IT業界への就活で有効なオススメのIT資格とは?資格は就活前に取るべきかも解説
2023年6月3日更新
はじめに
就活生に人気があるIT業界。
IT業界を志望する人は、就活を少しでも優位に進めるためや、自分自身のスキルアップとしてIT資格にチャレンジする方が多くいます。
実際に、資格を保有することで就活は有利になるのでしょうか?
今回は、IT業界への就活で資格を保有していることが有効なのか、取得するならどんな資格がいいかを、ご紹介していきます。
IT業界を目指す方は、ぜひ参考にしてください!
業界全体について概観したい方は以下の記事をぜひ読んでください!
IT業界の未来
就職するのであれば、安定した企業に勤めたいと思うのは、みんな同じです。
では、IT業界は、今度、どうなる業界なのでしょうか。
IT業界の未来について、最初に理解していきましょう。
今後も成長する業界
IT業界は、これから、ますます成長する業界と言われています。
その主な理由をご紹介しましょう。
コロナの影響
2000年から2022年にかけて訪れたコロナは、IT業界の成長の追い風となっています。
飲食業界など、打撃を受けた業界があるなか、在宅勤務の加速により、ますますIT化を進める企業が増えてきています。
業界全体が、自動化などを進めている中、コロナによる影響で、IT業界以外でも自動化などを促進する動きが出ています。
そのため、システム化を図る案件が増加しています。
こうした背景を受け、多くのIT企業で受託案件数が増加し、業界全体の成長に繋がっています。
当面の間、こうしたシステム化の促進は継続するとも、予測されています。
DX化の推進
政府が推奨しているDX化の動きも、IT業界の成長に寄与しています。
DX化とは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)略です。
2018年に経済産業省によって「デジタル技術を活用し、顧客ニーズに合ったビジネスモデルに変革すること」と定義され、さまざまな支援策を講じ国をあげDX化を進めています。
このDX化の実現には、IT技術が必要不可欠です。
実際には、企業や業界が行うDX化の実現には、具体的な仕組みを構築するIT企業の力がなくてはなりません。
そのため、多くのIT企業が人材を募集し、技術習得を促進しています。
IT業界は人材不足が加速する
業界の成長に伴い、IT業界の人材不足は、これから加速すると言われています。
そもそも、IT人材とは、
・企業を成長に導くためのITの活用や情報システムの導入、企画推進する人材
と定義されています。
IT化が進み業界の成長に伴い、IT人材はより一層不足してきます。
T業界は2019年をピークに人材が不足し、2030年までにIT人材の不足数は40万人以上になると推測しています。
慢性的な人材不足を抱えるIT業界では、さまざまな施策を講じ、優秀な人材を集めていく動きもあります。
目指せる職種が豊富
IT業界は、目指せる職種が豊富という特徴もあります。
そのため、就職後に成長できる、キャリアアップできる環境があります。
まず、志望企業を整理する上で理解しておきたいIT業界の5つの種類と職種について整理していきましょう。
【IT業界の5つの種類】
種類①|ソフトウェア業界
ソフトウェア業界とは、コンピューターやアプリなどのプログラムの開発に関わる業界です。
この業界の職種は、システムエンジニア(SE)・プログラマー・ネットワークエンジニアなどがあります
種類②|ハードウェア業界
スマホなど、電子機器類や設備、装置などを製造する企業が所属する業界です。
この業界では、ハードウェアエンジニアが活躍しています。
種類③|情報処理サービス(SI)業界
・「SIer」企業:システム開発から保守まで一括で請け負う
・「SES」企業:必要な期間・人数のエンジニアを提供する
の、2つに分類されます。
この業界では、ITコンサルタント、セールスエンジニアなどの職種があります。
種類④|インターネット・Web業界
インターネット 広告の制作、EC(電子商取引)やWebサイトの構築、SNSなどに関わる業界です。
Webディレクターや、Webライター、Webデザイナーや動画クリエイターなどの人気職種があります。
種類⑤|通信インフラ業界
インターネットやスマートフォン、Wi-Fiなどに用いられる通信回線の運営や支援を行う業界です。
サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアや、データベースエンジニア、セキュリティエンジニアなどの職種があり、高い技術やスキルを習得できます。
IT業界のより詳細に職種については、以下の記事を参考にしてください!
IT業界で資格が重要視される2つの理由
IT業界は、業界全体が資格を重要視している傾向があります。
その理由は、何なのでしょうか?
