就活面接で短所「緊張しやすい」の伝え方のポイントとは

就活面接で短所「緊張しやすい」の伝え方のポイントとは

2023年1月5日更新

はじめに

就活では、長所だけではなく短所を聞かれるシーン少なくありません。

しかし、日常生活のなかは、なかなか自分の短所を伝えることがなく就活面接で短所を聞かれるというシチュエーションに戸惑う人もいるのではないでしょうか。

長所と違い、ネガティブなイメージが強い短所は、その内容や伝え方にもひと工夫が必要になるため就活生の頭を悩ませます

ちなみに、エントリーシートによく挙げられるのは「人前が苦手」という短所です。

つまり「緊張しやすい」ということですが、これを短所として挙げることで、ネガティブな印象にならないか、非常識だと思われるのではないかといった不安を抱える人もいるでしょう。

そこで本記事では、そもそも「緊張しやすい」は短所なのかということや、短所として伝える際のポイントなどをご紹介します。

「緊張しやすい」を短所として挙げようとしている人はもちろん、短所について悩んでいる人もぜひ最後までお読みくださいね。

「緊張しやすい」は長所にもなり得る

上述のように、「緊張しやすい」ことは短所として挙げられることが多いですが、「緊張しやすい=慣れにくい」という言葉は、言い換えを行うことで長所にもなり得るものです

たとえば、職場の人間関係においては「緊張しない(=慣れる)」ことが円満な関係を築くポイントとなりますが、実際の業務のなかで「緊張しない」ことは、緩慢といった気のゆるみを引き起こす一因にもなります。

 

どんな職場であっても「初心を忘れるべからず」という言葉は共通であり、実務ではむしろ「緊張しやすい=慣れにくい」人のほうが、周囲の信頼を勝ち得るプラス要因になることもあるのです。

この「緊張しやすい=慣れにくい=初心を忘れない」という構図を面接官にしっかりとアピールできれば、緊張しやすいという短所も「慎重な人」という長所に昇華することが可能になります。

 

「緊張しやすい」という短所をポジティブな印象に変える例
私には、緊張しやすいという短所がありますが、良い意味で「慣れる」ことが苦手なため、初心を忘れず現場ではつねに緊張感をもって慎重に業務を遂行できると自負しております。

このように、「短所」としながらもポジティブな印象を与える伝え方(書き方)ができれば、緊張しやすいというネガティブワードも面接官は前向きに捉えてくれます。

人事が就活で短所を聞く理由

※「短所を提示する理由」を知っておくことは、面接官の意図を把握するためにも非常に有用です。緊張しやすいことを短所とする人にとっても参考になりますので、本項目ではその理由をご説明させていただきます。

 

そもそも、人事の担当者である面接官はなぜ就活生の短所を聞くのでしょうか?

代表的な理由は以下の「確認」にあるとされています。

①自分のことを客観的な視点で捉えることができているかを確認するため

②短所の改善策を考えているか確認するため

③自社との相性を確認するため

 

この理由を詳しく見ていきましょう

①自分のことを客観的な視点で捉えることができているかを確認するため

自分自身の短所を挙げる際は、自分を客観的に見つめることが必要になります。そのため面接官短所を確認しながら就活生がどれだけ自分自身を客観的に、冷静に見ることができているのか確認しているのです。

 

自分を客観的に見られるということは、自己分析がきちんとできていることの証明になります。また、自己分析を行うことによって、自分自身の特性を理解しておくこと、就活における企業選びや職種選びに役立つほか、就職後の「社員としての自分の立ち位置(何をするべきか?いつやるべきか?どうやってやるべきか?)」を正確に捉える一助となり、業務効率化や生産性向上といった自社貢献にも繋がることが期待できます。

 

②短所の改善策を考えているか確認するため

短所は自覚しているだけでは意味がありません。自覚したあとに改善策を見つけ、どのように対処していくのか自身で考える必要があります。これは短所に限ったことではなく実際の業務にも共通することです。

 

実務では、さまざまな課題に直面します。そんなときに社員は、問題の原因を突き止め、有効な解決策を立てて実行していくことが求められます。

企業としては、限られた人員のなかで、これらのプロセスを「自発的に行えるかどうか」を入社前に審査する必要があり、就活生に短所の提示(改善策や対処法)を求めることは、まさにその判断を下すうえで非常に有用な手段となります。

 

