【合説の是非論】合同説明会に「参加する目的」から「賢いまわり方」まで網羅解説

【合説の是非論】合同説明会に「参加する目的」から「賢いまわり方」まで網羅解説

2023年1月23日更新

はじめに

「合同説明会に参加するのって時間のムダじゃない?」

 

「合説に参加するメリットとかあるの?」

 

「合説のまわり方がイマイチわからない…」

 

など、就活初期に行われるイベントであるがゆえに、まだ初々しい就活生にとって、その意味や立ち振る舞い方がわからないですよね。

 

でも、大丈夫です。

 

この記事で合同説明会に参加するメリットやデメリット、効率的かつ効果的に活用するテクニックを手ほどきしていきます。

 

10分ぐらいで全体の輪郭がクッキリしてきますので、合説に対するイメージがおぼろげな人は最後まで一気にお読みくださいね。

合同説明会とは

合同企業説明会(以下、合説)とは、たくさんの企業が一堂に軒を連ねて合同で会社説明会

を行うイベントを指します。

 

リクナビやマイナビなどの就職情報サイトが開催するイベントのほか、大学や地方自治体が行うものまで全国津々浦々で実施されます。

 

会場に設置された各企業ブースに学生が訪れ、企業側が会社概要や事業内容、求人情報といった説明から先輩社員との座談会まで実施します。

 

さらに、エントリーシートの書き方や面接のコツなど、就活ノウハウを学べるセミナーなども同時に開催されます。

合説の企業側の出展目的

次に、企業側が合説に出展する理由も押さえておいたほうがいいので説明します。

 

目的は大きく3つです。

学生に認知してもらうため

1つ目の目的は、自社の広告・宣伝のためです。

 

まずは学生に会社のことを知ってもらう必要があります。

 

有名で人気のある企業であれば、ピーアールしなくても知名度があるので問題ないですが、そうでない企業はまずは自社の名前を知ってもらわなくてはなりません。

 

自分の会社が

 

・どんな会社で

・どんな事業を行っていて

・どんな求人を出しているのか

 

をまずは知ってもらう必要があるのです。

 

なので、1つ目の目的は学生に認知してもらうためです。

 

➁学生のエントリーを増やすため

2つ目の目的は、エントリーを増やすためです。

 

企業側も母集団を形成しないと優秀な学生を採用するどころではないですよね。

 

「量」の中から「質」が生まれるからです。

 

学生側に認知してもらうことはもちろん、そこから気に入ってもらってエントリーするとこまで行動してもらわないと片落ちですよね。

 

なので、企業側は学生に当社の魅力を知ってもらって、興味を持ってもらい、エントリーまで踏み込んでもらうステップを学生側に踏んで欲しいわけです。

③優秀な人材を発見するため

3つ目は、やはり優秀な人材を早い内からキャッチしておきたいという目的があります。

 

これは発見できればラッキーというぐらいの位置づけですが、説明会と言いながらも、やはり優秀な人材がいないか、随時アンテナを立てて見張っています。

 

優秀な人材を見つければ、名刺を渡したり、メールアドレスを交換したりして、イベント終了後も引き続き接触できるように手はずを整えようとします。

 

逆を言うと、会社の人事の方から歩み寄ってくる場合は、脈ありだと捉えてください。

合説に参加するメリット4つ

「企業側の目的はわかったんですけど、学生が合説に参加するメリットとかあるんですか?」

 

大きく4つぐらいあるのかなと思います。

 

合説に参加しないと早々に決断する前に、まずはこの4つのメリットを理解した上で決めて欲しいと思います。

就活のやる気スイッチが入る

1つ目のメリットは、ライバルを目の前にすると、やはり就活に対する意識が変わります。

 

頭の中で想像するのと、リアルに接触するのでは臨場感で圧倒的な差が生まれます。

 

受験勉強時代に図書館で他の学生が勉強している姿を見て、「オレ(私)もガンバらないと…」と感化された経験はありませんか?

