【新卒採用だと厳しい?】貿易事務の仕事内容・内定獲得のポイントについて解説はじめに

【新卒採用だと厳しい?】貿易事務の仕事内容・内定獲得のポイントについて解説はじめに

2023年8月30日更新

はじめに

本記事では、【新卒採用だと厳しい!?】貿易事務の仕事内容・内定獲得のポイントについて解説します!というテーマで、貿易事務の業務内容や求められるスキルなど、就活において知っておくべき情報をまとめました。

貿易事務を志望する、また貿易事務を知らない学生に対しても理解が深まるような有益な内容を記載してますので、ぜひ最後まで読んでいってください!



貿易事務とは

貿易事務とは、海外の取引先との輸出・輸入において必要な事務手続きをする職種を指します。

他の業界で行われるような一般的な内容から、専門的なスキルが必要になる業務まで様々あり、貿易事務は主にメーカーや商社業界、また船舶や航空・フォワーダー(自社ではなく、他社の輸送手段を用いて貨物輸送を行う事業者)で必要とされる職種です。

具体的な業務内容は、以下の5点になります。

1、貿易書類の作成

2、通関手続き

3、輸送便の手配

4、商品の発注、納品管理

5、取引先とのコレスポンデンス

 

参考:貿易事務とは?メーカーや商社の貿易事務の仕事内容やスキルについて|求人・転職エージェントはマイナビエージェント (mynavi-agent.jp)

 

1、貿易書類の作成

商品を取引する際の条件、商品の数量や価格など貿易の詳細を書類にまとめます。

これは、国ごとによる文化や商習慣の違いが原因となり取引時の支払い・納入の遅延などが起こってしまうリスクがあり、それを未然に防ぐ・スムーズに解決するために大変重要な書類になります。

具体的に、

・インボイス(取引明細)

・信用状(銀行が輸入者の支払いを保証する書類)

・船荷証券(貨物の受取証)

などが挙げられます。

 

2、通関手続き

輸出入を行う際の法律として関税法や輸出入管理法などが定められており、それらをクリアして輸出入の許可をもらうために、税関に対して行う手続きを指します。

 

3、輸送便の手配

輸出入をする上で必要な貨物(飛行機・トラック・船など)を手配するための業務です。

 

4、商品の発注、納品管理

商品を輸入する場合の発注手続きや、逆に商品の注文を受けた場合(輸出)に、該当商品の在庫・製造状況をチェックしたうえでその納期や数量を管理する業務です。

貿易は船や飛行機を用いて商品を輸送するため、悪天候などが原因で輸送が遅延する場合などがあり、そうなった場合の調整も事務員が行います。

 

5、取引先とのコレスポンデンス

外国語で取引先との電話、文書のやりとりをする業務を指します。業界では「コレポン」と略されて用いられることが多く、「Correspondence」という英語からきています。

 

「新卒での採用は難しい」はホント?

貿易事務の採用についてインターネットで調べてみると、関連ワードに「貿易事務 新卒 難しい」などネガティブな言葉が出てきます。

では、なぜ新卒採用が難しいという意見が出回っているのでしょうか。

それは貿易事務の「専門性」が理由になっていると考えられます。

先ほどの章でも述べた通り、貿易事務は一般的な事務と異なり専門的なスキルが必要です。

外国語を使って業務をこなすことは当たり前で、また貿易ならではの業務に慣れ、高度な事務処理能力を求められることから、企業によっては「即戦力」となる人材のみを採用するケースもあります。

一方、新卒の就活の場合は即戦力というよりは「ポテンシャル採用」で入社後に成長する見込みがあるかどうか、という点を重視する傾向があります。

即戦力という人材が求められることもある貿易事務は、ポテンシャル採用を行う一般的な新卒採用とは少し違った側面を持つためネットで「貿易事務 新卒 難しい」というワードがでてくるのでしょう。

しかし実際には貿易事務の新卒採用を行い、また入社後もアシスタントとして事務を行う時期を設けるなど、入社後の育成を通して成長させよう企てる企業も多く存在します。

そのため、貿易事務を志望することを決めている学生は、はやい時期から語学のスキルを磨くなど、対策を行っていくことをオススメします。

 

貿易事務で求められるスキル

貿易事務になるために対策を行っていく場合は、まず「どのようなスキルが求められるか」という点をあらかじめ知っておけばスムーズに対策を行っていけます。

具体的には、以下3点のスキルがあると良いと考えられています。

1、語学力

2、専門的な知識

3、事務処理能力

 

1、英語力

海外の業者とやりとりを行うため、英語でのコミュニケーション能力は必須です。

TOEICのスコアでいうと、600~650点以上の点数を獲れる能力が必要とされます。

TOEIC650点という数字は、TOEIC受験者の平均プラス約100点の位置で、英語検定でいうと2級(高校卒業レベル)を比較的容易に合格できるレベル、などと定義されています。

