
【企業選び】大企業の福利厚生は?具体的な内容を解説
2022年10月24日更新
はじめに
企業の「福利厚生」と聞いて、具体的にどのようなもののことか分かる就活生はどのくらいいるのでしょうか。
おそらく、就活を進めていっても福利厚生についてあまり詳しい説明がないことが多いでしょう。
「福利厚生が充実していると言われても具体的にどんなことなのか想像ができない」
「福利厚生の中でどんなものがあるとすごいの?」
「大企業は福利厚生が充実しているの?」
今回は、このように福利厚生について疑問に思った就活生向けに記事を書きました。
就活で福利厚生は見落としがちですが、充実している企業とそうでない企業で従業員の満足度は変わってきます。
この記事では、大企業の福利厚生について詳しく見ていきます。福利厚生についてしっかりと知り、企業選びの参考にしてみてください。
もくじ
1.そもそも福利厚生とは?
2.大企業の福利厚生は充実している?
3.大企業ほど福利厚生に力を入れる理由
4.福利厚生は大きく2種類ある
5.法定外福利厚生の具体的な内容は?
6.おわりに
1.そもそも福利厚生とは?
福利厚生という言葉はよく耳にすると思いますが、ここでは定義と目的を見ていきましょう。
定義
・従業員やその家族に対して、賃金以外に用意するサービスや支援のこと
目的
・従業員やその家族の経済面、健康面など生活の安定と向上
・従業員に働きやすい環境を提供すること
就活生など入社前の方は福利厚生の恩恵をあまり想像しにくいですが、福利厚生の恩恵は入社後、とてもよくわかります。
働いてお金ももらっているのに、さらにサービスや支援を受けられるなんてすごいですよね。
2.大企業の福利厚生は充実している?
一般的に、大企業の福利厚生は充実していると言われています。
それは、中小企業などよりも大企業は資金面で優位にあることが多いため、福利厚生に充てられる金額も多額なのです。
そのため、大企業の多くは福利厚生が充実しています。
中小企業でも企業によっては福利厚生が充実していることもありますが、大企業ほどではありません。
3.大企業ほど福利厚生に力を入れる理由
大企業が福利厚生に力を入れる理由として、社員の満足度やCSRの観点から福利厚生を充実させていることが多いです。
企業によって福利厚生の内容は違いますが、多くの従業員を雇っている分、従業員への恩恵もしっかりと与えることで、長く健康に働き会社に貢献してもらいたいと思っています。
4.福利厚生は大きく2種類ある
知らない方も多いと思いますが、福利厚生には「法定福利厚生」「法定外福利厚生」の2種類あります。
法定福利厚生
法定福利厚生とは、法律で企業に導入を義務付けられている最低限の福利厚生のことです。
ある一定数の従業員が属しているなど条件に当てはまる企業は、必ず法定福利厚生を導入しなければなりません。
下記6種類が法定福利厚生です。
・健康保険
・厚生年金
・雇用保険(失業保険)
・労災保険(労働保険)
・介護保険
・子ども・子育て拠出年金
法定外福利厚生
法定外福利厚生は、法律で導入を義務付けられていない、企業独自に導入することができる福利厚生のことです。
従業員が働きやすい環境を作ったり、従業員の健康維持増進のために企業が導入する福利厚生です。企業独自のものなので、内容は企業によって変わってきます。
(一例)
・交通費支給
・住宅手当/家賃補助
・病気休暇制度
・健康診断/人間ドック費用補助
・ワクチン接種補助
・社内託児所の設定
・社員旅行
・短時間勤務
・フレックスタイム制度
・書籍購入費補助
・育児休業制度
・介護休業制度
など
5.法定外福利厚生の具体的な内容は?
