中小企業で働くメリット・デメリットとは?中小企業に関する疑問を解消

2023年7月31日更新

はじめに

企業選びにおいて、中小企業か大企業かどちらに就職しようか悩む人は多いです。

それぞれ、メリット・デメリットがあるので、自分にあった企業を選ぶことが大切です。

本記事では、中小企業に就職しようか検討している方に、中小企業で働くメリット・デメリットは、どのようなことがあるのか紹介します。

中小企業に関するよくある質問も網羅しているので、読み終わることで疑問を解消することができます。

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中小企業とは

中小企業とは、「中小企業基本法」で以下の表に定められている企業のことを言います。

引用元:中小企業庁

業種や資本金、従業員数によって条件が異なるため注意しましょう。

国内企業のほとんどは、中小企業で、大企業は0.3%とわずかしか存在しません。

大企業との違いは、「従業員数」、「資本金」です。会社の規模が大きいため立ち上げるための資本金や、事業をスムーズに進行させるための従業員数は、大企業のほうが多いです。

中小企業で働くメリット

ほとんどの企業が中小企業に位置づけられますが、中小企業のメリットは何があるのか紹介していきます。

任される仕事の幅が広い

大企業に比べ、会社の規模が小さいため、ひとり一人に割り当てられる仕事の幅・量が多いです。

社員の人数も少ないので、複数の仕事を同時に担当することになります。

与えられる仕事が増える分、社会人としての成長スピードもあがり、自分の成長につなげられることがメリットです。

幅広い仕事を任されることによって、会社のあらゆる面からサポートしている実感が得るために、やりがいにもつながります。「自分が会社を支えている」という実感を持って働けるのが特徴です。

若いうちから重要な仕事に携われる

上記とも似ていますが、社員が少ない分、入社直後から即戦力として働かなければいけません。

仕事に多く携わっているので、経験値もたまりやすく、重要な仕事を任されるまでのスピードが早いです。

大手企業はひとつのプロジェクトが大きいため、一人当たりの責任感が低くなります。しかし中小企業では、プロジェクトにあたる人数も少ないので、一人当たりの責任感も大きくなります。

責任感を持って仕事を成し遂げる経験を身に着けられるので、仕事の達成感も大きいのがメリットです。

また若いうちから重要な仕事をする回数が多ければ、キャリアアップするまでの期間も短くなります。

転勤になるリスクが少ない

中小企業は、会社の規模が小さいため全国展開ではなく、エリアに集中して本社や工場があることが多いです。

そのため、転勤になるリスクが少なく、勤務地が変わりにくいのがメリットです。

特にお子さんがいる家庭である場合、子どもの転校を繰り返さなくて済みます。単身赴任で家族と離れて生活することも少ないです。

社員同士の距離が近い

従業員の人数が少ないので、ひとりひとりと関わる機会が多くなります。

そのため、色んな人とコミュニケーションを取るので、社員同士の距離が近いのが特徴です。

新入社員が大勢入ってくるわけでもなく、入れ替わりが少ないため、固定されたメンバーでのやり取りが多くなります。転勤で知らない人が頻繁に入れ替わるわけでもないため、一から人間関係を築き上げる回数が少ないです。

事業が進むスピードが速い

中小企業は、会社の規模が小さいため意思決定の承認までのスピードが速いです。

意思決定の承認までが早いと、新事業を立ち上げるときもすぐに行えます。素早く事業を展開することで、他社よりも有利な位置につけます。

逆に事業に失敗してしまい、売上を伸ばせない場合でもすぐに撤退できるのがメリットです。

大企業であれば、意思決定をしてから承認されるまで、何層もの人がチェックを行い、会社に損害が出ないか慎重に吟味されます。

新事業を展開する前に、チャンスを伸ばしてしまう可能性もあるので、中小企業のほうが利点が大きいです。

個の力を発揮しやすい

中小企業では、仕事の境界が定まっていないことが多く、自分にある程度の裁量権をもって自由に仕事に取り組むことができます。

そのため、この力が影響されやすく、自分の能力によって会社の利益を動かすことができます。

自分の能力によって業績が変わるため、結果次第で高い評価を得ることもできます。

大企業であれば、管理職以上のレベルにならなければ会社を動かすことができません。

中小企業で働くデメリット

中小企業で働くには、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットも理解した上で検討してみましょう。