ここから、資格を重要視する理由について、ご紹介していきます。
保有スキルの証明
どのような分野でも、資格取得は、その分野の知識を保有しているスキルの証明書になります。
IT業界におけるプロジェクトでは、各工程別に必要な人物像の設定を行います。
その人物像の選出に、保有しているスキルや経験を基に行っていきます。
資格を保有していると、より高度な工程で選出される可能性も高まり、今まで以上の経験を積む事ができるメリットがあります。
IT企業だけではなく、資格を保有していることは、その知識を活かせる分野が広がるだけではなく、プロジェクトや昇進のチャンスにもつながります。
資格を持っているだけでは、全ての希望が叶う訳ではありませんが、大きな武器になる要素であることに間違いはありません。
常に学び続けることが必要な業界
IT業界は、その技術進歩は、他の業界よりも早いスピードで展開されています。
クライアントの希望を叶えるためには、新しい技術や知識を習得し続ける必要があります。
技術や知識を身に付けていくための努力を続けた結果が、1つの形となるのが資格取得です。
ただし、資格取得が最終的なゴールではありません。
資格を活かして、どう仕事をしていくか、それこそが大事なのです。
就活でオススメのIT資格4選
続いて、就活を行う際に保有しておくと有利と言われる資格を4つご紹介していきます。
IT業界だけではなく、他の業界でも活かせる資格もあります。
学生の間にチャレンジしてみませんか」?
資格の概要
IT業界で働く際に、新入社員時代の早期に取得を促されることが多い資格について、4つご紹介していきましょう。
IT資格①:ITパスポート
ITパスポート試験は、「独立行政法人 情報処理推進機構」が運営する国家試験です。
IT業界だけではなく、社会人としての基礎スキルとしても推奨されるのがITパスポート試験です。
ITパスポートは、「Iパス」とも呼ばれ、業界や経験を問わず広く受験されています。
合格率も、約50%と高く、独学での合格も目指せる試験です。
初心者の場合には、約180時間の勉強時間が必要とされていますので、計画的な勉強が必要です。
【試験概要】
項目 | 内容 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 小問:100問(*1) |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ・ストラテジ系(経営全般):35問程度 ・マネジメント系(IT管理):20問程度 ・テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | ・総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ 300点以上であること |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
参考:ITパスポート公式サイト
ITパスポートについて、より詳しく知りたい方は、以下のURLを参考にしてください。
IT資格②:基本情報技術者
ITパスポート試験の次に目指したいのが、基本城技術者試験です。
IT業界の登竜門として、多くの方が受験をしています。
ここ最近では、IT業界以外の人も多数受験する人気の試験です。
ITパスポート試験と同じ、「独立行政法人 情報処理推進機構」が運営する国家試験です。
合格率は、約40%前後となります。
初心者の勉強時間は、約200時間と言われ、より計画的な学習を必要とします。
【試験概要】
項目 | 内容 |
試験時間 | 試験時期は上期・下期の年2回 ※指定期間中に受験
午前試験150分+午後試験150分 |
出題数 | ・午前 出題数=80問、解答数=80問 ・午後 出題数=11問、解答数=5問 |
出題形式 | ・午前 多肢選択式(四肢択一) ・午後 多肢選択式 |
出題分野 | ・ストラテジ系(経営全般) ・マネジメント系(IT管理) ・テクノロジ系(IT技術) |
合格基準 | ・午前・午後いずれも100点満点中の60点が合格基準点 |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
IT資格③:応用情報技術者
より難易度があがり、専門的な分野になるのが応用情報技術者試験です。
IT業界に入社後、早期に取得を促進される資格の1つですが、学生時代に取得する方も多い特徴があります。
こちらの試験も「独立行政法人 情報処理推進機構」が運営する国家試験です。
合格率は、約22%前後となり、難易度が格段にあがります。
初心者の勉強時間は、約200時間と言われ、より計画的な学習を必要とします。
【試験概要】
項目 | 内容 |
試験時間 | 試験時期は上期・下期の年2回
・午前 9:30~12:00(150分) ・午後 13:00~15:30(150分) |
出題数 | ・午前 出題数=80問、解答数=80問 ・午後 出題数=11問、解答数=5問 |
