就活でSDGsについて聞かれる理由は?答え方も解説

就活でSDGsについて聞かれる理由は?答え方も解説

2024/9/1更新

はじめに

最近はテレビやネットニュースでもよく「SDGs」について聞く機会が増えました。

今はSDGsへの取り組みに積極的な企業も増えつつあり、これらに興味関心があるのを示すことで志望企業にアピールしやすくなるでしょう。

しかし、SDGsを使ってどのように企業にアピールすればいいのか分からない人も多いはず。

そこで今回は、就活でSDGsについて聞かれる理由や答え方を徹底解説します。

以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

この記事でわかること
  • SDGsとは
  • SDGsへの興味関心をアピールする方法
  • 面接でSDGsについて聞かれた際の上手な回答

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そもそもSDGsって何?

そもそもSDGsって何?

まずはSDGsの言葉の意味について正しく理解しておきましょう。

SDGsとは

まずSDGsとは「SustainableDevelopmentGoals(持続可能な開発目標)」の略です。

ときどき、エス・ディー・ジー・エスと読む人がいますが、最後はGoals(ゴールズ)なので、エス・ディー・ジーズと読みます。

内容としては2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標を指します。

大きな目標17個と、それを達成するための具体的なターゲットは169個で構成されていて、地球上の「誰一人取り残さない(leavenoonebehind)」ことを誓っています。

就活の筆記試験でSDGsの英語表記や読み方、いつからいつまでの何年間で達成する目標なのか、目標やターゲットの数を何個あるのか質問に答える場面があるかもしれないので、この際覚えておきましょう。

SDGsが掲げる17の目標

いまSDGsの定義を読んだところで「で、結局何をするの?」と思ったと思うので、それを具体的に理解できる17個の目標を確認しておきましょう。

面接や筆記試験で直接目標を言わせたり、書かせたりすることはまずありませんので、これらの目標はぜんぶ記憶しなくてもOKです。

ただ、どんな目標があるのか、キーワードだけでも頭に入れておきましょう。

ときどき、筆記試験で「この中からSDGsの17個の目標の中に含まれる適切な目標をすべて選べ」的な質問が出題される場合もあるので、その時に判断できるレベルを目指しましょう。

以下が17個の目標の中身です。

SDGsの17の目標
  • 目標1:貧困をなくそう
    あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
  • 目標2:飢餓をゼロに
    飢餓をゼロに
  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
    あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
    すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
    ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
    すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する
  • 目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
    手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  • 目標8:働ぎがいも経済成長も
    すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワーク(*1)を推進する
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
    レジリエント(*2)なインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
    国内および国家間の不平等を是正する
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
    都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
    持続可能な消費と生産のパターンを確保する
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
    気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
    海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう
    森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
  • 目標16:平和と公正をすべての人に
    公正、平和かつ包摂的な社会を推進する
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
    持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

(*1)ディーセント・ワーク【DecentWork】:「働きがいのある人間らしい仕事」のこと

(*2)レジリエント【resilient】:もともとは物理的なイメージで弾力や柔軟性があるさまを指しますが、困難や脅威に直面している状況に対して「うまく適応できる能力」「うまく適応していく過程」「適応した結果」を意味する言葉として使用

就活の面接でSDGsについて質問される理由

それでは、なぜ就活の面接においてSDGsの内容が問われるのでしょうか。

時事問題に関心があるのか確認するため

SDGsについての質問は、候補者が時事問題にどれだけ関心を持っているかを確認する意図があります。

SDGsは国際社会で広く認識されている重要なテーマであり、現代のビジネス環境においても無視できない問題です。

面接官はこのテーマについて理解して自分の意見を持っているかどうかを確認することで、学生が社会的な問題に敏感であり、広い視野を持っているかを見ているのです。

企業が行っている活動について興味関心がどれくらいあるのか知るため

企業がSDGsに関連する活動を行っている場合、その取り組みに対して学生がどれだけ興味を持ち、理解しているかを確認しようとします。

企業側は、自社の活動に共感し、積極的に関わりたいと考える人材を求めています。

SDGsへの関心を通じて学生が企業の社会的責任(CSR)や持続可能性への取り組みにどれだけ共感しているかを知ることで、企業と候補者の価値観の一致度を測れるのです。

