【業界研究】冠婚葬祭業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

【業界研究】冠婚葬祭業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年6月14日更新

はじめに

結婚、葬儀、法事などのイベントごとに関わる業界を、冠婚葬祭業界と言います。業界にはどんな企業や職種があるのでしょうか?概要、ビジネスモデル、職種、大手企業、動向、よくある志望動機をご紹介していきます。人生の大きな節目に関わることができる冠婚葬祭業界の仕事は、人に感謝されることが多く魅力的で人気の高いものです。この記事を読んで、冠婚葬祭業界に対する知識を深めて適切に企業研究を行い、ライバルの就活生に差をつけましょう。

 

冠婚葬祭業界とは?

冠婚葬祭業界とは、結婚、葬儀、法事などのイベントに関わる業界のことです。「冠」は成人式関連、「婚」は結婚式、「葬」は葬式、「祭」は先祖の霊をまつる関連行事の意味として使われています。ここでは、冠婚葬祭業界の主な形態として、ブライダル業界と葬儀業界の2つに分けてご説明していきます。

ブライダル業界

ブライダル業界では、結婚にまつわるサービスを提供しています。たとえば、結婚相談、結婚情報サービスの提供、結婚式の運営などが挙げられるでしょう

結婚相談を行う企業には、婚活パーティや結婚相談所、マッチングアプリを運営している所があります。近年では特に出会いの場が減少していることから、これらサービスの需要拡大傾向が顕著です。結婚情報サービスの提供を行う企業には、結婚情報雑誌やサイトの運営をしている所が挙げられるでしょう。結婚式だけではなく、指輪の購入や新居の準備など多くの情報が必要とされています。

結婚式の運営を行う企業には、プランの立案から実際のサービス提供までを行う所が多いでしょう。数か月かけて準備をすることも少なくありません。

以上のように、ブライダル業界には色々な種類の企業があります。それぞれ取り組む業務内容が異なるため、しっかりと違いを把握しておく必要があります。

葬儀業界

葬儀業界の企業には、葬儀一式を執り行う所が多くなっています。宗教や慣習などに関わる相談を受け付け、トラブルなく手続きを進めていくことが重要です。このように葬儀業界企業は、イベントの運営だけでなく、アドバイザーとしての役割も持ち合わせています。

 

冠婚葬祭業界のビジネスモデル

冠婚葬祭業界は、契約者からもらう手数料で成り立つビジネスです。結婚式や葬儀を行う時には、金額がプランや形式によって異なってきます。企業側が生花や食品などの必要な商品を購入し、顧客に販売したりサービスを提供したりして対価を得るという仕組みです。提供するサービスの付加価値をどれだけ高めることができるかが大きな焦点となっています。

 

冠婚葬祭業界の職種

冠婚葬祭業界の職種には、様々な職種があります。その中でも主な職種である、ウエディングプランナーとメモリアルディレクターについて、仕事内容と求められるスキルを解説していきましょう。また、その他の職種としてドレスコーディネーター、メイク・ヘアメイクアーティスト、フラワーコーディネーター、ホールスタッフ、葬祭スタッフ、納棺師などについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ウエディングプランナー

ウエディングプランナーは、結婚式において顧客の望みをヒアリングしプランを作成、式の準備から運営まで担当する職業です。結婚式場もしくは、自社で式場を持たないプロデュース会社で働くことになります。

ウエディングプランナーの仕事は、まず顧客に契約をしてもらうために営業をかける所から始まります。自社のプランに興味を持ってもらい、契約をしてもらえるようにコミュニケーションを取っていくことが必要です。そこでは、式に出す食事の試食や会場の見学を行い、顧客から希望のコンセプトや日程、時間帯を聞き出します。そして費用の見積を行うのです。

無事に契約が取れたら、今度は顧客の担当になって準備を進めていきます。本番まで数カ月かけて複数回の打ち合わせを行い、当日の流れや具体的サービスの内容、必要な物の手配などを行っていきます。

当日は、式場スタッフと連携を取りつつ、スムーズに式が進むようにサポートをしていきます。以上のようにウエディングプランナーは、顧客に寄り添い一緒に式を作り上げていきます。適切に顧客のヒアリングを行い関係各所と連絡を取り合えるコミュニケーション能力が必要です。また、結婚式は土日祝日に行われることが多く、世間が休みの時に働くことが必要とされます。

