中堅ゼネコン11社を解説|売上・年収ランキングと就職難易度、志望動機例を紹介
2025年9月30日更新

この記事の監修者
三好 勝利(キャリアアドバイザー)
新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。
有料職業紹介事業許可番号13-ユ-306414
プライバシーマーク認定番号:17001872(02)
新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。
有料職業紹介事業許可番号13-ユ-306414
プライバシーマーク認定番号:17001872(02)
はじめに
ゼネコン業界を志望する学生の多くは、まず大手に目を向けますが、選考倍率や学歴フィルターに不安を抱える人も少なくありません。
一方で中堅ゼネコンは人物重視の採用を行う企業が多く、若手に裁量が与えられやすい環境が整っています。
年収や福利厚生も準大手に匹敵する水準を持つ企業があり、売上・年収の一次情報を確認すれば将来への不安を和らげられます。
本記事では区分の違いと最新ランキング、就職難易度や志望動機例までを整理し、就活生が今日から行動できる知識を提供します。
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中堅ゼネコン11社の特徴
本記事では「年間売上高1,000〜3,000億円前後」を便宜上中堅と呼称します。一方で、東急建設など一部企業は、直近の主要比較記事や媒体で“準大手ゼネコン”に区分されるケースが増えています(単独売上2,600〜2,800億円台レンジ)。
本記事の比較対象11社には東急建設を含めていません。区分は媒体により差異があるため、志望先の公式IR・有報で最新の売上規模を必ず確認してください。
中堅ゼネコン11社比較表
| 企業名 | 本拠地 | 得意分野 | 特徴 |
| 鴻池組 | 大阪 | トンネル・建築 | 積水ハウスG、全国・海外展開 |
| 奥村組 | 大阪 | 土木・建築 | 堅実経営、社員教育に注力 |
| 東亜建設工業 | 東京 | 海洋土木 | 空港埋め立て・港湾整備に強み |
| 東洋建設 | 東京 | 海洋土木 | マリコン代表格、海外工事多数 |
| 鉄建建設 | 東京 | 鉄道関連 | 駅ビル建築、安全管理を徹底 |
| 大豊建設 | 東京 | 土木・環境施設 | 海外展開に積極的 |
| 福田組 | 新潟 | 土木・建築 | 老舗、エネルギー関連に対応 |
| 淺沼組 | 大阪 | 官公庁・耐震 | 独自技術(免震・特殊コンクリート) |
| 飛島建設 | 東京 | 防災・制震 | 復興支援チーム、制震技術が強み |
| 東鉄工業 | 東京 | 鉄道工事 | JR東日本と深い関係、線路保守で高シェア |
| 錢高組 | 大阪 | 橋梁建設 | 300年以上の老舗、不動産も展開 |
中堅ゼネコン11社はそれぞれの専門分野で強みを持ち、鉄道・港湾・防災など社会基盤を支えています。大手より就職難易度が低い一方、やりがいのある現場が多く、キャリア形成にも有利です。
参考:
中堅ゼネコンの売上・年収ランキング
就活で気になるのは「待遇が大手と比べてどうか」という点です。中堅ゼネコンは売上・年収ともに幅が大きく、企業によって差があります。最新データを確認し、将来性や安定性を把握することが重要です。
・売上:各社の最新通期(原則2024年3月期)の連結売上高を採用。建設関連以外の事業を含む場合は連結数値をそのまま用いています。
・年収:各社の有価証券報告書の平均年間給与を採用。
・年度差・母数差により、まとめサイトや媒体間で数値が異なる場合があります。比較時は年度を合わせ、一次情報へのリンクをご確認ください。
中堅ゼネコン売上ランキング(2024年3月期)
| 企業名 | 売上高(億円) | 年度 |
| 東亜建設工業 | 3,179 | 2024/3期 |
| 奥村組 | 2,881 | 2024/3期 |
| 鴻池組 | 2,747 | 2024/3期 |
| 東洋建設 | 1,868 | 2024/3期 |
| 鉄建建設 | 1,836 | 2024/3期 |
| 大豊建設 | 1,632 | 2024/3期 |
| 福田組 | 1,622 | 2024/3期 |
