
【必読】大学を辞める前にやっておきたい3つのこと
2023年5月10日更新
はじめに
大学を辞めようかなと考える人にとって、
「大学を辞めた後、その先どうなるんだろう?」
「あらかじめメリットとデメリットを知っておきたい」
「どんな理由でみんな辞めて行くんだろう…」
など、知りたいことが山積みですよね。
文部科学省の調査によると、全大学生に占める中退者の割合は「1.95%」と公表されています。
100人いれば、2人なので想像以上にレアです。
日本は同調を重視する国なので、大勢と違う行動をとるとなると、それなりの覚悟が必要です。
本記事では大学を辞める理由やメリット・デメリット、大学を辞めた後の11個の選択肢を解説しています。
加えて、後悔しないように大学を辞める前にぜひやってほしい3つのことも公開しました。
10分後にはあなたが不安に思っていることの答えがすべて明らかになりますので、最後まで一気に読み進めてくださいね。
大学を辞める理由とは
まず大学を辞める人はどんな理由で退学しているのか、気になる点だと思います。
退学理由を大きく分けると3つあります。
①何かやりたいことがあって辞めるパターン
まずは何となく大学に入ってみたものの、途中で何かやりたいことが決まって辞めるパターンがあります。
たとえば、ビジネスアイディアを思いついて起業したり、早く実務経験を積みたくて就職するパターンなどです。
次に、他の大学で学びたい学科や科目があり、転学するパターンや海外に惹かれて留学するパターンもこれにあたります。
加えて、大学に通学していると余計な時間やエネルギーを吸い取られるので、資格取得に専念したいパターンもあります。
どちらかというと、ポジティブな理由が先にあって、そのために現在の大学を辞めるパターンですね。
➁余儀なく辞めざるを得ないパターン
2つ目のパターンは、何らかの事情があって大学を辞めざるを得ないパターンです。
たとえば、親の介護が必要になったなどの家庭の事情や、親がリストラに遭ったり、会社が倒産して学費を払えないなど経済的なケースがこのパターンにあたります。
これはどちらかというと、他人の置かれている状況が変化して辞めざるを得ない例ですね。
逆に、自分の状況が一転して辞めざるを得ないケースもあります。
たとえば、ケガや病気で通学できず、やむなく退学するパターンです。
それから妊娠したために、通学している場合じゃないというケースもあります。
これらのケースは何らかの方法で回避できる可能性もあるので、後述しますね。
➂嫌だから辞めるパターン
最後は大学で勉強したり、在学していることに嫌悪感を抱いて辞めるパターンです。
たとえば、大学に入ったはいいものの、勉強についていけないケースがこれにあたりますね。
あとは、入学当初に思い描いていたハッピーキャンパスライフのイメージとギャップを感じて辞めるケースもあります。
具体的には自分の学びたいことが学べると思って期待して入学したけど、自分が求めていたものと違ったり、友達ができないなどもこのケースにあてはまりますね。
ちなみに、労働政策研究・研修機構が公表している「大学等中退者の就労と意識に関する研究」では、大学を中退した理由の割合は下記のようになっていますので、参考まで。
【中退理由の割合】
学業不振・無関心 | 家庭・経済的理由 | 進路変更 | 病気・ケガ・休養 | 人間関係・ 大学生活不適応 | その他 |
42.9 | 19.3 | 15.1 | 10.9 | 10.0 | 1.9 |
(%)
大学を辞めることのメリットとデメリット
「中退理由は分かりましたが、今度は中退のメリットとデメリットを知りたいです。」
メリットとデメリットをまとめると下表のとおりです。
メリット | デメリット |
・自由な時間ができる ・好きな分野の勉強だけに専念できる ・大学のストレスから解放される ・学費を支払わなくて済む | ・最終学歴が「高卒」になる ・大学での人間関係が継続できなくなる ・経歴にブランク(空白期間)が生じる ・学割が受けられなくなる ・辞め癖がつく可能性がある ・生涯年収に差が出る |
特に大きいのは、日本の場合まだまだ学歴社会が根強く残っていて、「大卒」と「高卒」では人事の制度設計が根本的に異なります。
たとえば、初任給を見ても額面に差がありますし、就ける職種、その後の昇格や昇進ルートも異なります。
また、昇給カーブや退職金カーブも学歴別に異なる設計を行っていますので、大卒と高卒の生涯賃金では大きな開きが出てきます。
たとえば、ユースフル労働統計2021によれば、下表のとおりです。
区 分 | 高卒(A) | 大卒(B) | 差(B)-(A) |
男性 | 212.8 | 269.1 | 56.3 |
女性 | 152.3 | 217.3 | 65.0 |
(単位:百万円)
退職金を含まない60歳までの生涯賃金では、男性では高卒と大卒の差が「56.3百万円」、女性では「65百万円」の開きとなって現れてきています。
