就活で「5年後の自分」を聞かれた時の効果的な回答とは?

就活で「5年後の自分」を聞かれた時の効果的な回答とは?

2022年12月22日更新

はじめに

就活を始めると、面接で様々な質問をされます。

志望動機や大学での経験、これまで頑張ってきたことなど、その質問は多岐に渡ります。

 

様々な質問の中でもよく聞かれるのが、「将来の自分」に関する質問です。

中でもある程度イメージが付きやすい「5年後の自分」は、よく聞かれる質問です。

 

しかし実際のところ、以下のように思う人が多いのではないでしょうか。

 

「5年後の自分なんて考えたことがない…」

 

「どのように回答するのが良いんだろう?」

 

「この回答はNGとかってあるのかな…?」

 

本記事では、そのような不安や疑問を解消するべく、人事が「5年後の自分」について質問する理由や回答のポイント、回答例などを詳しくご紹介します。

 

既に面接でこのような質問をされた人はもちろん、今後面接を控えている人も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

人事が「5年後の自分」について質問する理由

まずはじめに、なぜ人事が「5年後の自分」について質問するのかを見ていきましょう。

 

①キャリアプランを知りたいため

②ライフプランを知りたいため

③どれくらいのスピードで成長できそうかを確認するため

④自社への志望度を確認するため

⑤自社との相性を確認するため

 

こちらでは、代表的な5つの理由をご紹介します。

 

①キャリアプランを知りたいため

最も大きな理由は、学生のキャリアプランを知るためです。

キャリアプランとは、自分が思い描いているキャリア像を指します。

 

近年、新卒採用でも職種別採用が増えてきましたが、まだまだ一般的に普及しているとは言えません。そのため、多くの学生が「総合職」や「技術職」といった、様々な職種に就く可能性がある形で入社するのではないでしょうか。

したがって、学生自身の希望キャリアを人事は知ることができません。

 

そこで「5年後の自分」を質問することによって、どのような職種に就きたいのかという点や、どのような経験を積みたいのかということを確認しているのです。

 

②ライフプランを知りたいため

キャリアプランだけではなく、ライフプランも確認したいと考えています。

 

企業はできる限り長く働いてほしいだけでなく、可能な限り早い段階から活躍してほしいと思っています。そのため、キャリアプランに大きな影響を及ぼすライフプランも、できれば把握したいのです。

 

ただし、「あなたのライフプランを教えてください」と直接尋ねることはできません。そのため、「5年後の自分」という問いかけを通じて、可能な限り情報を把握しようとしているのです。

 

③どれくらいのスピードで成長できそうかを確認するため

成長スピードを確認するためにも、「5年後の自分」に関する質問は非常に有効です。

 

キャリアプランを確認すれば、学生自身がどの程度のスピードで成長しようと考えているのかが分かります。

もちろん、成長スピードとして現実的ではない場合があるかもしれませんが、それほど意欲があると言い換えることができるでしょう。

 

反対に、あまり成長を望んでいないことが見受けられる場合、成長スピードは期待できないと判断されるかもしれません。

 

④自社への志望度を確認するため

「5年後の自分」に関する質問を通じて、自社への志望度も確認しています。

 

「どうして5年後の自分に関する質問で志望度が分かるの?」と思うかもしれません。

キャリアビジョンが明確かつ現実味がある場合に、自社への志望度が高いと判断される可能性が高くなります。

 

採用サイトや口コミサイトなどを確認すると、年次に応じた業務内容をある程度理解することが可能です。そのため、キャリアビジョンに現実味があるほど、情報収集をきちんと行っていると考えることができます。

 

興味がある会社であれば、あらゆる情報を確認しておくだろうという前提の元、「5年後の自分」に関する質問を通じて自社への志望度を確認しているのです。

 

⑤自社との相性を確認するため

本人が望む5年後の姿と、自社で実現できる5年後の姿にどうしようもないほどの乖離がないかということも「5年後の自分」に関する質問で確認しています。

 