SDGsに取り組んでいる企業一覧

続いて、SDGsに積極的に取り組んでいる企業をランキング形式でご紹介します。

1位トヨタ自動車
2位イオン
3位ユニクロ
4位日産自動車
5位サントリー
6位パナソニック
7位スターバックスコーヒー
8位日本マクドナルド
9位アサヒビール
10位無印良品

SDGsについて面接で聞かれたときの対策

SDGsについて面接で聞かれたときの対策

SDGsについて面接で聞かれたときの対策をご紹介します。

以下の内容を参考にして、回答の内容を考えてみてください。

SDGsの概要と17の目標を理解する

面接でSDGsについて問われた際、まずはこれらの目標の全体像を理解していることが重要です。

SDGsは社会的、経済的、環境的な課題を解決するための国際的な取り組みであり、各目標は相互に関連しています。

具体的な例を挙げつつ、自分なりに要点を説明できるようにすることで、面接官に対してSDGsへの理解を示せるでしょう。

17の目標の中で興味関心がある目標とその理由を考える

SDGsの17の目標の中で特に関心のあるものを選び、その理由を明確にしておきましょう。たとえば環境問題に関心がある場合、目標13「気候変動に具体的な対策を」について、自分の経験や興味と結びつけて説明すると効果的です。

面接では単なる知識だけでなく、なぜその目標に共感するのか、どのようなアプローチでその目標に貢献したいのかを伝えれば、価値観やモチベーションがより具体的に伝わりますよ。

志望企業のSDGsの取り組みを調べ、自分が興味があるものを探す

志望する企業がSDGsにどのように取り組んでいるかを調べ、それが自分の関心や目標とどのように一致するかを考えることも重要です。

企業が目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に積極的に取り組んでいる場合、その取り組み内容を具体的に把握し、自分がどのようにそのプロジェクトに貢献できるかを説明できると、企業側にとっても魅力的な人材として映るでしょう。

ESで「あなたが社長なら?」と聞かれた場合の回答例

たとえば、メーカーのESで「いま、世の中では企業側に対してSDGsが求められています。あなたが社長なら課題と対策はどうしますか?」と聞かれた場合、どう答えますか?

このような設問に対しては下記のように3ステップで文章を完結していきます。

  1. SDGsの観点からその企業を研究する
  2. テーマを決める

 

型にはめて文章を作成する方法を1つずつ解説していきます。

SDGsの観点からその企業を研究する

まずESの設問にSDGsを取り上げること自体、その企業はSDGsに関してアンテナが高く、色々な取り組みをすでに行っているはずです。

なので、その会社のホームページに行って、SDGsに関連する情報を社長メッセージや事業の取り組み、IR情報などを情報源として、その会社の方向性や目指している目標を最初に確認しておいてください。

