【選考対策】就活の自己PR「向上心」を効果的に伝えるコツとは
2022年12月15日更新
はじめに
就活の場で自己PRをする際に、皆さんは何を選ぶでしょうか?
分かりやすい自己PRとして、「向上心」を選ぶ人は多いのではないでしょうか?
しかし、誰もが思い付きやすいキーワードだからこそ、敢えて「向上心」を選択するべきなのか悩む人も多いはず。
「また向上心か、と思われないかな…」
「ありきたりだからこそ、上には上のエピソードがありそう」
「もっと違う自己PRの方が魅力を感じてもらえる?」
このような悩みをよく聞くことから、自己PRのキーワードに悩む人は非常に多いことが分かります。
そこで本記事では、「向上心」を自己PRに活用することの良し悪しや、実際に活用する際のポイントや注意点などを詳しくご紹介します。
「向上心」を自己PRに取り入れようと考えている人はもちろん、自己PRを何にしようか悩んでいる人もぜひ最後までお読みくださいね。
「向上心」は人事に評価されやすい強み
そもそも向上心は、自己PRで活用される強みの中でも人事に評価されやすいと言えるでしょう。
どのような企業であっても、今後さらに成長や拡大をしていきたいという思いを持っています。そのためには従業員一人ひとりの力が非常に重要です。
このような企業の思いを踏まえると、今ある環境にあぐらをかくのではなく、より高みを目指していきたいという向上心を持っている人は評価されやすいと言えます。
ただし、多くの人が「向上心」というキーワードを活用して自己PRをすることは事実です。そのため、他の人と差別化できるような工夫をした上で、「向上心」をアピールすることが大切です。
人事が自己PRの中で長所を聞く理由
では、具体的な「向上心」に関する内容に入る前に、そもそも人事はなぜ自己PRの中で長所を聞くのかを見ていきましょう。
①人柄を把握するため
②客観的に自分を見れているかを知るため
③業務でどのように活かせるかを知るため
特に重要なポイントである3点をご紹介します。
①人柄を把握するため
人事は面接で、学生の人柄を把握したいと考えています。これは特定の質問に限らず、全ての質問の裏側で共通して持っている考えと言えるでしょう。
「長所」に関する質問は、あらゆる質問の中でも学生の人柄を反映しやすいと言えます。
なぜ長所だと思っているのかという理由や、長所に関する周囲からの評判、さらには長所として挙げた回答のレベル感に応じて、学生がどのような考えの元で「長所」を選んでいるのかが分かります。
自分の長所をストレートに伝える人や、面接だからと多少盛って伝える人、さらには「企業受けが良さそうだから」という理由だけで、長所に値しないものを「長所」とする人など、回答は様々です。
このように「長所」を通じて、学生の人柄を確認しているのです。
②客観的に自分を見れているかを知るため
「長所」は、主観だけで気付くことはほぼありません。周囲の人との比較や、周囲の人に認めてもらった、褒めてもらったことで長所に気付くことが多いとされています。
ただし周囲の反応だけを鵜呑みにせず、自分目線で「本当にこれは長所なのか?」を考える客観性が重要となります。
自己PRで長所を質問することで、学生は自分の長所を言語化する必要があります。また、それを初対面の面接官相手に、納得してもらえるよう話さなければいけません。
納得感を持たせるためには、主観的な意見だけではなく、客観的な意見が必須です。
このように、客観性を確認するための質問として「長所」はよく活用されるのです。
③業務でどのように活かせるかを知るため
学生が認識している長所は、本人にとっても納得感がある長所であることが多いです。そのため、誰かに気付きを与えてもらう必要なく、学生自身が強みとして活用することができます。
そのため、入社直後であっても業務で活かしやすい特性であることが多いため、人事は長所を確認する質問を通じて、学生の業務上の武器を確認しているのです。
もちろん学生が主張する長所が、必ずしも業務で活かせるとは限りません。しかし、長所をイメージすることができれば、適性がある部署や業務を想定しやすいため、配属などにも役立てることができるのです。
自己PRで「向上心」を効果的に伝えるポイント
自己PRは長所として伝えやすいことが分かりましたが、面接官により効果的に伝えるためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
①「向上心」を具体化して話す
②「向上心」を発揮した具体的なエピソードを話す
③「向上心」を持つことができた理由を話す
④「向上心」がゴールになる話は避ける
⑤「向上心」を持ったことで得た結果を伝える
5つのポイントをご紹介します。
①「向上心」を具体化して話す
「向上心」と言っても、様々な意味に捉えることができます。そのため、自分は何を指して「向上心」と言っているのか、具体的に伝えることが大切です。
例えば、継続的な努力によって、高い目標を目指していることを「向上心」と言う人もいますが、とにかくハングリー精神があることを「向上心」と言う人もいるでしょう。
大切なのは「向上心」というキーワードではなく、「向上心」を通じて何を伝えたいのかということです。
もし「向上心」を自分の言葉で具体化できない場合には、具体化することを最初のステップにしましょう。
②「向上心」を発揮した具体的なエピソードを話す
どのような場面で「向上心」を発揮したのか、具体的なエピソードを話すことも大切です。
企業は自己PRを通じて、どのような能力に再現性があるのかを見ています。
もちろん学生時代と社会人生活は異なるため、必ずしも同じように能力が発揮できるとは思っていません。しかし、エピソードがあることで再現される可能性を見ているのです。
この時、「向上心」を発揮できた場面だけではなく、周囲の人との関係性などを合わせて伝えることができると、企業側がより具体的な「向上心」をイメージすることができます。
③「向上心」を持つことができた理由を話す
