【訃報】MOS資格は就活で有利にならない。採用選考の内情を暴露!!
2024年8月15日更新
MOSは就活で有利にはたらかない
「MOSの資格を持ってると、就活を有利に進められますか?」
残念ながら、答えは「NO」です。
MOSの資格取得は不要とまでは言いませんが、少なくとも就活では有利にはたらきません。
いまからMOSの資格取得に向けて勉強に励もうと思っている学生にとっては出鼻をくじくようで申し訳ないですが、それが現実です。
仮にあなたが履歴書の資格欄にMOSの取得を明記しても、それを見た人事担当者は「へ〜、そうなの。パソコン操作は大丈夫なのね。」といった程度の反応です。
その理由はなぜか、知りたいですよね。
本記事ではMOSが就活で有利にならない理由を採用現場の目線で解説します。
一方で、MOSを取得しないまでも勉強しておけば、何かと助かる学生のカテゴリーが2つありますので、併せて紹介しておきます。
10分後には全貌を理解できますので、最後までジックリとお読みくださいね。
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MOSが就活に有利にはたかない理由
世界で6〜8割が使用しているアプリケーションソフト、それがマイクロソフト・オフィス(以下、MS Office)です。
日本の企業でもMS Officeがほぼ統一規格になっているため、このソフトを使用できないとそもそも仕事自体ができないといった状況になります。
なので、「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(以下、MOS)の資格を取得しておいたほうが就活で何かと有利になるんじゃないの?」といった短絡的な発想に至ります。
また、「MOSは就活に有利」だとか、「社会人必須のスキルが身に付きますよ」といったMOS関連の記事をみると、「やっぱり、就活が始まる前にMOSを取得しておいたほうがいいのかな」と気持ちが揺れ動きますよね。
でも、このような記事を出している法人を確認すると、「MOSの通信講座を販売している会社」や「パソコン教室」、「資格を解説してアフィリエイトするブログ」だったり、「WEB/プログラミングスクール」など、MOSを推すことにより利益に直結する団体や個人ばかりですよね。
要は「MOSは就活に有利に働くので取っておいたほうがいいですよ」と煽っといて、自らの商品やサービスに誘導したい記事ばかりです。
このような我田引水的な宣伝文句に踊らされてはいけません。
こんな偏った情報を鵜呑みにして誤った判断に陥ることを回避するために、元人事責任者として採用選考を指揮してきた者として「MOSは就活を有利にしない」と敢えて断言しておきます。
なぜなら、MS Officeを使ってパソコン操作を行えるのは当たり前、もうそのスキルが既にあるという前提で選考を行っているからです。
そういう理由から履歴書にMOSの資格が明記されていても、「へ〜、そうなの」という感触にしかなりませんし、面接で「パソコンのスキルは?」と訊いたことは、これまで1回もなかったですね。
今はパソコンを使えるのは当然なので、電話や電卓みたいなものです。
電話検定や電卓検定なんて意味がないとはいいませんが、「電卓のスキルは?」なんて面接の場でわざわざ訊かないですよね。それと同じレベルです。
また、企業では定年間近のご年配の方でも仕事でパソコンを使っています。
なので、20代の若者が入社後にいつまで経ってもパソコンが使えなくて右往左往することなんて考えません。
少なくとも学校のレポートや卒論などでパソコンを使うはずなので、あなたがパソコンを使えないなんて1ミリも疑いの目を持ちません。
ここまで言うと、企業がパソコンスキルを重要視していない理由がわかりますね。
ただ、MS Officeがデフォルトの世の中で、このソフトに不慣れな学生も一定数います。
これらのカテゴリーの学生は入社して困らないようにMOSを1つの手段として勉強しておいてもいいのかなと感じますので、次の章で紹介しておきます。
MOSでMS Officeの勉強をしたほうがいい学生
MOSを学習手段としてMS Officeの操作を勉強してもいい学生は大きく2つのカテゴリーに分かれますので、それぞれ説明していきます。
1つ目のカテゴリーの学生は「スマホばかりでパソコン操作に慣れていない学生」です。
昨今はスマートフォンが普及し、スマホですべてが完結できるようになってきたため、若年層は一昔前のパソコン世代に比べてパソコンに疎いという実態が垣間見れます。
そのため、特にスマホ世代の20代はMOS資格の学習を通じてパソコンスキルを保有しておくことをおすすめします。
仮にMOSでパソコンスキルを身につけておけば、入社後に思わぬところでつまずく心配もないので安心ですね。
2つ目のカテゴリーの学生は「Macでパソコン操作を行っている学生」ですね。
MacとMS Officeではアプリケーションソフトが異なるため、Macを使っている学生はMS Officeに触れたことがないとか、不慣れだという学生も多いかと思います。
