
【簡単攻略】企業研究で使える必殺2ステップとは
2022年10月10日更新
はじめに
「企業研究って、何をやればいいの?」
「どこまでやればいいの?」
「企業研究のコツを知りたい」
など、初めて企業研究を行う人にとっては、戸惑いしかありませんよね。
企業研究の目的は、
①あなたが入りたい企業を発見するため
➁志望動機の理由を発見するため
の主に2点ですが、要は「その会社じゃなければダメな理由」を探すためだと思ってください。
ただ、企業研究というと「何か難しいことでもするのかな?」と不安になるかもしれませんが、企業研究は正しいパターンさえ覚えておけば、あとは1パターンで大丈夫です。
本記事では、その企業研究の必殺パターンをお伝えします。
「何を」「どのように」さえ掴んでおけば、怖いものは何もないので、10分ぐらいで最後まで一気読みしてくださいね。
1.企業研究で使える時間節約2ステップ
実は、1社を企業研究するだけで、膨大なエネルギーが要ります。
頭のいい人は、まずは大枠で企業群の相対的なポジションを捉えたうえで、絞り込んだ企業だけに限定して企業研究を行います。
でないと、手当たり次第に思い付きで企業研究すると、かなり消耗します。
今回お伝えする方法はマクロ→ミクロに落とし込んで情報収集するやり方なので、マクロの段階で不要な企業を取捨選択でき、かなりタイムパフォーマンスがいいです。
以下で、そのやり方を2ステップに分けて解説します。
ステップ1:その企業をマクロで捉える
まず、その企業を大枠で捉えたうえで、自分が志望すべき会社なのかを押さえる必要があります。
いきなりその企業のミクロ情報を収集してしまうと、業界という「森」全体を見渡せていない状況で、御社という「木」だけを見て、この「木」は「自分に合ってるのかな、どうかな」と思案している状況と同じだからです。
まずはその企業の相対的なポジションやビジネスモデルをマクロ的に把握して、あなたが行きたい企業なのかを選別したうえで、ミクロ情報を収集したほうが時間の節約ができます。
マクロ的には、
①業態
➁企業規模
➂資本系列
➃エンドユーザー
の4つの項目でフィルタリングするといいです。
それでは1つずつ中身を確認していきましょう。
①業態でフィルタリング
「業態」とは何かというと、商品の売り方やサービスの提供方法です。
たとえば、アパレル業界でみると
✓ 百貨店
✓ 量販店
✓ 専門店
✓ 通信販売
など、会社によって業態が異なります。
もちろん、業態の垣根を超えて、「百貨店販売」と「通信販売」の両方をまたいでいる会社もあるので一括りにできませんが、どこを主戦場にしているのかをチェックすることは大切です。
➁企業規模でフィルタリング
企業規模は下記のとおり、4つのレイヤーに分けて層別してきます。
区 分 | 売上高 | 従業員 |
業界最大手 | 〇〇円以上 | 〇〇万人以上 |
業界準大手 | ▲▲億円以上 | ▲▲万人以上 |
中 堅 | □□億円以上 | □□千人以上 |
小規模 | □□億円以下 | □□千人以下 |
もちろん、売上高の大きいほうが大きなプロジェクトを任されたり、取り扱い量も多くなるので、スケールメリットを感じられるダイナミックな仕事ができます。
逆に、中堅以降になると差別化された売り方でないと生き残れないので、色々試行錯誤しながら業界大手がマネできない専門性や商品で対抗していくことになりますので、ニッチな分野にこだわりたい人には向いてますよね。
また、従業員が多くなればなるほど、その他大勢感が出てきて、組織の歯車として生きていくようになります。
一方で、従業員が少ない中堅以下になると、1人1人に与えられる仕事量や範囲、裁量が大きくなるので、広く深くスキルを身に着けたい人には向いています。
いずれにしても、このような規模感は会社を選定する上で重要なファクターになりますので、企業研究の段階で自分はどんな規模感で働きたいのかを明確にしておいてください。
➂資本でフィルタリング
次に資本でフィルタリングしていきます。
たとえば、人材業界を引き合いに出すと、
✓独立系
✓メーカーの系列系
✓外資系
に分かれます。
独立系であれば、ベンチャー的な要素があり、一緒に成長している感がありますが、同時に不安定感も伴います。
メーカーの系列系であれば、ブランドの看板でビジネスしやすいですし、給与や福利厚生も本体に準じた扱いとなりますので、水準は遜色ありません。
一方で、外資系の場合は「即戦力」や「成果」を要求される反面、高収入が期待できますので、向上心のある人にとっては向いている系列になります。
いずれにしても、まずは日系か、外資系かという括りで分けて、日系であれば、独立系 or 子会社系を区分しながら、選択肢を徐々に狭めていく作業が大切です。
