【大企業と中小企業の定義】就活生の企業研究に役立てよう
2023年5月12日更新
はじめに
就職活動において、企業研究は重要な作業のうちの一つです。
今回は、企業研究に役立つように大企業と中小企業の違いについて解説していきます。
自分の就きたい企業の特徴や定義を知ることで、自分の性格と合っているか判断できます。
自分と企業の間に、ギャップがないか、考え方が同じか、が重要です。
大企業と中小企業で考え方や価値観が違うため、定義の違いを見ていきましょう。
大企業と中小企業の定義
大企業や中小企業の曖昧なイメージはあるけど、具体的にどう違うのか分からない人もいると思います。
まずはこの2つの定義から説明していきます。
大企業の方が優良企業が多いから目指している方も今から説明していく内容を読めば、中小企業に目を向けたくなるかもしれないので見ていきましょう。
大企業の定義
結論から言えば、大企業に定義はありません。
中小企業以外の企業を大企業と定義しておくことが無難です。
中小企業基本法で定められた人数よりも多い企業を大企業と言います。
大手企業や人気の企業=大企業ではないので注意しましょう。
中小企業は定義が決まっているため、裏返せば大企業の定義も表すことができます。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、その他業種 | 3億円以上 | 300人以上 |
卸売業 | 1億円以上 | 100人以上 |
サービス業 | 5,000万円以上 | 100人以上 |
小売業 | 5,000万円以上 | 50人以上 |
このように表にまとめることができます。
これを参考に大企業であるか判断すればいいでしょう。
中小企業の定義
中小企業は中小企業基本法で、定義が定められています。
その定義は以下の表を参考にしてください。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、その他業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以上 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
国内の企業数はおおよそ421万社あり、そのうちの419.8万社が中小企業です。
大企業は0.3%しかないため、ほんのわずかしかないことがわかります。
企業数としては、0.3%しかないものの、ひとつひとつの規模が大きいため従業員が多く、従業員割合で言えば30%ほどはあります。
大企業と中小企業の違い
違いとして一番わかりやすいのは、資本金と従業員数です。
資本金と従業員数のどちらも多いのが大企業です。それ以外が中小企業となります。
大企業は比較的安定した収入が見込め、給料が高く福利厚生も充実しているのが特徴です。
また倒産の恐れがある場合は、政府が介入し補助するため倒産しにくいシステムがあります。
一方の中小企業では、従業員が少ないこともあり社長と近い距離で働くことができます。
そのため、自分の頑張りが評価してもらいやすく、やりがいを持って働けることが特徴です。
大企業と中小企業のメリット・デメリット
大企業も中小企業もそれぞれメリットがあり、デメリットもあります。
各々のメリット・デメリットから自分ならどちらを選ぶか検討していきましょう。
大企業のメリット・デメリット
メリット
- 経営が安定している
- 給料が高い
- 福利厚生がしっかりしている
- 転職したとしても有利
倒産の可能性がある場合も、政府が介入し援助してもらえるなど経営が安定していることが魅力です。
安定した経営ができているからこそ給料も高く、福利厚生もしっかりしているため働きやすい環境ができています。
就職活動の際も、合同説明会が多く、OBも多いため、入社してからのイメージが作りやすいのが特徴です。
デメリット
- 出世するまでに時間がかかる
- 転勤するリスクがある
- 若手のうちは仕事に限りがある
大企業であるがゆえに、社内政治も厳しく息苦しさを感じる人もいます。
出世するまでに時間がかかり、下積み期間が長い傾向があるのが特徴です。
従業員も多いため、自分の担当外の部署とは関わりも少なく、距離ができてしまうこともデメリットです。
就職活動の際は、ライバルが多く競争率が高くなります。
人数が多いこともあり、内定までの時間がかかることもデメリットです。
