
【サイレントお祈り】の実態とは?判断基準・対処方法を紹介!
2023年3月31日更新
はじめに
「サイレントお祈りって何?」
「サイレントお祈りをされたら、どうすればいい?」
このような悩みを抱えていませんか?
不採用通知を行わない企業は一定数存在するため、サイレントお祈りで苦しんでいるのはあなただけではありません。
サイレントお祈りをされた就活生は、自分を否定された気持ちになり、思うようには就活を進められない恐れがあります。
あなたが悪いのではなく、サイレントお祈りは社会人の模範といえる行為ではありません。
サイレントお祈りの実態を把握して対処方法を身に付けることで、あなたの不安は軽減されるはずです。
そこで今回は
- サイレントお祈りを企業が行う理由
- サイレントお祈りの対処方法
以上の2点について、サイレントお祈り後の気持ちの切り替え方も交えて解説します。
今回ご紹介する内容を参考に、サイレントお祈りに振り回されることなく、あなたの就活を成功させましょう。
サイレントお祈りとは
「サイレントお祈り」を「サイレント」と「お祈り」に分けて意味を考えてみましょう。
就活における「お祈り」とは、不採用通知のことです。
不採用は一般的にメールで通知されます。
メール文の結び言葉には、たいてい「〇〇様の益々のご活躍を心よりお祈りいたします」とあります。
この文面から「お祈りメール」という就活用語が生まれました。
サイレント(silent)の意味は、「音がないこと・沈黙」。
これから転じて、就職活動の選考中に企業から何の連絡もなく落とされてしまうこと、音沙汰がないことをいいます。
サイレントお祈りとは、不採用通知であるお祈りメールすら届かないことです。
「お祈り」は、マイナビの学生就職モニター調査において、就活用語で流行ったトレンドワード3位に入っています。
参考までに1位は「NNT」、2位は「ガクチカ」でした。
(参照:マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査 7月の活動状況 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001667.000002955.html)
サイレントお祈りを行っている企業の割合
サイレントお祈りを行っている企業の割合はどれくらいなのでしょうか?
サイレントお祈りを行っている企業は、一定数存在します。
株式会社アイデムが実施した2017年度新卒採用に関する企業調査によると、合否結果を合格者のみに通知する企業は22.4%。
従業員規模3,000人以上では31.8%の企業が不合格者に通知していません。
従業員規模が大きくなるほど、合否結果を合格者のみに通知する企業の割合は大きくなる傾向が読み取れます。
(参照:2017年度新卒採用に関する企業調査(2016年5月1日状況)株式会社アイデム 人と仕事研究所 https://apj.aidem.co.jp/upload/chousa_data_pdf/277/2016_05kigyou.pdf)
サイレントお祈りを企業が行なう5つの理由
多くの就活生を悩ませ、不快な思いにさせるサイレントお祈りを企業が行う理由は、以下の5つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
①手間と時間を削減するため
大企業であれば膨大な数の就活生が応募します。
特に、書類選考や一次面接では母数も大きいでしょう。
一人ひとりに結果を連絡するには、手間と時間も計り知れません。
そのため、応募者が精査されていく2次選考・3次選考を除いて、書類選考や一次面接でサイレントお祈りを行なう企業は多く存在します。
②不採用通知の誤送信を避けるため
不採用のメール連絡は、機械作業ではなく人的作業です。
どんなに注意を払っていても、人的ミスは一定数発生します。
例えば、「本来採用の連絡を送信する就活生に不採用連絡を行ってしまった」「アドレスの入力ミスによって送信できなかった」などです。
選考を通過した就活生のみに絞って送信することにより、未送信や誤送信のリスクを減らせます。
③質問対応を回避するため
不合格通知を行うと、中には結果に納得いかず、折り返し連絡をする就活生もいます。
採用担当者は、不採用になった理由を尋ねられても明確には回答できません。
応募人数が多ければ、不採用通知に対する問い合わせも増えてくるでしょう。
対応に追われ、採用担当者の業務に支障が出る恐れがあります。
④連絡の遅延のため
単に、採用連絡が遅れている場合もあります。
応募者が多ければ、確認作業や選考作業に時間を要します。
合格者から順に連絡している場合、不合格者の連絡が後回しになってしまうこともあるでしょう。
厳正に選考している結果、連絡が遅延することもあるのです。
⑤採用ボーダーラインの就活生を囲っておきたいため
企業が出した内定者が全員内定を承諾するとは限りません。
内定辞退を行う就活生がいた場合、採用枠の確保が困難になります。
企業の選考判断基準によって、確実に採用したい就活生もいれば、採用判断に迷う就活生もいるでしょう。
この採用候補者を確保するため、あえて不採用通知を送らないこともあります。
サイレントお祈りは企業によって上記のような事情があるとはいえ、デメリットもあります。
企業イメージの低下は避けられず、企業名や人事担当者がインターネット上で誹謗中傷被害を受ける恐れもあります。
加えて、内定辞退者の増加につながる可能性も高まるでしょう。
サイレントお祈りへの対処方法
サイレントお祈りへどう対応すればよいのか迷いますよね。
ここからはサイレントお祈りをされたときの対処方法について解説します。
サイレントお祈りかどうかの判断基準は2週間
一体どれくらい待てば、サイレントお祈りの可能性があるといえるのでしょうか?