➃エンドユーザーでフィルタリング
最後の方法は、その企業の商品やサービスをどのようなターゲット層にどの地域で売っているかで下記のように区分していきます。
✓個人消費者 or 法人
✓ターゲットの年齢層
✓ターゲットの性別
✓国内販売 or 海外販売
このように商品やサービスを提供したいユーザーは「誰なのか」、それは「国内」なのか、「海外」なのかをセグメントすることもフィルタリングの1条件になりますね。
いずれにしても、個社の企業研究に入る前に「業態」「企業規模」「資本系列」「エンドユーザー」で、ザックリとフィルタリングして企業を絞り込めば、的が絞れてタイパのいい企業研究が可能となります。
ステップ2:その企業をミクロで押さえる
ステップ1でフィルタリングして残った御社に対して深掘りして企業研究を行っていきます。
企業研究で押さえてほしい内容は下記の5項目です。
①企業の基本情報
➁企業の事業内容
➂将来の展望
➃社風
➄求める人物像
それでは中身を1つずつ見ていきましょう。
①企業の基本情報
まずは会社の基本情報を押さえておきましょう。
会社の基本情報とは下記のような項目です。
✓企業理念
✓設立年度
✓企業の沿革
✓資本金
✓所在地
✓事業内容(商品やサービス、BtoC or BtoBなど)
✓取引先
など、会社の「骨格」となる部分です。
➁将来の展望
もちろん、御社の歴史を調べておくことは大事ですが、これからあなたはその会社で数年単位、数十年単位の間、お世話になる可能性があるわけです。
入社した会社が倒産の憂き目にあって、突然「明日から解雇」と言い渡されても、泣くに泣けませんよね。
また、順調に成長する企業に入れば、年収や福利厚生といった処遇がだんだん良くなりますが、逆の場合は現状維持が精一杯で、最悪の場合は下降線の一途を辿り辛い目に会うかもしれません。
そういう意味で、御社の将来展望を確認しておくことは意味があります。
➂社風
もし、社風が自分に合っていないと、その空気感の中で存在することがいたたまれなくなり、場合によっては、精神疾患や退職という悲惨な結果につながります。
企業によって独自のカラーがあり、その社風が自分に向いているのかどうかを事前に確認しておくことは大事です。
私自身は2社の経験がありますが、1社目の松下電器産業株式会社(現、パナソニック社)では、創業者の松下幸之助氏の「水道哲学」や「ダム経営」、「社員稼業」などの経営哲学が社員のDNAに深く刻み込まれていました。
朝礼でも遵奉すべき7精神を読み上げたり、みんなの前で所感を話すなど、独特の雰囲気がありましたね。
2社目の住友系のメーカーでは「確実を旨とし」や「不利を追わず」といった住友精神が仕事の中でちょくちょく話に出るなど、後世に脈々と語り継がれているなという感触を得ました。
それぐらい会社には独自のカラーがあり、千差万別であるがゆえに、その社風と自分との相性を見定めることにより、入社後のミスマッチを防止できますね。
➃求める人物像
「求める人物像」は必ず押さえておいてください。
なぜなら、求める人物像から逆算して、自己PRや志望動機、ガクチカをアピールしなければならないからです。
たとえば、「チャレンジ精神旺盛な人」が求める人物像だった場合に、「石橋を叩いて渡るタイプです」と訴えられても響きませんね。
このように一見強みだと思えることでも、相手のニーズによって響くかどうかが変わるということです。
いずれにしても、ESや面接では「求める人物像なら何て言うかな?」と想像しながら、それに近寄せてアピールすることが大切になってきますので、企業研究の段階で押さえておくことが肝要です。
制度や採用情報
制度というのは、給与制度や評価制度、教育制度、福利厚生、休暇・休業制度、退職金制度や企業年金制度などを指します。
これらの制度は入社してから勤続期間中も、退職する際もお世話になる重要な要素になりますので、在籍期間中の不満につながらないように確認を怠らないほうがいいですね。
また、就活で重要な情報になる
✓採用人数
✓初任給(初年度月収例)
✓募集職種
✓選考プロセス
✓応募・選考時提出書類
なども押さえておけば「こんな選考があるとは思わなかった」という事態を避けることができます。
2.企業研究の情報収集法10選
「企業研究でリサーチしないといけない項目はわかりました。次に、どんな手段で情報収集したらいいでしょうか?」
情報収集する手段は10個あります。
ネットで収集する方法とアナログで実際にヒアリングして収集する方法があるので、1つずつ紹介していきますね。
①企業のホームページ
ホームページに行けば、会社の沿革や事業内容などが掲載されていますので、基本情報は入手できます。
