就活で「他の企業を受けているか」と聞かれたときの対処法
2023年2月9日更新
はじめに
就活が始まると、様々な質問を想定して回答を準備し始める人が多いのではないでしょうか?
しかし、想像していなかった質問をされると、つい回答に困ってしまうかもしれません。
もしも面接中に「他の企業を受けていますか?」と聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか?
「正直に答えて大丈夫?」
「回答によって落とされてしまうことはない?」
「どうやって答えるのが正解なの?」
合否と関連がありそうなことから、回答に不安を覚える人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「他の企業を受けているか」と質問された際の対処法を詳しくご紹介します。
人事がこの質問をする意図や回答への注意点と共に、実際に回答する際に役立つ例文もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
- はじめに
- 「他の企業を受けているか」という質問は合否に関わる!?
- 人事はなぜ「他の企業を受けているか」と質問するの?
- 自社への志望度を確認するため
- すぐに意思決定ができるかを確認するため
- 就活軸を探るため
- 他の企業を受けているか」という質問に回答するポイント
- 正直に答える
- 企業名は状況に応じて伝えるか判断する
- 「他の企業を受けているか」という質問への回答例
- 他の企業も同じような選考フェーズにある場合
- 他の企業の選考がほとんど進んでいない場合
- すでに内定を獲得している場合
- よくある質問
- 他の企業は受けていません」というのが模範解答では?
- 他の企業の選考状況を伝えると不利にならない?
- 「他の企業を受けているか」という質問には賢く回答しよう!
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「他の企業を受けているか」という質問は合否に関わる!?
最も気になるのは、「他の企業を受けているか」という質問への回答によって、面接の合否が変わるのかということではないでしょうか。
結論からお伝えすると、質問への回答によって合否そのものが変わる可能性はほとんどありません。ただし、合否連絡のタイミングなどが変わる可能性があるでしょう。
イメージとしては、たくさんいる就活生の中で合格を伝えられる優先度が上がったり、下がったりする可能性があるということです。
人事の立場で内定を出すべき就活生を考えていくと、必然的に選考中の評価が高い就活生の優先度が高くなります。しかし選考中の評価が高い学生が、必ずしも自社を第一志望としているとは限りません。
人事は「他の企業を受けているか」と質問することで、自社だけではなく就活全体の進度を確認し、狙った就活生が内定承諾してくれそうなタイミングや戦略を考えているのです。
人事はなぜ「他の企業を受けているか」と質問するの?
では、さらに詳しく人事が「他の企業を受けているか」と質問する裏側を探っていきましょう。
人事の視点で質問の意図を理解することで、回答の準備が安心してできるはずです。
ぜひ参考にしてくださいね。
自社への志望度を確認するため
人事が自社の志望度を確認する際に、「他の企業を受けているか」と質問することはよくあります。
「うちの会社の志望度を教えてください」と質問すると、就活生の多くは「第一志望です」と回答します。直接志望度を聞くと企業への忖度がはたらいてしまうことが多いため、他社の選考状況を確認する質問を通じて自社への志望度合を確認しているのです。
この時、「他の企業を受けている」と回答して不快に感じる人事はほとんどいません。
他社の選考状況を把握することができれば、人事としては就活生ごとの内定までの流れを描きやすくなるため、むしろ正直に答えると有難いと感じる人事が多いでしょう。
すぐに意思決定ができるかを確認するため
自社が内定を出しても、すぐに承諾できるか否かは他社の選考状況によることがあります。
そのため人事は、「他の企業を受けているか」という質問から現在の就活状況を探ることで、目の前の就活生が意思決定ができそうなタイミングを確認しているのです。
特に最終面接などでこの質問をされる場合、人事は今すぐ内定を出すべきか、少し時間を置いてから内定を出すべきかを見計らっています。
