大学中退後の進路は?就活はどうやる?
2023年5月15日更新
はじめに
大学を中退したら、その後の進路はどうなるのでしょうか?
中退後はどうすれば良いのか、就職できるのかなど不安に思う人もいるでしょう。
大学中退後の行動によっては、充実した日々を送りながら就職をすることも不可能ではありません。
ここでは、大学中退の理由、メリットとデメリット、主な進路、大学中退後の就職先とその方法について順番にお伝えしていきます。
大学中退の主な理由
大学中退をしている人には、どんな理由があったのでしょうか?
文部科学省の資料から実際の数字をまとめてみました。(引用:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」)
経済的な理由があった
1つ目は、経済的な理由があった場合です。
調査では、「経済的困窮」として15.9%の数字が計上されています。
たとえば、親がリストラになってしまった、兄弟の進学でお金がかかってしまった、妊娠出産をしたなどで、学費が払えなくなってしまうことが挙げられます。
経済的に厳しい時は、退学を考える前に奨学金について調べましょう。
必要な資金を借りられる可能性があるからです。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金がお勧めです。(引用:日本学生支援機構(JASSO))
精神的な理由があった
2つ目は、精神的な理由があった場合です。
調査では、「学生生活不適応・修学意欲低下」として19.8%が、「心身の消耗や疾患」として5.3%が計上されています。
たとえば、知らない土地にうまく適応できなかった、大学で友人ができなかったなど、孤独感を感じて通学ができなくなることが挙げられます。
精神的に辛い時は、大学中退を考える前に、相談ができる期間を探すようにしましょう。
相談することで気持ちが軽くなる場合があるからです。
大学内に相談できる課が設けられている場合があります。
また、民間のカウンセリング施設や行政サービスを活用することもお勧めです。地域の保健センターに、こころの相談窓口が設置されているので調べてみてください。(引用:こころの相談窓口)
やりたいことがあった
3つ目は、やりたいことがあった場合です。
調査では、「転学」として12.6%、「就職や起業」として14.3%の数字が計上されています。
たとえば、仮面浪人をしていて、新たに学びたい分野が見つかった、今いる学部への興味がなくなってしまったことで、転学する人がいます。
また、いち早くビジネスの世界に飛び込む人も少なくないようです。
その他
4つ目として、上記に挙げられなかった理由も散見されます。
たとえば調査では、「病気やけが」が3.7%、「学力不振」が7.5%あります。
病気やケガの治療に専念するために退学する人、学力不振により進級や卒業ができなくなって退学する人などもいるようです。
大学中退のメリット
大学を中退したからといって、悪いことばかりが起こるわけではありません。
以下に、メリットとして3点挙げてご説明していきます。
やりたいことに専念できる
1点目は、やりたいことに専念できることです。
たとえば、海外を見て周ったり、起業をしたり、資格を取ったりといったことに集中できます。
大学に在籍していると、決められた時間に授業に出席したり、単位を取るために試験勉強をしたりしなければなりません。
それらの労力や時間を省くことができるため、大学中退後は自分のやりたいことを目一杯できるのです。
常に目的意識を持って動いている人には、大学中退はむしろメリットであると言えるでしょう。
環境を一新できる
2点目は、環境を一新できることです。
たとえば、大学内の人間関係をリセットしたり、住む場所を変えたりすることができます。
これにより、浪費していた時間や労力をなくすことができるでしょう。
精神的な負担が減り、新たなことに挑戦しやすくなるかもしれません。
注意すべきは、ゼミや学部の変更などで対応できる悩みであるかどうかきちんと確認することです。
人間関係に悩んでいる場合は、退学の手続きをしてしまう前に大学側に相談してみましょう。
意外な経路で対策ができるかもしれません。
他の経験をいち早く積める
3点目は、他の経験をいち早く積めることです。
たとえば、仕事を始めることが挙げられます。
若くからビジネスの世界に身をおくことで、より実践的なスキル、知識、経験が早く積めるでしょう。
注意すべきは、企業によっては就職に大学卒業の資格が必要である場合があることです。
また、大学を卒業した社員と比較して、昇進が遅い場合もあります。
大学中退して就職する場合は、企業や職種を良く吟味するようにしてください。
大学中退のデメリット
大学中退には、デメリットがつきものです。
具体的に把握しておくことで、困難やトラブルにより適切に対応できるでしょう。
就活で印象が悪くなる
1点目は、就活で印象が悪くなる場合があることです。
大学卒業をした人と比べて、知識や学力だけでなく、忍耐力や継続力も足りないのではないかとの疑いが持たれやすいでしょう。
入社してもすぐに退職されては、企業側も困るからです。
大学を中退した場合は、その理由やその後の行動について十分に説明できるように準備しましょう。
奨学金の返済が始まる
2点目は、奨学金の返済が始まることです。
貸与型の奨学金を利用していた場合、振込停止手続きの7か月後から返済が始まることになっています。
そのため、経済的に苦しくなってしまいがちです。