サイレントお祈りかどうかの判断基準は、2週間を目安に考えましょう。
企業によって合否結果が判明する早さは異なるものの、基本的には一週間あれば合否結果は分かるとされています。
さらに一週間経過して通知が来ないのであれば、サイレントお祈りの可能性があるでしょう。
問い合わせは電話またはメール
サイレントお祈りへの対応方法は、以下の3つです。
- 2週間経過後も待つ
- 企業に問い合わせる
- サイレントお祈り企業以外の選考を受ける
待つにしても、ほかの企業の選考を受けるにしても、やはりあなたが入社したいと思って努力して選考を受けた企業です。
採用結果が気になるのは当然です。
選考結果をはっきりさせるために、応募企業に選考結果を問い合わせても構いません。
しかし、問い合わせ方法や問い合わせ時間には、気を配る必要があります。
問い合わせ方法は、電話またはメールとなります。
電話であれば出勤直後・退勤間際・お昼休みなど、忙しい時間帯は避けましょう。
10時〜11時半・14時〜16時など、日中の時間帯が無難といえます。
以下に、応募企業の選考結果を問い合わせる際の例を示します。
<電話の場合>
「いつもお世話になっております。〇〇大学の〇〇と申します。お忙しいところ恐れ入りますが、〇〇課の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。〇月〇日の選考の結果についてですが、私の不注意で面接当日に結果発表の日時を聞きそびれてしまいました。大変恐縮ではございますが、結果を教えていただくことは可能でしょうか」
→電話はメールとは異なり相手の時間を奪う通信手段であるため、電話をかける時間帯に気をつけてください。
名前を名乗り、人事担当者につないでもらいましょう。
結果発表の日時を企業が公表していなかったとしても、自分の不注意で結果発表の日時を聞きそびれてしまったと伝えることで角が立ちません。
<メールの場合>
件名:〇月〇日の面接の結果について
〇〇株式会社〇〇課〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇大学の〇〇でございます。
先日は面接のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
〇月〇日に面接を受けましたが、その際に結果発表の日時を聞きそびれてしまいました。
私の不注意でお手間を取らせることになり、大変恐縮ではございますが、結果発表の日時を教えていただくことは可能でしょうか。
ご多忙のところ大変申し訳ありませんが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
署名
→件名を見ただけで何についての要件なのか、明確にする必要があります。
面接を受けた日時について記載しましょう。
メール文の構成は、基本的な挨拶→面接の御礼→本題となります。
直接選考結果を聞くのはよくないため、選考結果の日時を尋ねる内容にしましょう
電話・メールいずれにおいても、合否結果を直接尋ねることは避けましょう。
また、電話とメール、どちらが良いかといえば、電話はおすすめしません。
電話は相手の時間を奪う行為であり、さらに、あなたが感情的な状態であれば、冷静な電話対応ができない可能性があります。
メールであれば、落ち着いて文面を作成でき、相手の都合のよい時間帯に対応してもらえるでしょう。
サイレントお祈りから気持ちを切り替えるには
サイレントお祈りを行う企業に問い合わせれば、合否結果は分かります。
しかし、すべての就活生が行動に移せるとは限りません。
気持ちが切り替えられないままでは、あなたの今後の就活に悪影響を及ぼすため、以下の4つの方法を実践しましょう。
ほかの企業の選考に集中する
選考結果を待っている間にも、ほかの企業の選考は進んでいきます。
期待する選考結果がでない場合に備えて、他社の選考に目を向けましょう。