③自社との相性を確認するため

たとえば、精緻な技術を必要とする精密加工などの業種では「大ざっぱ」といった短所が、販売などの接客業では「人と話すのが苦手」という短所がそれぞれマイナスに受け止められます。企業にとって「自社の業種」と「就活生の短所」の相性を確認する作業は、良い人材を効率的に獲得するためにも必要不可欠なのです。

 

短所で「緊張しやすい」を伝えるポイント

実際の面接の場で「緊張しやすい」という短所を伝える際にはどのようなポイントに注意するべきなのか、以下にまとめてみましたので参考にしてください

 

①自分の言葉で具体化して伝える

②長所に紐づけて伝える

③「緊張しやすい理由を分析していることを伝える

自分の言葉で具体化して伝える

ひとえに「緊張しやすい」と言っても、その印象や捉え方は人によってさまざまです。まずは「なぜ自分は緊張しやすいことを短所だと思のか?」具体的なエピソードを交えて伝えてみましょう。

たとえば「弁論大会でクラスの代表に選ばれたが、緊張しやすいためにスムーズに話すことができなかった」というエピソードなら、うまく話せなかったことよりも弁論大会に選出された実力のほうを高く評価されるでしょう。また「アルバイトを始めたころ客席に配膳した際に緊張のあまり途中で食器を落としてしまった」という失敗談では、「誰でも経験する失敗」という解釈になり、短所として捉えられる可能性は低いといえます。

このように、自分では失敗を招いた原因が緊張しやすいからだ認識している場合でもその具体的なエピソードを交えて伝えることで、面接官のなかでは短所=マイナスポイントとして評価しないケースも多々ありますので、緊張しやすいかどうかだけに限らず、短所を伝えるときはそこに至った経緯やエピソードを具体的に伝え、面接官に「そんなに気にするほどの短所ではない」という印象を持たれるように方向づけることが肝要です。

長所に紐づけて伝える

上述のとおり、緊張しやすいことが必ずしも短所になるとは限らず、先ほどの①の例のように、ほかの部分の評価が高く短所が薄れる場合や、誰でも経験する失敗といった「マイナスポイントにならない短所」をアピールすることは、面接官の好印象を獲得するために非常に有用ですが、そのほかにも、緊張しやすいという短所のお陰で新たな長所を生むというケースもあります。

たとえば「緊張しやすいため人よりも事前準備を徹底し、細かな段取りを記した独自のマニュアル等を作成している」、「試合などの前日は早めに寝て、当日の朝一番で会場に入りコンディションを整えているなど、緊張しやすい自分をフォローするための対処法が、面接官にとって〝自社が求める人材〟に映る可能性は十分にあります。

このように、緊張しやすいという短所をそのままに伝えるのではなく、これを端緒としてポジティブな方向へと発展させ、プラス要素=長所に紐づけていくことも就活においては有効なテクニックとなります。

「緊張しやすい理由」を分析していることを伝える

「緊張しやすい」という状態に至るまえそれ相応のきっかけがあったはずです。過去に大きな失敗をしてしまったり、人前で笑われた経験があるなど、その理由はさまざまでしょう。

単純に「緊張しやすい」と伝える場合と、「こういう経験があって緊張するようになってしまった」と自己分析を加えながら伝える場合とでは、面接官の印象が大きく変わります。

前述のように、面接官が短所を聞く理由の一つは「自分のことを客観的な視点で捉えることができているか」を確認するためです。また分析したという事実は、すなわち対処法の確立を示唆するため、これらをしっかりとアピールできれば、対処可能な短所であることも同時に伝えることができます。

加えて、面接官に「緊張しやすい理由」を伝えること、なぜ短所と捉えているのか納得しやすくなりますので、ただ単に「短所は緊張しやすいことです」と言い切るのではなく、その背景や対処法もあわせて伝えることが大切なポイントです

「緊張しやすい」を伝える例

ここまで「緊張しやすいことを短所として取り上げる際のポイントをご紹介してきましたが、実際の面接の場ではどのように伝えればよいのでしょうかここでは、就職を果たした就活生が、実際にエントリーシートに記入した実例をお伝えします。

 