メモリアルディレクター

葬儀業界においては、メモリアルディレクターや葬祭ディレクターと呼ばれる職業が主要となっています。業務内容は、葬儀の企画、見積、必要な物の手配、会場設営などの準備業務から、司会進行、運営、進行などの当日業務まで多岐に渡ります。当日に行う業務として具体的には、祭壇の飾りつけや食事の手配を行うこともあります。

メモリアルディレクターは、宗教や慣習に関するトラブルが起こらないよう、豊富な知識を持ち顧客にきちんとヒアリングを行う必要があります。また、遺族の気持ちに寄り添い、誠実で思いやりのある態度であることも求められています。

その他

冠婚葬祭業界には他にも、ドレスコーディネーター、メイク・ヘアメイクアーティスト、フラワーコーディネーター、ホールスタッフ、葬祭スタッフ、納棺師などの職種があります。ドレスコーディネーターやメイク・ヘアメイクアーティストは、新郎新婦の身支度を行う職業です。希望に合わせた小物の選定や作業を行います。

フラワーコーディネーターは、式場に飾る花の手配と飾り付け、また贈呈用の花束など花に関する演出を担います。

ホールスタッフは、結婚式当日の設営や運営、配膳などを行う職業です。ホテルや式場スタッフ、配膳会社からの派遣スタッフなどが行います。

葬祭スタッフは、遺体の引き取り、通夜、葬儀、納棺、火葬などの一連の流れにおいて実務を執り行うスタッフです。

納棺師は、遺体を棺へ納める役割があります。遺族の想いに寄り添い、表情や身じまいを整えます。

以上のように、冠婚葬祭業界には様々な種類の職業があります。それぞれ、業務が異なりますが、人生の節目に寄り添う重要な役割ばかりです。細かな気遣いができる人が向いていると言えます。

 

 

冠婚葬祭業界の大手企業紹介

冠婚葬祭業界の企業には、冠婚葬祭以外の多数の事業を展開している場合があります。また、それぞれ力を入れている事業が異なります。以下に、冠婚葬祭業界の大手企業として4つを挙げてその企業理念、事業、平均年収などをご紹介していきます。

 

事業理念平均年収
テイクアンドギヴ・ニーズ国内ハウスウェディング、ホテル、コンサルティング、ドレス、レストランなどホスピタリティ業界にイノベーションを起こし日本を躍動させる433万4000円
アイエーグループオートバックスなどカー用品事業、ブライダル事業、不動産事業社員の成長と発展を願い、仕事環境の創出をする551万4000円
燦ホールディングス葬祭サービス事業葬儀事業からライフエンディングのトータルサポート企業へ784万5000円
ティア葬祭サービス事業目指せ!日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社571万4000円

テイクアンドギヴ・ニーズ

テイクアンドギヴ・ニーズは、ブライダル業界の大手企業です。(引用:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ)理念は、「ホスピタリティ業界にイノベーションを起こし日本を躍動させる」です。国内ハウスウェディング、ホテル、コンサルティング、ドレス、レストランなどの結婚に関する幅広い事業を展開しています。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、433万4000円となっています。(引用:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ「有価証券報告書」

テイクアンドギヴ・ニーズは、ブライダル業界最大手で、全国に式場を有しています。そのため、規模の大きな仕事をしたい、結婚式に関わりたいと考えている人にはお勧めの企業です。

アイエーグループ

アイエーグループは、オートバックスなどカー用品事業、ブライダル事業、不動産事業を行っている大手企業です。(引用:アイエーグループ株式会社)理念は、「社員の成長と発展を願い、仕事環境の創出を致します。社会との関わりを大切にし、豊かな社会作りに貢献致します。時流変化を正しく認識し、絶えざる革新を行う企業経営に邁進致します。」というものです。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、551万4000円です。(引用:アイエーグループ株式会社「有価証券報告書」

部署や支社の場所によりますが、若手が多く、明るい社風であると言われています。

燦ホールディングス

燦ホールディングスは、葬儀業界の大手企業です。(引用:燦ホールディングス株式会社)理念は、「葬儀事業からライフエンディングのトータルサポート企業へ」というものです。葬儀前の準備から葬儀後のサポートまで一貫したサービスを提供しています。

