【面接対策】人事に刺さる「あなたにとって仕事とは?」の答え方
2022年12月19日更新
はじめに
就活が始まると、これまで一度も聞かれたことがないような質問を受けることがあります。
そのような質問のひとつが、「あなたにとって仕事とは?」という質問です。
「仕事をしたことがないから、そもそも考えたことがない…」
「今考えられる範囲の話でいいのかな?」
「仕事をしてみた上で、答えないといけないのかな…」
など、質問を巡って様々な疑問が生じるのではないでしょうか。
そこで本記事では、そもそも人事がなぜ「あなたにとって仕事とは?」と質問するのかという点や、どのような回答が望ましいのかについて詳しくご紹介します。
この記事を読むことで、この質問にスムーズに答えられるようになるはず。
不安を感じている人は、ぜひ最後までお読みくださいね。
就活面接で頻出の質問「あなたにとって仕事とは?」
「あなたにとって仕事とは?」という質問は、面接においてメジャーな質問です。
新卒、中途問わず非常によく聞かれる質問です。
中途入社を目指して転職活動をしている人は、これまでの自分の経験を元にこの質問に答えることができます。しかし、新卒の場合は働いたことがないことがほとんどなため、回答に困ってしまう人が多いのです。
なぜ、人事はこのような質問をするのでしょうか。
理由を見ていきましょう。
人事が「あなたにとって仕事とは?」と質問する理由
人事が「あなたにとって仕事とは?」と質問する理由は、大きく3つあります。
①仕事に対するイメージを把握するため
②仕事に対する意欲を確認するため
③自社の仕事観に合っているかを確認するため
それぞれの理由を見ていきましょう。
①仕事に対するイメージを把握するため
まず、人事は面接を受けている学生が仕事に対してどのようなイメージを持っているかについて把握したいと考えています。
何を知りたいのか疑問に感じるかもしれませんが、仕事に対するイメージは身近な影響を受けていることが多いため、人柄や価値観を知るためには非常に有効な質問なのです。
面接では、家庭環境や家族、両親の仕事について聞くことはタブーとされています。そのため、これらについて直接質問されることはありません。
仕事観はこれらを正確に把握できるものではないものの、これまで育ってきた環境を投影しているような回答になる場合がほとんどです。学生に対する理解をさらに深めるために、企業としては必要不可欠な質問だといえるでしょう。
また、ある程度年齢を重ねてからはドラマや漫画、アルバイトの影響などを強く受けます。
「アルバイトは仕事なのか?」と感じるかもしれませんが、賃金と引き換えに労働を行うことから、十分に仕事と言えるでしょう。
このようにして、自分の経験や価値観を踏まえた回答になることが多いことから、学生の真の姿を把握するために「あなたにとって仕事とは?」という質問が利用されるのです。
②仕事に対する意欲を確認するため
仕事に対する意欲を確認する上でも、「あなたにとって仕事とは?」という質問は有効です。
「仕事をしたことがない学生は、多くの場合意欲的なのでは?」と感じるかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。ただお金をもらえたら良いという学生や、成長意欲が全くないという学生も中にはたくさんいます。
もしあなたが人事の立場であれば、より意欲的に仕事に取り組んでくれる学生を採用したいと思うのではないでしょうか?
だからこそ仕事に対する意識を、質問を通じて確認しているのです。
回答として正解があるわけではないものの、意欲的だと認められるような回答を用意するべきでしょう。
③自社の仕事観に合っているかを確認するため
会社によって、仕事観は異なります。
とにかくスピード感を持って成長することを良いとする会社や、時間をかけてでも着実に能力を培ってほしいと思う会社など、その仕事観は様々です。
一般的に企業規模や業界、事業フェーズによって仕事観は変化しますが、一概には言えません。そのため、学生側も表面上の情報だけではなかなか理解しにくいでしょう。
そこで人事は、直接学生に「あなたにとって仕事とは?」という質問を投げかけることで、学生の仕事観を把握し、自社に合うかを確認しようとしているのです。
学生の仕事観が、実際に仕事をしてみることで変化する可能性があるのは承知の上です。
その上で、どのような思考の元で仕事をしようとしているのかを考えているのです。
面接の頻出質問「あなたにとって仕事とは?」に回答するポイント
ここまで、人事がどのように思うのかについて確認してきました。
では、実際のところどのように回答するのが良いでしょうか?