 

あれと同じです。

 

黒いリクルートスーツに身を包んだ大勢のライバルを見ると、自然と就活スイッチが入って、

 

「オレ(私)もガンバらないと…」

「就活が始まったんだな」

「そろそろ本気で取り組もうか」

 

と就活に対する実感が湧いてきて、身の引き締まる思いがするはずです。

 

そういう意味で、就活に本腰が入らない自分に対して強制的に尻を叩くには、合説に参加してライバルたちを目の当たりにするのが1番早いですね。

一挙に効率的でリアルな企業情報が入手できる

2つ目のメリットとしては、情報収集の効率性がいいことです。

 

個別に企業を訪問して情報を得るのは、経済的にも労力的にも負担が大きいですよね。

 

合説であれば、出展している企業情報を一気にかき集めることができるので、手っ取り早いです。

 

また、ネット上の企業情報では基本的にいい情報しか載っておらず一方通行なので、情報精度がやや落ちます。

 

一方で、合説では質問できるチャンスがあり、リアルな情報をインタラクティブで得ることも可能なので、正確な情報をキャッチしやすいです。

 

なので、合説は個別の企業説明会との比較では「効率性」、ネット情報との比較では「正確性」という意味で軍配が上がりますね。

知らなかった企業や業界を知るチャンスになる

当然ですが、その会社の存在を知らないとエントリーできません。

 

あなたに相性ピッタリの企業であっても、あなたが未知であれば、応募できません。

 

ところが、合説に参加すると、あなたが検索しない、ネットでは見ることのない企業が軒を連ねています。

 

会場をまわると、会社名が自然と目に飛び込んできますので、知らない企業も無意識に認知しているわけです。

 

そこで未知の業界や会社を知ることで、知らなかった分野の新鮮な情報が入手できます。

 

色々な情報が入ると、比較が可能になります。

 

そもそも情報がないと比べようがないですからね。

 

そういう意味で、合説の参加により視野も広くなりますし、比較考量できるようになりますので情報確度も高くなります。

 

したがって、選択に困ることが少なくなりますので、一石二鳥、三鳥の効用が生まれるわけです。

➃知名度の低い企業だとその場で脈を作れる

最後は知名度の低い企業であれば、その場でコネクションを作れるというメリットもあります。

 

ご存じの通り、人気のない企業や知名度の低い企業だと、ブースに学生が集まりません。

 

そこをチャンスと捉えるか、魅力がないと捉えるかは本人次第ですが、そこに参加すれば1個人に対する接触密度が高くなるということです。

 

合説は個別の企業説明会よりフランクに人事担当者と話ができる場です。

 

席が埋まっていないブースを回って、直接人事担当者とコンタクトできれば、ざっくばらんに話すチャンスがいくらでもあります。

 

そういう企業では参加する学生が少ない分、アピールに成功して顔を売ることができれば、以降の選考が有利に働く可能性は十分にあります。

 

ただ、志望度が低いのにそんな戦術をむやみに取ると実利がありませんので、あくまでも興味がある企業だけに絞って使って欲しい戦法になりますね。

合説に参加するデメリット

次に合説に参加するデメリットも押さえておきましょう。

 

「えっ!? 合説に参加するデメリットとかあるんですか?」

 

物事には必ず「陰」と「陽」があります。

 

光が差すところに陰ができるように、合同説明会にも陰があります。

 

その陰の部分を3つ紹介しておきますね。

①企業の良い面ばかりを聞かされるリスクがある

合説で会社側は「給与は高いけど残業が多い」とか、「やりがいはあるけど、激務」、「会社は大きいけど、若い内は責任のある仕事を任せてもらえない」など、陰の部分を伝えないケースがほとんどです。

 

私自身が人事責任者として合説に参加していた時も悪いところを語ることは皆無でした。

 

なぜなら、合説が企業PRの場だからです。

 

企業がテレビコマーシャルでわざわざ自社の醜態を晒す宣伝なんてしませんよね。

 

あれと同じです。

 

なので、合説で企業は会社の良いところばかりを話しますので、一側面しか見ていない、聞かされていないと自覚しておくことが肝要です。

 

ともすれば、人事の人柄が良く、説明が上手いと初見でその企業になびいてしまう可能性があります。

 