例文1:「緊張しやすい理由」を中心に伝える

※詳しくは前述項目【「緊張しやすい理由」を分析していることを伝える】をご参照ください

「私の短所は緊張しやすいところです。緊張することで、つい頭が真っ白になってしまい、言葉が出てこなくなることがあります。

私が緊張しやすくなってしまったきっかけは、中学2年生の時に参加した音楽コンクールです。吹奏楽部に所属していた私は、大きな大会でソロを任されていました。それまでどのようなシーンでも緊張したことがなかったため、自分で高を括っていたのですが、ソロのシーンで初めて失敗したのです。

今でもそのことがトラウマとなり、何事も緊張してしまいます。

しかし、少しでも克服するために事前準備をしっかり行うことで、自分の緊張を軽減するよう努めています」

 

例文2:長所に置き換えて伝える

※詳しくは前述項目【長所に紐づけて伝える】をご参照ください

「私の短所は緊張しやすいところです。一方で、責任感が強いという長所と表裏一体だと思っています。私は昔から、自分に与えられた役割はとことん全うしたいと考える節があります。そのため、ひとつひとつの物事に対して責任感が強いと言っていただけることが多いです。

一方で、自分自身に強くプレッシャーをかけてしまうため、つい緊張してしまいます。良い緊張であれば良いですが、緊張によって自分のパフォーマンスが下がってしまう場合があります。

そこで私は、自分一人にプレッシャーをかけるのではなく、不安な際は周囲を頼るなどして、自分でため込まないよう工夫をしています」

短所や長所が伝わるだけでなく、万が一仕事で困ったことがあった際に、どのように乗り越えようとするのかという姿勢も見える例です。

このように伝えてもらうことができれば、人事は目の前の就活生が仕事をする様子もイメージすることができます。

よくある質問

最後によくある質問に回答していきますので、緊張しやすいことを短所に設定しようと考えている人はぜひ参考にしてください

Q.「緊張しやすい」ことは仕事をする上でマイナスですか?
A.「緊張しやすい」ことは、仕事をする上で決してマイナスにはなりません。もちろん、「緊張しやすい」という特性と上手に向き合うことは必要ですが、必要以上にネガティブにならなくても良いでしょう。

仕事をする上では、適度な緊張感必要です。緊張感がいと、怠惰な姿勢で周囲に迷惑をかけてしまう可能性があります。仕事をする上ではその方が圧倒的にマイナスです。

自分にとって「緊張しやすい」がプラスになるような言い回しを心掛けましょう。

Q.他の人の短所と被らないか心配です
A.短所や長所を答える際に、他の就活生と被ることを気にする人がいます。

結論からお伝えすると、他の人と被ることは問題ありません。

なぜなら、話を具体化していくほどに全く同じであることはないためです。

万が一、他の人と全く同じだと感じる場合には、自己分析が足りていないのかもしれません。自分自身を深掘るほどに、他の人とは異なるエピソードがたくさん登場するはずです。そのため、誰かと被ることはまずないでしょう。

「緊張しやすい」という言葉が被っていたとしても、その理由まで同じであることはまずあり得ません。就活の場では他人を必要以上に気にすることなく、あくまでも自分のアピールをすることに注力してくださいね。

 

「緊張しやすい」はポジティブに活用することができる!

いかがでしたか?

本記事では、そもそも「緊張しやすい」は短所なのかということや、短所として伝える際のポイントなどを紹介してきました。

「人事から見てネガティブな印象にならないかな…」「緊張しやすい、はみんなが言っている?」「良い短所、悪い短所はある?」といった疑問や不安は解消することができたでしょうか。

 

自分から見ると「緊張しやすい」ことは短所かもしれませんが、傍から見れば長所になること少なくありません。もちろん自分自身が短所だと思う以上、他の短所を無理に探す必要はありませんが、緊張しやすいという短所を、もう一度冷静に、少し視点を変えて見つめてみるということは試してみても良いかもしれません。

 

 また、伝える際もネガティブに伝えるのではなく、ポジティブな印象になるように言葉を選ぶことも必要です言葉を選んでいくうちに、実自分が思っていたほど短所ではかったということもあるからです

前向きな姿勢で今一度「緊張しやすい」という短所に向き合ってみてはいかがでしょうか?

その際には、ぜひこの記事を参考にしていただけると嬉しいです。

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監修者情報

近藤明弘

キャリアアドバイザー

株式会社ニトリに新卒入社。
個人売率ランキングでは全国で10位に入賞するなど、多くの成果を生み出してきた。 2021年より株式会社ナイモノにジョイン。 リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の経験を持ち、現在はCAとして急成長中。