女性が働きやすい会社の特徴や環境とは?女性が活躍できる会社の見つけ方
2023年7月28日更新
はじめに
近年、女性の社会進出が進んでいますが、女性が働きやすい環境はまだまだ整っていないのが現状です。
この記事では、女性が働きやすい会社の特徴や環境について詳しく解説し、女性が活躍できる会社の見つけ方を紹介します。
女性が就職先を決める際に役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
女性が働きやすい会社の特徴
女性が働きやすい環境は男性を含め、全社員が働きやすい環境です。
ここでは女性が働きやすい会社の特徴を解説します。
管理職に育児経験者がいる
女性が働きやすい会社の特徴は、管理職に育児経験者がいることです。
育児を経験した管理職が存在することで、会社は女性のニーズや課題に理解を示し、融通を効かせ、柔軟な働き方を受け入れることができます。
時短勤務や早退など、子育てとの両立を支援する取り組みも、育児経験者の管理職が同じ境遇の女性社員をサポートし、理解を示すことで、環境が整いやすくなるでしょう。
さらに、育児経験者が管理職にいることで、育児に対する理解が浸透した職場文化が形成されます。
また、育児経験者の管理職は、女性社員にとってのロールモデルとなります。
出産後もキャリアを描きやすくなり、彼女たちの成功したキャリアパスや充実した仕事と家庭の両立の実例を見ることで、女性社員は自身のキャリアを諦めずに希望を持つことができるでしょう。
男性が育休を取得している会社
男性が育休を取得している会社は女性が働きやすい会社であるといえます。
これにより、家庭の負担や育児の責任を女性だけに押し付けることがなくなり、女性が仕事に集中しやすくなるからです。
また、男性が育休を取得している会社は、男女平等な雇用機会が提供されていることが多く、女性は男性と同じように評価され、キャリアアップや昇進において公平な評価を受けることができます。
残業がない職場
残業がない職場は、女性にとって働きやすい環境です。
プライベートと仕事の両立がしやすく、家庭や子育て、趣味や自己啓発など、仕事以外の時間を充実させることができます。
また、他の社員も定時に帰るため、「自分だけ早く帰って肩身が狭い」という思いもしなくて済みます。
さらに、他の人に仕事を頼む負担もありません。
残業がない職場では、仕事の進め方やスケジュール管理がしっかりしているため、焦ることなく自分の仕事を終えることができるでしょう。
皆が有給を取りやすい環境
社員皆の有給消化率が高い会社は、女性が働きやすい環境が期待できます。
有給消化率とは、会社が1年間に付与した有給休暇のうち、社員が実際に有給を取得した日数の割合です。
この割合が高いということは、社員が有給休暇を取りやすい環境にあるということです。
有給休暇が取りやすい環境にあると、いざというときに休みが取れる安心感があり、仕事に集中できます。
また、自分だけ有給を取ると人間関係に亀裂が生じることもあるでしょう。
そういった点からも、皆が有給を取れることが重要です。
例えば、子供が急に病気になった場合、仕事を休んで子供の看病をしなければなりませんが、会社が有給休暇を取りやすい環境にあれば、安心して休むことができます。
チームでカバーし合える環境
チームで仕事に取り組む仕事であれば、女性にとって働きやすい環境が期待できます。
仕事を休まなくてはいけないときも、チーム全体でカバーすることができるからです。
重要な点は、誰か一人に負担が集中することを避けることです。
もし誰か一人に仕事を押し付けてしまうと、その人は過重な負荷を抱え、モチベーションや人間関係に悪影響を及ぼすかもしれません。
しかし、チーム全体が協力し合って業務を遂行する環境では、負担を分散させることができ、チームメンバー同士の信頼関係が築かれ、円滑なコミュニケーションが促進されるでしょう。
事情に合わせた働き方ができる
フレックスタイム、時短勤務、在宅勤務など、自分の事情に合わせた働き方が選べる会社は、女性にとって働きやすい環境が期待できます。
事情に合わせた働き方ができる会社は、柔軟な働き方を尊重していることが多いためです。
また、長期的なキャリア形成をサポートしてくれる傾向があります。
例えば、子育て中の女性は、時短勤務や在宅勤務などの働き方が選べると、仕事と家庭の両立がしやすくなります。
また、長期的なキャリア形成をサポートしてくれる会社であれば、子育てが一段落した後も、仕事に復帰しやすくなるでしょう。
ハラスメントにきちんと対処する職場
ハラスメントにきちんと対処する職場は、従業員の人権を尊重してくれることが多いです。マタニティハラスメント、セクハラ、パワハラなど、様々なハラスメントに対して、きちんと対処してもらえる職場は、女性にとって働きやすい環境だといえます。