中小企業のメリット・デメリット
メリット
- 若いうちから仕事を任せてもらえる
- 転勤になる恐れが少ない
- 社員同士の距離が近い
- 出世が早い
人数が少ない利点を活かし、入社後に即戦力として仕事を任せてもらう機会が多いのが特徴です。
社員同士の距離も近く、協力体制を取りながら働くことができます。
社長との距離も近く、自分の頑張りを評価してもらいやすいので出世が早い傾向があります。
就職活動の際は、ライバルも少なく競争率が低いことがメリットです。
内定を出すスピード感も早く、スピーディーに選考を進められるのも特徴のひとつです。
デメリット
- 大企業に比べると給料が低い
- 経営が不安定になることがある
- 上司に左右されやすい
- ひとりひとりの責任感が重い
収入面は、大企業のほうが平均収入も高くデメリットとして大きいところがあります。
初任給が低く、働くモチベーションが下がってしまう原因です。
比較的少ない人数で働くことから、ひとりひとりの責任感が増え、作業量も多くなるため労働環境が悪くなることが懸念されます。
就職活動の際は、ベンチャー企業やスタートアップといった企業は、会社の情報が少ない企業もあり探しにくいことがデメリットです。
OBを活用して訪問することも難しいため企業研究がしづらい企業もあります。
企業選びのポイント
自分が働くにあたり、何を重視して企業を選ぶかが重要です。
給料なのか、やりがいなのか、自分にあったポイントを見つけましょう。
企業を選ぶときに、何を意識して選べばいいかわからない人のため、企業選びのポイントを説明していきます。
給料
働いているほとんどの人が気になるのが給料面です。
一般的に大企業の方が給料が高い、とされているため安定した収入を得ることができます。
福利厚生や退職金など大手企業のほうが手当が充実していることが、多く選ぶポイントのひとつとして挙げられます。
しかし、必ずしも大企業のほうが給料が高いわけではないことに注意しましょう。
大企業=給料がいい、というわけではありません。
中小企業は、昇格しやすい環境が多く給料があげやすいことも特徴です。
給料面だけで大企業を選ぶと、思わぬ落とし穴にハマる可能性もあるので気を付けましょう。
働く環境
働きやすい環境であるかは、長く働く上で重要なことです。
安定を求めるならネームバリューもあり、認知度の高い大企業がおすすめです。
社会人として働いていると、人と関わることが多く人間関係のトラブルも生じてしまうことがあります。
企業説明会やインターンシップを利用し、職場の雰囲気を知っておくことが大切です。
企業によっては、海外転勤や異動になる可能性も高く、自分の希望する配属先を選べないこともあります。
福利厚生や残業時間、有休消化など自分が働いたときを想定し働きやすい環境が整っているか確認しましょう。
人間関係は働いてみないとわからないこともあるので、気になる方はインターンシップを活用することをおすすめします。
社風
会社と自分の考え方が一致しているかが重要です。
マニュアル通りに作業することを重視する会社もあれば、個々の考えを重視する会社もあり様々です。
年功序列や実力主義など会社ごとに考え方が違うため、会社の経営理念や社員の声を参考に職場のイメージを作り上げましょう。
大企業や中小企業に向いている人の特徴
自分にとって、大企業と中小企業のどちらが向いているのか判断しやすくするように向いている人の特徴を説明していきます。
自分の性格や特徴と照らし合わせながら見ていきましょう。
大企業に向いている・受かりやすい人の特徴
①コミュニケーション能力がある人
安定した収入・企業や長期間働ける職場を求めている人に向いています。
そのため、コミュニケーション能力が高く、誰にでも柔軟な対応ができる人はおすすめです。
自我を優先しすぎず、協調性がある人が好まれます。
②向上心の高い人
競争社会である大企業では、向上心が高く常に出世を目指している人が向いています。
ライバルに負けないために、がむしゃらになって働く、自分のほしい地位を手に入れる、といった上昇志向を持つことが大切です。
③上下関係を意識できる人
大企業は歴史の長い企業も多く、古い考えや上下関係に厳しい企業も多いです。
上司を立てることができ、可愛がられる存在になれば出世もしやすくなります。
十人十色で考え方も違うため、世渡り上手な人は大企業に向いています。
<受かりやすい人の特徴>
