【元人事が解説】ガクチカのゼミ・アピールで絶対に入れ込んで欲しい4つの内容とは

【元人事が解説】ガクチカのゼミ・アピールで絶対に入れ込んで欲しい4つの内容とは

2022年10月10日更新

はじめに

「ゼミ活動はガクチカのテーマとして、ありきたり?」

「ゼミはそこまで熱心に取り組んでいないので、ガクチカを書ける気がしない(汗)」

「ゼミのガクチカの書き方が分からない…」

 

と悩んでいませんか?

 

ガクチカの題材はすべてそうですが、見せ方にひと工夫がいります。

 

ゼミ活動の経験という事実は変わらなくても、それをどう見せるかで全く評価が異なってくるからです。

 

それは、同じ素材でも、切り方や火加減、味付け、盛り付け方で全く違った料理に変身する現象と似ています。

 

本記事では、どのようにゼミ活動を調理して効果的な味付けや盛り付けをすればいいかを指南していきます。

 

10分ぐらいで不安になっていたゼミのガクチカが人事受けするアピール度満載のガクチカに激変しますので、最後まで一気にお読みくださいね。

1.ゼミでガクチカを題材にするのはアリ?

まずゼミを題材にしてガクチカ・アピールしようとする場合に

 

「ゼミってありきたりでは?」

「ガクチカでゼミってアリなの?」

「ゼミでは差別化できないのでは?」

 

など、ゼミがガクチカのテーマとしてふさわしいのかどうか気になるところだと思います。

 

結論から言うと、ガクチカでゼミのエピソードを用いるのはアリです。

 

また、学生の本分は「学業」なので、ゼミをガクチカとして取り上げるのは「ごもっとも」ですし、胸を張ってアピールして問題ありません。

 

特に文系の場合、ゼミ活動は部活やサークル、アルバイト、ボランティアに比べれば、ガクチカのテーマとしては数こそ少ないです。

 

ただ、新型コロナの感染拡大で、アルバイトや部活・サークル活動に制約が出る中、自ずとそれらをテーマにしたガクチカはアピールしづらいので、コロナ期間が被った学生はゼミをガクチカのテーマにする傾向が強くなると思います。

 

また、人事側もコロナでアルバイトの職を失ったり、部活・サークルの練習や試合ができなくなるなど、活動自体に影響が出ることは百も承知なので、取り組んだ結果(アウトプット)よりも取り組む過程(プロセス)に、よりウエイトをかけて評価する方針に切り替えています。

 

そんな中で、人事はゼミ・ガクチカを見ながら、聞きながら、何を知ろうとしているのか、次の章で一緒にみていきましょう。

2.ゼミ活動の経験で人事は何を見ている?

ガクチカでゼミ・アピ―ルする学生に対して、人事は何を知りたがっているのか?

 

それは、大きく下記の5つです。

 

①なぜ、そのゼミを選んだのか?

➁ゼミでどういうことに取り組んだのか?

③ゼミでどんな能力を培ったのか?

➃ゼミでどんなマインドを形成したのか?

➄その能力とマインドが企業でどう活かせるか?

 

以降で、1つずつ解説を加えていきましょう。

 

①なぜ、そのゼミを選んだのか?

 

数あるゼミの中で、なぜその学生がその専門を選んだのかに人事は興味があります。

 

そこにその学生の興味関心や趣味嗜好など「知的好奇心」がどの分野に向いているのかが把握できるからです。

 

「知的好奇心」は人を成長させる原動力になるので、何に興味関心があるかを知ることで、実はどこに配属しようかを考えている節があります。

 

たとえば、

 

「会計のゼミを選んだ学生なら数字にアレルギーがなく、会計知識もあり、会計自体に興味があるはずなので、経理配属がいいかも?」

 

とか、

 

「セラミックの材料について研究しているので、材料開発の部門にいいなぁ」

 

など、人事は面接を通じてアレコレ考えています。

 

採用計画でどの部署に何人新卒を採用すると決まっていますので、その採用枠を充足すべく、人事はESや面接を通じて、どの部署に送り込もうかという見方を常にしています。

 

ゼミの専攻は配置の格好の材料になるので、なぜそのゼミを選んだのかに興味があるわけです。

 

でも、なかには

 

「いや~、単位が取りやすいと聞いたから…」

「先輩に誘われて、何となく…」

「先生自体が面白そうだったから!」

 

という人もいますよね。

 

かくいう私も「単位を取るのが楽そうなので」という理由で好きでもない「会計学」を専攻したのを覚えています。

 

気を付けて欲しいのは、ゼミを選んだ理由がどんなにあやふやでも、それをダイレクトにそのまま伝えてはいけないということです。

 

そこは、是が非でも、もっともらしい理由に仕立て上げなくてはいけません。

 

ここは着飾ってもいいので、厚化粧をした理由をアピールしましょう。

 

➁ゼミでどういうことに取り組んだのか?