ハラスメント対策として、法律の周知、研修の実施、相談窓口がきちんと機能している会社が望ましいでしょう。
これらの対策がきちんと行われている会社であれば、ハラスメントが起きた場合でも、適切な対応が期待できます。
女性社員の比率の高い会社
女性社員の比率が高い会社はキャリア形成のサポートや働く女性にとって必要な制度が整っています。
以下の表は女性社員の比率が高い会社です。
会社名 | 女性管理職比率 | 女性社員比率 | 認定マーク | 業種 |
ABC Cooking studio | 97.3% | 96.4% | なし | サービス |
スタジオアリス | 88% | 94.3% | えるぼし なでしこ銘柄 | サービス |
シーボン | 83% | 91.8% | くるみん プラチナえるぼし | 科学 |
ミュゼプラチナム | 80.6% | 98.2% | なし | サービス |
ファンデリー | 80% | 63% | なし | 小売り |
ニチイ学館 | 78.5% | 93.4% | くるみん | サービス |
トレンダーズ | 73.9% | 82.6% | なでしこ銘柄 | サービス |
ハーバー研究所 | 64.4% | 90.8% | なし | 科学 |
ミアヘルサ | 61.9% | 80.3% | くるみん | 小売り |
パソナグループ | 56.3% | 64.8% | くるみん えるぼし なでしこ銘柄 | サービス |
参考:各社IR・有価証券報告書
日本は女性が働きやすい社会になっているか
イギリスの経済紙『エコノミスト』が毎年公表している「女性の働きやすさ」ランキング2022において、日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟する主要国29カ国中、7年連続ワースト2位となっています。
日本は女性管理職の少なさ、衆議院議員の女性の割合の低さなどが目立ちます。
しかし、日本では女性活躍推進法など、女性の働きやすさ向上に向けた取り組みが進められており、今後に期待されます。
女性が働きやすい会社ランキング
DIAMONDonlineがインターネットで投資経験者、ビジネスマン、SDGs認知者、専業主婦、若年層などのステークホルダー1万500人からアンケートを行った結果、女性が働きやすい企業は以下の表の通りとなりました。
順位 | 企業名(ブランド名) | 割合(%) |
1 | ワコール | 17.2 |
2 | ヤクルト | 15.5 |
3 | イオン | 13 |
4 | 日本マクドナルド | 12.3 |
5 | しまむら | 11.9 |
6 | ユニクロ | 9.8 |
7 | スターバックス | 9.3 |
8 | イトーヨーカドー | 9.1 |
9 | 日本生命 | 9.1 |
10 | ユニ・チャーム | 9.1 |
11 | モスバーガー | 9 |
12 | 花王 | 8.8 |
13 | ローソン | 8 |
14 | 三越伊勢丹 | 7.8 |
15 | 高島屋 | 7.8 |
16 | 明治安田生命 | 7.5 |
17 | 無印良品 | 6.9 |
18 | 第一生命 | 6.7 |
19 | ファミリーマート | 6.7 |
20 | ドトール | 6.7 |
※割合(%)は、小数点第2位以下を省略。割合が同じでも小数点第2位以下の差で順位が異なる場合がある。
1位のワコールは19年3月時点の女性従業員比率が86.3%と女性比率がとても高い会社です。
新型コロナウイルス感染拡大前からテレワーク制度の環境整備や休職制度の導入など働きやすさを重視しています。
2位のヤクルトは全国平均で月々6000円の保育料で小さな子どもを預けられる「ヤクルト保育所」を完備しています。
女性が働きやすい会社が行っている取り組み
女性が働きやすい会社であることの証である、くるみん、プラチナくるみん、えるぼしマーク、なでしこ銘柄について解説します。
就職先を選ぶ際の参考にしてください。
くるみん
くるみんは「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。
企業は次世代育成支援対策推進法に基づいて2〜5年間の行動計画を作成・実行し、一定の基準を満たしたら認定を受けられます。
プラチナくるみん
プラチナくるみんは、2014年に次世代育成支援対策推進法が改正された際に創設された新たな認定制度です。
くるみん認定企業のうち、より高いレベルで子育て支援に取り組んでいる優良企業がプラチナくるみんの認定を受けられます。
えるぼしマーク
「えるぼしマーク」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定制度です。
