【就活のグループワーク】例題をもとに立ち回り方や役割を解説
2023年8月23日更新
はじめに
就活生の中には、グループワークを苦手とする人も多いのではないでしょうか。ひとりで行う面接と違い、他の就活生と協力しなければいけないので、面接とは違う技術が必要になります。
グループワークで上手く立ち回れるか不安な就活生のために、本記事では例題をもとに立ち回り方や話し方を徹底解説します。苦手意識を克服して、選考を通過できるように参考にしてください。
グループワークで人事が見ているポイント
グループワークを通して、就活生のどのようなポイントを見ているのか知っておくことが重要です。見られているポイントをしっかり抑えておくことで、高評価を得られる立ち回りができるので、覚えておきましょう。
協調性
グループワークはひとりで問題を解決するのではなく、グループ全員で協力し合って解決するために話し合います。そのため、コミュニケーションがしっかりとれているか、協調性があるのかをチェックされます。
どんなに優れた解決案を提示することができても、独りよがりの考えを押し通しているだけであれば、高評価につながりません。また自分の意見が正しいことを主張して、他の意見に反対してばかりであってもマイナス評価につながりやすいです。
仕事を進めていく上で、コミュニケーション能力や協調性は非常に重要であるため、企業側も重要視するポイントです。課題を解決すればいい、というわけではなく、いかに全員とコミュニケーションを取りながら、解決できるかが大切になります。
積極性
みんなの意見を聞いているだけではなく、自分から積極的に意見を言ったり、議論を進行させたりすることが大切です。仕事においても、個人が積極的にノウハウを身につけ、成長していく姿勢があるかが重要です。
グループワークを通じて、入社後にどのような仕事を任せることができるか、会社にとって必要な存在になれるか、会社に貢献してくれる働きを見せてくれるのか、といった将来性について見ています。
与えられた仕事を黙々とこなすだけの人材ではなく、積極的に発言し、主体性をもって働くことができる人材を企業は求めています。そのため、自分から積極的に行動できるように意識しましょう。
思考力
思考力は言葉の通り、考える力のことです。与えられた課題について、どのような考えをもって意見を出せているか見ています。課題と的外れな意見ばかりを述べていると、思考力がないと判断されてマイナス評価になってしまいます。
議論に沿った考えをもっていること、柔軟な発想(アイデア)があることなどをアピールできれば高評価につながりやすいです。課題についてしっかり考えていても、口に出して意見を述べなくては伝わらないので、積極的に意見を言うことを意識しましょう。
傾聴力
グループワークでは、複数人で話し合いをするので、人の意見を聞く力(傾聴力)が大切です。意見を出し合っているので、人の話を聞いてまとめられる人がいなければ、議論がまとまりません。
そのため、自分がまとめ役になることで、傾聴力をアピールでき、高評価を得ることができます。
グループワークの立ち回り方【例題付き】
例題をもとに理想的な立ち回り方や話し方について解説していきます。グループワークには、「作業型」、「プレゼン型」、「ゲーム型」の3種類あるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
グループワーク「作業型」
作業型のグループワークは、実際に紙やカードなどを使って制作物を作り出す課題です。もちろん議論もしますが、主に「ワーク」が中心になります。制限時間内にみんなで協力しながら、どれだけ完成度の高い制作物を完成させるかがポイントです。
作業型グループワークの例
・30枚の新聞紙を使用し、10分以内にできるだけ高いペーパータワーをつくってください ・子供向けのイベントを考え、チラシを制作してください ・新商品のイメージキャラクターを作ってください ・〇〇市をPRする新しいゆるキャラをつくってください ・20本のパスタとテープ、紐などを使って自立可能なタワーを立ててください ・限られた情報が書いてあるカード(1.AはBの西にある。2.CはBの北にある…)を元に情報を推測し、地図を完成させてください |
作業型グループワークの立ち回り方
