【学歴フィルターほぼナシ】キーエンスの採用選考の実態と攻略法

【学歴フィルターほぼナシ】キーエンスの採用選考の実態と攻略法

2022年10月10日更新

はじめに

年収が高いランキングで毎年上位を占める会社で有名な「キーエンス」ですが、

 

「どんな会社なの?」

 

「学歴フィルターってあるの?」

 

「採用選考はどんな感じなの?」

 

など、何かと気になる会社ですよね。

 

結論から言うと、「学歴フィルターは凡そない」と考えて間違いないです。

 

本記事ではキーエンスの会社概要や学歴フィルターがないと判断できる理由、採用選考の中身から対策法まで、1記事ですべてが分かるように解説していきます。

 

10分ぐらいでキーエンスの全貌が明らかになりますので、最後まで一気に流し読みしてくださいね。

1.キーエンスって、どんな会社?

キーエンスは名前こそ聞いたことはあるけど、実際にどんな会社で、どんな商品を扱っているかと聞かれても、即座に答えられないですよね。

 

したがって、まずはキーエンスの業態や社風について理解を深めてもらいたいと思います。

 

業態

 

キーエンスは、ファイバセンサや光電センサのような各種センサをはじめ、測定器、画像処理装置、寸法測定器、3Dプリンタ、データロガー、レーザマーカなど、FAにまつわるすべての商品を開発・販売しています。

 

キーエンスで特筆すべきは、本業からどのくらい効率的に利益を生み出しているのか、いわゆる営業利益率で55.4%(2021年度連結指標)を叩き出しており、パナソニックの4.8%、ソニーの12.1%と比べても、驚異的な数値を誇っていることです。

 

なぜ、こんなズバ抜けた高い営業利益率を実現できるのか?

 

その理由は、キーエンス独自のビジネスモデルにあります。

 

他社が真似できないレベルで自社製品の差別化を行い、極限までコストを削減することによって、圧倒的な利益率、そして結果として社員への高い水準での利益分配を可能にしています。

 

たとえば、販売手数料のかかる販売代理店を持たずに、自社の営業社員がすべての取引先を訪れて、注文やニーズをダイレクトで取ってきます。

 

あるいは、自社工場を持たずに外注することで、人件費などの固定費をカットしたり、顧客が法人であるがゆえに広告宣伝する必要がないため、広告宣伝費をセーブできるなど、ムダなコストを極力弾いています。

 

このように、「最小限のエネルギーで、最大限のパワーを生み出している」緻密な仕組みがキーエンスの最大の強みだと言えます。

 

社風

 

キーエンスの社風は一言で言うならば、「成果行動主義」です。

 

年功序列ではなく、実力主義・成果主義が土台となっており、評価制度でも「売上成果」と「そのプロセス」が1:1の割合でウエイト化されています。

 

「成果行動主義」が重視されている理由としては、キーエンスの「最小の資本と人で、最大の付加価値を上げる」という経営理念が大きく影響しています。

 

ゆえに、効率化を念頭にルールが明確にマニュアル化されており、徹底的に営業活動を合理化する風土があるようです。

 

こう言うと、非常に合理的で機械的な冷たい印象を受けるかもしれませんが、社内の雰囲気は良く、社員同士のコミュニケーションも活発です。

 

役職や年齢に関係なく、「さん」付けで呼び合うフラットでフランクな関係で職場が動いています。

 

また、オフィスには区切りがなく、会議の席順も自由になっているなど、社内の風通しの良さが垣間見えますね。

2.キーエンスの採用倍率は?

「キーエンスの骨格は見えてきましたが、実際に受けるとなると競争倍率が激しいのでしょうね」

 

そうですね、競争倍率はかなり高そうです。

 

キーエンス自体は競争倍率を公開していませんが、リクナビのプレエントリー数の採用数を用いれば、類推適用できます。

 

まずリクナビのプレエントリー数ですが、企業情報公開日〜2022年10月4日の期間のデータでは、「31,338名」となっています。

 

2019〜2021年度の採用数は下記のとおりで、23卒の採用予定数は101〜200名(全職種)と記載されていますので、中を取って150名採用すると仮定します。

 

年度採用数内 訳
男性女性
2021年度154名143名11名
2020年度232名209名23名
2019年度255名229名26名

 