このスコアを取ることは容易ではありませんが、しっかりと対策に時間を充てれば達成できる数値でもあると考えられます。

また語学力という点でいうと、中国語など第三言語のスキルが優遇されるケースもあります。

貿易事務を志望するけど何をするか迷っている学生に対しては、まずは語学力を高めることをオススメします。

 

2、専門的な知識

先ほども述べた通り、貿易事務では専門的な知識が業務に必要になります。

専門的な知識とは貿易書類の作成において、また国ごとで貿易の法律が異なってくるためその知識などを指します。

未経験でも貿易に関する知識を持っているとアピールする手段の1つとして、「貿易実務検定(R)C級」の取得が挙げられます。

これは貿易実務の知識や、貿易実務で利用する英語力を計るための試験で、C級の場合は実務1~3年で取得できるレベルの問題が出題されます。

合格率は60%以上と推定されており、資格試験の中では比較的取得しやすいレベルとなっています。

また入社後の研修で貿易実務検定に準じたプログラムを設ける企業も多く、業界人からは一定の評価を得られる資格のため、貿易実務検定(R)C級の受験も検討してみましょう。

 

3、事務処理能力

語学力や専門知識を蓄えたうえで、さらにそれを事務上で発揮する能力もとても重要です。

輸出・輸入先の企業はもちろん、輸送会社や税関など複数の企業と連携して業務を行っていくため、処理スピード、またマルチタスク能力が高い人ほど貿易事務で活躍できると考えられています。

また事務上のミスが輸送の遅延を招くため、今後起こりうる将来のリスクの部分を先読みしながら、正確に事務をこなしていく能力も必要になります。



貿易事務として働くやりがい・デメリット

以下では貿易事務で働く上で得られるやりがいとデメリットを2点ずつ紹介していきます。

 

やりがい① スケールの大きなビジネスに携わることができる

やりがい② 自身の価値観を広げられる

デメリット①時差による残業

デメリット② 文化・言語の違いによるストレス

 

やりがい① スケールの大きなビジネスに携わることができる

会社の規模によっては、規模の大きな輸出入を行うことがあり、また取引先は海外の企業です。

そのようなスケールの大きいビジネスを自身の専門的な知識を発揮しながら、成功に導くことで得られる達成感は、貿易事務ならではの醍醐味と言えるでしょう。

 

やりがい② 自身の価値観を広げられる

取引先は海外の企業で文化が異なるため、今まで日本で生きてきて「当たりまえ」と考えてきたことが通用しないケースも。

そんな中でも取引はスムーズに進めていかないといけないため、相手の国の文化や情勢、また考え方の特徴など細かい部分まで理解に努めていく必要があります。

はじめは苦労するかもしれませんが、乗り越えていくことで自身の考え方や価値観が広がっていき、一人の人間として成長していることを実感できます。

 

デメリット① 時差による残業

海外企業が取引先で、相手企業のスケジュールに合わせていく必要もあるため、それが原因で残業を強いられるケースがあります。

また夜遅くに連絡が来ることもあり、1日の中で完全に仕事を忘れて生活できる時間帯が他の業種と比べ少ない時期があるため、中にはストレスを感じる方もいます。

 

デメリット② 文化・言語の違いによるストレス

先ほどは文化や言語が異なる「海外」の企業と働くことをメリットとして挙げましたが、特に経験の浅い段階では意思疎通が上手く取れなかったり、言語の壁を感じる機会があるため、そこに苦労を感じる方もいます。

 

貿易事務に向いている人とは

貿易事務の特徴、やりがいやデメリットなどを踏まえると、貿易事務に向いている人は

・好奇心が強い人

・柔軟に物事を考えられる人

であると考えます。

 

相手企業は海外のため、異なる文化や価値観を理解し、適応していくことが求められます。

そしてそれができる方は自身と他者との違いを受けいれ、違うという点に興味を持つことができる方です。

また事務作業のため、仕事を進めるうえである程度の「型」が実務経験を通じて形成されていきますが、貿易のため天候などの影響・海外との商習慣の違いで予期せぬトラブルが発生することも。

そんなトラブル時でも冷静に物事を捉え、臨機応変に処理を進めることのできる柔軟性を持った方は貿易事務に向いているといえます。



貿易事務になるには?内定を獲得するためのポイント3選

貿易事務の面接を勝ち抜き、内定をもらうためには以下のポイントが重要です。

・競合他社と比較の上、志望企業のビジネスモデルを理解する

・自身が貿易事務に向いていることをアピールできるESを作る

・OB・OG訪問の実施、座談会の参加

 

・競合他社と比較の上、志望企業のビジネスモデルを理解する

貿易事務として採用している企業は、

・商社

・メーカー

・船舶

・航空

・フォワーダー(自社ではなく、他社の輸送手段を用いて貨物輸送を行う事業者)

など様々です。

そして各業界・各企業ごとで貿易事務として行う業務や求める人物像が異なってくるため、まずはその点を明らかにすることが必要です。

そしてその違いを見つけることができたら、志望動機を自身の価値観・経験とともに織り交ぜてまとめていきましょう。

 