2022年3月31日現在の平均年間給与は、784万5000円です。(引用:燦ホールディングス株式会社「有価証券報告書」

 

燦ホールディングスは、全国で葬祭サービスを提供する大手企業です。そのため、葬儀に係る大きな仕事がしたいと思う人にお勧めです。

ティア

ティアは、葬儀業界の大手企業です。(引用:株式会社ティア)1997年に設立された比較的新しい企業ですが、全国で葬祭サービスを提供しています。理念は、「目指せ!日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社」というものです。

2022年9月30日現在の平均年間給与は、571万4000円です。(引用:株式会社ティア「有価証券報告書」

比較的新しい会社で、新たなアイディアやサービスが始めやすいと言えます。たとえば、それまでタブー視されてきた「生前見積サービス」の開始や、他社にはなかった明確な料金プランの提示などが挙げられます。そのため、新しいことに挑戦したい人にお勧めの企業であると言えます。

 

 

冠婚葬祭業界の動向

冠婚葬祭業界の市場規模について見ていきましょう。経済産業省によると、2022年度冠婚葬祭業界の対個人サービス業の売上高推移は、葬儀業で5748億8900万円、結婚式場業で2398億9500万円とされています。(引用:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)以上のように、依然として市場規模は大きいと言えます。

 しかしながら、時代の変化により冠婚葬祭業界ではその事業内容も変化してます。現状や成長性について、順番にご紹介していきます。

ブライダル業界

コロナ渦において、結婚式の中止や延期が広がりました。加えて、価値観の変化により、結婚式をしないいわゆる「ナシ婚」や少人数婚も台頭しています。このように、従来の大規模な結婚式は減りつつあります。新たなニーズに対応した新しい形式のサービスをいかに提供していけるかがポイントとなってます。

一方で、結婚支援の関連サービスは需要が拡大しています。コロナ渦で、結婚したいと意欲を高めた人が多くいると見られています。近年では、新たな出会いの場としてマッチングアプリが着目されています。

葬儀業界

葬儀業界では、家族葬や直葬など新しいスタイルが取り入れられています。宗教観や価値観の変化にいかに合わせていけるかがポイントとなっています。高齢化社会により死亡者数も増加傾向にあり、葬儀業界は活況であると見られがちです。しかしながら、競合が多いことや葬儀規模縮小などの要因から、葬儀業界が必ずしも活況であるとは言いにくい状況です。

以上のように、コロナを境に冠婚葬祭のあり方が問われています。従来のやり方に捉われない、新たなサービスの提供が必要とされています。顧客ニーズを上手く汲み取れるかが焦点です。

 

志望動機

冠婚葬祭業界を目指すにあたって、就活でよくある志望動機を3つご紹介していきます。以下を参考に、自分なりのストーリーで肉付けしていってください。

大事なイベントを成功させたい

冠婚葬祭業界では、人生に何回かしかない大事なイベントを執り行う業務が中心です。人生の節目とも言えるこれらのイベントをスムーズに行い成功させたいというのは、志望動機になり得ます。学校行事を仕切った経験などが活かせるでしょう。

顧客に寄り添った対応ができる

顧客の気持ちに寄り添った対応ができるというのも、志望動機になり得ます。冠婚葬祭業界ではまず顧客にヒアリングを行い、プランの企画、提案を行っていきます。そのためいかに顧客の希望を聞き出せるか、また希望に沿ったプランを提案できるかがポイントとなってきます。丁寧で誠実な人柄、コミュニケーション能力の高さをアピールできるでしょう。

細やかな気配りが上手

冠婚葬祭業界では、細やかな気配りが重要となってきます。なぜなら、重要なイベントごとにおいて、顧客の感じ方が敏感になっているからです。職務を行うにあたって、些細なことに気づける能力、気を遣える能力、適切な行動を起こし言葉を架けられる能力が必要とされるでしょう。

 

まとめ

以上のように、冠婚葬祭業界に分類されているブライダル業と葬祭業には、様々な職種や企業が存在します。また時代の変化から、業界の動向や見通しも常に変化し続けるでしょう。

 

重要なのは、事前の準備です。就活に臨む際にはぜひこの記事を参考に、事前の企業研究と自己分析を怠らないようにしましょう。

 

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