すると、

 

競争倍率=31,338名÷150名=209倍

 

という極めて高い数値を示すわけです。

 

もちろん、プレエントリーした学生が全員受けるわけでもないですし、職種によっても倍率が異なりますが、いずれにしても高い倍率は避けられそうもないようです。

 

3.学歴フィルターがないと判断できる理由

「なるほど。こんなに高い倍率だと、やはり学歴フィルターをかましているんでしょうね」

 

それがそうでもなさそうなんです。

 

まず採用実績校を見れば、学歴フィルターがあるのかないのか一発で見抜けますが、キーエンスの採用実績校は下記のとおりとなっています。

 

【キーエンスの採用大学:大学院】

青山学院大学、愛媛大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、京都大学、京都工芸繊維大学、京都産業大学、京都女子大学、近畿大学、慶應義塾大学、甲南大学、神戸大学、神戸市外国語大学、神戸女学院大学、駒澤大学、埼玉大学、滋賀大学、首都大学東京、上智大学、成蹊大学、成城大学、西南学院大学、専修大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東京大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、東洋大学、徳島大学、同志社大学、同志社女子大学、名古屋大学、名古屋工業大学、奈良先端科学技術大学院大学、南山大学、日本大学、一橋大学、兵庫県立大学、広島大学、福島大学、法政大学、北海道大学、明治大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学、鹿児島大学ほか

 

【キーエンスの採用大学:大学】

青山学院大学、愛媛大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、京都大学、京都工芸繊維大学、京都産業大学、京都女子大学、近畿大学、慶應義塾大学、甲南大学、神戸大学、神戸市外国語大学、神戸女学院大学、駒澤大学、埼玉大学、滋賀大学、首都大学東京、上智大学、成蹊大学、成城大学、西南学院大学、専修大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東京大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、東洋大学、徳島大学、同志社大学、同志社女子大学、名古屋大学、名古屋工業大学、南山大学、日本大学、一橋大学、兵庫県立大学、広島大学、福島大学、法政大学、北海道大学、明治大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学ほか

引用:マイナビ2023「株式会社キーエンス

 

高学歴の有名大学からだけでなく、様々な学歴の大学生を採用していますね。

 

また、就職転職口コミサイトを覗いても、

 

「学歴も大事だけど、結局は何ができるか、何を成し遂げられるかが優先される」

 

「実績を出して方針に従っていれば、マネージャークラスまではなれる。それ以降は派閥争い。学歴派閥はなし」

 

「入社後、基本的に学歴は全く関係ありません。学歴関係なく、出世する人は30歳くらいまでに実績を出している」

 

など、「学歴」よりも、「実力」や「実績」を重視する口コミが確認できますね。

 

「採用実績」と「社員の口コミ」という2つの切り口で確認しても、職種によって多少の濃淡はあれど、「学歴フィルターはほぼない」と言っても過言ではないでしょう。

4.キーエンスの採用選考は独特

キーエンスの採用選考フローは基本的に下記のとおりです。

 

1次面接:20秒自己PR

2次面接:説得面接

3次面接:カメラ面接

4次面接:人事面談

 

それでは、各工程の中身を解像度を上げて見ていきましょう。

 

1次面接:20秒自己PR

 

キーエンスの採用選考は一風変わっていて、エントリーシートの提出は求めず、面接を兼ねた説明会への参加から選考がスタートします。

 

説明会は会社ではなく、ホテルの大広間で行われ、1回の説明会でザっと100人以上の学生が一堂に会します。

 

そんな説明会が東京と大阪で開催されますが、先ほどの競争倍率20倍で考えると、1回の説明回で5人が採用されるというイメージですね。

 

説明会終了後、人事の前で「20秒間の自己PR」が実施されます。

 

驚くほどの流れ作業で想像以上に早く終了するイメージです。

 

通過者には数日後、電話で連絡が入ります。

 

2次面接:説得面接

 

キーエンスでは選考が進むごとに面接とは別日程で、さらに詳しい説明会に招へいされます。

 

この段階では、まだ学生は相当数残っているイメージです。

 

面接は本当にキーエンス独特ですが、「説得面接」が行われます。

 

