業界選びはどのような基準でおこなうのがベスト?8つの基準とおすすめツールをご紹介

業界選びはどのような基準でおこなうのがベスト?8つの基準とおすすめツールをご紹介

2023年8月19日更新

はじめに

「そもそも業界ってどう選べば良いの?」こう思っている方も多いのではないでしょうか。実際に、就活において業界選びは序盤で当たる壁です。では、どのように決めていけば効果的な就活にできるのでしょうか。

 

ここでは業界を選ぶ際におすすめな基準と便利なツールをご紹介します。業界選びにお悩みの方は、ぜひご確認ください。



業界は大きく分けると8種類

業界を選ぶためには、まずはどのような業界があるのかを知ることが必要です。ここでは主要8業界と呼ばれる業界分類についてご紹介いたしますので、ぜひご確認ください。

業界①メーカー

メーカーは原材料を加工することで製品を開発し、提供する業界です。メーカーは作るものによって下記のようにさらに細かく分けられます。

 

  • 耐久消費財メーカー:自動車や家電など
  • 生活用品メーカー:食品や医薬品など
  • 原料・部品メーカー:鉄鋼や繊維、電子部品など
  • 機器・機械メーカー:OA機器や医療機器など

 

メーカー業界は人材や材料のコストが高くなっていることから競争力の低下が叫ばれています。しかし、多くのメーカーでAIやIoTを導入することで業務効率化が図られており、改革が急激に進んでいる業界でもあります。

業界②商社

商社は輸出入貿易でメーカーから仕入れた商品を小売店などに販売し、仲介料で利益を出すビジネスモデルです。商社は、あらゆる分野の商品を扱う商社は総合商社、特定の分野の商材を扱う商社を専門商社とさらに分類されます。

 

国内は人口減少によって大きな成長が見込みにくいため、海外進出の動きが盛んに見られる業界です。また、このことから面接などでも英語力を見られることが多くなっています。

 

業界③小売

小売はメーカーや卸売業者から仕入れた商品を消費者に販売する業界です。さらに細かい分類としては、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンターなどがあります。一般消費者とかなり近い距離で働くことができ、目の前で顧客と関わりたい方に向いている業界です。

 

小売業界は他業界と比べると比較的内定を獲得しやすいと言われています。しかし、離職率が36.1%と平均よりも高いため、仕事内容や勤務時間などには注意が必要です。

業界④金融

金融はさまざまな業界と関わりを持ちながら経済を支える業界です。具体的な分類としては預金の取り扱い・資金の貸出などをおこなう銀行、株券売買や新株発行のサポート・企業買収・合併の仲介をおこなう証券、保険を扱う保険などがあります。

 

金融業界は市場規模が大きく安定していることが特徴的です。しかし、安定性から志望する就活生が多く、就職難易度は高くなっています。

業界⑤サービス

サービス業界は個人や企業が求めているサービスを提供することで利益をあげる業界です。BtoCサービスとBtoBサービス、BtoBtoCサービスなどに分けられます。

 

サービス業界は非常にさまざまな企業が属しており、仕事内容などが大きく異なることが特徴的です。サービス業界に進む場合は、各企業の仕事内容をしっかりと確認しなければなりません。

業界⑥ソフトウェア・通信

ソフトウェア・通信は情報の伝達や処理・加工に関わるサービスを提供する業界です。本業界はソフトウェア、インターネット、通信とさらに細かくわけられ、それぞれで専門知識が必要です。スマートフォンの普及率が9割を超えるなどインターネットは身近なものになっており、需要が非常に高くなっています。

 

プログラミングや通信技術など専門知識を活かすことができることから理系の就活生に人気である業界です。また、近年ではプログラマー需要が高いことから文系の就活生も多くなってきました。

業界⑦マスコミ

マスコミ業界は世の中にある情報をあらゆる手段で多くの人に伝えていく業界です。音声・映像・文字などで伝える放送、紙面で伝える新聞、商品・サービス・メディアなどを通じて伝える広告などに分類されます。若者が紙媒体・テレビ媒体から離れていることからインターネットに力を入れている企業が多いです。