職種的にどうしても難しかったり、そもそも目指したい将来像が全く異なる場合には、面接段階でお断りをすることが企業・学生どちらにとってもメリットになるかもしれません。そのため、客観的な目線で「本当にこの学生が自社に入社して幸せなのか?」ということを人事は考えています。

 

また、明らかにスタンスやマインドが異なる場合には、どれだけ優秀でも敢えて入社させないということも起こり得ます。

 

能力を100%発揮するためには、その人に合った環境であることが非常に重要です。そのため、能力だけではなく相性を確認するために、現時点ではなく未来の理想像を確認しているのです。

「5年後の自分」について回答する時のポイント

では、「5年後の自分」について質問された際、どのように回答するのが良いでしょうか。

 

①5年後の自分の姿を言語化して伝える

②キャリアプラン>ライフプランになるように伝える

③「5年後の自分」に向けて必要な努力を伝える

④自分が思う最上級の理想を伝える

 

回答のポイントとして4点ほどご紹介します。

 

①5年後の自分の姿を言語化して伝える

「5年後の自分」を聞かれた際には、できる限り5年後の姿を言語化して伝えるようにしましょう。

 

5年後は想像できないからこそ具体化しにくかったり、面接官に「現実味がない」と思われてしまうのではないかと、不安に感じて最低限の言語化に留めてしまう人が少なくありません。しかし、理想を描くことができることこそ新卒の特権だと言えます。

 

もしかすると難しいかもしれないことも含め、自分の言葉で伝えられるようにしましょう。

 

②キャリアプラン>ライフプランになるように伝える

「5年後の自分」を想像したとき、キャリアプランよりもライフプランの方がイメージがつきやすいかもしれません。そのため、ついライフプランを中心に「5年後の自分」を話してしまう人がたくさんいます。

 

近年、ワークライフバランスについて語られることが増えましたが、企業がまず知りたいのは、目の前の学生のキャリア観です。

 

そのため、キャリアプランを中心に話し、どうしても伝えたいライフプランがある場合には補足的に伝えるのがおすすめです。

 

③「5年後の自分」に向けて必要な努力を伝える

理想的な「5年後の自分」は誰でも語ることができますが、具体的にどのように達成するのかということに関して語れる人は多くありません。そのため、「5年後の自分」を見据えたときに、自分としてはどのような努力が必要だと思っているのかもしっかりと伝えましょう。

 

現時点で想定できる努力は、学生の発想に過ぎないかもしれません。

しかし、手元にある情報で未来を想像して語ることは、社会人になっても必要とされる能力です。そのため臆することなく、想像できる努力は全て伝えましょう。

 

④自分が思う最上級の理想を伝える

「5年後の自分」を考えた時に、「自分の実力で本当に実現できるのだろうか?」と不安に感じるかもしれません。しかし実現可能性は、今後の自分の努力によっていくらでも変動します。だからこそ、現時点で自分が思う最上級の理想を伝えましょう。

 

理想実現に向けて、自分が想像できる努力を合わせて伝えることは必須ですが、現段階で「君には絶対無理だろう」と話す面接官はいません。ぜひ自信を持って、自分の理想像を伝えてください。

「5年後の自分はどうなっている?」と聞かれた時の例

では、「5年後の自分はどうなっている?」と聞かれた際の回答例をご紹介します。

 

①総合職を志望する場合

②技術職を志望する場合

③起業・独立などを想定する場合

 

自分に合った例を見つけて参考にしてくださいね。

 

①総合職を志望する場合

まず、総合職を志望する場合の「5年後の自分」について考えてみましょう。

総合職の場合、営業職やバックオフィス系の職種に就く可能性が高く、いずれの職種の場合にも、自身の専門性を元に業務を行うことになります。

 

5年後となると、ある程度仕事に慣れてきていることを前提に、マネジメント方面に進むか、スペシャリストとしてプレイヤーを継続するかといった選択を検討し始める時期です。

自分の特徴と合わせて、理想像を構築するのがおすすめです。

 

マネージャーを目指す例

「私は10年後にマネージャーとなるために、5年後にはチームリーダーとしてチームを牽引する立場になりたいです。

私は営業という仕事を通じて、自社の価値を最大化してお客様に提供したいと考えています。しかし、長期的な目線で見るとプレイヤーとしての能力だけではなく、マネジメント能力を身に着けることが多くのお客様に価値を提供できることにつながると考えています。