もしどうしても困難である場合は、救済措置として猶予期間を設けてくれることもあります。
手続きが必要ですが、ぜひ検討してみてください。
大学卒業の資格がなくなる
3点目は、大学卒業の資格がなくなることです。
たとえば、一部の企業では大学卒業の資格が採用試験応募に必要です。
また、給与の額や昇進のスピードに関して、大学卒業者と差が設けられている場合があります。
また、資格試験の受験に大学卒業の資格が必要な場合もあるので注意してください。
大学中退後の進路
大学を中退した後は、様々な進路が選択できます。以下に、主な選択先をご紹介していきます。
正社員として就職する
正社員として就職することは、大学中退後でも可能です。
この場合、いち早く現場の知識やスキルを吸収できるでしょう。
就職先は、より現場経験が活かせるところにするのがお勧めです。
注意すべきは、新卒採用枠では応募ができない点です。
中途採用枠での応募に努めましょう。
お勧めは、第2新卒の就活に特化したエージェントの利用です。
「第2新卒エージェントneo」(引用:第2新卒エージェントneo)が挙げられます。
特化型のエージェントには、スキルやノウハウが蓄積されているため、より的確なアドバイスを受けられることが期待できます。
「第2新卒エージェントneo」は、専門の相談員による親身なアドバイスに定評があります。
公務員になる
公務員試験を受けて面接を通過すると、公務員として働くこともできます。
公務員試験には、学歴条件がないからです。年齢さえ要件に達していれば、挑戦する資格はあります。
ただし、自治体や職種によって要件は異なるため注意してチェックするようにしてください。
公務員になれば、勤続年数による昇給、定年までの雇用などが認められるので魅力的であると言えます。
専門学校へ入学する
学びたい専門知識があるなら、専門学校への入学が良い選択肢になります。
入学金や授業料は重複してかかってしまい負担となりますが、興味のある分野で再チャレンジする意義は大きいと言えます。
場合によっては、その後の就職にも活きていくでしょう。
他大学へ編入する
試験に合格すれば、他大学へ編入することが可能です。
2年次編入や3年次編入が挙げられます。
場合によっては、既に取得した単位を引き継ぐことも可能です。
また、トータル4年間での卒業も不可能ではありません。
注意すべきは、募集要項の確認です。
募集は毎年決まっているわけではないこと、時期が学部によって前後する場合があることなどを念頭に置いてください。
他大学へ再入学する
興味のある分野が変わった場合などは、他大学へ再入学する意義があります。
仮面浪人をする人も少なくありません。
注意すべきは、入学金や授業料など重複して支払う必要がある点です。
資格を取得する
就職に向けて、興味のある分野で資格を取得するという選択肢もあります。
企業によっては、資格保有を評価対象に組み入れている場合があるからです。
注意すべきは、需要を確認することです。
就職活動にあまり意味のない資格を取得しても、無駄になるばかりだからです。
海外へ行く
海外へ行くことも良い選択肢の1つです。
たとえば、バックパッカーとして世界中を旅する、ワーキングホリデーに行く、留学するなどが挙げられます。
理由が明確化でき、適切な行動を起こせていれば、その後の就職活動においてもプラスに働くでしょう。
起業する
起業のプランが明確にある場合、いち早く行動に移すことも重要です。
大学を中退するのではなく、在学中に起業することもできるため良く考えてください。
注意すべきことは、起業にはリスクがあることです。
事業が失敗した場合、多額の借金を背負うことになってしまうかもしれません。
契約社員や派遣社員になる
契約社員や派遣社員など、非正規で働くことも可能です。
正社員での就活に比べて、未経験でも採用してもらえる案件が多いのが特徴です。
働きぶりによっては、同じ会社における正社員への登用も視野に入ってくるでしょう。
もしくは、経験を積んでから他企業へ正社員として転職、という道も拓かれています。
注意すべきは、正社員と比較して雇用が安定的ではない点です。
非正規社員になる場合は、将来に対する見通しも立てておくことが重要であると言えます。
お勧めは、ハタラクティブです。(引用:ハタラクティブ)
フリーターや大学中退者向けのエージェントとなっています。
歳が近いアドバイザーが一人ひとりに合わせたコンサルティングを行うため、安心できます。
また、ハローワークを利用することもお勧めです。
転職サイトや転職エージェントには届かない地元の優良企業が求人を出しているケースがあるからです。
アルバイトをする
アルバイトをしながら、フリーターとして活動していくことも可能です。
自由な時間が取りやすいため、じっくり考えたりやりたいことをしたりしやすくなるでしょう。
注意すべきは、就活時に職歴としてアピールできない点です。
フリーター期間は、空白期間としてみなされてしまいがちです。
常に目的意識を持って行動に移していくことが重要であると言えます。
また、スキルが積めるアルバイトを選ぶことも大切です。
フリーランスとして働く
Webライター、動画編集者、ネットショップ運営など、フリーランスとして活動する選択肢もあります。
既にスキルを持っている場合は、大学中退後でも始めやすいと言えます。
注意すべきは、全てを自分でコントロールする必要があることです。
急に仕事が無くなってしまう危険性もあります。
大学中退後は就職できる?