一定の基準を満たし、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業に発行される認定マークです。
認定は、厚生労働大臣により行われます。
えるぼしマークは女性が活躍しており、社員の活躍を推進している企業の証です。
なでしこ銘柄
なでしこ銘柄は、女性活躍推進に関して優れた取り組みを実施する上場企業を、東京証券取引所と経済産業省が選定する制度です。
なでしこ銘柄には「なでしこ」と「準なでしこ」の2種類があり、なでしこ銘柄に選定される企業は業種ごとに1~2社と決められています。
2018年度からは惜しくも次点となった企業を選定する「準なでしこ」が新たに設けられました。
全上場企業に女性活躍度調査のアンケートを行い選定します。
そして、女性取締役が1人以上いるなどの要件を満たす企業を7つの項目でスコアリングした上、財務指標の加点を行って最終決定します。
育児中の女性向けのコミュニティ
女性が働きやすい会社が行っている取り組みとして、育児中の女性向けのコミュニティがあります。
このようなコミュニティがあれば、悩み事を相談でき、安心して仕事に取り組めるようになるでしょう。
「オヤモコモ」という会社は妊娠、出産、育児にあたる女性を応援しており、その一つとして全国規模のコミュニティ運営があります。
このコミュニティでは、孤立しやすい育児中の女性をつなぎ、悩みの共有、情報交換の機会を増やしています。
このような取り組みは、女性が働きやすい環境を作る上で非常に重要です。
育児中の女性が安心して働けるように、今後もこうした取り組みが広がっていくことを期待したいところです。
ワークライフバランスの取り組み
女性が働きやすい会社が行っている取り組みとして、ワークライフバランスの浸透があります。
ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスがとれた状態のことです。
ワークライフバランスが浸透している会社は、社員の多様な価値観に理解があり、そのための制度が整えられています。
特に、妊娠・出産・育児期間は、ワークライフバランスが重要です。
育休や産休が取りやすく、育児期間後の復職のサポートが充実している会社を選ぶと安心だといえます。
女性が働きやすい会社の探し方
女性が不当な扱いを受けることがない会社を入社前に見極める方法をご紹介します。
女性が公平に評価されている会社
女性が働きやすい会社の探し方として、キャリアの進展や昇進において、女性が公平に評価されている会社を選ぶことが重要です。
公平な評価は、従業員が能力を発揮し、成長するための基盤となります。
公平な評価を行っている企業の事例として、三越伊勢丹があります。
同社は、女性管理職の比率が2022年4月に31%と日本企業の中では高くなっています。
そして2030年度には女性管理職の比率を38%にすることを目指しています。
このような企業は、女性が働きやすく、キャリアアップも望める環境が整っているといえるでしょう。
女性の意見が尊重されている会社
女性が働きやすい会社の探し方として、女性のリーダーシップや意見が尊重されている会社を選ぶことが大切です。
女性のリーダーシップや意見が尊重されている会社の例として、株式会社オークローンマーケティングがあります。
同社では「全社員が活躍できるよう」をスローガンにひとりひとりが裁量権を持ち、個人の意見を尊重し、「時間や場所に縛られない働き方」を実現しています。
それは下記の3つのカルチャーの浸透によるものです。
パフォーマンス重視の成果主義(長時間働くことが評価されるわけではなく、成果で評価される)
多様性を重んじる企業文化(年齢・性別・国籍・職歴にとらわれず、お互いを認め合う)
ワーク・ライフ・バランスの充実(お客様のライフスタイルを豊かにするサービスを提供しているため、社員自身もプライベートを充実させる)
同社は女性を優遇するわけではなく、男性社員も含めた全社員が活躍できる環境を重視しています。
まとめ: 色々な情報に触れて女性が働きやすい会社を見つけよう
この記事では、女性が働きやすい会社の特徴や探し方について解説しました。
女性が働きやすい会社とは、出産や育児に理解があり、公平に評価される環境がある会社です。
日本は先進国の中でも、まだまだ女性の活躍が遅れている国だと言われています。
しかし、女性が生き生きと働ける社会が作られることが望まれています。
性別に関係なく、優れた成果を上げた人が評価され、昇進の機会が提供される会社を見つけるためには、情報収集が大切です。
本記事だけでなく、様々な情報を収集してみてください。
ネットで企業の情報を調べたり、実際に企業の説明会に参加してみたり、働いている人の話を聞いてみたりすることが有効です。