就活中でも安心!オワハラの対処法と起きてしまう要因を考える
2024/10/8更新
はじめに
就活中、内定をもらった企業から「他社の選考は辞退して、うちに入社してね」と圧力をかけられたことはありませんか?
それはもしかしたら、「オワハラ(就職終われハラスメント)」かもしれません。
オワハラは、近年、社会問題として注目を集めています。
もしオワハラの被害に合ってしまったらどのような対処法が有効なのでしょうか。
この記事を通して、オワハラについて深く理解し、適切な対処法を身につけることで、安心して就職活動を進めていきましょう。
本記事は以下のような方に向けて書いています。
- オワハラの実態を知り、事前に対策を立てたい
- ワハラに遭ってしまった、または遭いそうで不安
- オワハラを防ぎ、適切な採用活動を行いたい
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オワハラの対処法
「オワハラ」とは、「就職終われハラスメント」の略称で、企業が内定を出した学生に対して、他社の選考を辞退させ自社への入社を強要するなど、学生の職業選択の自由を妨げる行為です。
就職活動中の学生の14.7%が企業から職業選択の自由を妨げる行為を受けた経験があると回答しています。
オワハラは依然として多くの学生が直面する深刻な問題であると言えるでしょう。
まずは、そんなオワハラの被害に合った場合の対処法についてくわしく解説していきます。
毅然とした態度で「NO」を伝えること
オワハラだと感じたとき、最も大切なのは、毅然とした態度で「NO」を伝えることです。
企業はあなたを束縛する権利などありません。
あなたの人生はあなた自身のもの。
企業にそれを左右される筋合いはないのです。
もし入社する気がないのであれば、はっきりと断りましょう。
「他社の選考も受けたいので、御社への入社は辞退させていただきます」など、丁寧ながらも明確な言葉で意思表示することが重要です。
曖昧な返答は、さらなるオワハラを引き起こす可能性があります。
断る勇気を持つことは、これからの人生においても非常に重要です。
相手に合わせ続ける「イエスマン」では、あなた自身が苦しむだけです。
自分の将来についてしっかりと考え、納得のいく選択をしてください。
ひとりで抱え込まずに相談する
もし、オワハラだと感じたら、一人で悩まずに誰かに相談することも大切です。
抱えこんでしまうことで、より自分を追い込むことにつながりかねません。
相談先として、以下のような場所があります。
学校の相談窓口 | 先生やキャリアセンターの職員など、身近な存在に気軽に相談できます。 |
労働相談情報センター | 専門的な知識を持つ相談員が、あなたの状況に合わせて適切なアドバイスを提供してくれます。平日の夜間や土日も対応しているので、忙しい方も安心です。 |
弁護士 | 状況が深刻化している場合や法的措置を検討したい場合は、弁護士に相談してみましょう。専門的な見地から、あなたの権利を守るためのサポートが得られます。 |
一人で抱え込み、状況が悪化してしまう前に、ぜひ頼れる人に相談してくださいね。
契約書にサインしてしまった場合も慌てない
「オワハラだと気づかずに契約書にサインしてしまった…」そんな方もいるかもしれません。
しかし、心配は無用です。実は、契約書に法的拘束力はありません。
憲法で保障された「職業選択の自由」を侵害する契約は無効です。
企業側も訴訟を起こすことはまずありません。
企業イメージの低下や社会的批判を招くリスクを負ってまで、裁判を起こすメリットは少ないからです。
オワハラが起きてしまう要因
では、なぜこのような問題が後を絶たないのでしょうか?