最近ではMacでもオンラインや試行版でMS Officeを使えるようになっていますが、普段はMacの使用が主流のため、自由自在に使いこなせるレベルにはない人もいると思います。
そんな人がいきなり入社して上司から「このレポートを作ってくれ」と言われても、MS Officeの操作で戸惑うでしょうし、操作方法を調べながら作成することになりますので、膨大な労力と時間がかかります。
なので、このようなカテゴリーの学生はあらかじめMS Officeの操作方法を習得しておくためにMOSを使って勉強しておくのも一手なのかなと思います。
それでは「そのMOSとはいったいどんな資格なの?」「どんなことを勉強するの?」といった内容について興味のある方は次の章を読んでください。
MOSとは
MOSとはMicrosoft Office Specialist(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)の略称で、Microsoftが提供しているオフィス製品Word、Excel、PowerPoint、Acess、Outlookの5項目の習熟度を証明する資格です。
MOSを取得するメリット2つ
①MSオフィスのスキルを客観的に証明できる
オフィス製品でおこなえる業務は多様性があり、人によって「基本操作ができる」「問題なく使える」レベルなど相違があるため、オフィス製品の習熟度は客観的に証明しにくいスキルとなっています。
そのため「ExcelとWordの基本操作は可能です!」と面接時にアピールしていても、実際にExcelを触らせてみると「表」は作成できるものの「関数」が使えなかったりと、受け取り手によってスキルに差が生じてしまうことがあります。
しかし、MOS資格はオフィス製品のスキルを客観的に証明できる資格ですので、「MOS Excel 365 & 2019を所持しています!」とアピールできるため、面接官もスキルを客観的に認識しやすくなります。
②国際資格資格で認知度が高い
MOSはMicrosoft社が公式に認めている国際資格なので認知度が高いのは事実です。
同じパソコンスキルを証明する日商PC検定と比較してもビジネスでは馴染みがありますね。
履歴書に書ける資格を持っていることから、事務や営業職種ではパソコン・リテラシーがあると認識されます。
仮に資格を取得中の場合でも、「8月取得予定」などと履歴書の特記事項欄に記載しておくと、パソコン・リテラシーに関心があるんだなと汲み取ってもらえます。
MOSの試験概要
MOSの試験は大きく分けて、下記の2種類があります。
・スペシャリスト(一般レベル) ・エキスパート(上級レベル) |
また、MOSは「MOS 365 & 2019」「MOS 2016」とオフィスシステムのバージョン別で分類されており、どのバージョンでMOS試験に挑むかを選択できます。
MOS試験科目はWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5科目ありますが、一般的に使用される頻度の高い「Word」と「Excel」の スペシャリストを取得しておけば、仕事をするうえでのPC操作は問題ないと判断されます。
試験の実施形式
MOSの試験は実際にパソコンを操作して、必要な知識を実務として発揮できるかを試されます。
そのため試験は筆記試験ではなく、実技形式でおこなわれます。
いずれの科目でも日常的に使用していないと合格することは難しい試験となるので、資格取得を目指すのであれば、毎日パソコンを使用して操作に慣れておきましょう。
試験科目
繰り返しになりますが、試験科目はWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5科目です。
社会人として使用することが多い「Word」と「Excel」は問題なく使用できるように練習しておくことをおすすめします。
MOS試験の過去問は公表されていませんので、問題集に記載されている模擬問題を解き、実務的な操作に問題がないよう練習しておきましょう。
Word | 文字入力、画像や図表が作成できる。 資料作成などに活用できる。 |
Excel | 表作成・複雑な計算がおこなえる。 資料作成・予定表。シフト管理などに活用できる。 |
PowerPoint | 写真やグラフ、文字をアニメーションやスライドショーで動きをつけてプレゼンテーション用資料を作成できる |
Access | 膨大な量のデータを保管・管理できる。 Excelで管理しきれないビッグデータも管理が可能。 |
Outlook | メール・情報管理ができる。 メール送受信だけでなく、スケジュール管理などもおこなえる。 |
難易度は?
MOSの合格率はスペシャリストが約80%、エキスパートが約60%と言われています。
この数字はコンピュータ関連の資格の中では相対的に難易度は低いです。
また、取得するMOS資格の種類としては、一般業務で利用するWord、EXcel、PowerPointを中心に取得を目指す人が多い傾向にあります。
どのぐらいの勉強量が必要なの?
