面接で失敗談を聞かれる理由とチェックされる能力とは
2024年2月14日更新
はじめに
就活での面接では、成功談だけでなく失敗談を聞かれることがあります。失敗談というくらいですから、内容によってはマイナスイメージを持たれてしまいそうで戸惑う就学生も多いでしょう。
なぜ失敗談を聞かれるのか、その理由やチェックされている事柄を知っておけば、対策は十分可能です。
この記事では、面接で失敗談を聞く理由や良い失敗談、悪い失敗談の見分け方、人事にアピールできる失敗談の具体例などを紹介します。
失敗談というマイナスイメージをプラスイメージに替えるテクニックを身につけ、自己アピールにつなげましょう。
- 面接で失敗談を聞かれる理由とは
- 面接で失敗談を聞くときにチェックする能力とは
- 面接での失敗談を見つける方法とは
- 面接での失敗談の選び方とは
- 人事にアピールできる失敗談の伝え方と具体例
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面接で失敗談を聞かれる理由とは
就活の面接で失敗談を聞かれる場合、その裏には必ず面接官の意図するものがあります。自分のマイナス面をさらけ出しつつ、好印象を持ってもらうためには、失敗談を聞く理由をしっかりと理解しておくことが大切です。
1-1. 何を失敗と捉えているのか知るため
人間は誰もが失敗します。失敗しない完璧な人間は、この世には存在しません。ひとくちに失敗談といっても、個人によってさまざまなエピソードがあります。
面接でどのような失敗談のエピソードを話すのかによって、何を失敗として捉えているのかがわかります。そこから個人の価値観を知ろうとしているのです。
あまり話したくない失敗談を伝えることで、面接官は就学生の考え方や物の捉え方を分析します。そして、社風などにマッチしているかを見極めています。
1-2. 失敗への対処方法を知るため
どんなに慎重になっても、失敗は起こります。面接官が失敗談を聞くときは、失敗した内容よりも失敗を分析し、失敗をリカバリーするためどのような対処法をとったのかを知りたいと考えています。
失敗したことから目を背けて逃げてしまう人が多いなか、失敗という現実に正面から向き合って、どれだけリカバリーできたのか。
企業は、一度の失敗で諦めることなく、柔軟に軌道修正できる人材を求めています。
1-3. 失敗から学んだことを知りたい
失敗したことを失敗で終わらせない。失敗から次の学びにつなげる姿勢を知りたいと考えています。
ビジネスにおいては、同じ失敗を繰り返さないことが鉄則です。失敗をその場で終わらせるのではなく、いろいろなことに応用できる学びとすることができる人材を求めています。
失敗をしたときにも、失敗にくじけることなく成長していける人材なのかも評価します。
面接で失敗談を聞くときにチェックする能力とは
面接で失敗談を聞くことは、さまざまな能力を評価し、採用への判断材料としています。では失敗談からどのような能力をみているのでしょうか。その点を理解できれば、失敗談を自己PRにつなげることができます。
2-1. 失敗したときの「問題解決能力」
面接で失敗談を話すことで、どうやってピンチを切り抜けたのかといった問題解決能力を知ることができます。
失敗は、自分が想像していたように事が運ばないために起こることです。失敗だと感じたときに軌道修正をしたり、新たなアイデアで失敗をリカバリーしたり、人によってさまざまな解決方法を見出そうとします。
面接官は、企業の社員として失敗をしたときでも、問題解決できる能力が備わっていて安心して仕事を任せられる人材なのかをチェックしています。
2-2. 失敗したときの「忍耐力」
失敗すると、誰でも落ち込んだりやる気をなくしたりするものです。そのような状況の中でも、失敗に耐え抜く能力があるかどうかを面接官は失敗談から読み取っています。
失敗をしたことで辛い時間を過ごさなくてはならないこともあるでしょう。そのような時間をどのようにやり過ごしたのか、打開策を見つけるまでにどのようにもがいたのかなど忍耐力やメンタルの強さなどをチェックしています。
2-3. 失敗したときの「分析力」
失敗をするという結果には、必ず原因があります。面接で失敗談を聞くときは「なぜ失敗が起きてしまったのか」を冷静に分析しているかどうかをチェックしています。
失敗を分析する力は、イコール「問題解決能力」にもつながります。そして同じ失敗を繰り返さないという行動パターンにもつながります。
面接での失敗談を見つける方法とは
誰でも、必ず失敗することはあります。しかし、面接時の失敗談となると自分の失敗談が見つからない、見つけ方がわからないといった人もいるのではないでしょうか。ここでは面接で使える失敗談の見つけ方を紹介しましょう。
