【企業研究】エア・ウォーターの求める人材から試験対策まで徹底解説
2023年8月16日更新
はじめに
エア・ウォーター株式会社は、産業ガス(酸素、窒素、アルゴン)を中心に、医療やエネルギー、農業・食品等あらゆる分野にまで展開している企業です。
しかし、それだけにとどまらず、産業ガス分野で蓄積してきた技術やノウハウを展開して、事業の多角化を図っています。さらに、積極的にM&Aを行なうことで現在では273社におよぶグループ企業を形成して成長し続けている企業の一つです。
このエア・ウォーターのように多角化を図り、成長性のある企業へ就職したいという学生も増えており、エア・ウォーターの選考を突破するためには、適切な試験対策が必要となります。
この記事では、まず産業ガス業界について解説すると共に、エア・ウォーターの事業内容や社風、求める人材像、そして選考フローと試験対策について詳しく解説します。
エア・ウォーターへの就職を考えている学生の方には、是非とも読んでいただきたい内容となっています。
産業ガス業界とは?
産業ガスとは、都市ガスやLPガスを除き、産業界では幅広い分野で使われているガスの総称です。
産業ガスは、鉄鋼や化学、半導体・ガラスなどの製造業を中心に医療やエネルギー、農業や食品に至るまで様々な産業で広く使われており、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素、ヘリウムなどが該当します。
産業ガスの多くは、製造業で使われているため、製造業の動向に左右されやすい業界となります。
製造業での活用
製造業では、アルゴンガスは溶接の際に空気との接触を防ぐために使用され、窒素ガスは電子部品の製造プロセスで酸化を防ぐために使用されます。
医療分野での活用
医療分野では、酸素ガスが手術や治療に使われます。また、笑気ガスは麻酔として、また一酸化炭素や窒素酸化物は各種の生物学的研究に使用されます。
食品分野での活用
食品分野では、窒素ガスはパッケージングにおける鮮度保持や、冷凍食品の製造プロセスに使用されます。また、二酸化炭素は炭酸飲料の製造に不可欠です。
エア・ウォーターは、このような産業ガス業界のリーディングカンパニーとして、多様な事業を展開しています。
エア・ウォーターの事業内容について
エア・ウォーターは、主に次の4つの事業領域で産業ガスの供給を行なっています。
ものづくりの現場で活躍する産業ガス
人々の生命を支える医療
くらしにかかわるエネルギーや農業・食品
その他
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆デジタル&インダストリー
<産業ガス>
鉄をつくるのに必要な酸素や半導体の製造現場に欠かせない窒素など、アルゴン、炭酸ガス、水素、ヘリウムなどさまざまな産業ガス、並びに産業ガスの特性を有効利用したガスアプリケーションや産業機材などを提供しています。
<ケミカル>
電子材料や回路製品・材料、基板材料、精密研磨パッドなど独自技術製品、並びに有機酸製品やキノン系製品、酢酸ナトリウムなど高付加価値製品を提供しています。
農薬原料や医薬品中間体など受託サービスも行なっています。
◆エネルギーソリューション
<エネルギー>
北海道・東日本の家庭や商業施設・病院などを中心に、LPガスや灯油を提供しています。
企業向けには、LNGやガス関連機器の販売も手がけ、お客様にとって最適なエネルギー供給を提案しています。
◆ヘルス&セーフティー
<医療>
医療用ガスをはじめ、先端医療の現場である病院設備、呼吸器関連を中心とした医療機器、病院業務のアウトソーシング受託、医療機器のメンテナンス業務からデンタルや衛生材料、注射針といった多岐にわたる製品・サービスを展開しています。
<防災・減災>
建築物に設置される消火設備や、船舶に搭載される消火設備、高圧ガスを使った消火設備まで、窒素消火や二酸化炭素消火、泡消火といった特殊防災設備メーカーとして消火設備を提供しています。防災関連サービスとして、ドローン点検も行っています。
◆アグリ&フーズ
<農業食品>
ハム・ソーセージなどの加工品や冷凍食品、生鮮野菜、スイーツ、飲料などの製造・販売・OEM供給を行なっています。
食品安全・衛生全般のコンサルティングや農業機械の製造・販売もしています。
◆その他事業
<物流>
産業・医療ガスといった高圧ガス輸送、低温管理輸送技術を活かした3PLサービスに代表される食品物流、血液を運ぶ医療物流、そして一般貨物輸送やシャーシ輸送、トラックボディなどの設計架装などを展開しています。
<海水>
国内メーカートップシェアの実績を誇る塩をはじめ海水由来の食品や環境製品を提供しています。
エア・ウォーターは、これらの事業を通じて、社会のさまざまなニーズに応えています。また、国内外に多くの拠点を持ち、グローバルに事業を展開し、世界各地の顧客に対して、高品質な製品とサービスを提供しているのです。
エア・ウォーターの社風は?