就活初期は視野を拡大することが必要ですが逆に、その好印象に引っ張られて視野を狭くしてしまう危険性を孕んでいるので注意が必要です。

➁自分が知りたい情報を入手できないケースがある

合説に参加する企業は1日に何セットも同じ説明を行います。

 

説明する内容はある程度決まっていて、大体の学生が知りたいであろう企業情報や求人情報を集約して、単に企業側がアピールしたい情報で固められます。

 

私の経験でも同じ内容を繰り返し説明するだけなので、録音して流しておこうかと思ったぐらいです(笑)

 

逆を言うと、学生にとっては自分の知りたい情報を得られないケースもあるわけです。

 

もちろん、最後にフリーな質問の時間を取りますが、みんなの手前、リアルな情報を敢えて伝えない場合もあります。

 

特に、突っ込んだ質問でブラックな情報を伝えざるを得ない時は、オブラートに包んで、上手くかわすテクニックを人事は持っています。

 

なので、あなたが知りたいブラックな情報を掴みにくいことと、フリーな時間といっても1人辺りの持ち時間に制約があるので、すべてを知ることができないという物理的な問題もありますね。

③開催場所までの交通費や時間がかかる

最後のデメリットは物理的に移動する関係で、交通費や移動時間のコストが発生することですね。

 

現在はオンラインでの参加も可能となっているので、そのようなコストも回避可能ですが、やはりオンラインとリアルでは臨場感が異なりますよね。

 

実際に接近戦で直に質問できるのと、オンライン上でいつ質問していいのかタイミングが分かりずらいという状況では、地の利が違うわけです。

 

合説はリアルで参加したい人にとっては、その反動として交通費や移動時間などのコスト面でデメリットがあるというわけです。

合同説明会の賢いまわり方

「合説のメリットやデメリットはわかりました。次に、合説に参加する場合、何かまわり方のコツとかありますか?」

 

分かりました。コツは3つほどありますので、解説しておきますね。

①自分が知らない業界や企業の説明を積極的に聞く

1つ目は、自分が知らない業界や企業のブースを敢えて選んで話を聞くことです。

 

自分の知っている業界や企業はアンテナが立ち情報感度が良い状態なので、ネットや色々な媒体を通じて情報はかなり入ってきているはずです。

 

逆に、自分の興味のない業界や企業の情報はプアーですよね。

 

合説に参加しない限り、そんな業界や企業の情報を得る機会は少ないと思います。

 

メリットのところでも話しましたが、人間は「あるもの」と「あるもの」を比べない限り、選択できないという習性があります。

 

ネットでアレコレ調べて、比べて、モノやサービスを購入するスタイルと似ています。

 

なので、その比べる対象がない限り、自分の選択が正しいのかどうかが把握できないわけです。

 

そういう意味で、知らない業界や企業に対して積極的にアプローチすることにより、相対比較が可能になるというわけですね。

➁ネットで情報が拾える有名企業は敢えて避ける

逆に、ネットで情報が拾えるような有名企業は敢えて避けるべきです。

 

有名企業となると、学生の参加者数も多いので、当然あなたが知りたい情報の濃度は落ちます。

 

また、最近は口コミサイトの情報も充実してきましたので、有名企業になると社風や給料などの情報を簡単に入手できるようになりました。

 

そういう意味では、情報収集の実効性は高くないので、有名企業の説明会に参加してもあまりタイパは良くないです。

 

そのような時間があるんだったら、敢えて知らない業界や企業のために制限のある時間を投資したほうがいいでしょう。

③気に入った企業は採用担当者とコネを作る

実は、個別の企業説明会よりも合説のほうが、人事担当者の懐には入りやすいです。

 

個別の企業説明会ではある程度、志望している関心の高い学生が集まりますので、人事としても敢えて公平に接するようにします。

 

逆に、合説の場合は活動目的が宣伝・広告なので、胸襟を開いてカジュアルに接するようになります。

 

もっと言うと、人事の脇が開いている状態なので、懐に飛び込みやすいわけです。

 

容易く懐に入れるので、顔を覚えられたり、名前を憶えられる確率が高く、良い印象が残りさえすれば、選考が優位に働く可能性も出てきます。

 

もし、あなたの関心が高い企業が出展しているのであれば、名前を売るチャンスだと思って、巧妙に接触してみてください。

合説あるあるQ&A

最後に合説に関してよくある質問をQ&A形式でまとめて、本記事を締めくくります。

Q1:合説の参加は選考が有利になる?