教育・研修制度
大企業には充実した教育・研修制度が用意されています。
例えば、新入社員として入社すると、新入社員教育が1ヶ月~3ヶ月ほど実施され、社会人としてのビジネスマナーやその企業の事業についての研修など色々なカリキュラムが設計されています。
新入社員でも様々な教育・研修制度があるので、勉強しながら安心して働くことができるのです。
新入社員以外にも、入社後階層別教育・研修などがあり、自分のレベルに合った教育を受講することができます。
また、内容によっては、外部で受講すると5万、10万円ほどする専門的な内容も社内で無料で業務時間内に受けることができます。
残業代支給
残業代支給もかなり大きなポイントになります。
一生懸命遅くまで働いても、残業代が付かないと、時間をかけて会社のために仕事をした頑張りが報われません。
大企業では、多くの企業で残業代は100%出ます。
中小企業は、残業代の一部が出る、もしくは全く出ないこともあります。
また、大手企業はパソコンのログイン情報が記録されていることが多いため、サービス残業などできない仕組みになっている企業も多いです。
ボーナス
大企業の多くは従業員にボーナスを支給しています。
会社の経営状況によって、支給月数は変動しますが、基本的に半期に1回ボーナスをもらえます。ボーナスの有無で年収も大きく変わるので大きなポイントです。
就活生は、ボーナスが支給されるか、支給される月数はどれくらいかを必ずチェックしておきましょう。
通勤バス
都心などはあまり聞かないかもしれませんが、地方企業では、駅から会社が遠いことも多いです。
その際、通勤バスの利用ができます。車がなくても通勤バスを利用して出社することができます。
通勤手当
通勤時の交通費の支給はマストでほしい福利厚生です。
会社に働きに行くのにその交通費が出なかったらモチベーションも上がらないですよね。
大企業の中には、実際かかった交通費よりも多めに支給される企業もあります。
車通勤やバイク通勤などは特に、実際の距離×ガソリン単価に割り増しした金額を支給されることが多いです。
バスや電車だと、定期券代を全額会社が負担してくれることが多いです。
社内食堂
多くの大企業では格安でお昼ご飯を食べることができます。
一食500円以内で定食が食べられるイメージです。また、栄養バランスを考えたメニューになっていることが多く、健康面でも助かります。
売店/コンビニ
企業内に売店やコンビニがある企業もあり、お昼休みに飲み物やお菓子を買ったりとリラックスタイムを充実させることができます。
また、何か忘れ物をした際にも役立ちます。
自己啓発支援(通信教育費用補助)
企業によっては、自己啓発を支援してくれる制度があります。
例えば、通信教育費用を補助してもらえる企業もあります。
申し込みなども会社が一括して行ってくれるため、手続きもほとんど必要ありません。
労働組合
労働組合がある企業は、不当な処遇を受けることがなかったり、給与のベースアップや昇給、ボーナスなどの交渉ができたりと従業員が労働組合から守られています。
また、労働組合が開催するイベントなどもあり、社内の人たちと楽しむことができます。
海外留学制度
会社に属し、給料をもらいながら海外留学ができる制度がある企業もあります。
海外留学をすることによって、色々な知識やスキルを身につけ、業務に活かしてもらうという目的があります。
社宅/独身寮
社宅や独身寮は大企業になればなるほど、補助額が充実しています。
提携している社宅や独身寮があり、家賃も安価で定期的なメンテナンスもあり、かなり配慮されているでしょう。
さらに、職場とはまた違って、社宅や寮で仲良くなり、人脈の構築にもつながることがあります。
住宅手当/家賃補助
住宅手当や家賃補助は、大企業であればあるところが多いです。
しかし、大企業では従業員数が多いため、好立地やメンテナンスを考えると、課題もあるようです。
企業の中には、下記のように住宅手当として選択できる制度があります。
・借り上げ社宅の提供
・従業員寮の提供
・住宅ローン補助
家族手当
家族がいる従業員には家族の人数分家族手当を支給している企業もあります。
育児などでお金もかかるため有難い手当ですね。
社内託児所
仕事と子育てを両立しやすくするために社内託児所がある大企業もあります。
会社の休み等に合わせた保育時間にしてもらえるなど、融通が利きやすいです。
健康診断/人間ドック受診費用の補助
近年、健康投資に力を入れている企業が多く、従業員が毎年受ける健康診断や人間ドックの費用を会社が負担してくれる福利厚生です。