大企業と比べ給与・待遇が劣る

中小企業は、規模が小さいため大企業に比べると、給与や待遇が劣ってしまいます。

似たような業務内容であっても、大企業のほうが給与が多い傾向があります。会社の規模が大きいと、福利厚生や手当金なども充実しているので、中小企業が劣ることが多いです。

昇給や賞与も会社の業績に関わるため、安定している大企業のほうが高いです。

中小企業のほうが、不安定になりやすいため、お金の金額に関する面ではデメリットが多くなります。

しかし、大企業では年功序列の企業が多いため、社歴を重ねないと役職が上がらないこともあります。一方の中小企業では、自分の実績を評価されやすく、実績次第ではスピード出世できる可能性もあるため、基本給を上げやすいです。

あくまで大企業と比べれば劣ってしまうことが多いですが、中小企業だけで考えれば、スピード出世もしやすいため、給料を上げやすい環境が整っています。

人手不足になりやすい

中小企業は、「仕事の幅が広い」というメリットをあげていますが、その原因としては「人が少ないから」です。

人手が足りていないので一人当たりの仕事量が多くなってしまいます。

自分の力量内の仕事であれば問題ありませんが、人手不足で仕事量が増え、キャパオーバーになってしまえば、体調を崩してしまうため危険です。

またもともと適性人数で行っていたとしても、育休やケガなどで人が減ってしまうと、補填する人が足りていないため、すぐに人手不足になってしまいます。

人が少ないから休みがとりにくい、残業が増えてしまう、といった悪循環に陥る可能性も高く、デメリットです。

人手不足だからといって、すぐに採用人数を増やせるわけでもありません。少ない人数で仕事を回していかねばならないことを覚えておきましょう。

経営が不安定になりやすい

中小企業は、経営資金が少ないことから社会情勢の変化によって、影響を受けやすく大企業に比べると倒産するリスクが高いです。

扱っている事業の拡大がスムーズであれば、大企業まで成長できます。しかし中小企業から大企業まで成長する企業も少ないため、事業が拡大できるほどではないことがわかります。

もちろん特定の需要に合わせた中小企業や、まだ成長段階の中小企業もいるので、一概には言えません。ですが、大企業と比べれば、不安定になるリスクは高いです。

長い期間働くことを考えて、将来を見通すと中小企業のほうが、不安が大きいことがデメリットです。

知名度が低い

世間一般の人が知っている企業のほとんどが大規模です。

ネームバリューでは大企業に劣ってしまうので、転職で不利になることもあります。また自分の会社を伝えても、周りからの反応が薄いこともあるのがデメリットです。

特にベンチャー企業のような新しいサービスやアイデアを展開する企業は、尚のこと名前を知られていないことが多いです。

知名度が低いということは、信用度にも関わります。ローンを組むときなどに会社の名前を出しても、信用度が低いためローンを組めない可能性もあります。

中小企業についてのよくある質問

中小企業のメリット・デメリット以外にも気になることはたくさんあると思います。

そんな方のために、中小企業についてよくある質問をまとめたのでみていきましょう。

中小企業を選ぶ理由は?

