【徹底比較】TOEICとTOEFLの違い!受けるならどっち?
2022年9月7日更新
はじめに
TOEICとTOEFLは、どちらも英語力を測るための試験ですが、それぞれの特徴や違いを深く理解している人はあまり多くありません。
この記事では、そういった方が抱える以下のような悩みや疑問にお答えしています。
- TOEICとTOEFL、どう違うの?
- 受けるならどっち?
- TOEICとTOEFLのスコア換算は?
この記事を読めば、こういった悩みや疑問はすべて解決できます!
それぞれの特徴や利用目的を押さえた上で、自分に合った試験を選びましょう!
それでは以下の「もくじ」に沿って解説していきます。
1.TOEICとTOEFLにはそれぞれ種類がある
はじめに、今回の記事で解説するTOEICとTOEFLの種類を確かめておきましょう。
というのも、TOEICとTOEFLどちらもいくつかの種類があるからです。
まずTOEICについては、「TOEIC Listening & Reading Test」を前提としています。
「TOEIC Speaking & Reading Test」というものもありますが、「Listening & Reading(以降L&R」の方が圧倒的に知名度が高いです。
本記事以外においても、TOEICという言葉が使われる際は、基本的に「Speaking & Reading」ではなく「Listening & Reading」の方を指していることを覚えておいてください。
一方TOEFLには「TOEFL iBT」と「TOEFL IPT」の2種類がありますが、ここで扱うのは受験者の9割以上が選択する「iBT」の方です。
なお、様々な点で異なるテストですが、大きな違いとして「iBT」はコンピューター形式、「IPT」はペーパーテスト形式であることが挙げられます。
2.英語試験「TOEIC」と「TOEFL」の違い
それではさっそくTOEICとTOEFLの特徴や違いについて、項目ごとに比較しながら見ていきましょう。
今回は以下の11項目を比較しています。
①利用目的
②試験形式、受験会場
③試験内容
④試験時間
⑤スコア
⑥試験実施回数(年間)
⑦受験費用
⑧問題の傾向
⑨難易度
⑩勉強法
⑪勉強時間
①利用目的
試験名 | 利用目的 |
TOEIC L&R | 就職活動 |
TOEFL iBT | 海外留学 |
TOEICとTOEFL、それぞれを受験する目的は明確に異なります。
TOEICは、主に就職活動における武器の一つ、アピール要素の一つとして利用されています。
社会が急速にグローバル化する現代においては、英語力は高く評価されやすいですし、むしろ「英語はできて当たり前」という価値観すら醸成されつつあると言えるでしょう。
新卒での就活を見据えた大学生はもちろん、より高待遇の仕事を求める転職希望者など多くの人が就職活動で少しでも有利になろうとTOEICを受験しています。
一方TOEFLの受験者のほとんどは、海外留学という目標を実現するために受験しています。
基本的に海外の大学などに留学を受け入れてもらうためには、英語力を保持していることの証明として、「TOEFL iBTで〜点以上のスコアを獲得していること」などの条件があるからです。
この条件の中にTOEICが含まれることはほぼ無いため、留学を希望する人は必然的にTOEICではなくTOEFLを選択することになります。
②試験形式、受験会場
試験名 | 試験形式 | 受験会場 |
TOEIC L&R | マークシート | 全国の大学等 |
TOEFL iBT | コンピューター受験 | 全国の認定テストセンター |
TOEICの試験会場は、基本的に全国の大学等が指定されます。
またリスニング、リーディング試験ともにマークシートが使用されます。
TOEFLの試験会場は、基本的に全国の認定テストセンターです。
コンピューター受験による試験形式であるのも特徴的。
TOEFLならではのスピーキング試験については、コンピューターに録音する形で実施されます。
③試験内容
試験名 | リーディング | リスニング | スピーキング | ライティング |
TOEIC L&R | 100問 | 100問 | ー | ー |
TOEFL iBT | 30〜40問 | 28〜39問 | 4課題 | 2課題 |
TOEICとTOEFL、最大の違いはこの試験内容。
表にあるとおり、TOEFLがリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4種類の問題が課されるのに対し、TOEICではスピーキングとライティングが出題されません。
語学力を正確に測定するためには、TOEFLのようにリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてを確かめる必要があります。
しかし、TOEICはリーディングとリスニングのみの試験となっているのです。
したがって、TOEICが満点でもスピーキングはまったくダメ、英会話はできないという人はざらにでてきます。
TOEICのスコアを伸ばすのにスピーキングとライティングの勉強をする必要は無いため、TOEFLよりも気軽に受験することができるとも言えますね。
④試験時間
試験名 | 試験時間 |