上記で作業型グループワークの例を挙げましたが、今回はその中で、「30枚の新聞紙を使用し、10分以内にできるだけ高いペーパータワーをつくってください」というお題に沿って立ち回り方を説明していきます。
作業型グループワークで大切なことは、「チームワーク」と「段取り」です。10分という短い制限時間なので、テンポよく作業を分担して進めていかなければ、間に合いません。
最初にすべきことは、どのように制作を進めていくか議論することからスタートです。効率的に進めるために、作業時間、役割分担などを決めてチームで共有します。
今回の例であれば、作業時間(紙を折る時間、高く積むための議論時間)や役割分担(紙を折る人、積み上げる人、時間や進捗状況を管理する人)などを決めていきます。
役割分担が決まった後も、作業に没頭するのではなく、紙を折る担当同士で協力することや、時間を管理するなら声をかけながら状況を観察するなど、チームで動いていることをアピールすることが大切です。
作業型のグループは、議論する場面が少ないので、最初がアピールポイントです。最初の議論で自分がまとめ役になり、作業を円滑に進めることができれば、高評価を得られます。少ない議論の場で、自分をアピールできるように意識しましょう。
グループワーク「プレゼン型」
グループワークのプレゼン型は、出題された内容についてチーム内で議論し、紙やホワイトボードでまとめ発表するというかたちです。一般的なグループディスカッションに、「意見をまとめて発表する」段階が加わったと考えてください。
プレゼン型の種類
プレゼン型は以下の4つの種類があります。
①課題解決型
出題された課題についてどう解決していくかチームで話し合う形です。
③ディベート型
賛成・反対派にわかれるテーマが出題され、チームの結論がどちらであるかまとめます。
③自由討論型
「理想の会社はどんな会社」といったような、答えがたくさんある自由なテーマで話し合います。
④ビジネスケース型
実際のビジネスでも起こる課題について話し合う形です。
プレゼン型グループワークの例
・社員満足度を上げる方法を考えてください「課題解決型」 ・残業時間を減らすための施策を考えてください「課題解決型」 ・10年後の日本はどうなっているか説明してください「自由討論型」 ・学生と社会人の違いを5つあげてください「自由討論型」 ・フレックスタイムを導入すべきか否かどちらですか「ディベート型」 ・年功序列制には賛成?反対?その理由はなんですか「ディベート型」 ・1年後に利益を2倍にする方法を考えてください「ビジネスケース型」 ・新商品のPR方法を考えてください「ビジネスケース型」 |
プレゼン型グループワークの立ち回り方
プレゼン型では、「司会」、「タイムキーパー」、「書記」、「発表者」の4つに役割が分かれます。それぞれの役割ごとにどのような立ち回りをすればいいか説明します。
・司会
司会は進行係であるため、みんなをまとめることができるリーダーシップ力が重要です。全員からまんべんなく意見を聞くことが大切であるため、消極的な人からも意見を聞き出さなくてはいけません。
また意見が分かれた場合は、中立の立場を保ちながら、両者の意見を聞き合い、全員が納得するかたちにもっていかなければいけません。ひとりでも不快感を抱く人がいれば、司会者として失敗です。
「議論の流れを説明」→「みんなの意見を聞く」→「意見をまとめる」→「反対意見がないか確認する」→「結論を出す」といった流れを意識しましょう。
・タイムキーパー
タイムキーパーは、制限時間内に意見がまとまるようにタイムスケジュールを管理する役割です。議論の時間、まとめる時間、プレゼンの練習時間など、どの工程にどれくらい時間を費やすか、司会者と協力しながらまとめなければいけません。
時間を管理するだけでなく、自分も積極的に意見を出さなければいけないので、みんなの意見と時間のどちらも意識する力が必要です。討論が激しくなると、時間配分が難しくなりますが、しっかり調整して制限時間内にまとまるようにしなければいけません。
・書記
書記はただ単に紙に内容をまとめるだけでなく、「誰が見てもわかりやすいように」、「発表者が発表しやすいように」紙に書かなければいけません。そのため、発表者と協力しながら、紙にまとめましょう。
いきなり紙にまとめると上手くまとまらないので、まずはメモなどにまとめ、図やペンで色分けするなど、わかりやすくすることを意識しましょう。