 

ゼミを選んだ理由がわかると、次に「そのゼミでどういうことに取り組んだのか」に人事の興味関心は移ります。

 

何事も「何か課題があって、それをどのように解決していったのか」というストーリーを聞きたいからです。

 

その課題は「研究する材料(文献)がない」といった個人的な解決すべき問題(課題)から、チームの意見が割れて収拾がつかないといったチームで解決すべき問題かもしれません。

 

いずれにしても「課題」がないと話が始まらないので、何に取り組んだのかを話すことによりストーリーの口火を切ることができるのです。

 

③ゼミでどんな能力を培ったのか?

 

「どういうことに取り組んだのか」が分かれば、人事の関心は「その取り組みを通じてどのような能力が手に入ったのか」に移ります。

 

人事は、

 

「この学生は入社したら活躍してくれそうか?」

 

という答えが欲しいわけです。

 

当然、それは「即戦力」としての能力でなくても、OKです。

 

将来的に活躍しそうな気配、言い換えれば、ポテンシャルの能力が1ミリでも感じられたら、合格ポイントに加算されていきます。

 

そのために注意してほしいことは、

 

「相手が求める能力に添わせる」

 

ということです。

 

相手の求めていない、ニーズのない能力を「私はこんなこともできます。あんなこともできます」という風に延々とアピールされても、馬耳東風です。

 

なので、相手がどんな能力を欲しがっているのか、採用情報や会社説明会、OB/OG訪問などで事前にリサーチしておいて、そこにミートさせていくアプローチが重要だということですね。

 

➃ゼミでどんなマインドを形成したか?

 

次に、人事としては、ゼミの取り組みを通じて、その学生がどんな考えや価値観を形成したのかも興味があるところです。

 

いくら能力があっても、マインドが脆弱だと成果が上がらなかったり、場合によっては負の成果に向かう可能性があります。

 

たとえば、「オレオレ詐欺」なんかも巧妙な説得力や相手を誘導する能力に秀でているので、被害が後を絶たないのです。

 

「大金を巻き上げて相手が困っても、自分だけがよければいい」「騙される相手が悪い」という誤ったマインドの上にその卓越した能力を活用すれば、犯罪という反社会的な行為に転落するわけです。

 

ここまでの邪悪なマインドは極論ですが、企業側が持っておいて欲しい適切なマインドをゼミのガクチカでアピールできれば、基準点に加算されるというわけですね。

 

➄それらが企業でどう活用できるのか?

 

人事が最後に知りたいことは、「ゼミ活動で得たスキルやマインドを使って、どのように会社貢献できるのか?」です。

 

それは、「あなたを雇う理由」と言い換えてもいいかもしれません。

 

要は、「こういう能力を身に付けました」「こういうマインドを形成してきました」だけでは弱いんです。

 

これだけをクドクド説明されても、人事の反応としては「それで?」です。

 

なので、あなたは「私はこのようなスキルやマインドを培ってきましたので、御社の〇〇に貢献できると自負しています」ぐらいの気迫でフィニュッシュしてほしいと思っています。

 

要は、最後に人事の背中を押す「ヒ・ト・コ・ト」が欲しいわけです。

 

ここが抜けるとボンヤリしたガクチカに終始しますので、人事が学生にアピールして欲しいことだと思って、欠落しないように気を付けてくださいね。

3.ゼミでウリにできる能力とは?

「人事が知りたいことはわかりました。でも、ゼミ・アピールでどんな能力やマインドを打ち出ししたらいいのかが分かりません…」

 

なるほど、もちろん相手の求める人物像に近寄せてアピールすることが不可欠ですが、ゼミで売り込む能力やマインドは下記のようなものがあります。

 

ぜひ自分の伝えたい能力やマインドを決め込んで、それを訴求するためのストーリーを作り上げてくださいね。

 

【ゼミでアピールできる「能力」と「マインド」の例】

 

能  力・コミュニケーション能力

・スケジュール管理能力

・課題解決能力

・プロデュース力

・臨機応変に対応する力

・異なる意見を調整する力

・表現力

・傾聴力

・情報整理力

・課題発見力

・課題解決力

・モチベーション維持能力

マインド・主体性

・チャレンジ精神

・責任感

・探究心

・リーダーシップ

・協調性

・忍耐力

 

4.ゼミのガクチカの型と例文

「人事がゼミ・アピールで知りたいことはわかりました。自分の伝えたい能力やマインドについても目星が付きました。でも、それをガクチカの中でどのように表現したらいいのか、皆目見当がつきません(汗)」

 

なるほど。

 

何事も「型」と「模範例」がないと、雲をつかむような話でイメージが湧きませんよね。

 

それでは以降で、ガクチカでゼミ・アピールするときの「型」と「例文」をお示ししましょう。

 

 

それでは、まず「型」です。

 

「型」は相手が知りたいことから逆算して構成していきます。

 

ところで、人事が知りたいことは何だったでしょう? 覚えていますか?

