション能力
  • マネジメントスキル
  • 英語力
  • 調整力

 

これらは多くの人が携わる業界であることから来ています。就活においては大人数のプロジェクトをまとめたことや円滑に進むように工夫したことが評価される可能性が高いです。

プラント業界への就活に活かせる資格

プラント業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。

 

  • 機械設計技術者試験
  • CAD利用技術者試験
  • TOEIC
  • 機械・プラント製図技能士
  • 機械検査技能士

 

時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。

プラント業界の大手企業5選

プラント業界の大手企業には下記のような企業があります。

 

会社名売上高平均年収

(万円)

企業理念社風
日揮ホールディングス4,284億100万円844Enhancing planetary health挑戦と革新を重視
千代田化工建設3,111億1,500万円893総合エンジニアリング企業として、英知を結集し研鑽された技術を駆使してエネルギーと環境の調和を目指して事業の充実を図り、持続可能な社会の発展に貢献します。誠実と責任を重視
栗田工業2,882億700万円909“水”を究め、自然と人間が調和した

豊かな環境を創造する

優れた技術力を磨き、チームワークで大きなプロジェクトを成功させることを目指す
東洋エンジニアリング2029億8600万円824エンジニアリングで地球と社会のサステナビリティに貢献するグローバルとチャレンジを重視
東芝プラントシステム2,329億7,500万円859人と、地球の明日のために。チャレンジを重視

 

まとめ

今回はプラント業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。

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監修者情報

近藤明弘

キャリアアドバイザー

株式会社ニトリに新卒入社。
個人売率ランキングでは全国で10位に入賞するなど、多くの成果を生み出してきた。 2021年より株式会社ナイモノにジョイン。 リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の経験を持ち、現在はCAとして急成長中。