説得面接とは何かと言うと、たとえば、「私は〇〇のことが嫌いです。私が〇〇を好きになるように説得してください」と学生3人に対して面接官1人がその場にいて、このような課題が1人1人に与えられ、答えていく流れです。

 

たとえば、

 

  • 「紙媒体での読書派→電子書籍派」になるように説得
  • 「ウィンドウショッピングが好き→ネット通販」を勧める
  • 「ノートPC→タブレット端末」を使うように説得

 

など、3分間で相手の嫌いなものを好きにさせ、正反対のものを勧めるというお題です。

 

この面接を通じて論理性や臨機応変な対応力、瞬発力や発想力を見ていると考えられます。

 

翌日、通過者のみに電話連絡が入ります。

 

3次面接:ビデオ面接

 

また別日程で説明会に参加することになりますが、そこでは性格検査や言語・非言語の筆記試験も行われます。

 

試験のレベルは他社に比べて高くないので、1通り筆記対策ができれいれば問題ないでしょう。

 

面接前に「フェイスシート」と呼ばれる軽いエントリーシートみたいな書類を書き、いざ面接に臨みます。

 

面接は学生1人に対して面接官2人で、その2人の間にビデオカメラが設置されています。

 

なんだか違和感を感じますが、面接の様子はすべてビデオに収められます。

 

面接は比較的オーソドックスですが、キーエンスの定番質問として「あなたが経営者になったら、どんな社訓をつくる?3つ言ってみて」というように答えを3つ挙げさせるパターンがあります。

 

2次面接の説得面接と同様に、論理性や臨機応変な対応力、瞬発力や発想力など「営業としてのセンス」をチェックしていると考えられます。

 

通過者には電話連絡が入りますが、3次面接が鬼門で、多くの学生がこの時点で連絡不通になるようです。

 

4次面接:人事面談

 

4次面接が実質の最終面接となります。

 

人事と1対1の面接ですが、そこでは他社の選考状況や、3次面接で実施した性格検査や志望理由について深掘り質問されます。

 

選考自体が終盤の時期であれば、その場で内定を出すこともあるようですが、基本的に数日後に内定者には人事から直接電話がかかってきます。

 

5.独特なキーエンスの採用選考・攻略法

「キーエンスの採用選考は他社と比べると異色で、どう答えたらいいのかわかりません。何かコツみたいなものがあるんですか?」

 

了解です。

 

キーエンスの独特な選考方法である「20秒自己PR」「説得面接」「ビデオ面接」の3点に絞って攻略法を伝授していきますね。

 

20秒自己PRの攻略法

 

20秒の自己PRを行う段階では、まだまだ候補者が多いので「目立たないとダメ」です。

 

誰もが言いそうな無難な自己PRでは埋もれてしまうので、パワーワードを搭載したショートメッセージで相手の記憶に絡みつくようにしなければいけません。

 

ただ、パワーワードにこだわり過ぎて場から浮いた発信を行うのは禁物なので、TPOに応じたギリギリのラインを攻めることも大切です。

 

また、見た目もチェックされているので、相手の目を見て姿勢良く、明るい顔で話し、意欲的な印象を持たれるように練習しておきましょう。

 

20秒自己PRは相手の求める人物像から逆張りして、以下のように発信していきます。

 

私は周囲から「人間グーグル」と呼ばれています。

相手がわからないことでも咄嗟に答えたり、自分でわからないことは瞬時に検索して、相手が理解しやすい言葉に変換したうえでタイムリーに説明しますので、非常に有難がられます。

御社では、相手の立場やニーズを素早く汲み取り、相手の求める解を満足するレベルで提供できる力を仕事で存分に発揮し、業容拡大に邁進したいと考えています。

 

説得面接の攻略法

 

説得面接は「A」と「B」という二律背反する項目があって、相手の「A」という嗜好を「B」に変えさせるという極めて難易度の高い面接です。

 

今からいう3つのポイントを肝に銘じて、受け答えを考えていきましょう。

 

①頭ごなしに否定しない

 

人間はいきなり自分の考えや価値観を否定されると、以降の話に耳を貸さないどころか、その殻に閉じこもって従来の信念を強固に守ろうとします。

 

なので、「それは違うよ」とか、「時代遅れだよ」といって最初から否定しないことが大切です。

 