 

業界⑧官公庁・公社・団体

学校、病院など民間ではおこなえない公的な事業をおこなう団体が属する業界です。また、国や地方公共団体、中央省、裁判所、国会、日本銀行なども含みます。

 

厳格さが求められるため、就職難易度は高いことが多いです。国家公務員の採用試験は人事院が毎年実施しており(外務省は独自で試験を行う)、大きく分けて、総合職試験、一般職試験、専門職試験、経験者採用試験の4種類があります。民間就職とは異なる点があるため、本業界に進む場合には別の対策をおこなっていきましょう。



業界を決める基準8選

業界を決める基準にはさまざまなものがあり、適している方法が人によって異なります。ここで代表的な8つの基準について確認し、自分に適しているものはどれであるのかを判断していきましょう。

基準①自分の好きなもの

自分の趣味や興味を明確にすることは、充実したキャリアを築く第一歩になります。自分の好きなことに携わることで、毎日が楽しく、モチベーションを維持できる可能性が高いです。現在、何らかの趣味を持っている場合、それが仕事にできないのかを考えてみましょう。

 

ただし、趣味として好きだからといって仕事も好きだとは限りません。むしろ、趣味が嫌いになってしまう可能性もあります。趣味だから好きとは決めつけず、あくまでも仕事として見ても楽しそうであるかは確認しておきましょう。

基準②自分の得意なこと

得意なことも好きなことと同様、モチベーションが維持できる可能性が高いです。また、得意なことであると仕事を効率的に達成することができ、昇給・昇任をつぎつぎとできる可能性もあります。

 

得意なことは日常生活から見つかる場合もありますが、実は得意でも自認できていないことが多いです。得意なことを見つけるためには友人に聞くなどの他己分析、自分自身を客観的に確認する自己分析を入念におこなっていきましょう。

基準③過去に達成感があったこと

過去の達成体験は自己理解を深めるための貴重な手がかりとなります。これまでの成功体験から学び、自分の強みや価値観を洗練させることで、より適切なキャリア選択が可能になるかもしれません。

 

また、その際になぜ嬉しかったのか、どのような環境であるとその喜びを得ることができそうかも考えていくと、より効果的に就職を進められる可能性が高いです。このように自己分析は深堀りが非常に重要になります。

基準④身の回りの課題

日常生活や社会に存在する課題は成長の機会となります。これらの課題に取り組むことで、自己成長だけでなく、社会への貢献も実現できる可能性が高いです。また、あなたが感じている課題であるため、一所懸命に取り組める可能性が大きくなります。

 

身の回りの課題に目を向け、創造的な解決策を見つけ出すことはやりがいと充実感を得ることができるため、普段からどのような点が解決できそうな課題であるのかを考えてみましょう。

基準⑤自分の性格にあっている風土

各業界には業界特有の風土があります。たとえば、金融業界であれば規律を守るコンプライアンス意識が高く、商社であれば体力を持っている体育会系などです。このように業界が持っている風土はかなり異なるため、自分の性格に合っているのかは1つの決め手になります。

 

しかし、業界の特徴があったとしても、すべての企業がそうであるとは限りません。あくまでも業界の風土は参考程度に用い、具体的な風土は各企業を確認していきましょう。

基準⑥伸びている業界

業界全体で見ると、伸びている業界、停滞している業界、衰退している業界が明確に分かります。そして、伸びている業界は業績が好調であり、昇給が次々になされる可能性が高いです。また、人材確保が重要な場面である事から転職が容易なことも利点です。

 

しかし、伸びている業界が今後も伸び続けるとは限りません。少なくとも衰退している業界は明確な理由がなければ避け、今後も伸び続けそうな業界を探していきましょう。

基準⑦大手企業

大手企業は安定的な経営基盤を持ち、長期的な安定性が高いです。また、多くの部門や業務を有していることから広いキャリアパスに進むこともできます。さらに、大手企業からの転職はそうでない企業からのものと比べると非常にしやすいです。