大学中退後でも、就職はできます。
しかしながら大学卒業者と比較してその道のりは険しいということも理解しておきましょう。
以下に、お勧めの業界と職種、やるべきことについて解説していきます。
お勧めの業界や職種
お勧めは、学歴不問を掲げているベンチャーや人手不足の業界への応募です。
正社員が厳しい場合、まずは契約社員や派遣社員で就職してみるのも1つの手段です。
お勧めは、JAICです。(引用:JAIC)
フリーターや大学中退者向けに就職支援をしているエージェントとなります。
アドバイザーのフォローが充実しているため、自分に合った業界や職種が比較的容易に見つかるかもしれません。
営業職
営業職は、どの企業も欲しがっています。
未経験や学歴不問であることも少なくありません。
営業職で経験を積めば、転職もしやすくなるでしょう。
また実力至上主義でもあるため、結果によっては大学卒業者と張り合える年収を得ることも不可能ではありません。
事務職
未経験や学歴不問の事務職を探すのも良いでしょう。
経験を積めば、他の企業への転職も夢ではありません。
ワークライフバランスが取りやすい職種であるため、長く働くことも可能です。
事務職を目指す場合は、MOS検定や秘書検定などの資格取得も視野に入れて動くのがお勧めです。
IT業界
IT業界は、人手不足になりやすい業界です。
そのため、未経験や学歴不問で採用してくれる企業もあります。
また、ベンチャー企業も多いため、ねらい目の業界であると言えるでしょう。
企業に応募する場合は、ITパスポートやプログラミングの勉強など、自力で取得できる資格やスキルを身につけておくのもお勧めです。
建設業界
建設業界は人手不足になりやすいと言えます。
また、体力がある若者が好まれやすいとも言えます。
現場経験が重視されるので、転職も視野に入れて動きやすくなるでしょう。
注意すべきは、体力が必要なこと、高い危険が伴うことです。
介護・福祉業界
介護・福祉業界は、景気に左右されにくく需要が高い業界です。
ケアマネージャーや社会福祉士などの資格を取得して挑戦するのも良いでしょう。
販売・接客業界
販売・接客業界は、アルバイトの経験が活かしやすく、大学中退者にお勧めの業界です。
人と関わるのが好きな人にはうってつけの業界であると言えます。
注意したいのは、土日祝日などの休日にも仕事が入る場合があることです。
やるべきこと
大学中退者が就活で困らないためには、やるべきことについて認識しておく必要があります。
以下に、やるべきことについてご紹介していきます。
空白期間をなるべくつくらない
空白期間をなるべくつくらないようにするのは、重要です。
たとえば、家に引きこもって何もしない、アルバイトしながら自由に過ごすなどの期間は極力短くするようにしてください。
企業側は、入社後に続けて働いてくれるかどうかを気にします。
空白期間が長ければ、働く意欲が弱いと認識されてしまうこともあります。
就職に役立つ経験を積む
就活に役立つ経験をできるだけ積むようにしましょう。
たとえば、ただ海外旅行するのではなく、現地の人と交流したり語学学校に通ったりすることがお勧めです。
これらの経験を、就活でアピールポイントにできるからです。
就活準備を怠らない
就活準備を怠らないことで、失敗を減らすことができるでしょう。
たとえば、情報収集、自己分析、面接練習などが挙げられます。大学中退者は特に、経緯や理由など詳しく聞かれることが少なくありません。
自己分析の時間を十分に取ることで、どんな質問がきても動じずに理路整然と対応することができるでしょう。
エージェント、ハローワーク、就職サイトを利用する
エージェント、ハローワーク、就職サイトなど、あらゆる窓口を複合的に活用していくことが重要です。
それぞれ強みがあり、求人の内容が多種多様であるからです。
多くの窓口を利用することで、就職のチャンスを増やすことができると言えます。
大学中退しても就職は可能
これまで、大学中退の理由、メリットとデメリット、主な進路、大学中退後の就職先とその方法について見てきました。
理由付けや行動力があれば、大学中退をしても企業に就職することは可能です。
充実した生活を送れるかどうかは、自分次第であると言えます。
ぜひこの記事を参考に、本当に大学中退をするのかどうか、した後どのように活動するのかを検討してみてください。