MOS資格を取得するために必要な1日の勉強時間は、初心者がスペシャリストを目指す場合は1日2〜3時間程度が目安です。
毎日続ければ1カ月程度で取得可能です。
パソコンに慣れている人がエキスパートを狙うなら、2週間程度の勉強が必要です。
操作方法を覚えるには暗記も必要なので、集中して学習に取り組みましょう。
受験料は?
MOSの試験はCBT方式で行われます。
CBT方式とはコンピュータを用いた実技試験で、CBTは「Computer Based Testing」の略語です。
MOSの受験料は以下のとおりです。
試験科目 | 一般価格(税込) | 学割価格(税込) |
下記以外の科目 | 10,780円 | 8,580円 |
Word 2016 エキスパート・Excel 2016 エキスパート | 12,980円 | 10,780円 |
上記のように学生には2,200円の割引が適用されますが、試験当日は学生証の持参が必要です。
なお、すべての試験が50分間で実施されます。
MOSを受験する流れ
MOSの受験方法は「随時試験」と「全国一斉試験」の2つにわかれます。
両者では申込方法が異なりますが、その他の条件はすべて同じです。
①随時試験で受験する場合
まずは先ほどの全国1,700の試験会場から希望する場所を選びます。
受験には受験者IDが必要になるため、受験前に公式サイトで無料登録を完了させておきましょう。
試験当日に持参するものは以下のとおりです。
①受験者IDとパスワード
➁受験票
③写真付きの身分証明書
➃学生証(学割申込者の場合)
試験結果(合否)は試験終了後に渡される「試験結果レポート」によって知ることができます。
レポートには得点と合否、分野別の正解率が記載されているため、試験後の復習に役立ちます。
合格者には受験から4〜6週間後に合格認定証が郵送されます。
②全国一斉試験の場合
全国一斉試験で受験する場合は、公式サイトで実施地域を確認しましょう。
ちなみに2022年度の日程は以下のとおりです。
試験日[開催日] | 申込受付期間 | 実施地域 |
2022/7/24(日) | 5/17(火)~6/27(月) | 確認 |
2022/8/14(日) | 6/28(火)~7/18(月) | 確認 |
2022/9/11(日) | 7/19(火)~8/15(月) | 確認 |
実施地域と試験日を確認したら、受験者IDの登録を行い受験料を支払います。
支払方法はクレジット・銀行/郵便振込・書店/大学生協の3通りです。
全国一斉試験はインターネットから申込み可能ですが、書店/大学生協で受験料を支払った場合は郵送での申込になります。
履歴書への書き方
最後にMOS資格をせっかく取得した場合はMS Officeを使ったパソコンスキルの客観的な証明にはなりますので、履歴書の書き方をお伝えして本記事を締めくくります。
記入例は下記のとおりです。
合格科目 | 英語表記 | カタカナ表記 | MOS表記 |
MOS 2013のExcel スペシャリストレベル | Microsoft Office Specialist Excel 2013 合格 | マイクロソフト オフィス スペシャリスト Excel 2013 取得 | MOS(エクセル 2013) 合格 |
MOS 2013のWord エキスパートレベル | Microsoft Office Specialist Word 2013 合格 | マイクロソフト オフィス スペシャリスト Word 2013 Expert 取得 | MOS(ワード 2013 エキスパート レベル) 取得 |
履歴書には原則正式名称を使用するのがルールとなっているので、上記の英語表記もしくはカタカナ表記で書くのがいいでしょう。
「合格」または「取得」に関してはどちらでも問題ありません。
【選考通過したエントリーシートを大公開】先輩就活生のエントリーシートを見れば選考通過のヒントが得られるかも?!
「エントリーシートに正解はあるのか」「書き方が良く分からない…」こんなことを考えたことはありませんか?
就活生にとって、エントリーシートは第一関門ともいえるものです。
今回は、選考を通過したエントリーシートを20社分用意しました。
各エントリーシートにはポイント付きで解説しています。
おわりに
以上、本記事では就活におけるMOSの位置づけについて解説してきました。
企業側からみてMOSは就活を有利に進めるほどのブランド資格ではないです。
MOSの資格勉強に時間をあてるぐらいだったら、面接練習やESの作成、自己分析など就活の根幹をなすタスクに持てる資源を集中させたほうがいいです。
とはいえ、MS Officeが使えないと話になりません。
操作に不安がある人はスキルを習得する手段としてMOSを使ってもいいのかなと思いますので参考にしてみてください。
本記事があなたの就活に役立てば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。