健康面での支援を福利厚生に入れる大企業は多くなっています。
フレックスタイム制度
企業によって働く定時間は異なりますが「9:00~18:00」や「8:00~17:00」などと就業時間がしっかりと決まっていることが多いと思います。
しかし、フレックスタイム制度を使用すると、自分自身の裁量で出勤時間や退勤時間を決めることができます。
プライベートな用事があるときなどに有効活用できる制度です。
慶弔休暇
年齢を重ねるにつれて、慶事や弔事の場に出席することも増えてくると思います。
特に弔事については、様々な負担がかかり、精神的な疲労も大きいと思います。
そんな中、会社を休んだら欠勤となってしまうのは嫌ですよね。
慶弔休暇制度がある企業ではそのような場面にも柔軟に対応してもらえます。
育児休暇/休業
幼い子どもを子育てしながら仕事をするのが難しい方には育児休暇や育児休業制度が使える企業もあります。
特に、大企業では育児休暇/休業制度を導入している企業がほとんどだと思います。
育児のためにしっかり休んだ後、復帰する場所が用意されているのは魅力的ですよね。
また、中小企業でも育児休暇/休業制度がある企業もありますが、そもそも従業員数が少ないため、制度を使いにくく、結局使いたい時に使えなかったという声も聞きます。
一方、大企業では、従業員数が多く、対象人数も多いため、当たり前のように男性も女性も育児のために休暇や休業を取っています。
介護休暇/休業
育児同様、介護が必要な家族がいる場合などに介護休暇/休業制度を使うことができる企業もあります。
今後、高齢化が進んでいくと今よりも介護休暇/休業の重要性が高まります。すでに介護休暇/休業がある企業を選ぶと安心です。
健康保険組合
健康保険組合とは、会社とは別の組織となり、病院を受診した際に全額の7割を支払ってくれる機関です。
医療費が自己負担3割で良いのは、この健康保険組合に加入しているからなのです。
基本的には、従業員700人以上の会社が健康保険組合を設立することができます。
団体自動車保険
大企業の中には、団体自動車保険に加入することができる制度があります。
従業員数が多い企業では、格安で保険に加入することができます。
新車購入貸出金
自動車系の会社だと新車購入貸出金制度があることが多いです。
新車を購入する際、一度に全ての額を支払えない時に会社からお金を借りることができる制度です。
入社後すぐにはなかなかお金が貯まらない新入社員も安心して車を購入することができます。
カフェテリアプラン
会社から従業員に年間数万円に相当するポイントが与えられ、そのポイントを使って、会社の福利厚生費用を使うことができます。
基本的には、自分の好きなようにポイントを使える制度です。支給ポイントは大企業になればなるほど大きいです。
保養所
大企業は観光スポットなどに保養所を持っていることが多いです。
最近では、保養所だけでなく、リゾートホテルや全国のホテルの割引チケットなども用意されています。
トレーニングルーム
社員の健康面を考え、社内にトレーニングルームを設置する企業も多いです。
全て無料で利用することができます。
トレーニングルームには一般のスポーツジムにあるようなトレーニング器具が置いてあることもあります。
また、企業によってはヨガマットやストレッチポール、バランスボールなど手軽に運動ができるものも用意されています。
仕事終わりやお昼休憩時に利用する従業員も多いでしょう。
部活/サークル活動等の支援
大企業にはたくさんの部活動やサークル活動があることが多いです。
その部活動にかかる部費やサークル活動にかかる費用を会社が一部負担することがあります。
社内ならではの支援であり、安く気軽に楽しめます。
テーマパーク、レジャー施設の斡旋
大企業によくある福利厚生が、テーマパークやレジャー施設のチケットを格安で購入できる制度です。
有名なディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンなどのチケットも格安で購入できることがあります。
仕事だけでなく、プライベートも充実できるような制度が整っていることが多いです。
6.おわりに
福利厚生と一言で言っても数えきれないほどの種類があることが分かったと思います。
企業によって導入している福利厚生が違うため、企業選びの際は、福利厚生で自分自身が譲れない項目をピックアップし、福利厚生が充実しているかどうかで判断するのも一つの方法として良いかもしれません。
就活ではあまり具体的な福利厚生の内容が書かれていない企業も多いため、分からない場合は直接社員の方に聞いてみましょう。