①自分の言葉で回答するようにする
②なぜそう思ったのかという根拠を明確にする
③「分からない」という回答は避ける
④「お金を稼ぐため」といった直接的な表現も避ける
⑤可能な限りポジティブな表現をする
ポイントとなる5点をご紹介します。
①自分の言葉で回答するようにする
まず大切なのは、自分の言葉で回答することです。
「仕事観と言われても、仕事をしたことがないから難しい…」と感じるかもしれません。
しかし、学生としての経験で十分に仕事観を表現することができます。
例えばアルバイトをしていた人の場合、どのような職種であれ、「お金をもらって働くこと」に責任を感じたのではないでしょうか。また、先輩や上司からお𠮟りを受けることもあったでしょう。お叱りを受けるのは、お金をもらって働いている以上、プロの振る舞いをする必要があったからではないでしょうか。
このように、これまでに自分が経験したエピソードからでも、十分に仕事観を導くことができます。
例えば、以下のように話してみましょう。
「私は、仕事をする上では報酬に見合った業務だけではなく、それ以上であっても気づいたことは行うべきだと考えています。なぜなら、アルバイト先の店長に対価に見合った働きしかしていないと、それ以下の仕事ぶりになると言われたことに強く共感したためです。…」
インターネットを検索すれば、「仕事観」に見合ったコメントやエピソードが出てくるでしょう。
しかし、何より大切なのは自分が感じたことであるほか、自分の言葉で話せることです。
無理にかっこいい話にする必要はありません。ありのままの言葉で伝えましょう。
②なぜそう思ったのかという根拠を明確にする
なぜその「仕事観」が大切だと思ったのか、必ず理由があるはずです。
自分が何かの行動を通じて感じたからという場合や、自分の目から見て仕事ができる人が大切にしている「仕事観」だったからなど、その理由は様々でしょう。どのような理由であっても構いませんが、自分なりに理由を見つけておくことは大切です。
こちらも、決してかっこいい話である必要はありません。
あくまでも自分にどのような点が響いているのか、何が良いと思ったのかなどを言語化することで、自分の価値観を伝えることができるのだと理解しておきましょう。
③「分からない」という回答は避ける
まだ仕事をしていないからこそ、つい「分からない」と言いたくなりませんか?しかし、「分からない」という回答は最も不適切だと言えるでしょう。
人事側も、現在学生がフルタイムで働いているとは思っていません。そのため、「あなたにとって仕事とは?」という質問に正確な回答など求めていないのです。そのため、想像するしかないことを理解した上で質問しています。
現在の自分の知識や情報から、可能な限り回答を導き出すことが大切です。
結果的に自分の回答がとても稚拙に感じることがあるかもしれませんが、何も答えないのではなく、自分なりに回答を用意することが大切なのです。
「万が一質問された場合、何て答えよう…」と思う方は、ぜひこの記事を読んだタイミングで一度考えてみてくださいね。
④「お金を稼ぐため」といった直接的な表現も避ける
「仕事観」と聞いて、「とにかくお金を稼ぐため」といった回答をしたくなる人も多いのではないでしょうか。もちろんそのような回答が間違っているわけではありませんが、多くの人はそのことは大前提として持っているでしょう。
「お金を稼ぐこと」は当たり前のこととした上で、仕事についてどのように考えるのかを伝えることが大切です。
もし「お金を稼ぐこと」につなげたいのであれば、「キャリアアップやスキルアップを通じて自分の市場価値を高めたい」など、異なる表現を用いるのがおすすめです。
平易な回答ではなく、自分なりの回答になるように努めましょう。
⑤可能な限りポジティブな表現をする
仕事に対してポジティブなイメージだけではなく、ネガティブなイメージを持っている人もいるでしょう。
そのため、「仕事観」を聞かれるとつい「大変なこと」「我慢が必要なこと」といったネガティブな内容を答えてしまいそうになるのではないでしょうか。
もちろん、仕事はポジティブなことだけではありません。しかしせっかくなら、ポジティブな印象として「仕事観」を伝えてみてはいかがでしょうか。
例えば、以下のように伝えてみましょう。
「仕事は大変であることは誰にとっても同じだからこそ、自分なりに楽しさを見出せるようにしたいです。
つらいと言いながら働くことは簡単ですが、私自身、たくさんの笑顔に囲まれて働きたいと考えています。…」
ネガティブな要素をポジティブに捉えることや、弱みではなく強みに目を向けることができると、それは自身の強みになります。
ぜひひとつの能力を伸ばすいい機会だと捉え、ポジティブな表現を追求してみてはいかがでしょうか。
新卒だからこそ自分の言葉で素直に「仕事」を表現しよう
本記事では、そもそも人事がなぜ「あなたにとって仕事とは?」と質問するのかという点や、どのような回答が望ましいのかについて詳しくご紹介してきました。
「仕事をしたことがないから、そもそも考えたことがない…」
「今考えられる範囲の話でいいのかな?」
「仕事をしてみた上で、答えないといけないのかな…」
といった疑問は解消できたでしょうか?
学生生活からは少し距離がある質問だからこそ、いきなり聞かれても回答に困ってしまうケースがほとんどでしょう。
そのため、このような記事を読んだタイミングで、今一度自分で考えてみるのがおすすめです。
「仕事観」は自分の仕事選びの軸探しや、企業探しにも活用できるものです。
ぜひ「仕事観」に関する自己分析を深めながら、素敵な企業との出会いを見つけてくださいね。