そのため、お客様はもちろん、社内の方々にも納得いただけるような成績を残し、チームリーダーとして活躍していたいです」

 

このように、5年後より先の目標から逆算して5年後の理想を示すと、面接官の納得感が高まります。

 

②技術職を志望する場合

続いて、技術職を志望する場合の「5年後の自分」について考えてみましょう。

技術職の場合、現時点でどの程度知識があるのかによって、目指すべき5年後の理想像は全く異なってきます。

 

現時点である程度知識がある場合、知識の幅を広げていくか、異なる職種としてPMやPMOを目指すなど、幅広い展開を想定できます。現時点で知識が無い場合、特定の言語を使いこなせるようになるなどの理想が妥当でしょう。

 

知識の幅を広げたいことを伝える例

「私は、5年後にはエンジニアとして活躍しながら、プロジェクトを牽引できるPMへの足がかりを掴みたいと考えています。

私は大学で情報学を学んでいるため、XXX言語に対して一定の知識があります。入社後にまずはXXX言語を活用した開発を会得した後に、自分でコードを書きながらプロジェクトを牽引できるような存在になるべく努力していきたいと考えています。

プロジェクトを牽引できるようになるためには、様々な視点が必要です。そのため、自分自身がまずはエンジニアとしてたくさんのプロジェクトに参加し、知見を積みたいと考えています」

 

現状の自分の知識をアピールしながら、5年後の自分を効果的に伝える例です。

 

③起業・独立などを想定する場合

最後に、5年後には起業や独立を想定する場合をご紹介します。

このパターンは、積極的に起業や独立を促している企業には好まれますが、そうではない企業には「長く働く予定がない」と受け取られてしまう可能性があります。そのため、話題に挙げる企業は慎重に選びましょう。

 

5年後に起業を目指す例

「私は5年後には、独立して起業したいと考えています。そのために経営層に近いポジションで、事業作りはもちろん、財務に関する情報にも積極的に関わっていきたいです。

入社1年目にはまず、貴社内で開催されている新規事業コンテストに応募し、早々に事業として採用されることを目指したいと考えています」

 

実際に回答する場合にはより長文で伝える必要がありますが、起業のためにまず何を仕様としているのか、具体的に伝えることが大切です。

「5年後の自分」が分からない場合の対処法

どう考えても5年後の自分が分からない場合、改めて自己分析を行いましょう。改めて自分の特性を洗い出すことで、自分が目指すべき方向が見えてくるかもしれません。

 

参考例が欲しい場合には、企業サイトなどから年齢の近い人のキャリアを参考にしたり、OB・OG訪問を通じて具体例を探るのがおすすめです。

 

「5年後の自分」はあくまでも自分の理想形であることから、気負わずに考えてみるのがおすすめです。

この機会に理想のキャリアプランをイメージしてみよう

いかがでしたか?

 

本記事では、そのような不安や疑問を解消するべく、人事が「5年後の自分」について質問する理由や回答のポイント、回答例などを詳しく紹介してきました。

 

「5年後の自分なんて考えたことがない…」

「どのように回答するのが良いんだろう?」

「この回答はNGとかってあるのかな…?」

といった疑問は解消できたでしょうか?

 

就活中に将来の自分を思い描くことは難しいかもしれませんが、就活のタイミングだからこそ、自分にとって最上級の理想形を描くことができます。

 

「5年後の自分」に関する質問を良いきっかけと捉えて、ぜひ理想のキャリアプランをイメージしてみてはいかがでしょうか。

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監修者情報

岩本美帆

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社ネオキャリアに新卒入社。
法人営業や採用コンサルティング業務を中心に、転職支援業務のプロジェクトにアサイン。 2年後に自己成長と新しい挑戦を求めてナイモノに転職。 現在は入社3年目のキャリアアドバイザーのリーダーとして、 「人の挑戦を言葉で支援することで成長し続ける」をモットーに活躍している。