 

しかし、大規模な組織であることから承認プロセスの煩雑さなどがデメリットとして出てしまいます。さらに、就活においては競争倍率が高いため、精神的にも厳しい就活をしなければならないでしょう。大手企業へ進むためには就活が難しいことを覚悟しておかなければなりません。

基準⑧つぶしのきく業界

つぶしがきくとは、どのような業界でも通用する広汎的なスキルが身に付く業界を指します。つぶしのきく業界に入社すると、入社後にやりたいことが見つかったのちでも転職しやすくなります。やりたいことが何も見つからず、とりあえず就職したい場合にはおすすめです。たとえば、つぶしがきく業界には以下のようなものがあります。

 

  • 人材業界
  • コンサル業界
  • IT業界
  • マーケティング業界

 

これらは独立なども多く見られる業界であるため、とりあえず目指すのも手です。各業界で仕事内容については異なるため、自分の適性を鑑みながら決めていきましょう。



業界選びにおすすめなツール

業界選びはツールを使いながら進めると効率的にすることができます。ここでは使いやすく、入手も簡単なツールについてご紹介します。すべて利用するのが最適ですが、難しい場合はもっとも自分に合っているツールを選定し、実際に利用していきましょう。

就職四季報・業界地図

就職四季報や業界地図は業界情報(業界の動向、業績、ビジネスモデル、大手企業の立ち位置など)がまとめられており、わかりやすく知ることができる書籍です。具体的な企業が多数掲載されているため、雰囲気や仕事内容が合っているのかも確認することができます。

 

ただし、紙面の都合上、各企業の基本情報のみの掲載となっています。受けたい業界が決まったのちには各会社のHPや有価証券報告書を確認していきましょう。

就活ナビサイト

終活ナビサイトは企業が出している求人をまとめているサイトです。有名なサイトにはリクナビやマイナビがあります。

 

就活ナビサイトでは気になった企業の具体的な選考フロー、募集職種を確認することが可能です。また、説明会などもまとめられているため、就職に関する情報を効率的に集めることができます。有名なサイトとして記載したリクナビ・マイナビはどちらにも業界説明の記事が掲載されているため、そちらも確認しておきましょう。

就活エージェント

就活エージェントとは企業の求人と就活生の希望を聞き、マッチしていれば紹介をするサービスです。業界が決まっていなくとも、ヒアリングなどから合っている業界を教えてもらえることがあり、業界決めに大きな手助けになります。

 

しかし、エージェントによっては合っている業界かを考えてくれない場合があるため、サービスやエージェント選びが非常に重要です。有名なサービスや口コミが良いサービスを選び、業界決めを手伝ってもらいましょう。

合同説明会

合同説明会とは複数の企業が1つの場所に集まって自社の説明会をするイベントです。非常に多くの企業が出展するため、さまざまな業界を1日で見ることができます。コロナ後はオンライン開催も多くなり、参加が容易になりました。オンライン開催のものには積極的に参加していきましょう。

大学の就職実績

大学の就職実績にある業界は、多くの卒業生が入社しているため比較的入社しやすい可能性が高いです。また、自分の専攻の人が合っていると感じて進んでいるため、自分も合っている可能性が大きくなります。

 

就職実績は大学の学生課や総務課で確認することが可能です。また、OB訪問で正直に打ち明けることも有効な手段になります。過去の先輩たちから自分にあっている業界を探してみましょう。



まとめ

今回は業界選びの基準についてご紹介しました。業界選びは実際に選考に進むための一歩であり、非常に重要なフェーズです。業界選びで失敗すると就活で成功する可能性はかなり下がってしまうため、さまざまな方法・観点で自分に合っている業界を選んでいきましょう。



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監修者情報

近藤明弘

キャリアアドバイザー

株式会社ニトリに新卒入社。
個人売率ランキングでは全国で10位に入賞するなど、多くの成果を生み出してきた。 2021年より株式会社ナイモノにジョイン。 リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の経験を持ち、現在はCAとして急成長中。