例)業界別・貿易事務の特徴

・商社:代理店的な役割のため、輸出入の契約や貿易実務全般をこなす

・メーカー:工場への出荷依頼や在庫管理、貨物の手配など

・船・飛行機・フォワーダー:貨物輸送の最善ルートを提案する役割のため、輸送に関わる業務

 

参考

貿易事務とは?メーカーや商社の貿易事務の仕事内容やスキルについて|求人・転職エージェントはマイナビエージェント (mynavi-agent.jp)

貿易事務職の「商社・メーカー系」と「物流・フォワーダー系」とは?業界や仕事内容の違いについて解説! | みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ- (pasona.co.jp)

 

・自身が貿易事務に向いていることをアピールできるESを作る

先ほどは好奇心が強い方が向いているという内容や、そもそも貿易事務は多くの業者と関わるということなど、独自の特徴があることを記載しました。

そのため貿易事務、そして志望企業のどんな特徴が自身とマッチしているか、という点が明確になるような内容でESを組み立てていってください。

 

例)ESに使える貿易事務のキーワード

・好奇心が強い

・海外経験で「異なる価値観」に触れた

・語学力を活かしたアルバイト・インターン経験

・予期せぬ事態に対して、柔軟に物事を対処した経験

・多数の関係者の調整役を担い、成功した経験

など

・OB・OG訪問の実施・座談会の参加

OB・OG訪問や座談会など、実際にその企業で働く方とお話しする機会を設けられる場合は、積極的に動きましょう。

自身の作成したESの添削依頼や、そもそも自身がイメージしている働き方について、また企業の特徴などの質問を行うことで、下調べをもとに自身で立てた「仮説」と「実際」の企業の働き方のギャップを埋め、面接時により的確な内容を話す準備を行うことを目的としています。



貿易事務の有名企業5選

以下では、貿易事務を行う有名企業について5社紹介します。

 

1、パナソニック

貿易事務の有名企業の1社目は、パナソニックです。

日本の家電メーカー大手という位置づけですが、現在はEVや住宅関連事業など「暮らし」に関わる事業を広く行っています。

福利厚生が充実しているという特徴があり、一般的な会社だと有給は20日前後なのに対し、パナソニックの場合はなんと有給が36日も付与され、有給所得率も日本の平均は60%を満たないですが80%近くを達成しています。

まさに社員を大切にするホワイト企業です。

 

2、NEC(日本電気)

貿易事務の有名企業の2社目は、NECです。

もともとは総合家電メーカーとして有名になった企業ですが、現在は国内4位のSierに。

中でも公共機関へITサービスを提供する「パブリック事業」が好調で、全体の33%の売上を達成しています。

NECは全社員の平均年収が814万と業界上位で、かつ出社時の服装自由、育休は100%取得を達成するなど働きやすい環境が整備されています。

 

3、川崎汽船

貿易事務の有名企業の3社目は、川崎汽船です。

日本郵船・商船三井とともに日本の海運大手3社の一角を担います。

強みは石炭や鉄鉱石などの資源を梱包せずにそのまま運ぶことができる「ドライバルク船」にあり、保有隻数が国内2位、運航船腹量は世界6位という実績を持ちます。

在宅勤務やフレックスタイム制の導入、また社内にカフェや診療所を設置するなど積極的な働き方改革を実施。

 

4、ニューバランスジャパン

貿易事務の有名企業の4社目は、ニューバランスジャパンです。

矯正用シューズメーカーとして1906年にアメリカで創業した企業(New Balance)で、世界初の「オーダーメイド型のランニングシューズ」という事業に挑戦した過去を持ちます。

そのように顧客を第一に考え事業を行うニューバランスの靴は、現在ファッション業界でも人気を博しています。

コアタイムなしのフレックスタイム制を導入し、入社・退社時間は自由に決められるなど、ワークライフバランスについてポジティブな口コミが確認できました。

5、小松製作所

貿易事務の有名企業の5社目は、小松製作所です。

国内トップ、世界では2位のシェアを誇る建設機械メーカーで、アメリカやヨーロッパをはじめ世界各国にグループ会社を設置するグローバルな企業です。

製品の質もさることながら、経営戦略に対してもエコノミストや投資家からの評価が高く、日本の「モノづくり」の文化を支えています。

また社員からの評判も良く、年間有給取得について20日の取得を社員に「義務」づけるなど、ワークライフバランスに関しての企業側からのフォローが徹底されています。

 

まとめ

今回は、【新卒採用だと厳しい!?】貿易事務の仕事内容・内定獲得のポイントについて解説します!というテーマで新卒就活生の方向けに記事を執筆しました。

一般的な事務職では味わえないようなスケールの大きな仕事や、やりがいを感じることもできるためとても魅力的ですね。

ただ語学力や専門的な知識が業務に必要になってくるため、貿易事務を志望する場合は事前の準備を行うことをオススメします!

この記事を参考にしてくれた学生の方々が、志望する企業から内定をもらえることを祈っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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