ポイントとしては、まず共感してあげることです。

 

「そうですよね」「わかりますよ」「私もそうでした」など、共感ワードをまず出してあげると、「この人、私の事を理解してくれてる」となって初めて、相手はあなたの話を聞き始めます。

 

➁完全な説得はできないと心得る

 

面接官を完全に納得させ、論破することはほぼ不可能です。

 

なぜなら、どちらが正解とも言い難い2択だからです。

 

模範解答もありませんし、場合によっては論理的ではないと思えるような返答もあるかもしれません。

 

しかし、3分間打ち切られるまで諦めずに粘り強く説得し続けることがキーエンスの営業として求められる素質と考えて、その姿勢を前面に押し出しましょう。

 

③ベネフィットを打ち出す

 

人間は自分が得する事がなかったり、必要性がないことに対して、従来の行動や考え方を改めようとしません。

 

したがって、「相手が求める未来」や「得たい結果」という「ベネフィット」を伝えて、相手の信念を変えるのではなく、何十度か曲げてあげるというスタンスが功を奏します。

 

加えて、「A」と「B」の共通点と相違点を瞬時につかむことも大切です。

 

「Aの○○なところが好きだ」と言われれば、「Bも~~という点では同じく○○なところがあります」と共通点から代替性をアピールしていきます。

 

その上で、「Aと異なり、Bは■■という魅力があります」と相違点から独自性を強調していきます。

 

共通点と相違点の2つの視点を巧みに使い分けることが、論理的かつ瞬発力のある切り返しに繋がるはずです。

 

たとえば、「ノートパソコン」を「タブレット」に変えさせたい場合、

 

「ノートパソコン」と「タブレット」の違い⇒キーボード or タッチパッド or マウスで操作するのがノートパソコンで、タッチで直接操作するのがタブレット

 

といった相違点を瞬時につかんで、ベネフィットは接続詞「だから」を挟んで下記のとおり生成していきます。

 

直接タッチできる⇒だから⇒ムダなキーボードやマウスがいらないので持ち運びが楽

         だから⇒タッチパッドやマウスを忘れる心配がない

         だから⇒相手に操作させやすい

 

など、ベネフィットを量産できます。

 

ぜひ、その商品やサービスの相違点を「だから」という接続詞で変換してあげて、ベネフィットを生成してみてください。

 

ビデオ面接の攻略法

 

ビデオ面接は採用選考の主要メンバーがその映像を後ほど視聴して、「アレコレいうための選考材料」として使うと想定できます。

 

このビデオ面接では多角的な質問が飛び交いますが、その中でも全学生に共通的な質問があります。

 

それが、「3つの要素質問」です。

 

たとえば、

 

「クリエイティブ能力が高い人の特長を3つ挙げてください」

 

といった類の質問です。

 

この手の答え型としては、下記の3パターンが活用できます。

 

パターンテクニック型イメージ
三項三つ巴並行する3要素を選択する(①×➁×➂)心技体、走攻守、守破離
 

含  有

①と➁を掛け合わせる先に、それらを包括する➂を考える➂(①×➁)①情報編集能力

➁発信力

➂改善力

前  提A×Bという2項対立する要素を上手く回すために、それらを包含する土台➂を考える①×➁

ーーー

①アウトプット量

➁インプット量

➂実行力

 

この型を使おうとしても、練習してないと咄嗟に思いつかないので、反射神経と言われる神経シナプスを生成する必要があります。

 

そのためには、練習による「アウトプット量」と読書など「インプット量」の多さがモノを言います。

 

つまり、「習うより慣れろ」なので、友達や知人相手にスキルを積み上げておいてください。

 

6.おわりに

以上、キーエンスの採用実態や選考の攻略法について解説していきました。

 

キーエンスは競争倍率も高く、選考に癖がありますので、各ステージをクリアするのに骨が折れますが、受ける人全員が同じ条件なので、練習の積み上げでマウントを取ることは可能です。

 

今回の攻略法を参考にして、キーエンスの営業として必要なスキルである「論理性」や「臨機応変な対応力」、「瞬発力」や「発想力」などを磨いてくださいね。

 

本記事がキーエンスの就活のお役に立てば、幸いです。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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