出題形式 | ・午前 多肢選択式(四肢択一) ・午後 記述式 |
出題分野 | ・ストラテジ系(経営全般) ・マネジメント系(IT管理) ・テクノロジ系(IT技術) |
合格基準 | ・午前・午後いずれも100点満点中の60点が合格基準点 |
試験方式 | 全国の試験会場で受験 |
IT資格④:MOS
IT業界だけではなく、社会人全般に必要なのがパソコン操作に関するスキルです。
パソコンスキルの証明として、もっとも受験者数が多いのが「MOS」です。
MOSは、マイクロソフトオフィス製品を利用するスキルを証明する資格となります。
マイクロソフト商品は、バージョンごとに新しい機能が追加されたり、改良されるため
最新の試験を受けておくことが、得策です。
ただし、既に購入しているアプリのバージョンもあるため、いくつかのバージョンで試験を受けることができます。
【最新の試験科目】
科目 | 一般レベル | 上級レベル(エキスパート) |
Word (文書作成ソフト) | ・Word 365&2019 ・Word 2016 ・Word 2013 | ・Word 365&2019 エキスパート ・Word 2016 エキスパート ・Word 2013 エキスパート Part1 ・Word 2013 エキスパート Part2 |
Excel (表計算ソフト) | ・Excel 365&2019 ・Excel 2016 ・Excel 2013 | ・Word 365&2019 エキスパート ・Word 2016 エキスパート ・Word 2013 エキスパート Part1 ・Word 2013 エキスパート Part2 |
Powerpoint (プレゼンテーションソフト) | ・Powerpoint 365&2019 ・Powerpoint 2016 ・Powerpoint 2013 | – |
Access (データベース管理ソフト) | ・Access 2016 ・Access 2013 | ・Access 365&2019 エキスパート |
Outlook (電子メール・情報管理ソフト) | ・Outlook 365&2019 ・Outlook 2016 ・Outlook 2013 |
出典:Microsoft Office Specialist「試験概要|MOS公式サイト」
試験を受ける方法は2通り用意さえています。
【全国一斉試験】
試験実施日時 | 毎月1回~2回 |
試験会場 | 全国の一斉試験実施会場より選択 |
申し込み方法 | 試験日の約1ヶ月~1ヶ月半前から申し込み開始(インターネット申し込み) |
【随時試験】
試験実施日時 | 各試験会場が設定した日程(ほとんど毎日) |
試験会場 | 全国約1700の試験会場より選択 |
申し込み方法 | 試験会場へ直接申し込み |
何から目指す?
ご紹介した試験を受けるのに、有効な順番についてもご紹介しましょう。
第一段階:MOS
大学時代でも使うマイクロソフト製品は、知っていると学習などの利便性を高めることができます。
また、普段使っているパソコンに関する知識なので、比較的、取りやすい資格だといえます。
第二段階:ITパスポート
IT業代だけではなく、広く利用される情報処理に関する基礎知識を理解できます。
また、比較的、難易度も低いため、勉強の習慣付けをするためにも有効です。
第三段階:基本情報処理
IT知識の登竜門とも言われる、基本情報処理試験を受けるとで、情報処理の基礎知識を包括的に学習することができます。
基本情報処理試験で学ぶ知識は、情報処理の学習において基本となります。
1つ1つの内容を、確実に習得するように心掛けましょう。
第四段階:応用情報処理
より具体的に1歩踏み込んだ知識習得に繋がります。
この先の試験については、分野別の専門性の高い知識が必要になります。
就活は就活前に取るべき?
IT資格については、就活前に取るべきなのでしょうか。
基礎スキルは就活前に取得しよう
IT業界へ志望企業を絞り込んだ段階で、基本スキルの取得は行うと良いでしょう。
今回、ご紹介している資格では「ITパスポート」や「基本情報処理」です。
比較的、短い時間で取得ができる上に、独学でも学習しやすいため、チャレンジしておくにこしたことはありません。
どちらも、CBT試験で通年受験することが可能です。
就活の時点では、取得できていない場合には、入社まえで取得を目指してみましょう。
専門スキルは就職後に取得でOK
より高度な試験は、就活時点で取得できていなくても、問題ありません。
就職直後は、仕事になれず勉強時間の確保も難しい可能性があります。
内定後に、少しでも学習を進めておくと就職後の早期に、取得が可能になります。
まとめ
今回は、IT業界に転職する際に有効な資格をテーマにご紹介しています。
IT業界への就活に、資格がなければNGということではありません。
しかし、保有しておくことで、スキルのアピールにも繋がります。
一晩で、取れる資格ではありませんので、計画的に学習していきましょう。