
【例文あり】面接で「どんな社会人になりたいか」と聞かれたときのベストな答え方を解説
2023年9月17日更新
はじめに
「どんな社会人になりたいか」と面接で聞かれることがありますが、理想の社会人像が鮮明になっていない学生にとってはどう答えていいか戸惑ってしまうこともあるでしょう。
学生の段階で理想の社会人像がしっかり定まっている人は多くないものです。
今回は、面接官が「どんな社会人になりたいか」と聞く理由や、回答の例文から好印象を与える答え方について解説します。
「どんな社会人になりたいか」という質問の答えのヒントになる記事となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
「どんな社会人になりたいか」という質問の重要性
この質問が面接でよく出る理由
面接で「どんな社会人になりたいか」と尋ねる理由は、学生が描く理想の社会人像が企業の文化や価値観とどれほど一致しているかを確認するためです。
この確認作業が重要な理由は、企業と応募者間での価値観の不一致を最小限に抑えるためです。
価値観が合致していると、それだけで業務の効率や社内の雰囲気が良くなる可能性が高まります。
逆に、理想と現実がかけ離れていた場合、早期の退職やモチベーションの低下が起こるリスクが高まります。
このようなミスマッチを未然に防ぐために、この質問は企業側にとって非常に価値のある情報を提供してくれるといえます。
面接官がこの質問から得たい情報
学生のキャリアプランを知りたい
「どんな社会人になりたいか」という質問から、企業は学生のキャリアプランを知りたいと考えています。
その主な理由は、早期離職を防ぎ、採用にかけたコストを無駄にしないためです。
例えば、キャリアプランで「将来、マネジメントに挑戦したい」と答えた学生が、その志向に合った部署やプロジェクトに配属されると、長く仕事を続けられる可能性が高まるでしょう。
企業は、このようにして学生のキャリアプランを知ることで、長期間働いてくれそうな人材かどうかを見極めます。
「どんな社会人になりたいか」と答える場は、ただ単に自分の理想を話す場ではなく、自身のキャリアをしっかりと考慮する大事な瞬間ともいえるでしょう。
会社に合っている人材であるかの確認
「どんな社会人になりたいか」という質問は、企業が学生との相性を判断する際の一つの基準です。
この評価は重要であり、学生の職業目標が会社の文化やビジョンとどれだけ一致するかを判定するためのものです。
どこまで会社の業務を理解しているかの確認
「どんな社会人になりたいか」という質問に対する回答は、学生が企業の業務内容をどれだけ理解しているかのバロメーターとなります。
企業は、この問いから得られる情報を基に、応募者が自社で求めるスキルや知識、または姿勢に合致しているかを精査します。
たとえば、もし応募者が「データ解析に興味がある」と言い、その企業がデータ解析に力を入れている場合、その応募者は企業の業務に適している可能性が高いといえます。
入社後の配属先を考える材料
学生が「どんな社会人になりたいか」と答えるとき、その回答は入社後の配属先を決定する参考材料になります。
面接の時点で、企業はどの部署で学生が活躍できるかを想定している可能性が高いです。
例えば、学生が「マーケティングに興味があります」と答えた場合、その学生はマーケティング部門で良いパフォーマンスを発揮できる可能性が高いと判断されるでしょう。
このように、「どんな社会人になりたいか」の質問から得られる情報は、配属先を決定する上で非常に有用です。
質問に対して効果的な回答をするために
普段から理想の社会人像を考えておく
「どんな社会人になりたいか」という質問に対して効果的な回答をするためには、普段から理想の社会人像を考えるクセをつけておくことが重要です。
これは、自分が目指すべき方向性を明確にし、それに基づいて具体的な行動をとるための指針となります。
例えば、自分がマーケティングの専門家になりたいと思っている場合、その理想像を具体化することで、どのようなスキルや経験が必要か、どのような業界や企業で働きたいかといった具体的なビジョンを描くことができます。
このように、普段から理想の社会人像を考えることで、「どんな社会人になりたいか」という質問に対して的確な回答ができるようになります。
答えを考える際のポイント
自己分析を行う
自己分析をしっかりと行うことで、面接で「どんな社会人になりたいか」という質問に対し、効果的な回答ができるようになります。
それは、自分自身の価値観や適性、強み、弱みを明確にすることで、目指すべき方向性が見えてくるからです。
自己分析を通じて自分をよく知ることで、志望する社会人像がクリアになり、面接でもその方向性をしっかりと示すことができるでしょう。
企業分析を行う
「どんな社会人になりたいか」という問いに対する答えを明確にするためには、志望企業の分析が必要不可欠です。
自分が望むキャリアや役割をその会社内で果たせるかどうかを判断するためです。
「どんな社会人になりたいか」は、言い換えると自分が将来どういう風に仕事をしているか、ということです。
企業のウェブサイトや資料、インタビューなどを調査することで、その会社で具体的に何ができるのか、どのような業務に従事できるのかが明確になります。
このような企業分析によって、未来の自分の働く姿が鮮明になるでしょう。
OB・OG訪問を行う
「どんな社会人になりたいか」という質問に対して効果的な回答をするために、OB・OG訪問を行うことが有効です。
OB・OGに「学生のときはどんな社会人になりたいと思っていたか」を聞くことで、自分の理想像を具体化するヒントを得ることができるでしょう。
また、自分が「どんな社会人になりたいか」をOB・OGに話し、その企業で実現可能かどうかを相談することも有益でしょう。
これらの情報は、自己理解を深め、自己PRの材料とすることもできます。
自分の性格とは違う社会人像を答えても良いか?