あなたが提案する場合、リサーチして得た情報とまったく同じ内容では芸がありませんので、目指す方向性は同じ向きにしながらもテーマは多少アレンジする必要が出てきます。

テーマを決める

「それではテーマは何を選べばいいんですか?」

テーマは17個の目標の中からその会社に関連するテーマを選ぶことが「絶対」です。

なぜなら、その会社のテーマを取り上げることで、人事はこう考えるからです。

「当社に関心があるんだろうなぁ」

「当社の事業活動について研究してくれてる」

「志望度が高そう…」

など、その会社に対するあなたの関心や志望度の高さを暗に示す副次効果があります。

加えて、その会社のテーマなら人事や面接官自身も馴染みのある内容なので興味が湧きますし、面接でもあなたとのやり取りも活発化するはずなので言うことがないですね。

そこで意気投合したり、あなたの答えを納得してもらえると人事との親和性が高まりますし、名前を憶えてもらいやすいといったメリットにもつながります。

逆の場合は浅はかさを見抜かれますので、どんな質問が飛んできても答えられるように深く学習しておきましょう。

それができたら、次は構成に落とし込んでいきます。

型にはめて文章を作成する

テーマが決まったら、次は内容を構成の型にはめこんでいきます。

何をどういう順番で伝えるかです。

今回の設問では、①結論→➁テーマ選定理由→➂具体的な内容の3段構成のパターンで下記のとおり作り込んでいきましょう。

①結論「私が社長だった場合、SDGsについては〇〇に取り組みます。」

➁テーマ選定理由「理由は△△だからです。」

➂具体性「具体的には××です。」

 

構成だけを見ても頭がボンヤリするだけなので、実例を見て腑に落とし込みましょう。

【回答例】

今回の回答例はある飲料メーカーに提出するESをイメージしてSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」をテーマに文章を作成してみました。

私が社長ならば、「ペットボトルtoペットボトル・リサイクルシステム」の取り組みを通じてSDGsに貢献したいと考えます。

このテーマを選んだ理由は企業研究を行っているうちに貴社の事業に興味を抱いていたところ偶然、テレビでSDGsが取り上げられており、2つの接点が頭の中でリンクし、このテーマが浮かび上がりました。

原体験として私は海辺に住んでいて海に行くとたくさんのペットボトルが投棄されていたり、自治会のごみ収集所でもルールを無視してペットボトルが燃えるゴミ用の袋に詰め込まれているのを見るにつけ、どうにかリサイクルできないのかといった問題意識が常にありました。

もし、リサイクルに成功すれば、海洋資源の保全や二酸化炭素の排出抑制にもつながりますのでレバレッジが高いと考え、本テーマに傾注したいと考えました。

調べてみると、ペットボトルは優秀なリサイクル素材で、何回も生まれ変わることができますが、キレイな状態でリサイクルしないと、ペットボトルをペットボトルへリサイクルすることが難しくなることが分かりました。

そのため、分別をキチンとしていくことが「リサイクルのたすき」を次に渡す上で欠かせないステップとなります。

そのためにコンビニや貴社の自動販売機のゴミ箱のペットボトルを100%リサイクル化させる技術を確立すると同時に、極力ペットボトルを軽量化することでプラスチックの使用量自体を減らす取り組みを実施したいと考えます。

さらに、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指すという新たな目標を立て、持続可能な社会の実現に向け、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導すべく、プラスチックによる環境課題の解決に取り組んでいきます。

このように型にはめこむとスムーズに論理が展開してまとまった文章に見えますので、トライしてみてください。

データで見るSDGsと就活事情

く、次いで「企業ホームページ」が6割強(62.1%)、「会社説明会・セ

データで見るSDGsと就活事情

最後に「おまけ編」として就活生がSDGsをどのように捉えているのかという意識調査を紹介して本記事を締めくくります。

データは株式会社ディスコの「就活生の企業選びとSDGsに関する調査」を使用します。

  1. 学生は何を基準に会社を選んでいるのか?
  2. SDGsなどの社会貢献度が就職先選定にどのくらい影響しているのか?
  3. 学生は企業の社会貢献度を何で判断してるのか?
  4. 情報源は?
  5. 就活生がどのくらいSDGsを認知してるのか?

 

といった内容をみていきましょう。

①学生の選社基準

まずは就活生が就職先に決めた理由トップ10を見ていきましょう。

調査方法は就職活動を終了した2021年卒の学生に就職先企業に決めた理由を30項目の選択肢の中から5つまで選んでもらった集計となっています。

特筆すべきは、SDGsが大いに関連してくる「社会貢献度が高い(30.0%)」が人間関係や待遇が良いこと、仕事内容を押さえて1位になっている点です。

一昔前までは考えられませんでしたが、意識が高くなっている学生が就職先企業を選ぶ上で、仕事を通じた社会貢献を重視していることが如実に表れているデータですね。

就職先に決めた理由割 合(%)
社会貢献度が高い30.0
将来性がある28.5
職場の雰囲気が良い26.5
給与・待遇が良い25.9
福利厚生が充実している25.5
大企業である23.6
仕事内容が魅力的23.1
有名企業である21.2
希望の勤務地で働ける20.1
業界順位が高い19.4