TOEIC L&R | 約2時間 |
TOEFL iBT | 約3時間 |
4技能を測るということもあり、TOEICよりもTOEFLの方が試験時間が長くなっています。
試験科目ごとの詳しい時間は以下のとおりです。
【TOEIC】
- リスニング:約45分
- リーディング:75分
【TOEFL】
- リーディング:54〜72分
- リスニング:41〜57分
- (休憩:10分)
- スピーキング:17分
- ライティング:50分
⑤スコア
試験名 | スコア範囲 | 平均スコア |
TOEIC L&R | リスニング、リスニングともに5点〜495点 トータル10点〜990点 | 日本人の平均スコア:620点 |
TOEFL iBT | 4技能それぞれ0点〜30点 トータル0点〜120点 | 日本人の平均スコア:72点 |
TOEICは5点刻みで990点が満点となっており、日本人の平均スコアは620点です。
(出典:TOEIC Program DAA2021(和文)2021年7月版)
TOEFLの満点は120点で、日本人の平均スコアは72点となっています。
(出典:TOEFL iBT® Test and Score Data Summary 2019)
⑥試験実施回数(年間)
試験名 | 試験実施回数(年間) |
TOEIC L&R | 年10回 |
TOEFL iBT | 年40回以上 |
TOEICの実施回数は年に10回であるのに比べ、TOEFLはなんと年40回以上も実施されています。
学校や仕事で忙しくて日程調整が難しい人でもTOEFLなら受験しやすいですね。
⑦受験料
試験名 | 受験料 |
TOEIC L&R | 7,810円(税込) |
TOEFL iBT | US$245(=33,500円前後) |
TOEICに比べてTOEFLの受験料は、日本円で33,500円前後とかなり高額です。
年に40回以上実施されるとお話しましたが、費用の面で考えると何度も受けるのは厳しいものがありますね。
なお、日本円に関しては2022年8月現在のレートで計算しています。
⑧問題の傾向
試験名 | 問題の傾向 |
TOEIC L&R | ビジネスや日常生活に関するテーマが多い |
TOEFL iBT | 大学における講義や会話、学術的なテーマが多い |
TOEICの問題は、ビジネスや日常生活に関するテーマが多く出題される傾向にあります。
TOEICが就職活動における武器の一つとして扱われているのも納得ですね。
一方TOEFLは留学希望者の受験が主となっているため、大学における講義や会話、学術的なテーマに関する問題が多く出題されています。
⑨難易度
試験名 | 難易度 |
TOEIC L&R | 簡単 |
TOEFL iBT | 難しい |
試験単体の難易度については、どの程度のスコアを目指すかによって変わってきますが、TOEICとTOEFLを比べた場合、「TOEICは簡単」、「TOEFLは難しい」といえるでしょう。
理由は簡単、TOEICは2技能、TOEFLは4技能を測る試験だからです。
高得点を目指すために必要な勉強量もまったく違います。
⑩勉強法
試験名 | 勉強法 |
TOEIC L&R | リスニングとリーディングに絞って勉強する |
TOEFL iBT | リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてをバランス良く勉強する |
TOEICで高得点を取るためだけなら、基本的にリスニングとリーディングだけを勉強するだけで十分。
どちらも問題に対する答えが一つで明確なため、独学もしやすいです。
一方TOEFLは、4技能すべてをバランス良く勉強しなければ高得点は見込めません。
またスピーキングとライティングの答えは一つに定まるわけではなく、人それぞれで変わってくるため添削してもらうことが望ましいです。
独学での勉強も難しいと言えるでしょう。
⑪勉強時間
試験名 | 勉強時間 |
TOEIC L&R | 目標スコアによる |
TOEFL iBT | 目標スコアによる |
必要な勉強時間については、現在の英語力及びどの程度のスコアを目指すかによって当然変わってきます。
オンライン英会話のレアジョブによれば、TOEICのスコアを100点上げるのに必要な勉強時間は以下のとおりです。
現在のレベル | 100点アップに必要な勉強時間の目安 |
200〜300点 | 300~400時間 |
300~400点 | 300~400時間 |
400~500点 | 250~350時間 |
500~600点 | 250~350時間 |
600~700点 | 250~350時間 |
700~800点 | 500~700時間 |
800~900点 | 500~700時間 |
(引用:RareJob English Lab TOEIC700点に必要な勉強時間&勉強法は?転職での評価やおすすめ教材も紹介)
またアメリカの大学に留学するのに最低限必要と言われているTOEFLスコア(60点)を目指す場合、以下の勉強時間が必要とされています。
- 現在の英語力が中学生レベルの場合:1000時間
- 現在の英語力が高校生レベルの場合:300時間
(出典:RareJob English Lab TOEFL60点は難しい?レベルや勉強法について徹底解説!)