面接で「どんな社会人になりたいか」という質問に対して、本音とは違うことを答えることはおすすめしません。
その理由は2つあります。
一つ目は、自分自身が納得できるキャリアを築くためです。
自分の本当に望むキャリアパスと異なる道を進むことは、長期的に見て満足感や達成感を得られない可能性があります。
二つ目は、企業側も本当にその仕事に情熱を持って取り組むことができる人材を求めているからです。
したがって、自分の本音を伝え、それが企業の求める人材像と合致しているかどうかを確認することが重要だといえるでしょう。
回答の例文とその解説
例文①責任感がある社会人になりたい
常に責任感を持ち、どんな課題にも立ち向かえる社会人になると決意しています。 子供の頃から少年野球を続け、大学では主将も務めました。 我々のチームは強豪校ではありませんでしたので、苦しい試合が少なくなかったのですが、毎試合精一杯戦いました。 試合の結果は一つのミスの差で決まることもありましたが、私は常に仲間を励まし、共に困難を乗り越えてきました。 主将としての責任感を胸に、部室ではいつも最初に顔を出し、問題が起きた際にはもめ事を起こした部員同士の間をとりもつこともありました。 地区大会で優勝したときの喜びは大きく、部員からの感謝の言葉も私にとって大きな喜びでした。 社会人としても、この責任感を持ち続け、困難を乗り越えていくことを目指しています。 |
この回答には以下のポイントが含まれています。
・責任感→「常に責任感を持ち、どんな課題にも立ち向かえる社会人になる」と述べているため自分の課題に対し責任感を持ち誠実に取り組むことを示しています。
・困難を乗り越える能力→野球チームの主将として、困難な試合や問題が起きた際に仲間を励まし、問題解決に取り組んだ経験を共有しています。
これは困難に直面したときにも冷静さを保ち、解決策を見つける能力を持っていることのアピールになります。
・リーダーシップ→主将としての役割を果たし、部員間で問題が起きた際には仲裁役となった経験を挙げることでリーダーシップを発揮し、チーム内の調和を保つ能力を持っていることを示しています。
・成功体験→地区大会で優勝したときの喜びや部員からの感謝の言葉を引き合いに出すことで、目標達成の喜びや他人からの評価を大切にする人物であることが伝わります。
例文②お客様に信頼される社会人
私は、顧客から深い信頼を寄せられる社会人になりたいと考えています。 その理由は、社会人としてのキャリアをスタートさせるにあたって、信頼関係が極めて大切な要素であると確信しているからです。 他人との間に信頼関係を築くことができれば、仕事上で困難に直面した際にも、気軽に相談したり、助けを求めたりすることが可能になります。 このような信頼関係は、仕事の効率性や成果を大いに向上させることができます。 したがって、私が貴社に入社した後の目標は、第一に顧客から信頼される存在になることです。 そのためには、顧客のニーズを理解し、それに応えることが求められると考えています。 私自身が顧客の問題を一つ一つ丁寧に解決することで、顧客からの信頼を勝ちとれると思っています。 その結果、私自身も成長し続けることができます。 また、顧客から信頼されるためには、自己啓発やスキルアップも重要です。 私は常に新しい知識を学び続け、自分自身を高めていくことで、顧客からの信頼を得られるよう努力します。 これが私の社会人としての目指す姿です。 |
この回答には以下のポイントが含まれています。
・信頼関係の重要性→「顧客から深い信頼を寄せられる社会人になりたい」と述べていることから、今までの人生経験の中で、信頼関係が極めて重要な要素であると認識していることを示しています。
・問題解決能力→「私自身が顧客の問題を一つ一つ丁寧に解決することで、顧客からの信頼を勝ち取る」という部分は問題解決能力を持っていることを示しています。
・自己成長→「その結果、私自身も成長し続けることができます」という部分は自己成長を重視し、常に新しい知識を学び続ける意欲があることを示しています。
・自己啓発とスキルアップ→「私は常に新しい知識を学び続け、自分自身を高めていくことで、顧客からの信頼を得られるよう努力します」という部分は、自己啓発やスキルアップに積極的であり、それによって顧客からの信頼を得られると考えていることを示しています。
例文③視野が広い社会人になりたい
私の目指す社会人像は、視野が広く、細やかな気配りができる人物です。 その理由は、視野が広いということは、多角的な視点から物事を考えることができ、それによって仕事上の問題も迅速に解決できると考えているからです。 学生時代サッカー部に所属していた経験から、チームをまとめ上げるためには視野の広さが必要だと痛感しました。 仕事ではさまざまな問題が起こり得るため、問題解決のためには広い視野と細部への気配りが重要だと感じています。 視野が広い社会人になることを目指し、周囲の状況を的確に把握しながら働くことを心掛けたいと思っています。 これが私の社会人としての目標です。 |
この回答には以下のポイントが含まれています。
・視野が広い社会人になりたい→多角的な視点から物事を考え、仕事上の問題を迅速に解決できる社会人になりたいという点は、物事を広範囲にわたって考察し、多様な視点からアプローチできる能力の獲得を目指していることを示しています。
・細やかな気配りができる人物→「細部への気配りが重要だと感じている」という部分は、他人のニーズや状況に敏感であり、それに対応する能力を持っていることを示しています。
まとめ
この記事では、「どんな社会人になりたいか」という質問の意図と、その効果的な回答方法について解説しました。
この質問は、学生と企業のミスマッチを防ぐため、また入社後の配属先を決定する参考にするためによく使われます。
対策としては、普段から自己分析や企業分析に力を注ぎ、自分がどのような社会人になりたいかを明確にしておくことが重要です。
何を達成したいのか、どんなスキルを持っていたいのかを具体的に考えましょう。
さらに、その理想像が該当企業でどのように活かせるかを考慮すると、より具体的な回答ができます。
そして、質問に対しては飾ることなく、本音で自分の理想の社会人像を語ることが求められます。
この記事があなたの面接対策に役立てば幸いです。