気持ちを外に向けることで、不安な気持ちを紛らわせられるはずです。
サイレントお祈りをする企業なのか調べる
サイレントお祈りをする企業なのか調べる方法は、口コミサイトやSNSです。
確実な情報ではないかもしれませんが、参考にはなるでしょう。
知って落ち込むこともありますが、次へ進もうという気持ちになれるかもしれません。
サイレントお祈りを実施している企業は、楽天みん就の掲示板に書かれています。
しかし、あくまで参考程度に留めておきましょう。
自分に合う企業ではなかったと捉える
サイレントお祈りを行う企業は、相手への配慮に欠ける企業といえます。
社員を大切にしない、会社都合優先の方針かもしれません。
会社の体質が自分に合わず、早期離職につながる恐れもあります。
気分転換を行なう
第一志望企業からサイレントお祈りをされれば、誰でも落ち込みます。
一度気持ちをリセットする必要があるでしょう。
例えば、周りの家族や友人に話を聞いてもらうなどです。
マイナス感情を紙に書き出してみるのもおすすめです。
あなたの悩みを外へ出すことで、自分を客観視でき、気持ちを切り替えられるでしょう。
最終面接でサイレントお祈りをされる場合もあります。
ほかの企業にエントリーしていなければ、慌ててエントリー先の企業を探さなければなりません。
気持ちを切り替えて、ほかの企業の選考に集中することは極めて重要であるといえるでしょう。
サイレントお祈りへの事前対応策
サイレントお祈りを行う企業が一定数ある以上、事前に対応していくことが賢明です。
サイレントお祈りへの事前対応策は、以下の2つです。
面接の際に選考結果の通知方法を聞いておく
後で不要な心配をすることのないように、予め面接の段階で選考結果の通知方法について確認しておきましょう。
選考結果の通知方法が定まっていない企業はありません。
ほとんどの企業は明確に回答してくれることでしょう。
就活支援サービスを活用する
就活支援サービスを通じて応募した企業であれば、就活エージェントと企業の関係性が構築されています。
就活エージェントのほうが企業へ問い合わせるよりも、気持ち的に楽かもしれません。
就活エージェントがサイレントお祈りかどうか判断して連絡してくれるはずです。
サイレントお祈りは失礼な行為であり、事前の断りもなく結果を通知しないことは企業のマナー違反です。
だからといって、サイレントお祈りされたから仕返しをしても良いわけではありません。
腹立たしい気持ちは分かりますが、報復行為をしてもあなたの就活が成功するわけではないことを理解しておきましょう。
また、社会人になって、どこでどのようにその企業と取引するか分かりません。
自分の価値を下げる行為であるため、仕返しなどという行為は控えてください。
おわりに:サイレントお祈りをする企業に入社する価値はあるのか改めて考えよう
サイレントお祈りが就活生に与える不安は計り知れません。
合否結果が分からないままでは次の就活に身が入らず、精神的に不安定な状態に陥る恐れがあります。
あらかじめ「採用通知は合格者のみ」「通過者のみに連絡」と公表していない限り、応募者は連絡が来ると思うものです。
そのため、一般的に不合格の応募者にも連絡を入れるべきでしょう。
企業にとっては多くの応募者の1人だとしても、就活生は多くの時間と労力を費やし、将来を熟考して真剣に応募しています。
就活に限らず、回答を待つ相手に真摯に対応しないことは、誠意ある大人の対応とはいえません。
改めて、サイレントお祈りをする企業に入社する価値はあるのか考えてみましょう。
企業の事情があるとはいえ、サイレントお祈りを行うことは就活生のことをしっかり考えているとはいえません。
業務計画や管理がずさんである可能性もあり、人を大切にする企業風土ではない可能性があります。
長い目で見ればサイレントお祈りを行う企業と縁がなかったと、早い段階で気づける機会が得られたと考えることもできるでしょう。