| 淺沼組 | 1,527 | 2024/3期 |
| 東鉄工業 | 1,418 | 2024/3期 |
| 飛島建設 | 1,320 | 2024/3期 |
| 錢高組 | 1,210 | 2024/3期 |
参照:
中堅ゼネコン年収ランキング(2025年版・有価証券報告書)
ここでは、中堅ゼネコンの年収ランキングを2025年の情報をベースにまとめています。
| 順位 | 企業名 | 平均年収(万円) | 年度 |
| 1 | 東亜建設工業 | 955 | 2025年版 |
| 2 | 奥村組 | 945 | 2025年版 |
| 3 | 鴻池組 | 915 | 2025年版 |
| 4 | 東鉄工業 | 860 | 2025年版 |
| 5 | 鉄建建設 | 857 | 2025年版 |
| 6 | 飛島建設 | 841 | 2025年版 |
| 7 | 錢高組 | 825 | 2025年版 |
| 8 | 東洋建設 | 824 | 2025年版 |
| 9 | 淺沼組 | 806 | 2025年版 |
| 10 | 大豊建設 | 794 | 2025年版 |
| 11 | 福田組 | 741 | 2025年版 |
中堅ゼネコンの年収は760万〜950万円と幅広く、準大手と同等レベルの企業も多く存在します。売上規模も安定しており、知名度に比べ待遇が劣るとは限りません。
中堅ゼネコンの就職難易度と学歴フィルター
中堅ゼネコンはスーパーゼネコンに比べると就職難易度が低めです。倍率も抑えられ、人物重視の採用を行う企業が多いため、学歴に不安がある学生でも挑戦できます。ここでは難易度と学歴フィルターの実態を整理します。
難易度と学歴フィルターの特徴
スーパーゼネコンと中堅ゼネコンの倍率、学歴、選考傾向についてまとめました。
| 項目 | スーパーゼネコン | 中堅ゼネコン |
| 倍率 | 数十倍の高倍率 | 比較的低倍率 |
| 学歴 | 旧帝大・早慶中心 | 地方国立・私大も採用 |
| 選考傾向 | 学歴・専門性を重視 | 人物・意欲を重視 |
学歴に不安がある学生へのポイント
- インターン参加が有効:中堅は人物評価を重視するため、社員と接点を持てば評価につながりやすい
- OB訪問で志望度を伝える:学歴に左右されず、熱意を示せる機会になる
- エントリー数を増やす:準大手や中堅を複数併願すればチャンスが広がる
中堅ゼネコンは倍率が抑えられ、学歴フィルターが比較的弱い環境です。人物重視で評価される傾向が強く、主体的に動けば内定の可能性は十分あります。



志望動機と面接想定問答(分野別)
中堅ゼネコンの面接では「なぜ大手ではなく中堅なのか」「どの分野で貢献できるか」が必ず問われます。志望動機を企業の強みと結びつけることで説得力が増します。ここでは分野別の志望動機例と想定問答を紹介します。
分野別志望動機例
| 分野 | 代表企業 | 志望動機例 |
| 鉄道系 | 東鉄工業・鉄建建設 | 保安監督業務や線路閉鎖手配の基礎理解を入社前から進めています。入社後は土木施工管理技士(1・2級)を段階取得し、将来的には軌道工事管理者として終電〜始発の限られた作業時間で安全と生産性を両立させる計画です。 |
| 海洋土木系 | 東亜建設工業・東洋建設 | 浚渫・防波堤・岸壁改良の工法差と海象条件の影響を理解しています。入社後は土木施工管理技士に加えて、現場に応じて潜水士/小型船舶操縦免許の取得計画を立て、空港埋立・港湾整備で施工管理の即戦力を目指します。 |
| 防災系 | 飛島建設 | 災害ボランティアを通じ、建設技術の重要性を実感しました。御社の制震技術や復興支援に強く惹かれ、現場で課題解決に挑戦したいです。制震・免震の技術カタログと適用実績を研究しました。建築施工管理技士を取得し、地震後の迅速な被災度判定に資する体制づくりに携わりたいと考えています。 |
| 官公庁案件系 | 淺沼組・福田組 | 公共施設の耐震設計を研究し、地域社会の安心を守る重要性を学びました。御社の官公庁案件で培った技術を通じ、地域に長く残る建物づくりに携わりたいです。耐震補強・公共更新の長期計画を調査し、入札方式(一般競争・総合評価)の違いと評価ポイントを把握しています。技術士補→技術士までのロードマップを描き、地域に長く残る施設整備に貢献します。 |
面接想定問答(例)
質問①:なぜ中堅ゼネコンを志望するのですか?