就職活動の際は、ライバルが多く競争率が高いため、ある程度の学歴やスキルを持っているほうが受かりやすいです。
一般的に人気の業界は、知名度のある大学を卒業している人が多い傾向があります。
例えば競争率の高い金融業界では、東大、慶応、早稲田などエリート大学の卒業生が多いです。
欠点が少なく、尖ったスキルを持っている人も受かりやすい特徴です。
平均的過ぎる人は、目立った個性がなく、他の受験者に埋もれてしまうため印象が薄くなってしまいます。
尖ったスキルがあれば、アピールポイントにも繋がり印象を残すことが可能です。
何かひとつ目立ったスキルを身に着けておくことをおすすめします。
中小企業に向いている・受かりやすい人の特徴
①異動が少ない方がいい人
中小企業であれば、全国展開ばかりではなく会社が1つだけの企業も多いです。
そのため、転勤も少なく、安定した場所で長期間働くことができます。
家庭を持って腰を下ろしたい人は中小企業が向いているでしょう。
②すぐに出世したい人
人数が少ないことから出世しやすい環境が多いのが特徴です。
入社後に即戦力として働き、若くして部長や課長まで昇り詰めることも可能です。
すぐに出世したい想いがある、裁量のある仕事をしたい、といった人に向いています。
③責任感のある仕事をしたい
人数が少ない傾向があるため、ひとりひとりの責任が重くなります。
自分の仕事に責任を持って働きたい人におすすめです。
一人当たりの仕事量は多くなってしまいますが、責任感を持って働くことができます。
責任感がやりがいにも繋がり、自分のモチベーションを上げる要因になれる人におすすめです。
<受かりやすい人の特徴特徴>
大切なのが企業研究がしっかりできているかです。
企業の経営理念や社風など自分とあった企業を選べている人が受かりやすいです。
中小企業だからといって、安易に考えている人は落ちてしまいます。
志望動機が弱く、すべり止めに受けていると思われてしまうからです。
志望動機を明確にし、入社意思が伝わるようにするのがポイントです。
大企業と中小企業どちらがいいのか
大企業に就職するほうが勝ち組だ、といった言葉を耳にすることもありますが、結論から言えば自分の納得いく企業に就ければ問題ありません。
どちらもそれぞれメリット・デメリットがあり、自分が何を優先すべきかで変わってしまいます。例えば次の3点に注目して比較していきたいと思います。
「人間関係」
仕事をする上で欠かせないのが人間関係です。
人間関係は、会社説明会やインターンシップを利用して図ることができます。
中小企業の場合だと、会社説明会などで得た情報をそのまま利用することが可能です。
しかし大手企業だと、勤務場所や配属部署が多く経験を活かすことができません。
また部署ごとに文化も異なり、運頼みになってしまう可能性があります。
「仕事の楽しさ」
これから先、長く働いていくためには仕事を楽しく思いながら働くことが大切です。
入りたては、どちらも慣れない環境で戸惑うことも多く、楽しさを感じるまで時間がかかると思います。
中小企業の場合、人数も少ないことから昇格も早く、一つのプロジェクトを最初から最後まで担当する機会が増えるので、仕事の楽しさも増えていきます。
一方大企業では、企業の特徴から細切れで仕事をすることが多いです。
のプロジェクトに対しても、数十名~数百名も関わることも多く、機械的に処理することが増えてしまいます。
「収入と待遇」
収入や待遇は大企業のほうが有利です。
平均収入も大企業のほうが高く、福利厚生や退職金も大企業のほうが環境が整っています。
平均収入が1,000万円以上の大企業もあるくらい会社が儲かっていれば、それなりの報酬をうけとることができます。
この3点だけを見れば、中小企業のほうが満足した環境であると言えます。
もちろん自分が重きを置いている部分を優先的に考え、どちらが自分にあっているか結論を出しましょう。
自分に合った企業選びが大切
大企業と中小企業の違いについて説明してきましたが、自分が目指している方向性にあった企業を選ぶことが大切です。
「給料」、「福利厚生」、「出世のしやすさ」、「転勤の多さ」などそれぞれメリット・デメリットがあるので、自分が重きを置いていることは何か明確にしておきましょう。
そこから自分の考えが大企業にあっているのか、中小企業に合っているのかを考え、選択していくのがおすすめです。
大企業と中小企業の定義や違いを学ぶことで、企業研究の参考にしてください。