さらに、定年時の退職金と定年再雇用後の賃金まで含めた生涯賃金を見ると、男性で「71.5百万円」の開きが出ていますので、その差は無視できない数字ですね。
もう1つ注意してほしい点は、奨学金を借りている人は大学を退学して7か月後から奨学金を返済する義務が生じます。
この時に定職に就いていないと、返済できずにアタフタする可能性がありますので、注意が必要です。
大学を辞めた後の11個の選択肢
「大学を辞めた後の進路やキャリアって、どんな選択肢があるんですか?」
そうですよね。大学を辞めた後の進路って気になりますよね。
特にネガティブな理由で辞める場合は、
「大学を辞めたら、この先どうなるのだろう?」
と不安になるはずです。
なので、どういう選択肢があるのか、あらかじめ示しておきますね。
①一定期間休む
まずは、「一定期間休む」という選択肢です。
特に、病気やケガの場合は完治してからでないと動けないですよね。
また、精神疾患の場合も無暗に動くと、ろくなことがないので、ある程度治癒してから動いたほうが無難です。
いずれにしても、専門医に相談したうえで動いてください。
ここで押さえておきたいことは、あまりにもブランク(空白期間)が長いと、就職には不利に働くということです。
なので、就職を目指すのであれば、納得性の高い理由がない限り、休む期間はできるだけ短縮したほうが身のためです。
➁フリーター
次に、退学後にアルバイトを始めてフリーターになるパターンです。
就活して正社員として働く場合と比べ、かなり敷居は低いですし、比較的自由な時間も享受できます。
ただし、アルバイトは職歴として履歴書には記載できず、経歴に穴が開きますので、あまり長い期間、フリーターとして過ごすのはおすすめできません。
➂ニート
もちろん、ニート生活を送るという選択肢もあります。
要は親元で暮らして、生活費を賄ってもらう方法です。
俗にいう「プー太郎」ですが、何か目標があって、そのためにニートをするというポジティブなニートならいいですけど、ただ単に働きたくないとか、ゲームして遊び惚けたいなどネガティブなニートだと生産性が低いのでやめたほうがいいですね。
しかも、ドップリ浸かると沼から抜け出せなくなりますので、注意が必要です。
ニート期間についても経歴にブランクが空きますので、就職する際に猜疑心の目で選考を受ける状態になるのは言うまでもないですね。
➃他の大学や専門学校に転学
次に転学するというのも選択肢の1つです。
特に、自分が学びたかったことと違ったので他大学に入り直すとか、プログラミングやグラフィックデザインなど他に学びたいことができたので専門学校に通うというケースですね。
どちらかというと、ポジティブな選択肢なので悔いが残らないようにしたいのであれば、いい選択かもしれません。
➄留学
海外留学も選択肢の1つですね。
海外に行って視野を広げたいとか、異質な環境や価値観に触れて視野を広げたいという目論見があるのであれば、アリですね。
逆に、今が嫌なので海外に行けばなんとかなるだろう的な「海外逃亡」に似た留学は、あまりおすすめしませんね。
そのような現実離れした動機で留学しても、スピンアウトするのが目に見えているからです。
そうなると自己不信を上塗りしてしまう羽目になりますので、留学する動機が本当にポジティブか、現実から目をそらすための逃げではないのかをよく自問してください。
⑥起業
起業するというのも1つの選択肢です。
何か自分のやりたいことがあったり、自分のアイディアで世の中に貢献したいという夢があるなら、挑戦してもいいのかもしれません。
ただし、失敗してもダメージが少ないように、できるだけリスクの少ない形で始めるのがベターです。
起業というのであれば、フリーランスも個人事業なので起業にあたります。
たとえば、プログラミングや動画編集など世の中から需要のあるスキルを保有しているのなら、選択肢の1つですね。
➆就職
次に、正社員として就職する選択肢です。
1番の王道かもしれませんが、収入面や待遇面で安定しているので、フリーターよりも安心して生活できる点ではメリットがありますね。
とはいえ、独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によれば、大学中退者が正社員で就職する割合は男性で「35.3%」、女性で「30.1%」となっています。
要は、3割程度の人しか正社員になれないので、説得力のある「中退理由」や「活躍理由」を説明できないと狭き門だということですね。
そのために、人手不足(需要のある)業界を狙ったり、企業ニーズのある資格をあらかじめ取得しておいたり、ノウハウを持っている就職エージェントを利用するなどの就活対策が必要ですね。
⑧公務員
学歴や職歴にあまり影響されずに、試験に合格すれば公務員という道もあります。
民間企業の就職では大学中退者は不利なケースがありますが、経歴がそこまで重視されない公務員は賢い選択の1つだとも言えますね。