回答例:スーパーゼネコンも魅力的ですが、若手から幅広い業務を任され、専門分野で早期成長できる環境に魅力を感じています。
質問②:入社後に挑戦したいことは?
回答例:まず施工管理職として現場を理解し、数年後には鉄道・港湾・防災など専門分野のプロジェクトをまとめる立場を目指します。
質問③:建設業界の課題は何だと思いますか?
回答例:人手不足と技術継承が大きな課題です。資格取得と現場経験を積み、若手として解決に貢献したいです。
質問④:なぜスーパーゼネコンではなく中堅を選んだのですか?
回答例:知名度よりも「活躍できる環境」を重視しました。中堅は一人の裁量が大きく、早期から責任ある仕事を任される点に魅力を感じています。
質問⑤:学生時代の経験をどう活かしますか?
回答例:研究室で耐震設計に取り組んだ経験から、課題を多角的に分析する力を磨きました。現場でも安全性と効率性を両立させる提案に活かしたいです。
志望動機は企業の専門分野と自分の学びや経験をつなげるのが鉄則です。抽象的な熱意ではなく、研究や活動経験を具体的に語れば評価につながります。
先輩体験談5選を紹介
中堅ゼネコンを実際に志望した先輩の体験談を紹介します。リアルな声を知ることで、就活への不安を和らげることができます。ここでは5人の体験談をまとめました。
体験談①:学歴に不安があったが内定獲得
私は地方国立大学出身で、スーパーゼネコンの選考では学歴の壁を感じました。
しかし中堅ゼネコンでは人物重視で評価され、面接では志望動機を丁寧に伝えることで第一志望の会社から内定を得られました。
体験談②:インターン参加が決め手
大学3年の夏に中堅ゼネコンのインターンに参加しました。
社員の方々が若手でも責任ある業務を任されている姿を見て、自分も挑戦したいと感じました。
現場の雰囲気を直接知ったことで、入社を決意する大きなきっかけになりました。
体験談③:OB訪問で将来性の不安を解消
私は「中堅=将来性が不安」というイメージを持っていました。
しかしOB訪問を通じて、海外展開や新技術への積極投資を知り、安定した成長環境があると理解しました。
その安心感が志望理由の強い後押しとなり、選考でも自信を持って臨めました。
体験談④:資格取得が評価された
私は大学時代に施工管理技士補の資格を取得しました。
面接では専門知識だけでなく「学び続ける姿勢」を評価され、成長意欲が伝わったと感じます。
資格を持っていたことで、内定後の配属面談でも希望分野に進みやすくなりました。
体験談⑤:地方勤務から全国プロジェクトへ挑戦
私は地元志向で就活を始めましたが、中堅ゼネコンの説明会で「地方から全国案件にも関われる」と知り志望しました。
入社後は地元で経験を積みつつ、大都市の再開発案件にも関与でき、キャリアの幅が広がりました。
先輩の体験談からわかるのは「学歴より人物」「インターンやOB訪問がカギ」という点です。現場を知り、自分の強みを結びつけることが内定獲得につながります。
FAQ
Q1. 中堅ゼネコンに向かない人は?
