営業利益率が高い業界とは?就活する上での注意点やポイントを解説!
2023年10月24日更新
はじめに
会社の成績=業績の良し悪しを示すために様々な指標が設けられていますが、やはり就職する際には業績が良い会社を選びたいですよね。
しかし、就活生の中には「営業利益率って何?」とか「営業利益率ってどうやって算出するの?」、さらに「営業利益率が高い業界ってそもそもどこ?」と思っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな就活生のために営業利益率の意味から算出方法、営業利益率高い業界とその攻略方法などを解説していきます。
会社そして世の中の仕組みを理解して、賢く就活してゴールを目指しましょう!!
利益率とは?
利益率とは、企業の収益性を示す重要な指標の一つであり、売上高からどれだけ利益を上げているかを示します。利益率が高いほど、企業は効率的に経営されており、収益を上げやすい企業体質になっていると言えます。
利益率とは、売上高に対する利益の割合を示す指標のことで、具体的には、損益計算書に記載されている5種類の利益(「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」)を売上高で割って算出したものになります。
特に営業利益率は、企業の営業活動による利益を売上高で示す指標であり、企業のコスト管理や収益性を把握する上で重要な要素となります。
就活の際には、営業利益率の高い業界を選ぶことで、将来的なキャリアや収入面での安定性を得ることできます。
利益率の種類と計算式について
「利益率」という概念は、「どの種類の利益を売上高で割ったのか」によって、先ほど述べたように5つの指標に分類されます。
1. 売上高総利益率
売上高総利益率とは、「売上高に占める売上総利益の割合」で次の計算式で算出されます。
売上総利益(粗利)=売上高-売上原価(仕入原価、製造原価)
2. 売上高営業利益率
売上高営業利益率とは、「売上高に占める営業利益の割合」のことで「本業からどのくらいの利益が出ているのか(本業の収益性)」を知ることができます。
売上高営業利益率=営業利益*1÷売上高
*1営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費(家賃、人件費、光熱費など、売上原価に含まれない費用)
3. 売上高経常利益率
売上高経常利益率とは、「売上高に占める経常利益の割合」です。
売上高経常利益率=経常利益*2÷売上高
*2経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
営業外収益や営業外費用とは「本業以外で得られた収入・損失のうち、日常的に発生するもの」を言います。具体的には、営業外利益は「受取利息」「雑収入」、営業外費用は「支払利息」「雑損失」などがあります。
4. 売上高税引前当期純利益率
売上高税引前当期純利益率とは「売上高に占める税引前当期純利益の割合」です。
売上高税引前当期純利益率=税引前当期純利益÷売上高
5. 売上高当期純利益率
売上高当期純利益率とは「売上高に占める当期純利益の割合」のことで、売上高に対して「当該事業年度における最終的な利益」がどのくらいであるかを表す数値です。
売上高当期純利益率=当期純利益*3÷売上高
*3当期純利益=税引前当期純利益-税金(法人税・住民税・事業税など)
それぞれ利益率が高ければ、それだけ収益性が高いということになり、会社の運営は順調であり業績も良いと言えます。
それでは、どの様にすれば利益率を高くすることができるのか見ていきましょう。
利益率が高い理由または改善方法について
利益率を高くすると簡単に書きましたが、会社の利益率を高くすることは、容易なことではありません。
社内だけの事情だけにとどまらず、日本そして世界の情勢や経済、新型コロナウイルスのような感染症や戦争や紛争による外部からの混乱が影響することもあります。
それらの状況に対して、企業努力という名目で各企業はさまざまな工夫や努力を重ねて、改善に向けて取り組んでいるのです。
利益率を高くするために考えられる対策を見ていきましょう。
①売り上げを上げる
売り上げを高めるためには、販売単価を上げることと、販売数を増やすことがベストな方法です。売り上げを上げることによって、全体の売上高が上がりますので利益率も向上します。
しかし、簡単に販売単価を上げると言っても、そうそう簡単な事ではありません。
販売単価を上げることを消費者が受け入れてくれるためには、それ相応の理由または商品の付加価値を高めなければなりません。
そのためには、消費者のニーズを正しく把握すると共に、どれだけ価格を上乗せするのが妥当かなどマーケティングリサーチを十分におこなう必要があります。
さらに、販売チャネルを拡大すると共に新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率を向上させるための施策を検討して、速やかに実行することで、売り上げを上げて利益率を改善することにつながるでしょう。
②コストを下げる
あらゆるコストを下げる努力をしましょう。
コストには、売上原価と販売管理費や一般管理費などがあります。
製造に伴う売上原価であれば、生産性や効率化の向上、大量発注による仕入れ単価の見直すなど様々な施策を会社としてだけではなく、従業員の知恵と工夫によって行うことができます。
また、内製化することにより外注費を削減するという方法もありますし、家賃や人件費、光熱費、保険料など、毎月ほぼ一定金額が発生し続ける固定費を見直すことでコストを下げることも可能です。
しかし、人件費の見直しは従業員のモチベーションを下げ、最悪の場合退職につながる可能性がありますので、慎重に行いましょう。
さらに、DX化による業務効率化を図ることもおすすめです。提携業務や機械化が導入可能な業務については、将来に対する投資と考えて積極的に取り入れて、生産性と効率化の向上を図り、利益率の高め、改善していきましょう。
利益率の高い/低いの基準とは?