エア・ウォーターは、自律的な働き方を推進している企業として知られています。そのため、社員一人ひとりが自分の働き方を自由に選択できるような環境が整っています。
沢山の制度が整っていますが、主だったものを見ていきます。
フレックスタイム制度
エア・ウォーターでは、フレックスタイム制度を導入しています。これにより、社員は自分の生活スタイルや仕事の進行状況に合わせて、自由に出勤・退勤時間を設定することができます。仕事とプライベートの両方を充実させるワークライフバランスを大切にしています。
在宅勤務制度
また、在宅勤務制度も導入しており、自宅での業務遂行も可能です。これにより、通勤時間を業務時間に充てることができ、より効率的な働き方を実現できます。
自己啓発とキャリア形成の支援
エア・ウォーターでは、社員一人ひとりが自己啓発やキャリア形成に取り組めるよう、通信教育制度や資格取得奨励金制度などの支援も行っています。これにより、社員は自分自身のスキルアップやキャリアアップを目指すことができます。
エア・ウォーターは働き方改革に積極的に取り組んでいます。
これらの制度は、従業員が自己啓発やキャリア形成に取り組むための支援となり、仕事と生活の両立を促進しています。
エア・ウォーターが求める人物像は?
エア・ウォーターが求める人物像は、新卒採用オフィシャルサイトに次のとおり記載されています。
未知の状況でも前向きに取り組む:バイタリティ
不確実性の高い状況で挑戦していくには、自身で成し遂げたいという意志や積極的な姿勢が必要になります。多様な挑戦の場を成長の機会ととらえ、前向きに取り組むことはエア・ウォーターでは欠かせない要素になります。
環境の変化に適応できる:柔軟性
社会環境が複雑に変化していく中では、求められるものも当然変化をしていきます。既存の価値観にとらわれず、柔軟性をもって考え方や行動を適応させていくことがこれまで以上に必要になっていきます。
チームとして取り組む:協働性
エア・ウォーターには多様な事業と多様な経験や知識をもった従業員がいます。そのような環境の中、一人で成果を出そうとするのではなく、周囲を巻き込み多様性を活かして成果を出そうとする姿勢が大切になります。
以上のような特性を持つ人材をエア・ウォーターは求めています。
自己成長を追求し、挑戦することを恐れず、チームワークを大切にすることが、エア・ウォーターで成功するための重要な要素となります。
エア・ウォーターの職種について
エア・ウォーターでは、大きく分けて3つの職種があります。
事務系総合職
管理、企画、財務、会計、営業、総務、広報、人事など幅広い業務に携わりながら、会社の成長を支えます。
技術系総合職(研究開発系)
各事業における研究開発業務を行ないます。
技術系総合職(エンジニアリング系)
プラント製造におけるプロセス設計をはじめ、その他関連機器の設計・製造を行ないます。
エア・ウォーターでは、これらの職種で活躍する社員一人ひとりが、自分の役割を理解し、自己成長とともに企業の成長に貢献することを期待しています。
エア・ウォーターの選考フローは?
エア・ウォーターの選考フローは以下の通りです。
エントリー
↓
会社説明会参加
↓
エントリーシート提出(書類選考)
↓
適性検査
↓
一次面接
↓
最終面接
それぞれの段階を詳しく見ていきましょう。
1.エントリー
エア・ウォーターの公式ウェブサイトまたは各種就職情報サイトからエントリーします。
2.会社説明会参加
エントリーした学生へ合同または単独での会社説明会の案内が届きますので、参加する必要があります。
3.書類選考
提出されたエントリーシートを基に、書類選考が行われます。
自己PRや志望動機など、あなたの強みや適性をしっかり盛り込んでアピールしましょう。
4.適性検査
適性検査は、時間制限がありますので、時間内に解けるよう、しっかりと事前準備をして臨みましょう。
筆記試験も国語、数学、推論など比較的難易度が低いものの、適性検査と同様に事前に問題集を解くなど対策を実施しましょう。
5.一次面接
適性検査を通過した者は一次面接に進みます。
ここでは、あなたの人間性や適性、エア・ウォーターへの熱意などが問われます。
6.最終面接
最終的に、最終面接が行われます。
ここでの面接官は、役員クラスの人物が担当します。あなたがエア・ウォーターにとってどれほど価値のある人材であるかを見極めます。
以上がエア・ウォーターの選考フローとなります。
選考は各段階で厳しく行われますが、自己PRや志望動機を整理して、エア・ウォーターの発展に貢献できる人材であるかどうかシッカリアピールすることが大切です。
履歴書の作成について
履歴書の作成は、自己をアピールするための重要な手段です。
エア・ウォーターに限らず、受験する企業に対する志望動機や自己PRはしっかりと記載しましょう。