- 協調性よりも個人主義が強い人は不向きです。現場はチーム作業が多いため、協働力を磨くことが大切です。次にやることは、自分の強みを整理して志望動機に反映させましょう。
Q2. 女性に中堅ゼネコンは働きやすい?
- 福利厚生や産休制度が整った企業も多く、働きやすい環境が増えています。現場職だけでなく設計や管理職でも活躍できます。次にやることは、各社の採用ページで制度を確認してください。
Q3. 文系でも応募できますか?
- 文系採用枠は施工管理や営業職で存在します。技術職と比べて応募者が少なく、人物評価を受けやすいです。次にやることは、説明会やインターンで文系社員のキャリア事例を探しましょう。
Q4. 未経験でも採用されますか?
- 資格取得支援や研修制度が整備されており、未経験者も採用されています。建築学科出身でなくても挑戦可能です。次にやることは、資格試験(施工管理技士など)の勉強を始めましょう。
Q5. 中堅ゼネコンの平均年収は?
- 約760万〜950万円で、準大手と同等レベルの企業も多いです。出典:各社有価証券報告書(2025年版)https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/
次にやることは、企業ごとに有報を確認して比較しましょう。
Q6. 将来性は不安ではない?
- 港湾や鉄道、防災分野など社会インフラに強みを持ち、安定した需要があります。次にやることは、志望する分野の将来性を企業研究で確認しましょう。
Q7. 自己PRはどのように作ればいい?
- 人物重視のため「協調性」「粘り強さ」「挑戦心」を具体的に語ると効果的です。次にやることは、大学やアルバイトの経験をエピソード化してください。
Q8. 面接でよく聞かれる質問は?
- 「なぜ中堅なのか」「入社後に挑戦したいこと」は必ず聞かれます。次にやることは、企業の得意分野と自分の経験を接続して答えを準備することです。
Q9. インターンやOB訪問は必要?
- 学歴に不安がある場合は特に有効です。人物評価を高め、志望度を伝える機会になります。次にやることは、志望企業のOBを探してアポイントを取りましょう。
Q10. 「やばい」と言われるのはなぜ?
- 残業や工期の厳しさが理由で語られることがあります。ただし最近は働き方改革で改善が進んでいます。次にやることは、直近の労働環境データを企業IRや採用ページで確認してください。
Q11. ブラック企業の心配は?
- 大手と比べ人員が少なく業務負担が大きい場合がありますが、労働時間の開示や監督官庁の指導も進んでいます。次にやることは、厚生労働省の「企業データベース」で調べましょう。
Q12. 地方ゼネコンとの違いは?
- 地方ゼネコンは地域密着で転勤が少なく、生活基盤を重視する人に向いています。中堅は全国展開や海外案件がある点で異なります。次にやることは、自分が働きたい地域と照らし合わせて選びましょう。
参考:厚生労働省「企業情報データベース」



まとめ
ゼネコン業界は「スーパーゼネコン」「準大手」「中堅」「地方」に分かれ、それぞれに特色があります。スーパーゼネコンは待遇や案件規模が魅力ですが、就職難易度が非常に高いのが実情です。準大手は安定感と専門性のバランスに優れ、幅広い案件に関わる機会があります。
一方で中堅ゼネコンは鉄道・港湾・防災など社会インフラに強みを持ち、若手のうちから裁量を任されやすい点が大きな特徴です。売上や年収も準大手に匹敵する企業が多く、就職先として十分に検討に値します。
就活生は知名度にとらわれず、自分が成長したい分野や働き方を軸に選ぶことが重要です。インターンやOB訪問で情報を集めれば、不安を解消しながら納得のいくキャリア選択につながります。