➁就職志望度への影響

それでは企業の社会貢献度の高さが就職志望度に影響があったのかどうかを見ていきましょう。

同調査によると、就職先企業に限らず、社会貢献度の高さが志望度に「とても影響した(志望度が上がった)(22.4%)」、「やや影響した(志望度がやや上がった)」(42.8%)を合わせると、6割超(65.2%)が「影響した」と回答してます。

おおよそ3人に2人が志望度に影響したということで、企業側も採用強化の一環としてSDGsを含めた社会貢献に注力しないと、学生が振り向いてくれない、そんな数字が浮き彫りになっていますね。

➂企業の社会貢献度を判断する要素

「じゃ、学生は何で企業の社会貢献度を測っているのか」というデータがこれです。

判断要素としては企業理念がトップで52.9%なので、半数以上の学生が社会貢献度を企業理念で判断しているということですね。

続いて、2位のビジネスモデル(44.2%)、3位の従業員に対する姿勢(39.6%)の順となっています。

判断要素割合(%)
企業理念52.9
ビジネスモデル44.2
従業員に対する姿勢
(雇用/福利厚生・制度/教育)
39.6
顧客/消費者に対する姿勢37.9
CSR,ESG,SDGsなどの取り組み26.1
経営計画25.4
経営者のメッセージ20.9
業績(納税額)など20.3

➃企業の社会貢献について調べる手段

次に情報源ですが、「採用ホームページ・採用パンフレット」が7割強(72.3%)で最も多く、次いで「企業ホームページ」が6割強(62.1%)、「会社説明会・セミナー・インターンシップ」、「社員との会話」がそれぞれ5割弱(48.9%、45.1%)で続いています。

様々な情報を通じて、企業の社会貢献度を確認していることがわかりますね。

調査手段割合(%)
採用ホームページ・採用パンフレット72.3
企業のホームページ62.1
会社説明会・セミナー・インターンシップ48.9
社員との会話(面接、面談、OB訪問など)45.1

➄SDGsの認知度

最後に就活生がどのくらいSDGsについて認知しているのかを見ていきましょう。

同調査では「詳しく知っている」学生が19.3%、「ある程度知っている」(57.1%)と合わせると7割(計76.4%)を超え、関心の高さがうかがわれます。

前年同期調査(計52.9%)と比較すると20ポイント以上高く、関心が飛躍的に高くなっていることが把握できます。

認知度割合
詳しく知っている19.3
ある程度知っている57.1
聞いたことがある15.0
まったく知らない8.6

就活のSDGsに関するよくある質問

最後に就活のSDGsに関するよくある質問をまとめたので、ここで疑問や不安に思っていることを解消しましょう。

就活の面接の場でSDGsのバッジをつけてもいい?

ビジネス上でも問題ないので、アピールポイントのひとつとしてバッジをつけるのはOKです。

ただし、見た目倒しにならないようにSDGsに関するどのような取り組みをしているのかについて深掘りされても答えられるように入念に準備しておきましょう。

SDGsに関する面接でよく聞かれる質問は?

SDGsに関する面接での頻出問題は以下の通りです。

頻出問題
  • SDGsに対するあなたの考えを教えてください。
  • 17の目標の中で、あなたが最も興味関心のある目標とその理由を教えてください。
  • 弊社のSDGsへの取り組みではどれが最も興味がありますか?またその理由を教えてください。

さいごに

今回は就活でSDGsへの取り組みを聞かれた際の回答方法についてご紹介しました。

SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標です。

今はSDGsを意識した取り組みに積極的な企業も増えています。

学生自身もこれらの目標に興味関心があることをアピールできれば、企業にとって魅力的な人材として映るでしょう。

今回の内容を踏まえてSDGsへの理解を深めて、志望企業へのアピール方法を考えてみてくださいね。

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