A1:基本的に有利に働きません。

 

企業側の合説参加の目的は、企業のPRです。

 

選考しようと思って出展していませんので、基本的に期待しないほうがいいです。

 

ただし、優秀な人材を発見しようと目を光らせている企業もありますし、知名度のない企業であれば、お眼鏡にかなう可能性もありますので、気は抜けませんね。

Q2:どんな服装で参加すればいい?

A2:基本はリクルートスーツです。

 

合説で周囲を見渡すと、みんなリクルートスーツに身を包んでいます。

 

そこにあなただけカジュアルな服装で参加すると、場から浮きます。

 

また、スーツであれば何でもいいというわけではなく、黒やダークグレイ、濃紺などの落ち着いた色で、ストライプの柄のないオーソドックスなスーツを着用してください。

 

ちなみに、「服装自由」とか「私服でお越しください」などの指示がある場合は、フォーマル寄りのカジュアルオフィシャルで参加しても問題ありません。

Q3:名刺をもらったら、どう対応したらいい?

A3:帰宅後に速攻でお礼メールを送りましょう。

 

先ほども説明したとおり、人事から名刺をもらえるということは、かなり脈があります。

 

もし、あなたが興味のある会社であれば、コネクションを継続させるために、帰ったら速攻で「お礼メール」を打ちましょう。

 

その際は、

 

・志望度が高いこと

 

・説明会の中で印象に残ったことや感想

 

などを付け加えると、別ルートの選考に参加させてもらえるチャンスが拡大します。

 

人事も名刺をすべての学生に渡しているわけではなく、好意を持った学生だけに渡しているので、志望度があるのであれば、それを放置せずにその脈を温存しておきましょう。

Q4:合説では積極的に質問すべきですか?

A4:間違いなく積極的に質問してください。

 

あなたの顔や名前を覚えてもらうために、どうしたらいいかを考えるとわかりますね。

 

そうです。

 

目立つことです。

 

目立たず周りに埋もれてしまうと、企業側にあなたのことを認知してもらえません。

 

たとえ、合説であってもアピールの場だと捉えることが肝要です。

 

もし、あなたが興味のある志望度の高い企業であれば、尚更です。

 

ただし、調べれば誰でもわかるような質問は逆効果です。

 

「そのぐらい、事前に調べて来いよ」

「そんなのネットで調べれば、わかるじゃん」

 

といった悪い印象に映る質問を誤ってしてしまうと元も子もないので、あくまでもリアルなやりとりでないと入手できない超具体的な質問を投げかけるようにしましょう。

Q5:合説に持参すべきアイテムは何ですか?

A5:以下のとおりです。

 

【絶対に必要なアイテム】

 

☑就活かばん

☑スケジュール帳

☑筆記用具

☑メモ帳

☑資料を挟むクリアファイル

 

【任意で必要なアイテム】

 

☑記入済みの履歴書

☑折り畳み傘

☑スマホの充電器

☑常備薬(特に花粉系)

 

記入済みの履歴書は意外に思われるかもしれませんが、企業によっては選考をその場で進める会社もあります。

 

その際にサッと履歴書を出せれば、選考がスムーズに進みます。

 

先回り力や志望度も伝わりますので、仕込んでおかない手はないですね。

おわりに

以上、合説に参加するメリットからデメリット、賢いまわり方まで一通り説明しました。

 

合説はメリットとデメリットを比較しても、メリットのほうが大きいですし、2度と参加できないイベントでもあるので、体験として1度は参加しておくべきかなと思います。

 

また、参加するとライバルたちが間近に見れて、戦闘意欲が掻き立てられますので、就活スイッチを入れたい人にとっては有効なイベントになります。

 

もし、参加するのであれば、今回紹介した3つの賢いまわり方を参考にしていただければと存じます。

 

本記事があなたの就活のお役に立てることを祈念しています。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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就活ハンドブック編集部

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