とはいえ、公務員試験は倍率も高く、受験勉強もかなり大変です。
生半可な気持ちで臨むと時間だけがやたらと経過しますので、目指すのであれば覚悟を持って取り組みましょう。
⑨職業訓練校
職業訓練校に通うという選択肢もあります。
職業訓練校は職業訓練を専門的に行っており、短期間で実践的なスキルを身につけることができます。
例えば、パソコンやプログラミング、料理や美容、医療や介護などの技術を学ぶことができます。
職業訓練校は国や地方自治体、民間の教育機関が運営していますが、訓練期間や受講費用などは、訓練内容や運営主体によって異なりますので、事前確認が必要です。
➉就職で活かせる資格を取得
大学を中退すると自由に使える時間が増えます。
この時間を使って、就活で活かせる資格取得に挑戦するという選択肢もあります。
この場合、就職したい企業でニーズのある資格を取得することがポイントです。
需要のない資格をいくら量産しても、就活は有利にはたらきません。
なので、徒労に終わらないように、その業界や企業をよくリサーチして逆算しながら資格を取得することが肝要です。
⑪インターンに参加
インターンシップに参加して必要な実務経験を積むという選択肢もあります。
給料をもらいながら、スキルを高められるという点でメリットがありますね。
最近は大学中退者向けのインターンのプラットフォームも立ち上がっていますので、そのようなツールを使うと、比較的簡単にインターン先を見つけることも可能です。
大学を辞める前にやってほしい3つのこと
本記事の最後に大学を辞める前に絶対にやってほしい3つのことを解説して締めくくりたいと思います。
(1)辞める以外に方法がないかを考える
まずは大学を辞める以外に方法はないのかを考えてください。
たとえば、起業や資格取得のために大学を辞めようと思っているのなら、それは在学しながらできないかを考えてください。
在学しながらできるのであれば、仮に起業や資格取得がコケても大卒という権利は残っていますのでリスクが少なくて済みますよね。
あるいは病気やケガで通学できずに辞めようか迷っているなら、「休学」も選択肢の1つです。
休学後も大学に戻って必要な単位を取得できれば、「大卒」という肩書は残るわけです。
「0」か「1」で判断するのではなく、その中間の「0.5」を狙うという方法ですね。
加えて、家庭の事情で学費が払えず、辞めようか迷っているのなら、ぜひ学生課に相談してみてください。
学費を支援する制度も色々充実していますので、それを利用すれば事なきを得るかもしれません。
さらに、大学で友達ができず馴染めないのであれば、アルバイトや外部の団体に所属して友達を作る方法もあります。
このように大学に居ながらして問題を解決できないか、第3の解をまずは考えてほしいと思います。
(2)辞める前に「何のために」を問う
次にやってほしいことは、「何のために辞めるのか」を自問することです。
要は、「大学を中退するあなたの大義」ですね。
これが明確でない、あるいは逃げの大義であれば、仮に辞めたとしても中途半端な形で終わる可能性が大です。
逆に自分の中で確固たる大義があれば、大いにやればいいと思います。
ぜひ、大学を辞めると決断するために、「何のために?」を自問し続けてください。
(3)信頼できる大人に相談する
最後はあなたが信頼できる大人に相談してください。
やはり、自分だけの狭い視野では誤った決断や偏った判断をしがちです。
なので、自分の考えに妥当性があるのかを客観視してもらえる存在が必要になります。
その際は、社会経験があって、広い視野で客観的にアドバイスしてくれる人を選ぶことが肝要です。
そういう意味で、親はどうしても感情的な思いが入りますのでやめたほうがいいですし、かといって友達や先輩も社会経験がないので的確な助言はできないと思います。
できれば、あなたのことをよく知っていて、未来を見通せる力があり、そこから逆算して的確なアドバイスをしてくれる大人を選んでほしいと思います。
おわりに
以上、大学を辞める理由やメリット・デメリット、大学を辞めたあとの選択肢、辞める前にやってほしいことを公開してきました。
八重もすると、大学を辞めるのは「甘え」だと揶揄する人もいます。
甘えとは他人をあてにして、自分の行動に責任を取らない行為を指します。
大学を辞めても、その後就職して自立しているのなら、甘えとは誰1人捉えないはずです。
要は、大学をやめるのが甘えかどうかは、やめた後の本人の行動によって決まるといっても過言ではありません。
一方で、大学生活から単に逃げてしまうだけの行為では、得られるものは少ないでしょう。
なので、辞める・辞めないに関わらず、今後自分の人生をどう切り開いていくのか、建設的に考えた上で決断することが重要です。
そういう意味で、本記事がそのためのヒントになれば、幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。