3-1. モチベーションが下がったときや落ち込んだときのことを考えてみる
失敗とは、自分の意に反して良い結果が得られなかったことです。失敗したと認識した時点で、誰でも落ち込んでモチベーションが下がってしまいます。
過去にどのような出来事でモチベーションが下がったり、落ち込んだりしたのかを振り返ってみましょう。
3-2. 今まで自分が時間と労力をつぎ込んだことを振り返る
これまでに時間と労力を注ぎ込んできたことに失敗が見え隠れしています。
つまり、「情熱」を注いでやってきたことは理想水準が高いため、普通の人が失敗だと思わないことでも、本人にとっては失敗と捉えるからです。
いくつかの困難、それは失敗談としての材料になります。そして困難(失敗)を乗り越えて達成した経験などを面接で話すことにより、面接官に好印象を持ってもらえるでしょう。
3-3. 周囲の人に聞く
人間は、誰しも自分の失敗を認めたくないものです。また、自己防衛からダークな情報や自分にとって不都合な思い出はできるだけ早く忘れようとします。
失敗談が見つからない場合、あなたのことを良く知っていて、できるだけあなたと関わりのある人に聞いてみて下さい。
たとえば、あなたの親や学校の先生、アルバイト先の店長、先輩・同僚などは、あなたの失敗をよく知っているかもしれません。
あなたは覚えていないけど、その人に過去の失敗談を指摘されて「あ~、そういうこともあったね」と過去の記憶が蘇り、恥ずかしい思いをした経験もあると思います。
3つの方法を試しても、まだ失敗談が見つからない人は「学生失敗談あるある」をまとめてみましたので、チェックしてみてください。何か引っかかる項目があるかもしれません。
☑ テストまでのスケジュール管理に失敗して結果が悪かった
☑部活で努力が足りずに勝てなかった
☑サークルで人間関係がうまくいかなかった
☑バイトで仕事が思うようにできなかった
☑バイトを頑張り過ぎて単位を落とした
☑留学先で積極的に行動できなかった
☑インターンで仕事のミスをしまくった
☑面接で上手く受け答えができなかった
☑劇団の演技でセリフが飛んだ
☑演奏会で楽器の演奏をミスした
面接での失敗談の選び方とは
面接では、就学生の価値観や能力などを知るために、失敗談を聞かれます。そのため、失敗談であれば何でもよいというわけではありません。失敗談のチョイスを間違えると、マイナスのイメージを持たれる危険性もあります。
では、どのようなポイントで失敗談を選べばよいのでしょう。
4-1. 企業理念に合った学びや成長がある失敗談にする
人事は単に失敗談を聞きたいわけではありません。「どのような失敗をして、それをどのようにリカバリーして、そこから何を学び、どう成長したのか」を聞きたいわけです。
同時に、企業理念に合った学びのある失敗談をチョイスすれば、企業とのマッチングへのアピールもできます。
そのためには、志望した企業の募集要項・企業理念を事前に詳しく研究し、どのような人材が理想的なのか調べておく必要があります。
4-2. 仕事に支障をきたさない失敗談にする
企業側も採用するにあたって、問題を起こすような人物は避けたいものです。失敗談のなかでも、仕事に支障をきたさない失敗談をチョイスすることが大切です。
たとえばコミュニケーション能力が足りなかったための失敗談、感情のコントロールができなかったための失敗談、メンタルが弱いための失敗談などです。
これらは、反省したとしてもすぐに改善するものではありません。仕事への支障を与えかねないと判断されてしまいます。
4-3. 取り返しのつかない致命的な失敗談はNG
取り返しのつかない失敗や周囲への影響が大きかった失敗談は、面接の失敗談としてふさわしくありません。面接官に「この人物を採用していいのだろうか」という懸念を持たれてしまいます。
たとえば犯罪につながった失敗や人にけがをさせてしまった失敗などは、避けるべき失敗談です。
4-4. 常習性のある失敗談はNG
失敗談のなかでも常習性が感じられる失敗談は避けるべきです。たとえばお酒やギャンブル、借金での失敗談は「もしかして今でも繰り返しているのではないか」と疑われてしまいます。
また、寝坊といった失敗談も常習性が感じられてしまいます。入社してからもしょっちゅう寝坊して遅刻常習犯になるのではと懸念されてしまいます。
人事にアピールできる失敗談の伝え方と具体例
面接の失敗談の選び方を理解したところで、失敗談をどうやって面接官に伝えたらよいのか。そこにもテクニックがあります。テクニックを駆使して、失敗談をわかりやすく伝え、納得と期待感を持ってもらい好印象につなげましょう。