その中でも「社長メッセージ」と「採用情報」、そして「IR情報」は押さえておきたいですね。
「社長メッセージ」では、社長の経営に対する考え方や御社を取り巻く経営環境、今後の会社方針などが示されています。
このメッセージの中でマクロ的な情報が入手できますね。
続いて、「採用情報」ですが、就活に直接関わる入社時の条件や採用プロセス、募集職種などを確認できるので必須ですね。
そして、「IR情報」です。
「IR」とは「Investor Relations」の略で、企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績、今後の見通しなどを広報するための活動です。
「IR情報」の中に御社の中期計画や決算説明会など、現在の御社の置かれた状況や将来的にどのような計画でどこに進もうとしているのか説明されていますので、御社の展望が一発で把握できるわけです。
「IR情報」は意外と見落とされがちですが、貴重な情報が詰まっていますので、ぜひチェックしてくださいね。
➁就活サイトの企業ページ
次に、マイナビやリクナビなどの就職サイトの企業ページを確認していきましょう。
企業のホームページの「採用情報」と似通った情報が掲載されていますが、就職サイトでないと載っていない情報も時々ありますので、違いがあれば拾っておいてください。
➂業界地図
会社四季報の「業界地図」は、業界ごとに主要な企業の順位・業績・提携関係などを「地図」にして、視覚的に分かりやすく解説したものです。
ステップ1のマクロで捉えるときに重宝しますね。
加えて、企業をとりまく状況、業界の規模、今後予想される動きを知ることができますので、手っ取り早く御社の業界の立ち位置や今後の需要を知りたい場合に有用です。
➃関連書籍
大企業でなければ入手できないかもしれませんが、御社に関連した書籍もチェックしておくといいでしょう。
「御社名 書籍」で検索するとヒットしますが、そのような書籍では内部の考え方や動き方
が手に取るように把握できるので、おススメです。
➄新聞・ニュース
今はネットニュースで社名を入れて検索すると、簡単に情報を入手できますね。
新聞だと「日本経済新聞」が比較的情報量が多く、御社の情報を抜き取りやすいです。
加えて、経済動向や業界の展望なども解説してくれているので有能です。
⑥OB/OG訪問
ここからはアナログで、取材のような形態で情報を取る方法です。
1つ目はOB/OG訪問です。
OB/OG訪問は、あなたに近しい年代の先輩たちから比較的フランクにヒアリングできるチャンスの場です。
時にはオフレコで企業内部の情報も教えてくれるので、鮮度の高い情報が手に入りますね。
ただ、ネットで調べればわかるような基本的な質問は禁じ手なので、どうしても入手できない、内部にいる人でないと答えられない質問を準備することがコツです。
➆会社説明会
会社説明会後半の質問コーナーでは、質問の仕方次第であなたが欲しい情報を入手することが可能です。
ただ、会社説明会は人事が会社の看板を背負って社をアピールするために参加しています。
そこで下手なことを言ってしまうと好感度が落ちますので、基本的にプラスの部分しか言いません。
相手もプロなので、グレーゾーンや答えたくない質問に対する答えは軽くかわしてきますので、あまり期待しないほうがいいかもしれません。
⑧インターンシップ
短期のインターンでは、会社説明会を上回る情報はあまり期待できませんね。
長期インターンで実際に業務経験したりすれば、社内の雰囲気や社員の発言ややりとりを間近で見れますので、内部に潜入しなければ入手できない情報を5感で捉えることができます。
どうしても行きたい会社があるのであれば、長期のインターンに参加しておくと、顔を売るチャンスですし、就職のミスマッチも防げるので一石二鳥です。
➈社員座談会に参加する
時々、会社説明会のあとに社員座談会を準備する会社もあります。
これはOB/OG訪問の団体版ですが、OB/OG訪問よりも会社の看板を背負っている感がありますので、インフォーマルな情報は期待しないほうがいいでしょう。
ただ、あなたと比較的近い世代が出てきますので、ノリのいい先輩だと言えないこともポロッと喋るかもしれませんね。
➉内定者
大学のキャリアセンターに行けば、先輩の就職先をつかんでいますので、キャリアセンター経由で引き合わせてもらえば内定者からヒアリングすることも可能です。
内定者はすでに企業研究を行っていますし、インターンシップや会社説明会、実際の選考などの経験を通じて、体感での情報やノウハウを持っています。
そんなホヤホヤな生の情報を入手しない手はありませんね。
たぶん、大学の後輩だと優しく丁寧に教えてもらえるので、積極的に先輩を活用しましょう。