 

そうです。

 

①なぜ、そのゼミを選んだのか→興味関心を伝える

➁ゼミでどんな能力を得たのか→能力を伝える

➂ゼミでどんなマインドを形成したのか→考え方や価値観が伝える

➃その能力やマインドはどう仕事に活用できるのか→あなたを雇うメリットを伝える

 

でしたね。

 

したがって、あなたがガクチカの構成に組み込むことは、

 

①ゼミを選らんだ理由で「興味関心」を伝える

➁ゼミ活動で得た「能力」を伝える

➂ゼミ活動で形成した「マインド」を伝える

➃あなたを雇う「メリット」を伝える

 

この4点です。

 

ここから「型」を作ると、

 

①結論:「私が学生時代に力を入れてきたことは、ゼミの〇〇です」

➁ゼミを選んだ理由:「ゼミを選んだ理由は××だからです」

➂ゼミ活動で獲得した能力やマインド:「ゼミ活動を通じて▲▲という能力と□□というマインドを獲得しました」

➃あなたを雇うメリット:「なので、御社では▲▲と□□を使って~というところで貢献できるんです」

 

といったように若干ラフに書きましたが、このようなストーリー展開に持ち込めば、人事側は満足してくれます。

 

とはいえ、例文がないとイメージしにくいと思いますので、例文をお見せしましょう。

 

例文

 

まずは先ほどの「型」をイメージしながら、例文を読んでみてください。

 

ちなみに、御社は経理職の新入社員を募集していることを耳にした体で書いています。

 

私が学生時代に力を入れたことは、ゼミ活動で「会計学の歴史」について研究したことです。

私は会計学の授業で「貸借対照表」や「損益計算書」を見た瞬間に、数字が順序良く整理され、きっちりバランスされている財務諸表が綺麗にデッサンされたアートだと感じました。

そこから、財務諸表が誕生・形成された軌跡を辿りたいという強い思いが沸々と沸き上がり、「会計学」のゼミを専攻しました。

研究テーマは「会計学の歴史」にしたいと教授に強くお願いし、承諾をいただきましたが、1つ問題点がありました。

それは「参考文献」が非常に少ないことでした。

大学や市の図書館はもちろん、地元の図書館、そして東京都立中央図書館にも赴きましたが、どこに行っても望むような書籍に出会うことはできませんでした。

ここで方針変更を余儀なくされ、「会計学の歴史」について研究されている伝手を辿ろうと「当たって砕けろ」の精神で担当教授に掛け合ってみました。

すると、〇〇大学の▲▲先生を紹介され、教授の紹介でお会いさせていただく機会を得ました。

▲▲先生からは丁寧でわかりやすく会計学の成り立ちについて教えて頂き、参考文献や貴重な資料なども頂けるなど、非常にお世話になり感謝しています。

おかげさまで、ヴェニスの商人で有名なイタリアで簿記が発祥し、フランスで初めて株式会社が誕生し、株が登場したことにより、資産や業績を公開するニーズが醸成されたことを起点に、現在の財務諸表の形に落ち着いたことがわかりました。

このように諦めなければ必ず突破口は開けるというマインドと、自分の力だけでは限界があるので、権威のある他人の力を借りる情報収集力の必要性を痛感しました。

御社ではゼミ活動で培った粘り強さと、自ら思考しながらも権威から知恵を借りる謙虚さと傾聴力を武器に新しい仕組みを生み出し、業容拡大に貢献します。

 

いかがだったでしょうか?

 

この例文は「767文字」ですが、指定された字数がこれより少ない場合は内容を変えない程度でポイントを絞って簡潔にまとめ、字数が多い場合は具体性を追加してイメージを膨らませるような文章の仕立てにすれば大丈夫です。

 

ぜひ、今回お伝えした「型」と「例文」を下敷きに、あなたなりのゼミ・ガクチカを完成させてみてくださいね。

5.おわりに

以上、ガクチカでゼミ・アピールする場合の効果的な伝え方を「型」と「例文」を交えて解説してきました。

 

冒頭でもお伝えしたとおり、新型コロナ感染拡大でアルバイトや部活・サークル活動に制約が出たため、ガクチカとしてゼミ活動にシフトする学生が増えると思われます。

 

そんな中で「ゼミをガクチカとしてアピールしても差別化できないのでは?」といった不安が宿るかもしれませんが、安心してください。

 

本来、ゼミの専攻分野だけで差別化できますし、その中の研究テーマとなると誰も扱っていないフリーなフィールドになるので、無敵です。

 

そんな中で大切なことは、単なる事実の羅列ではなく、そのゼミ活動を通じて得た能力やマインド、そしてそのスキルがどう会社に貢献できるのか、その将来性を前面に押し出してアピールすることです。  

 

人事はガクチカで、学生の成果や結果を特別に見たいわけではありません。

 

学生のアウトプットは社会人からすると、高が知れているからです。       

 

それよりも、どのような姿勢や考え方で取り組んだのか、その「過程」を通じた活躍イメージを思い描きたいので、そこが具体的にイメージできるように言語化して頂ければなと思います。

 

そのために本記事があなたの就活のお役に立てば、幸いです。

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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