「内定はいつ出されても嬉しいから、早く出してほしい」と思うのが就活生の本音でしょう。しかし、人事目線では内定出しのタイミングと承諾の可能性は密接に関わっているため、「とにかく良い子には内定を出す」という行為は非常に危険なのです。
そのため現在選考中の他の企業の情報に関する情報共有があるごとに、有難いと感じる人事が多いでしょう。
就活軸を探るため
「他の企業を受けているか」という質問には、面接で話した就活軸について確認する意味も込められています。
ここで言う就活軸とは、何を基準に自社を志望しているのかといった志望動機や、働く上で大切にした価値観などが該当します。
企業に応じて企業が求める人物像に合わせた就活軸をアピールすることは、決して悪いことではありません。しかし企業ごとに就活軸を変えてしまうと、自分が素の状態で相性が良い企業が分かりにくくなるというデメリットがあります。
企業としても、できる限り就活生が素でいてくれた方が就活生が持つポテンシャルや能力を見抜きやすいだけでなく、成長してもらいやすい環境を用意できるというメリットもあります。
そのため、人事は就活生が主張する就活軸の信ぴょう性を、選考を受けている他企業などを見ながら確認しているのです。
他の企業を受けているか」という質問に回答するポイント
では、「他の企業を受けているか」と聞かれた際には、どのように回答するのが良いでしょうか。
回答する際に特に重要なポイントとして、2点ご紹介します。
正直に答える
最も大切なのは、質問に対して正直に答えることです。
つい「御社しか受けていません」と言いたくなってしまうかもしれませんが、結果的にこの回答が自分自身の首を絞めてしまう可能性があるため、注意が必要です。
先ほどもご紹介したように、人事は他社の選考状況を踏まえて就活生へ連絡をします。
1社しか受けていないのであれば、その分決断も早くできると思われてしまい、内定承諾を急かされてしまう可能性があります。
質問に対して正直に答えることで、自分自身が将来をきちんと考えることができる時間を確保するようにしましょう。
企業名は状況に応じて伝えるか判断する
正直に答えることが大切ではあるものの、企業名を正確に伝えるかどうかは状況に応じて判断しましょう。
あくまでも人事が知りたいのは、他に選考を受けている企業の業界や規模、そして現在の選考フェーズです。
もちろん人事としては、企業名は知りたい情報です。しかし就活生の立場に立つと、企業名と共に選考フェーズを伝えることで、他社の選考状況を人事に全て把握されてしまうことになります。
自分自身が納得できる決断をするために、必要以上に情報を提供するのは控えておくのが安心です。
「他の企業を受けているか」という質問への回答例
では、「他の企業を受けているか」と質問された際には、どのように回答するのが良いでしょうか。
回答にあたり、何社受けているのかということは重要ではありません。
他の企業の選考フェーズが非常に重要であることから、選考フェーズごとに3つの回答をご紹介します。
他の企業も同じような選考フェーズにある場合
現在面接を受けている企業と、他に選考を受けている企業の選考フェーズがほぼ同じである場合の回答例から見ていきましょう。
ポイントとなるのは、受けている企業の選考フェーズがほぼ同じであるということです。
1次面接や2次面接、最終面接など、どの選考フェーズなのかは関係ありません。
他企業の選考の選考だけが進んでいるということはない、ということが伝われば問題ないのです。
以上を踏まえ、回答例を見ていきましょう。
<例>
私は現在、御社の他に3社の選考を受けています。いずれも金融系の企業です。
御社同様に、他の企業も現在2次選考まで進んでおり、2社は今週、1社は来週に選考があります。
実際には、受けている企業の社数のみ答える形で問題ありません。
その上で「どのような企業を受けているのか?」と聞かれた際には、企業の詳細も伝えるイメージです。
選考日程を大まかに伝えることによって、人事は面接結果が出る日をある程度想定することができます。そうすると、具体的な社名はなくても、人事としては必要な情報を集められることになるため、質問への回答としては十分だと言えるでしょう。
他の企業の選考がほとんど進んでいない場合
現在面接を受けている企業が最も選考が進んでおり、他の企業の選考はほとんど進んでいない場合の回答例を見ていきましょう。
