
志望理由書ってどう書くの?書き方のルールを伝授!
2023年4月27日更新
はじめに
選考が始まると、エントリーシートに加え志望理由書の提出を求められることがあります。
「志望理由書って何?」
「何を書くのが正解なの?」
「そもそも書いたことがないから、書き方のルールが分からない…」
エントリーシートの対策方法は世の中にたくさんありますが、志望理由書の対策方法は、あまり見つけることができないのではないでしょうか。
そこで本記事では、そもそも志望理由書とは何かを説明しながら、企業が志望理由書の提出を求める理由や、書き方のルールなどを詳しくご紹介します。
現時点で志望理由書の書き方に悩んでいる人はもちろん、今後様々な企業の選考を控えている人も、ぜひ最後までお読みくださいね。
志望理由書とは?
志望理由書とは、名前の通り「その企業を志望する理由を記載した書面」です。
エントリーシートなどにも「志望理由」を記入する欄がありますが、志望理由書は「志望理由」だけで1枚の書面にする必要があります。
志望理由書は就活で必ず必要?
一般的に、就活においてはエントリーシートに含まれることが多く、1枚の書面で提出を求められることは多くありません。
しかし、特定の業界を志望する場合や、企業の種別によっては志望理由書を求められることがあります。
フォーマット指定をされる場合がほとんどですが、指定がない場合もあるため、その場合は企業担当者に提出書式を確認しておきましょう。
志望理由書から企業が知りたいこと
では、志望理由書から企業は何を知りたいと思っているのでしょうか。
企業担当者が志望理由書を通じて「知りたい」と感じている点を、5つほどご紹介します。
入社意欲・熱意
まず確認されるのは、入社意欲です。提出元の就活生が、どれほど自社を志望しているのかを理解するために、志望理由書の提出が求められます。
企業担当者目線で見ると、入社意欲が高い就活生は、入社後もモチベーション高く働いてくれる可能性が高いと判断することができます。
モチベーション高く働く可能性が高まると、すなわち成果を出す可能性も高くなります。
「すぐに活躍してくれる人材かどうか」という点で、入社意欲は非常に重要なのです。
入社後の目標
入社がゴールになってしまっている人材は、企業担当者からの評価は高くありません。
大切なのは、入社して以降どのように活躍するビジョンを描いているかという点です。
「入社していないのに、企業の内部が分かるわけない」と思う人がいるかもしれません。
確かに入社してみると、入社以前に掲げていた目標が変わることはあるでしょう。
しかし現時点で大切なのは、今ある情報を整理して、自分なりにひとつの結論を導き出すことなのです。
ただ「この会社に入りたい」だけを伝えるのではなく、どのような分野で活躍・貢献する想定なのかをきちんと伝えているかという点も、企業担当者にとっては重要な視点です。
企業に対する理解
「なぜこの会社に入りたいのか」ということを伝えるためには、志望企業への理解が大切です。
志望理由書では、決して「私は貴社のことをこれほどまで分かっています」ということは記載しません。ただ、「自分がなぜそう思ったのか」という理由を伝える際には、企業に対する理解がないと書けないのです。
どのような点に自分は惹かれているのか、他の企業ではなくなぜこの企業なのかという説明を受けて、企業担当者は自社への志望度を見ているのです。
志望理由を考えるために必要なこと
では、志望理由を考えるためにどのようなことが必要なのでしょうか。
特に必要な点を3つご紹介します。
①自己分析を行う
最も大切なのは、自己分析を行うことです。
企業の研究を深める前に、自分自身に対する理解を深めることができなければ、企業との紐づきを検討することができません。
自身の強みなど、一見するとすでに理解していそうなことも、自己分析を行ってみると違った強みに着地することも少なくありません。
また、企業にアピールする際のエピソード選びにも繋がることから、まずは自己分析を徹底的に行いましょう。
②企業研究を行う