営業利益率の平均値は業種によって異なるため、同業他社で比較する必要がありますが、一般的には以下のように言われています。
0%以下 危険
0~5% 一般的
5~10% 優良企業
10~15% 超優良企業
なお、営業利益率が「マイナス」の場合は、売上以上にコスト(原価や費用)がかかっていることが想定されるため、本業で「赤字」と判断できます。
株主や投資家の目も厳しくなるとともに、従業員のモチベーションにも関わりますので、抜本的な改善が急務となります。
利益率が高い業界ランキング
それでは、実際に利益率が高い業界のランキングを見てみましょう。
この様に、上位10位には金融機関が多くランクインしています。
さらに11位から20位です。
様々な業界がランクインしてくるようになりました。
逆に、ワースト10のランキングを見てみましょう。
製薬業界が特に低いのは、国が薬品価格を引き下げる方針を出しているため、利益が出にくくなっていることが要因の一つです。
利益率が高い企業に就職するメリットは?
利益率が高い企業に就職するメリットは、高い収入が得られることや企業として人材に投資をすることで生涯にわたって成長できるという点です。
利益率の高い企業は、給与や教育など直接的なメリットだけではなく、福利厚生など様々な制度が充実しています。
また、利益率が高い企業は、事業を拡大することも多いので、新しい事業をチャレンジできる可能性もあります。
利益率の高い企業に就職するということは、あなた自身への投資でもあり、貴重な経験を積んで、キャリアアップをする可能性を秘めているということなのです。
利益率が高いビジネスを成功させるコツは?
利益率が高いビジネスを成功させるためのコツは次の2つです。
①リピート率を上げる
②結果が出た施策を分析して、他でも活用する
詳しく見ていきましょう。
①リピート率を上げる
リピート率を上げる施策を打ち、リピーターを増やしましょう!!
リピート率は、顧客維持率に大きく関係しており、定期的に商品を購入したり、サービスを利用をしてくれるなど、一定の収益を確保してくれる貴重な存在となります。
また、LTV*4(ライフタイムバリュー)を上げてもらう意味でも、有効な施策を打ちリピート率=LTVを上げましょう!!
*4LTVとは「顧客生涯価値」を意味するLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略称。顧客から生涯にわたって得られる利益のことを示し、1回の取引で得られる利益だけではなく、2回目以降の取引で継続して得られる利益を表す指標
リピート率を上げるための施策のひとつとしてSNSの活用があります。
LINEのお友達申請やSNSへ#(タグ)付けをして投稿した人や、フォローしたことに対する特典を付けたり、次回利用時に使用できるクーポンやポイントを付与するなど、さまざまな方法があります。ビジネスの種類やユーザー層などに応じて、最適な施策を打ちましょう。
②結果が出た施策を分析して、他でも活用する
ビジネスを始めたら、成果が出ているのか出ていないのかをシッカリ分析しましょう。
分析した結果、成果が出ていれば継続またはより発展させて、縦や横、さらに新しい事業に展開できないか検討することが大切です。
成果が出ていない場合は、改善する余地があるのか無いのか、撤退するのかそこに居続けるのかを検討する必要があります。
例えば、ECサイトを運営している場合、縦展開は自社のSNSを見たユーザーに対して割引や特典などのサービスを提供するなどです。これに対して横展開は、季節に合わせたキャンペーンで、クーポンをユーザーに配布することなどを行ないます。
自社の施策をさまざまな方向に広げて活用出来れば、より多くのユーザーに注目してもらえて利益率が上がることにつながることでしょう。
利益率が高いビジネスの注意点は?
利益率が高いビジネスを行ううえでの注意点は次の2点です。
これらの注意点を肝に銘じて業務を行なわないと、せっかく有益なビジネスに就いても失敗してしまう恐れがあるので、注意しましょう。
①利益率が高すぎる場合は現状を見直す
利益率を計算した結果、あまりにも高い値が続く場合には、各段階を細かく分解して確認してみましょう。
もしかしたら、何かしら問題が起こっているかも知れません。
具体的には、次のようなケースが考えられますので、チェックしてみましょう。
利益向上を追求した結果、従業員に過度な負担を強いていないか?
コスト削減を徹底しすぎて、商品やサービスの品質が落ちていないか?
事業を継続・発展させるために次の投資が出来ているか?
②怪しいもうけ話には手を出さない
利益率の高い仕事には、固定費を掛けないためこれまでに無かったビジネスやサービスを提供するなど実態を確認・把握できないこともあります。
さらに「誰でも簡単に儲けを得られる」という、うたい文句はほとんどが詐欺であると考えていいでしょう。
経営体制や事業の実態を把握して、あやしい話には絶対に耳を傾けないように注意しましょう。
まとめ
利益率について、算出する計算式から利益率を改善させる方法や実際に利益率の高い業界ランキングからワースト業界のランキングなど解説してきましたがお分かり頂けましたでしょうか?
就活を成功させるためには、あなたの適性に合う業界や企業を選ぶことが重要です。
営業利益率が高い業界は、経営効率が高く収益性が良好な傾向にあり、従業員にとっても魅力的な待遇を提供する企業も多くあります。
営業利益率は、企業の収益性を示す指標であり、高い営業利益率は、効率的な経営とコスト管理を反映し、企業の安定性や成長性に影響を与えます。
就活する際には、営業利益率の高い業界を選ぶことで、将来的なキャリアや収入面での安定性を選択肢に入れることも重要です。
営業利益率が高い業界には、金融機関や情報通信、バイオテクノロジーなどが挙げられます。これらの分野では、急速な技術革新や市場需要の拡大により、収益性が高まっています。
しかし、ただ営業利益率が高いからといって無条件にその業界に飛び込むのではなく、自身の興味や適性、将来の展望とも照らし合わせて選択することが大切です。また、企業の将来性や経営方針、風土、働く環境なども検討するポイントとなります。
総合的に判断し、自身に合った業界でキャリアを築くための一歩を踏み出すことが、就活の成功につながるでしょう。