この場合、「内定さえ出せば早めにうちの企業に決めてくれるかもしれない」と人事が考えてしまう可能性があるため、ある程度情報を伝えておくのがおすすめです。
「他の企業の選考を受けているか」と聞かれ、現在選考中の社数はすでに回答した想定で、その後「どんな企業を受けているか」と聞かれた際の回答をご紹介します。
<例>
現在業界は問わず、御社と同規模の企業の選考を数社受けております。
御社の選考が現在3次選考と最も進んでおり、他の企業の選考は1次選考を控えているものと、エントリーシートの結果待ちの状態です。
現時点は、すでに応募済みの企業の選考は受けきりたいと考えています。
社名は伝えず、規模感を示すことで企業の雰囲気を伝えている点が特徴です。
また、暗に「この先他社の選考に時間がかかるよ」と伝えているため、人事はその内容を踏まえたアプローチを行ってくるでしょう。
すでに内定を獲得している場合
最後に、すでに内定が出ている企業がある場合の回答もご紹介しましょう。
内定を獲得している場合、「隠した方が他の企業の内定も獲得できるのでは?」と考える就活生は少なくありません。しかし内定を獲得している場合は、正直に伝えておくのがおすすめです。
他社に内定が出ているからと言って、内定を渋る企業はほとんどありません。
それよりも、「早くこの子に内定を出さなくては他社に取られてしまう!」という心理になります。
以上を踏まえ、回答例を見ていきましょう。
<例>
現在、4社が選考中、1社から内定をいただいている状態です。
内定をいただいている企業からは、2週間後に回答期限が設けられています。
他の企業の選考状況は1次選考から最終選考まで様々です。
内定を出されると、多くの場合は回答期限が設けられます。
そのため人事には他社の内定の回答期限を伝えておくことで、選考結果の連絡をスムーズに受け取ることができるでしょう。
よくある質問
では、最後に「他の企業を受けているか」という質問に対して、よくある疑問にお答えします。万が一気になることがある場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
他の企業は受けていません」というのが模範解答では?
「他の企業を受けているか」と聞かれると、つい「他の企業は受けていません」と回答したくなるかもしれません。しかし、この回答は避けるのが無難です。
余程の事情がない限り、昨今の就活事情では就活生が選考段階で1社しか受けていないことは考えにくく、伝え方によっては嘘をついていると思われてしまう可能性があります。
また、「御社しか受けていません」というアピールをすることが内定の近道だと思っている就活生は少なくありませんが、そんなことはありません。
選考が終盤に差し掛かってきた際には、「御社が第一志望です」と伝える場合などは想像できますが、「御社しか受けていない」という主張は避けておくのがおすすめです。
もし本当に1社しか受けていない場合は、その理由をきちんと説明できるようにしましょう。
他の企業の選考状況を伝えると不利にならない?
他の企業の選考状況を伝えることで、不利になることはまずありません。
それよりも、正直に伝える姿勢が評価されることが多いでしょう。
人事は他社に内定があるからといって、あなたを落とすことはありません。
あくまでも合否は、これまでの評価で決まります。
このことを理解し、必要に応じて他社の選考状況もきちんと伝えることをおすすめします。
「他の企業を受けているか」という質問には賢く回答しよう!
いかがでしたか?
本記事では、「他の企業を受けているか」と質問された際の対処法として、人事がこの質問をする意図や回答への注意点と共に、実際に回答する際に役立つ例文などをご紹介してきました。
この質問をされると、つい目の前の企業に良い顔をしたくなり、嘘をついてしまうこともあるかもしれません。しかし就活中の姿勢は、入社後に顧客と対峙する際の姿勢と同様だと考えられています。そのため、自分に不利になりすぎない情報以外は正直に伝えることがおすすめです。
万が一この質問への回答で合否が変化する場合、その事実を踏まえて本当にその企業に入社したいのかを考えるべきです。
就活中は悩みごとは尽きませんが、ぜひ自分自身が納得できる結論を見つけてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。