面接での失敗談の構成は以下の通りです。
①結論:私の失敗談は~です。
➁背景や理由:失敗した理由(背景)は~です。
③失敗の反省・改善点:そのために~を反省し、~するように悔い改めました。
➃失敗から学んだことやリカバリーの内容:すると失敗しなくなり、~が大切だと学びました。
➄企業での活かし方:御社ではこの失敗から学んだ~を活かして、頑張ります。
①~⑤の構成に則って定番の「学業編」「ゼミ編」「部活編」「アルバイト編」の4つのテーマの例文を紹介しましょう。
【学業編】
私の失敗談は、大学1年生の前期で授業の単位を数多く取りこぼしてしまったことです。(結論)
この失敗は受験が終わり、開放的な気分になったことと、大学での勉強に対する目標がなくなり、気持ちが緩んでしまったことが原因だと考えています。(失敗の背景や理由)
以降は気持ちを引き締めて、高校時代に毎日行っていた復習する習慣を再度ル―ティン化し、授業が終わったその日に3時間を勉強時間に充当しました。(失敗の反省・改善点)
この復習が功を奏し、1年生の後期からは連続でフル単を獲得しています。(リカバリーの内容)
御社ではこの失敗を糧にして、目標をもって積み上げる努力を怠らず、毎日1ミリでもレベルアップできるように努力していきます。(企業での活かし方)
【ゼミ編】
ゼミの4大学合同発表会で、他大学の質問に答えられずに頭が真っ白になったことが私の失敗談です。(結論)
この失敗は自分が1番勉強しており、専門知識を十分に持っているから対応可能だろうといった甘い考えが災いしたと考えています。(失敗の背景や理由)
それ以後は、必ず自分には盲点があることを意識し、ゼミの仲間に事前に疑問点や質問したいことなどを把握したうえで想定問答を作成し、議論に臨むことにしました。(失敗の反省・改善点)
すると、教授から「4大学合同発表会の屈辱をバネにして、よくここまで成長しましたね」とお褒めの言葉を頂きました。
このことから、何事に対しても傲慢になることなく、謙虚にシッカリとした準備が何にも増して重要だということを学びました。(失敗から学んだこと)
御社では相手のニーズを十分に汲み取り、できるだけ多くのケースを想定し、入念な事前準備を行いたいと考えています。(企業への活かし方)
【部活編】
私の失敗談は、野球部最後の公式戦でマメを潰してしまい投手として試合に出場できなかったことです。(結論)
野球部のエースとして、最後の試合は好成績で終わりたいという気持ちが強すぎて、自分のキャパシティーを超えて投げ込んでしまったことが今となっては反省点です。(失敗の背景や理由→失敗の反省)
結果として、1個人の自己管理のミスにより、チーム全体に多大な悪影響を及ぼしてしまうことを痛感しました。(失敗から学んだこと)
御社では、自分の置かれた状況を冷静に分析し、本番で最高のレベルに自分を持っていけるように入念で適切な準備を行えるように努めたいと考えています。(企業への活かし方)
【アルバイト編】
私の失敗談は飲食店のアルバイトで、効率を優先し過ぎてお客様からクレームを受けたことです。(結論)
クレームを受けた理由ですが、自分の効率性を優先し過ぎて、お客様が食べ終わっていないお皿を下げようとしてしまったからです。(失敗の背景・理由)
もちろん、お客様のテーブルを広く使ってもらおうと思った配慮もありましたが、相手の状況を的確に把握せず、空いた皿を下げようとしてお客様を不快にさせたことは私に非があると反省しています。
以降はお客様の立場に徹して、5感をフルに活用しながら、臨機応変に対応するように悔い改めました。(失敗の反省・改善点)
すると、お客様から「あなたの接客はいつも快く、気が利くので、おかげでお酒が進むよ。ありがとね。」と感謝されました。(リカバリーの内容)
御社では、「他人本位」の意識を常に持ち、お客様満足度の向上に努めたいと考えています。(企業への活かし方)
おわりに
なぜ面接で失敗談を聞かれるのか、その理由とチェックされている能力について詳しく紹介してきました。面接での失敗談について理解を深めると、どのような失敗談を話せばよいのかがわかってきます。
失敗談というマイナスのイメージをプラスにするためにも、失敗談の選び方には十分注意をしましょう。
失敗談は、あくまでも失敗を通してどのような学びや成長があったかを知るためのものです。取り返しのつかない失敗談や仕事に支障を及ぼしそうな失敗談は避けましょう。
面接での失敗談を上手に伝えることができれば、失敗談が逆に成功談となり、あなたを採用する理由に直結してくるかもしれません。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。