中小企業を選ぶ理由は、人それぞれ異なります。中小企業を選ぶ理由の一例を表にまとめたので見ていきましょう。

・大企業に就職するための力量がなかった(消去法で選ばれた)

・生の経営に触れやすいため、自分の力量を発揮できる

・出世欲が高いからスピード出世しやすい中小企業がいい

・転勤したくないから転勤の可能性が少ない方を選んだ

・古い考え方(年功序列など)が少ない企業が多そう

・企業だけを見て就職したら中小企業だった

上記のように考え方が人それぞれ違うので、中小企業を選ぶ理由もたくさんあります。「中小企業で働くメリット」で紹介した内容が、主に選ばれやすい理由です。

中小企業はなぜ必要なのか?

日本は99.7%が中小企業で残りの0.3%が大企業です。

従業者数も中小企業が全体の7割を占めています。

中小企業が日本を支えているといっても過言ではないため、中小企業が必要だと言えます。

日本の生産性、つまり国内総生産(GDP)を上げるためには、消費量を増やすことです。

個人の消費量を増やすためには、家計の収入を増やさなければいけません。

家計の収入を増やすべき対象は、中小企業で働いている人たちです。

なぜなら従業者数の7割が中小企業で働いているからです。

中小企業の業績が上がれば、給料も上がり、家計の収入が増えるので、消費量があがります。

日本の成長を担うカギとなるのが「中小企業」であり、日本にとって必要な存在ともいえます。

中小企業に向いている人は?

中小企業に向いている人の特徴は3つあります。それぞれの特徴について見ていきましょ。

①早く成長・出世したい人

中小企業は、経営資金が少ないことから研修にお金を費やすことよりも、実戦形式で学んでいく会社が多いです。

与えられる仕事の幅も広く、どんどん新しい仕事に挑戦していくことができます。

そのため、成長スピードも速く、2年・3年で管理職につけるケースも少なくありません。

自分から進んで成長したい、早く出生したい、と思っている人に向いています。

②会社の経営に関与したい人

大手企業は、ひとつのプロジェクトに関わる人数が多く、一人当たりの責任感も低くなります。

一方で、中小企業であれば、人数が少ないことから、自分の担当する仕事量も多く、自分の成果が経営につながることが多いです。

自分の実績が会社の経営に反映されやすいため、自分の力で会社を動かしている、という責任感や達成感、やりがいなどを得ることができます。

少しでも会社の経営に関わりたいと思っている人には向いています。

③自分の裁量で仕事をしたい人

中小企業は良くも悪くも人が少ないため、早い段階で裁量権を得ることがあります。

役職に関係なく、能力や実力によって認められることが多いので、裁量権が大きくなるスピードも速いです。

大手企業では役職が重要になってくるため、裁量権を得るまでに時間がかかってしまいます。特に年功序列の考えを持っている会社であれば、実力があったとしても役職が付くまでに時間がかかるので、裁量権も得られません。

中小企業と大企業の違いは?

中小企業と大企業の違いは、「従業員数」、「資本金」の2つが明確に違います。

従業員数は、小売業が50人以下、サービス業や卸売業が100人以下、製造業や建設業、運輸業やそのほかの業種が300人以下であれば、中小企業であり、これ以上の人数が大企業です。

資本金は、資本金または出資額の総額が、小売業とサービス業は5,000万円以下、卸売業は1億円以下、製造業や建設業、運輸業やそのほかの業種は3億円以下であれば中小企業であり、これ以上の金額であれば大企業です。

またこの他にも、安定面・給料面・信用面など、細かいところで違いはたくさんあります。

中小企業にこだわらず広い視野が大切

中小企業は、自分の力を試しやすい環境であるため、成長したい、重要な仕事がしたい、色んな幅の仕事をしたい、といったメリットがあります。

一方で、給与が低い、人手が足りない、知名度がない、といったデメリットがあります。

考え方によっては、メリットがデメリットになり、デメリットがメリットにもなるので、自分がどう思うかが重要です。また何を基準に選ぶのかも大切なので、企業選びのポイントを決めておきましょう。

就職活動で大切なことは、中小企業であるかどうかではありません。

自分にあう企業を選べているかです。

そのため、中小企業にこだわらず、広い視野を持って企業を見定めましょう。

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