3.TOEICとTOEFL、受けるならどっちがいいの?
TOEICとTOEFL、受けるならどっちがいいの?と悩む人もいるようですが、判断基準はシンプルです。
- 日本国内での就職活動で有利になりたい人:TOEIC
- 海外留学したい人:TOEFL
新卒の大学生でTOEICを受けるのであれば、700点以上を目指すようにしましょう。
大学生の平均スコアは616点ですので、就職活動を有利にするための武器として使うのであれば、700点が最低ラインです。
TOEFLの目標スコアは、当然ですが留学希望先の大学に合わせましょう。
アメリカの大学に留学するのに最低限必要といわれるのは60点ですが、難関大学となると80点〜100点が条件となってきます。
4.TOEIC・TOEFL以外の試験「IELTS」・「英検」
TOEICやTOEFL以外の英語試験として、IELTSや英検があります。
IELTSはTOEFL同様世界的にメジャーな試験であり、多くの大学で英語力の証明として認められています。
英検は日本人のために作られた試験で、中学生や高校生が推薦入試のために受験することが多いです。
残念ながら留学用には使えませんし、就職活動のためであればTOEICの方が今は主流。
資格としてのコスパはあまり良いとは言えません。
5.TOEIC/TOEFLのスコア換算
「TOEICで◯◯点なら、TOEFLで言うと何点くらいなの?」
このようにTOEIC/TOEFLのスコア換算に関心がある方も多いようです。
以下の表を参考にしてください。
TOEFL iBT | TOEIC L&R |
120 | ー |
115〜119 | ー |
110〜114 | ー |
102〜109 | 970〜990 |
94〜101 | 870〜970 |
79〜93 | 820〜870 |
60〜78 | 740〜820 |
46〜59 | 600〜740 |
35〜45 | 550〜600 |
32〜34 | 500〜550 |
31 | 450〜490 |
(出典:アガルートアカデミー IELTSのスコア換算表!TOEFL®/TOEIC®/英検との違いは?)
先述のとおり、TOEICは2技能、TOEFLは4技能を測ることができるという違いがあります。
試験の内容がまったく違う以上、正確にスコアを換算することは難しいため、あくまで参考として捉えてくださいね。
6.よくある質問
よくある質問 |
Q.TOEFLとは? Q.TOEIC、TOEFLの読み方は? Q.TOEFL満点って何点? Q.TOEFLの過去問の入手方法は? Q.TOEFLの勉強法は? Q.TOEFL iBTの受験料は? Q.TOEFL iBTの難易度は? |
Q.TOEFLとは?
A.TOEFLとは、英語力を測定するための世界基準の資格試験であり、主に海外の大学への留学希望者が受験しています。
Q.TOEIC、TOEFLの読み方は?
A.TOEICは「トーイック」、TOEFLは「トフル」や「トーフル」と読みます。
Q.TOEFL満点って何点?
A.TOEFL iBTは120点満点です。
Q.TOEFLの過去問の入手方法は?
A.書店やオンラインストア等で購入できます。
Q.TOEFLの勉強法は?
A.リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてをバランス良く勉強する必要があります。
Q.TOEFL iBTの受験料は?
A.US$245、日本円で33,500円前後です。
※2022年8月のレートで計算
Q.TOEFL iBTの難易度は?
A.リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべての対策が必要なため、2技能の勉強で済むTOEICよりもかなり難しい試験です。