そこには、社会構造や企業の採用活動における問題、そして学生側の意識の変化など、様々な要因が複雑に絡み合っています。
これから、オワハラ発生の背景にある「構造的要因」と「環境要因」について詳しく見ていきましょう。
構造的要因
構造的要因とは、社会や組織の仕組みそのものに根ざした要因を指します。
いわば、システムの設計図に起因する問題点と言えるでしょう。
個人の努力や意識改革だけでは解決が難しく、根本的な制度の見直しや改革が必要となるケースが多いです。
今回の文脈では、新卒一括採用や内定システムといった、日本の採用活動における慣習や仕組みそのものが、オワハラが発生しやすい土壌を作り出していることを示しています。
新卒一括採用
日本の新卒一括採用という慣行は、学生が就業経験を持たないまま、在学中に一斉に就職活動を行うという独特のシステムです。
このシステムでは、学生は企業との交渉において経験や情報が不足していることが多く、企業に対してどうしても弱い立場に置かれがちです。
企業側がこのような力関係を利用して、学生に圧力をかけるケースも残念ながら存在します。
内定システムの曖昧さ
日本の採用プロセスでは、「内定」という概念が重要な役割を果たします。
しかし、この内定は法的拘束力を持たないことが一般的です。
つまり、学生は内定後でも自由に辞退することができる一方、企業側は内定を出した学生が辞退するリスクを常に抱えています。
この内定システムの曖昧さが、企業側の不安を煽り、内定辞退を防ぐための強硬な手段、すなわちオワハラにつながる可能性があります。
企業は、採用活動に費やした時間やコストを無駄にしたくないという思いから、内定者に対して過度なプレッシャーをかけてしまうことがあるのです。
環境的要因
一方、環境要因とは、社会情勢や個々の企業の状況など、周囲の環境によって引き起こされる要因を指します。
景気変動や企業間競争の激化、人材不足といった状況の変化が、企業の採用活動に影響を与え、結果としてオワハラにつながる可能性があります。
環境要因は、構造的要因と比較すると、個々の企業の努力や対策である程度改善できる余地があると言えるでしょう。
以下のような要因が複雑に絡み合い、オワハラという問題を引き起こしていることを理解することが、問題解決への第一歩となります。
人材不足
人材不足は、企業にとって優秀な人材の確保が死活問題となる状況を生み出します。
特に高度なスキルや専門知識を持つ人材は引く手あまたであり、企業間の獲得競争は激化しているのです。
このような状況下では、企業は内定を出した学生を是が非でも自社に入社させたいと考えるようになります。内定辞退は、採用活動のやり直しを意味し、貴重な時間とコストの損失につながるからです。
結果として、企業は学生に過度なプレッシャーをかけ、他社への就職活動を妨害するなどの行為、つまり「オワハラ」に走ってしまう可能性が高まります。
つまり、人材不足は、企業の採用活動における焦りや不安を増大させ、それがオワハラという不適切な行為につながる一因となっていると言えるでしょう。
採用時期の変化
採用活動の早期化・長期化は、企業と学生の間に生まれる「時間のギャップ」を増大させ、オワハラ発生の一因となっています。
従来、採用活動は大学3年生の夏頃から本格的に開始されていましたが、近年はインターンシップの早期化や通年採用の導入などにより、採用活動の開始時期が早まっています。
一方で、学生が複数の企業を比較検討し、納得のいく就職先を選ぶためには、ある程度の時間が必要です。
早期に内定を出した企業は、学生が他社の選考を受け続けることへの不安から、長期にわたって囲い込みを図ろうとします。
この囲い込みがエスカレートすると、学生の自由な就職活動を妨害するオワハラ行為につながってしまうのです。
つまり、採用活動の早期化・長期化は、企業の焦りを生み出し、学生への過度な干渉や束縛を招きやすくすると言えるでしょう。
採用手法の多様化
現代の採用活動は、インターネットやAI技術の発展により、オンライン面接、適性検査、採用エージェントなど、多様な手法が取り入れられています。
これは、企業にとって効率的な採用を可能にする一方で、学生と企業の直接的なコミュニケーションを減少させるという側面も持ち合わせているのです。
オンライン化が進んだ結果、学生は企業の雰囲気や仕事内容、社風などを深く理解する機会が減少し、入社後のミスマッチが生じるリスクが高まっています。
企業側も、学生の企業理解が不十分なまま内定を出すことになり、入社辞退の可能性に不安を抱くことになりかねません。
このような状況下では、企業は内定辞退を防ぐために、学生への働きかけを強める傾向があります。
これが行き過ぎると、学生の意思決定を尊重せず、自社への入社を強要する「オワハラ」へと発展してしまうのです。
つまり、採用手法の多様化は、学生と企業の相互理解を深める機会を減少させ、それが企業側の不安を増大させ、オワハラにつながる一因となっていると言えるでしょう。
生産年齢人口の減少
日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口(15歳~64歳)が減少の一途を辿っています。
これは、労働力人口の減少を意味し、企業間の人材獲得競争をさらに激化させています。
限られたパイを奪い合う状況の中で、企業はあの手この手で優秀な学生を確保しようと躍起になり、内定辞退を防ぐためのプレッシャーが強まる傾向にあるのです。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの感染拡大も、採用活動に大きな影響を与えた要因です。
感染防止のため、採用活動のオンライン化が加速し、学生と企業の直接的なコミュニケーションが減少しました。