なぜ「向上心」を持つことができたのかについても、エピソードの中に取り入れましょう。
「きっかけは何でも良いのでは?」と思うかもしれませんが、きっかけこそ再現性を確認する上では非常に重要です。
悔しかったから向上心を持ったのか、より突き抜けた存在になりたいから向上心を持ったのかでは、「向上心」に対するエネルギーの源泉が全く異なります。このエネルギーの源泉こそ、個性が出るポイントなのです。
そのため、きっかけを通じて学生への理解をより深めることができるため、きっかけを話すとより好印象を獲得できるでしょう。
④「向上心」がゴールになる話は避ける
「向上心」は、通過点であってゴールではありません。
つい「向上心を持てた」という話を自己PR内で長所として伝えてしまいそうですが、「向上心」をゴールにしてしまうことで、途端に長所としては弱くなってしまいます。
向上心を持つことでどのように結果が変わったか、ということが真に伝えるべきポイントです。陥る人が多いポイントなので、この記事を読んだ皆さんは十分に注意してくださいね。
⑤「向上心」を持ったことで得た結果を伝える
④とも関連するように、あくまでも大切なのは「向上心」を持ったことで得た結果です。
この時の結果は、「向上心」がなくても変わらないような結果では意味がありません。「向上心」を持ったことで得た自分や周囲の変化によって、結果が大きく変わるほどに自己PRとしては価値を発揮します。
そのため、「向上心」を持たない場合の結果と、「向上心」を持った際の結果が分かりやすく比較できると、より面接官の理解を深めることができるでしょう。
自己PRで「向上心」を伝える例
ここまで、自己PRで「向上心」を伝える例を紹介してきました。
ここからはより実践的に、「向上心」を伝える例文をご紹介します。
①責任感を元に「向上心」を伝える例
②努力を継続することを「向上心」として伝える例
③失敗をバネに改善していく「向上心」の例
「向上心」を具体化した4つの例を紹介するので、自分に近い「向上心」を見つけてみてくださいね。
①責任感を元に「向上心」を伝える例
まずは、責任感という具体例を元に「向上心」を伝える例です。
責任感がカギとなる場合に想定されるエピソードとしては、「アルバイトでより多くのお客様を担当する立場になった」という内容や、「部活動で部長を務めることになった」といった内容が想定されます。
<例>アルバイトに関するエピソード
「私は飲食店のアルバイトでバイトリーダーになったことをきっかけに、お客様の満足度を高めるための工夫を行いました。責任ある立場になったことで、店舗全体の売上が気になるようになり、これまで以上に向上心を持って接客に取り組む必要を感じました。
そのために、まずは常連のお客様に対する対応をバイトメンバー内で共有し合うなどして、お客様の情報が抜け漏れないようにしました。お客様の満足度が上がることで、バイトメンバーのモチベーションも高くなります。これにより、店舗全体の空気が良くなり、店舗売り上げが毎日1.2倍ほどになりました。…」
このように、「向上心」はゴールではなく過程をつくる一つとして取り入れることで、責任感をアピールすることが可能です。
②努力を継続することを「向上心」として伝える例
「向上心」を伝える例として、継続的な努力も非常に分かりやすいのではないでしょうか。
継続的な努力がカギになるエピソードとしては、「資格取得のための努力」、「留学への切符獲得までの努力」などの内容が想定されます。
<例>留学に関するエピソード
「私は向上心を絶やさずに勉強したことによって、想定よりも難易度が三段階高いアメリカのXX大学へ留学することができました。
私は金銭的な事情から、学校推薦で留学することを検討していました。英語を専攻しているため、本場の英語に触れながら学びたいと思ったことがきっかけです。しかし、英語レベルは決して高くなく、大学の基準内では最も低いランクに位置する大学への留学が妥当でした。しかし、せっかく留学するなら高いレベルの大学に行きたいと思い、大学の英語の授業を可能な限り取るだけでなく、英会話レッスンに通ったり、アプリを活用した言語学習を行いました。
この結果、飛躍的に英語力が上がり、TOEFLの点数は〇点から▽点に伸びました。そして想定より三段階上の大学への留学が決まりました。向上心を忘れることなく、努力することで結果を得ることができることを学びました。」
このように、継続的な努力は「向上心」を伝えやすいエピソードと言えます。
③失敗をバネに改善していく「向上心」の例
失敗をバネにするという具体例も、「向上心」を伝えるためには分かりやすい例です。
「受験に失敗した経験をバネに勉強した」といった内容や、「サマーインターンシップにたくさん落ちたことをバネに、就活対策を徹底して行った」などの内容が想定されます。
<例>就活に関するエピソード
「私はサマーインターンシップにたくさん落ちたことをきっかけに、自己分析と自分の強みを磨くことを徹底して行いました。このような行動を取ることができた根底には、私が強く向上心を持っていることが挙げられます。現状に満足せず、落ちてしまった原因を見つめ、克服できるように自分を磨くことで、より自分の理想的な企業に巡り合えると信じて行動してきました。…」
失敗をバネにする「向上心」は他の具体例よりも分かりやすいだけでなく、応用しやすいことから、ぜひ自分のエピソードを当てはめてみてはいかがでしょうか。
自分なりの「向上心」で自分の魅力を最大化しよう!
本記事では、「向上心」を自己PRに活用することの良し悪しや、実際に活用する際のポイントや注意点などを詳しく紹介してきました。
「また向上心か、と思われないかな…」「ありきたりだからこそ、上には上のエピソードがありそう」「もっと違う自己PRの方が魅力を感じてもらえる?」といった疑問を解決することはできたでしょうか?
色んな人が選択しやすい長所ほど、自分の言葉で具体例を含めて話すことが大切です。
ぜひ自分なりの「向上心」を言語化することで、企業に魅力をアピールしてくださいね。