自己分析が完了したら、企業研究を行います。
企業研究はまず、ホームページの情報をくまなくチェックすることから始めると良いでしょう。
その後、上場企業であれば株主向けの「統合報告書」などを確認すると、会社の方針などがさらに分かりやすくまとまっています。
調べて出てくる情報は、網羅的に確認しておくことが大切です。
また、志望企業だけではなく、志望企業を取り巻く業界や競合企業の情報なども調べておくのがおすすめです。
業界内での立ち位置などを把握しておくと、面接で予期せぬ質問が来ても柔軟に対応できる可能性が高いと言えるでしょう。
③実際に働いている人に声を聞く
自己分析、企業研究を終えたら、志望企業で働いている人に実際に会ってみましょう。
働いている人の声はホームページから得るものとは異なり、よりリアリティある内容のはずです。
志望企業で働いている人には、OB・OG訪問などを活用して会いにいくのがおすすめです。
企業によっては、人事担当者が斡旋している場合があるため、一度問い合わせてみると良いでしょう。
志望理由書の書き方ルール
では、実際に志望理由書を書いていきます。
①結論を最初に伝える
②結論に至った理由を伝える
③理由に紐づくエピソードを伝える
④入社後のビジョンを伝える
今回は、4つのステップに分けてルールをご紹介します。
①結論を最初に伝える
最も大切なのは、結論から述べることです。
ただし志望理由書の場合、「貴社を志望します」という内容が結論になるはずです。
しかし、それだけでは結論は不十分なため、「〇〇の理由から貴社を志望します」というように、必ず理由を添えるようにしましょう。
長々話すのではなく、ワンメッセージで簡潔に伝えるのが良いでしょう。
②結論に至った理由を伝える
続いて、なぜその結論に至ったのか、理由を記載していきます。
この時に活きるのが、企業研究の成果です。
「XXXXを△△できるという理由から、私は貴社を志望し、入社後は〇〇で活躍したいと考えています」というように、こちらも一文を目安に理由を伝えましょう。
この時、一文にまとまらないと感じる場合は、まだまだ企業分析や自己分析が足りていないのかもしれません。志望理由が明確になるほど、一文にしやすくなるはずです。
一文にできない場合は、自己分析や企業分析に一度戻って考えてみるのがおすすめです。
③理由に紐づくエピソードを伝える
①②はできる限り簡潔に、とお伝えしましたが、③はできる限り詳細に記載することが大切です。
なぜ②のように思ったのか、自身のエピソードを交えながら伝えていきます。
この時のエピソードは、これまでの自分の経験はもちろん、企業説明会やOB・OG訪問で感じた内容で問題ありません。
志望理由はガクチカなどと異なり、あくまでも「企業を志望する理由」です。
したがって、直近のエピソードが志望理由になっても何らおかしいことはありません。
自分が「入社したい」と思ったきっかけが、きちんと伝わるエピソードを選びましょう。
④入社後のビジョンを伝える
最後には、入社後どのように自分が活躍・貢献する想定なのかも伝えます。
志望理由書の場合、入社後の自身のビジョンを伝えることは必須です。
ただ「入社したい」という意思を伝えるのではなく、自分が入社した結果、企業に何がもたらされるのかを明確にしておく必要があるでしょう。
なお、就活生はいわゆる「ポテンシャル採用」のため、即戦力としての活躍は期待されていません。一定の時間をかけて、成長していくイメージの元、どのような形で企業に貢献できる可能性があるかといった目線でビジョンを描くようにしましょう。
志望理由書を書く上での注意点
では、志望理由書を書く上でどのような点に注意するべきなのでしょうか。
①指定された文字数の9割程度で記入する
②書き直しがないようにする
③言葉遣いに注意する
特に注意するべき3つのポイントをご紹介します。
①指定された文字数の9割程度で記入する
志望理由書に記載する文字数は、指定文字数の約9割を目指しましょう。
もちろん指定文字数ぎりぎりでも構いません。
避けるべきは、指定文字数の8割を下回ることです。