結論はなにか、どのような理由で結論に導いたのか、といった要点が誰が見てもわかればベストです。書くことに集中しすぎず、意見もしっかり出しましょう。
・発表者
発表者は、グループでまとまった結論を発表する重要な役割です。上手く意見がまとまっていても、発表が上手くいかなければすべてが台無しになってしまいます。そのため、みんなの意見をしっかり聞いて、内容を十分に理解しておくことが重要です。
また書記と協力して、発表しやすいようにまとめてもらうことも大切です。発表したいフレーズ、図、わかりやすさなどを書記と連携しながら考えましょう。
発表するときは、「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」の順でまとめることができれば、相手に伝わりやすく好評価を得られます。
グループワーク「ゲーム型」
ゲーム型のグループワークは、チームで協力しながら楽しく課題をこなすグループワークです。ゲーム形式であるため、楽しく取り組めますが、あくまでも選考であることを忘れてはいけません。はしゃぎすぎて言葉遣いや態度が素に戻らないように意識しましょう。
ゲーム型グループワークの例
・営業疑似体験ゲーム ・レゴブロック ・NASAゲーム ・宝探し ・脱出ゲーム ・マシュマロチャレンジ ・野球ポジション当てゲーム ・十人十色 ・バースデイライン |
ゲーム型グループワークの立ち回り方
ゲーム型グループワークはどのゲームにおいても、協調性が重要になってくるので、しっかりとコミュニケーションを取る必要があります。今回は上記で挙げた例の中から「NASAゲーム」に沿って立ち回り方を説明します。
<NASAゲームの概要>
①自分たちが乗っている宇宙船が壊れてしまい、月に到着しました ②迎えがくる到着地点までかなりの距離があります ③15個のアイテムの中から、生存に必要なものをみんなで選ぶゲームです ④模範解答があり、選んだ優先順位の誤差が少ないチームの勝利です |
このゲームの特徴は、みんなの意見を聞きながら、自分や相手の意見を変えていく必要があることです。柔軟に相手の意見に合わせることや、逆に自分の意見に賛同してもらえるように説得力のある説明が必要です。
自分の意見が正しいと思っていても、時には他者の意見を認め、変える必要があります。そしてチーム内に1人も納得のいかない人がいない状況に仕上げることが大切です。
グループワークを通過しやすくする3つのポイント
グループワークを通過しやすくする3つのポイントがあります。グループワークをするときには、このポイントを意識して挑みましょう。
①チームは仲間である
本来、他の就活生はライバルですが、グループワークをしている間は仲間と思って協力しましょう。他の就活生よりもアピールする、優れた点を見せつける、といったように自分の主張を意識しすぎると輪を乱す恐れがあります。
冒頭でも言いましたが、グループワークは協調性を大切にしているので独りよがりの行動はマイナスポイントです。
②役割の重要度は変わらない
グループワークは、主に「司会」、「タイムキーパー」、「書記」、「発表者」の4つの役割にわかれます。どの役割になるかによってアピールポイントは異なりますが、どの役割も重要なので、与えられた役割を全うすることが大切です。
司会者はリーダーシップがある人が担当しますが、企業側はリーダーシップがある人だけを採用するわけではありません。適材適所の人材を求めているので、どの役割になっても仲間と協力して、課題にあたりましょう。
③フィードバックを怠らない
グループワークは、何度も経験するものではありません。個人面接のみの企業も多いので、限られた経験を次に活かすことが大切です。グループワークが終われば、内容を振り返り、どういうところが良かったか、悪かったかをフィードバックしましょう。
毎回フィードバックを繰り返すことで、より高評価を得られるようになっていきます。
就活のグループワークは立ち回り方が重要
グループワークには、たくさんの種類があり、課題があります。課題や自分の役割によってどう立ち回ればいいか異なるので、事前に立ち回り方を学ぶことが大切です。
本記事で説明した「作業型」、「プレゼン型」、「ゲーム型」の3つの立ち回り方を参考に、グループワークを通過できるように対策しましょう。