これにより、学生は企業の雰囲気や働く人々を肌で感じる機会を失い、企業側も学生の人物像を深く理解することが難しくなったのです。
結果として、入社後のミスマッチが生じるリスクが高まり、企業は内定辞退を恐れるあまり、学生への束縛を強めてしまうことがあります。
また、経済状況の悪化もオワハラ発生の一因と言えるでしょう。
コロナ禍による業績悪化や先行きの不透明感から、企業は採用計画を見直したり、内定を取り消したりするケースが増加しました。
このような状況下では、学生の不安が増大し、企業からのプレッシャーに屈しやすくなってしまう可能性があります。
こういった環境要因が、構造的要因と複雑に絡み合い、企業が内定辞退を防ぐために学生に過度なプレッシャーをかける、いわゆる「オワハラ」を発生させてしまうのです。
オワハラのタイプ
オワハラについて理解し、その発生要因も把握できたところで、今度は具体的な「オワハラの手口」を見ていきましょう。
「オワハラなんてされたくない!」そう思っていても、実際にどのような行為がオワハラに該当するのか、具体的にイメージするのは難しいかもしれません。
そこで、この章では、代表的な4つのオワハラのタイプを詳しく解説します。
それぞれのタイプの特徴や具体的な事例を知ることで、いざという時に適切に対処できるようになりましょう。
①束縛型オワハラ
内定者のフォローを装いながら、実質的には他社への就職活動を妨害する目的で、内定者を集める行為が「束縛型オワハラ」です。
具体的には、以下のような行為があげられます。
- 入社前研修などを過剰な頻度で開催する
- 大手企業の内定解禁日や大規模な就活イベントの日に、内定者を集める
さらに悪質なケースでは、「学生のスケジュール帳を抜き打ちでチェックする」といった、プライバシーを侵害する行為に及ぶ企業も存在するようです。
このような行為は、学生の行動を監視し、他社への流出を防ごうとする企業の意図が明白であり、学生の自由な意思決定を阻害するものです。
②交渉型オワハラ
内定を条件に、学生の自由な就職活動を制限しようとする行為が「交渉型オワハラ」です。
具体的には、以下のような例があります。
- 内定と引き換えに、他社の面接や説明会への参加を辞退させる
- 研修などの場で、入社承諾書の提出を強制する。
一見、学生に選択の余地を与えているように見えますが、実際には内定という魅力的な選択肢を提示することで、学生の意思決定に強い影響を与えようとする行為です。
学生は、せっかく得た内定を失うことを恐れ、企業の要求を受け入れてしまう可能性があります。
さらに深刻なケースでは、「内定を出す代わりに、他の選考予定企業すべてに、企業の担当者の前で辞退の連絡を入れさせる」といった、学生に精神的な苦痛を与える行為も報告されています。
このような行為は、学生の尊厳を傷つけ、自由な選択を妨げるものであり、決して許されるべきではありません。
③脅迫型オワハラ
内定辞退を阻むために、学生に直接的な脅しをかける行為が「脅迫型オワハラ」です。
以下の様な例があります。
- 内定を辞退した場合、損害賠償を請求すると伝える
- 辞退すれば、出身大学からの採用を今後一切行わないと告げる
このような露骨な脅し文句で学生を威圧する企業は、幸いにも多くはないかもしれません。
しかし、実際にこのような脅迫を受けた学生にとっては、精神的なダメージは計り知れません。
将来への不安や恐怖心を抱え、自由な選択を奪われてしまう可能性もあります。
④同情型オワハラ
一見、親切心からの行為に見え隠れする「同情型オワハラ」。
これは、内定者に過度な親切を示すことで、辞退しづらい状況を作り出す行為です。
具体的には、以下のような例があります。
- 先輩社員や役員との食事会を頻繁に開催する
- 必要以上の内定者フォローを行う
直接に何か問題があるわけではありませんが、就職活動生に恩義を感じさせる目的があれば、同情型オワハラと言えるでしょう。
これらの行為自体は、一見すると問題ないように思えるかもしれません。
しかし、その裏に「内定者に恩義を感じさせ、辞退しづらくする」という意図が隠されている場合、それはオワハラとみなされます。
判断が難しいのは、このタイプのオワハラは受け取り方によって大きく異なる点です。
食事会やフォローが「親切」と感じる人もいれば、「プレッシャー」と感じる人もいるでしょう。
もし、あなたがこれらの行為にストレスを感じるのであれば、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談することが大切です。
入社前からストレスを感じる関係性が、入社後に改善される可能性は低いでしょう。
ハラスメントには、オワハラ以外にもさまざまなものがあります。
セクハラについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
さいごに
ここまで、オワハラとは何か、その種類、発生要因、そして対処法について詳しく見てきました。
オワハラは、企業側の問題だけでなく、社会構造や学生自身の行動も複雑に絡み合って発生することが分かったのではないでしょうか。
オワハラとは、「就活終われハラスメント」の略称で、企業が内定を出した学生に対して、他社の選考を辞退するように強要したり、内定承諾を急がせるなどの行為を指します。
就職活動は、あなたの人生における大きな転換期です。
だからこそ、企業からの不当な圧力に屈することなく、自分自身の意思で納得のいく選択をしてほしいと思います。
オワハラだと感じた時は、一人で抱え込まずに誰かに相談し、適切な対処をすることが大切です。
毅然とした態度で断ったり、証拠をのこしたりすることが対策方法になります。
勇気ある行動が、より良い就職活動の実現につながることを願っています。