志望動機では、エア・ウォーターを選んだ理由や、どのような視点で企業を見ているのかを具体的に書くことが重要です。
自己PRでは、自分の強みや経験を活かしてどのように貢献できるのかを具体的に書くことが求められます。その際、具体的なエピソードを交えて書くとより伝わりやすくなります。
筆記試験の対策について
筆記試験では、一般常識や算数、国語などの基礎的な学力が問われます。また、エア・ウォーターではSPIのような適性検査も行われるため、事前に対策をしておくことが重要です。
適性検査では、自己理解や問題解決能力、コミュニケーション能力などが評価されます。
具体的な対策としては、一般常識や基礎的な学力を問う問題集を解いたり、SPIなどの適性検査の対策本を用いて問題を解くことが有効です。
面接試験の対策について
面接試験では、自己PRや志望動機、自己理解などが評価されます。
そのため、自己PRや志望動機を簡潔・明確に伝えられるように準備をしておきましょう。
具体的な対策としては、自己PRや志望動機を具体的なエピソードを交えて語れるように準備をしておくことが重要です。
エア・ウォーターの採用大学の実績校は?
エア・ウォーターにおける採用実績校を大学・大学院別に列挙します。
【採用実績(大学)】
大阪大学、神戸大学、早稲田大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学、津田塾大学、大阪市立大学、神戸市外国語大学、同志社大学、関西大学、香川大学、兵庫県立大学、立命館大学、関西学院大学
【採用実績(大学院)】
大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、香川大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、京都大学、京都工芸繊維大学、神戸大学、埼玉大学、首都大学東京、東京大学、東京理科大学、東北大学、富山大学、同志社大学、広島大学、山口大学、横浜国立大学、立命館大学、早稲田大学
大阪に本社があるため、やはり関西地方の大学が目立ちますが、特に高学歴に偏っているということはなく、幅広い大学から採用していることがわかります。
ホットニュースについて
エア・ウォーターは、産業ガスで国内2位の大手企業です。
しかし、売上高に占める同事業の比率は20%強に過ぎず、 残りの大半が新規事業です。その中でも特に注目されているのが食品と医療設備です。
食品冷凍に使う「窒素ガス」を製造していた関係から、食肉に加えて野菜の冷凍をスタート。さらにその関係から農園を買収して 「育てて食品加工する」という『川上から川下まで』のビジネスモデルを構築しました。
こうして買収した事業を順調に成長させる評判が広がり、次々にM&A案件が舞い込むようになり、どんどんM&Aスキルが磨かれていき、「医療用ガス」の関係で「医療設備」の会社も買収し、産業ガス事業でもM&Aを開始しているのです。
さらに近年では、海外事業への投資も活発に行なっています。
エア・ウォーターは、インドで大型酸素プラント、医療用酸素などのインド事業を強化しています。産業ガス業界は先進国では成熟市場であるため、成長市場であるアジアなど海外へと軸足をシフトしようとしているのです。
このようにエア・ウォーターは、産業ガス事業を中心に、化学、医療、エネルギー、農業、食品など多岐にわたる事業を展開しており、幅広い分野で活躍するチャンスがあると言えます。
まとめ
エア・ウォーターは、産業ガス事業を中心に、化学、医療、エネルギー、農業、食品など多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業は、社会のさまざまなニーズに対応しており、それぞれの事業で求められるスキルや経験は異なります。
しかし、どの事業でも共通して求められるのは、自律的に働き、自己啓発やキャリア形成に積極的に取り組む人材を求めています。また、入社後も自己啓発やキャリア形成を積極的に取り組む社員を支え、活用できる制度を充実させているのも社員の成長とキャリア形成が企業成長の鍵と考えているからです。
エア・ウォーターに入社して、エア・ウォーターでのキャリアを考える際には、自己のスキルや経験、そしてエア・ウォーターが求める人材像を踏まえて、自己のキャリアパスを考え設定してみることが重要です。
そのことを踏まえて、エントリーシートや履歴書に自己PRや志望動機を書く際や面接に臨む際にも自分が将来どうなりたいのか、エア・ウォーターでどの様に活躍したいのかを具体的にイメージし、これまでの経験や価値観や人生観とも照らし合わせながらじっくり考えて答えを導き出しましょう。
エア・ウォーターへの就職を目指す全ての学生の方に、本記事が就職活動の一助となることを願っています。