文字数を下回ると、
「そもそも入社意欲がないのでは?」
「決められた提出物も出せないのか…」
というように、悪い印象を持たれがちです。
必ず文字数は9割、もしくはそれ以上を目指すようにしましょう。
②書き直しがないようにする
パソコンで入力できるフォーマットの場合は問題ありませんが、手書きフォーマットの場合、何度も書き直しするのはNGです。
修正液などを使うのも印象としては良くないため、可能であれば記入前に何部かコピーしておいて、失敗したら書き直すようにしましょう。
企業指定の用紙で自分で印刷することができない場合は、下書きをするなどして間違えないように工夫することが大切です。
そもそも書き直しを何度もすると、書類としての読みにくさが増してしまいます。
記入の際は十分に注意して臨みましょう。
③言葉遣いに注意する
志望理由書は、口頭ではなくあくまで書面で記入するものです。
そのため、書面での言葉遣いにする必要があります。
代表的なのは、「御社」ではなく「貴社」になる点です。
日本語ではこのように、口頭と書面では言い回しが変わる言葉があります。
日頃使い慣れていない言葉は特に、本当に正しい言葉遣いかをきちんと確認するようにしましょう。
よくある質問
では、最後によくある質問を見ていきましょう。
志望理由書を書く際に困ったことがあれば、ぜひこちらを参考にしてくださいね。
志望理由書の使いまわしはNG?
時間短縮のために、「オープンESのように同じ志望理由書を使いまわしできないか?」と考えている人はいませんか?
結論からお伝えすると、志望理由書の使いまわしはNGです。
一部を個社ごとに変更して利用するのも、可能なら避けるのが安心です。
志望理由は、エントリーシートに記載する自分自身のエピソードと異なり、企業によって理由は全く異なるはずです。もし異ならないようであれば、企業分析が足りていないと考える方が安心です。
志望理由の使いまわしは、少し整合性が取れないだけでも企業にばれてしまう可能性が高いです。
したがって、自分で自分の首を締めないためにも、企業ごとに志望理由は用意するようにしましょう。
志望理由書のフォーマットはないと言われたんですが…
志望理由書のフォーマットがないと言われた場合、自分自身でフォーマットから作成する必要があります。しかし、「志望理由書」のイメージがわかない中で取り組むのはなかなかハードルが高いのではないでしょうか。
最も手軽にフォーマットを見つける方法は、Web上で「志望理由書 フォーマット」などで検索してみることです。中途向きの志望理由書のフォーマットが多く見つかるかと思いますが、就活生が利用しても問題はありません。
また、Web上のフォーマットを利用したからと言って企業の評価が下がることもありません。
もしWeb上のフォーマットを利用しない場合、wordなどで作成することも可能です。
レポートを作成するような形式で、記入をするのも問題ありません。
決まった形式はないので、相手目線に立ち、分かりやすい形で志望理由が伝わるようにしましょう。
志望理由書の書き方ルールを押さえて就活に臨もう!
いかがでしたか?
本記事では、そもそも志望理由書とは何かを説明しながら、企業が志望理由書の提出を求める理由や、書き方のルールなどを詳しくご紹介してきました。
志望理由書は、就活中はなかなか書くことがないため、いざ書くタイミングになると悩んでしまう人が多いのではないでしょうか。
しかし、いざ書き方のルールを理解すると、案外自由度が高いことを理解いただけたのではないでしょうか。要点を押さえておけば、そこまで怖がる必要はありません。
志望理由書は、自分が企業へ入社したいという気持ちを伝える上で非常に重要です。
面接の中でも志望理由は伝えることができますが、それ以上に手厚く伝えることができる貴重な機会です。
ぜひ志望理由書を書く機会がある際は、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか
最後までお読みいただき、ありがとうございました。