意味ない?QC検定がいらない理由と取得のメリット2つ
2024/9/1更新
はじめに
QC検定とは、品質管理に関する知識や実践方法に関する認定試験です。
ほかの資格と比べるとマイナーで、取得しても意味がないと思ってしまう人もいるかもしれません。
なぜQC検定はいらないと言われているのでしょうか?
品質管理に関する仕事を目指す学生はQC検定を取得しておくべきなのか、気になるところです。
本記事ではQC検定がいらない理由と、取得するメリットをそれぞれ解説します。
以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- QC検定の概要
- 就活で役立つ資格かどうかの真偽
- QC検定が活かせる仕事
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そもそもQCって何?
検定の内容について触れる前に、まずはQCという言葉の意味からおさらいしましょう。
QCとは
QCとは「QualityControl」の略であり、日本語で「品質管理」を指します。
日本のモノづくりのお家芸とも言える「製品が完成するまでの間の品質を保証する」という概念で、製品の生産やサービスを構築する際に品質に問題がないかを検証する業務です。
QCの業務内容としては材料検査や不適合材料の調査、隔離、最終製品検査などがあげられますが、企業独自の技術とノウハウで行われるものが多いです。
不良品が発生した場合に原因を分析して、問題があれば徹底的にその問題を潰すために製造工程の見直しや改善を行います。
いずれにしても高品質な製品やサービスを提供することが顧客の信頼を得る1番の近道であり、いかに効率よく低コストで製造し、製品の品質が一定に保たれるかが生命線なので、QCはメーカーにとって欠かすことのできない重要な業務と位置づけられています。
QC活動とは
それではQC活動とは何でしょうか?
「QC活動」とはQCに関わる活動の全般を指します。
企業製品における一連の製造体制や活動体型の全般に関わるもので、品質保証や信頼性試験、業務の効率化、コスト削減など、その活動範囲は広範です。
一つひとつの業務における専門性の高い知識を必要とするため、QC活動を推進する際には、製造に携わる従業員を「QCサークル」と呼ばれる小集団に分けて行うことが多いです。
QCサークルの中で与えられた業務分野における品質維持のための意見を出し合い、改善を繰り返し行うことにより、生産工程や技術的な課題、納期やコストなどの問題を解決することで製品の不良率を低減し、より性能のよい製品を作りつづけるためにQCサークルを構成して活動することを「QCサークル活動」と呼んでいます。
また、グループ会社や協力会社を含めて積極的に支援している企業も多く、QCサークル活動の報告会や大会を実施して外部に発表している活動もあります。
筆者自身も電子部品メーカーの人事のQCサークルリーダーとして発表した経験もありますが、この時にQCの知識があると全社の共通言語なので相互に理解を促進するのに役だった記憶があります。
QC検定(=品質管理検定)とは
それでは、QC検定の概要と階級で求められるレベル、申し込み方法などについて解説します。
概要
QC検定とは「品質管理に関する知識を客観的に評価する試験」です。
品質管理の知識レベルを4段階に分け、それぞれに筆記試験を実施して客観的に評価を行うというものです。
実際の試験では品質管理の手法や考え方、品質管理の実践、改善能力などの知識が問われます。
QC検定の対象者と求められるレベル
QC検定は1級〜4級まであり、数字が小さくなるほど難易度が高くなります。
各級別の対象者と求められるレベルは下記のとおりです。
級 | 対象者 | 求められるレベル |
1級/準1級 | 品質管理部門のスタッフ、技術系部門のスタッフなど企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる人 | 組織内で起こるさまざまな問題を品質管理の側面で解決、改善できることを把握しており、かつ自ら主導できるレベル |
2級 | ・QC七つ道具などを使って品質に関わる問題を解決することを自らできることが求められる人 ・小集団活動などでリーダー的な役割を担っており、改善活動をリードしている人 | 一般的な職場で発生する品質の問題を新旧のQC七つ道具(*1)を用いて、自ら解決できる能力が問われます。 品質管理の実践について十分な理解があり、基本的な品質管理や改善活動が自立的に行えるレベル |
3級 | ・QC七つ道具などの個別の手法を理解している人 ・小集団活動などでメンバーとして活動をしている人 ・大学生、高専生、工業高校生など | QC七つ道具の作り方と使い方をほぼ理解し、改善方法の指導があれば、QC的品質管理問題解決法で問題を解決できるレベル |
4級 | ・これから企業で働こうとする人 ・人材派遣企業などに登録されている派遣社員の人 ・大学生、高専生、高校生など | 組織で働く際の基本的な品質管理と企業活動を理解し、社内の改善活動を言葉として理解できるレベル。 社会人として最低限知っておくべき仕事の進め方、品質管理の用語の知識は持っている必要がある。 |
(*1)新旧のQC七つ道具とは
従来のQC七つ道具(=旧QC七つ道具)は主に数値データを整理し、関係性を分析して品質管理に活用するもので、下記の7つの手法で構成されています。
- パレート図
- 特性要因図
- グラフ
- ヒストグラム
- 散布図
- 管理図
- チェックシート
しかし、実際には実測・数値化が不可能な煩雑な問題においても、情報を整理・分析し、問題を解決するための発想や手法が必要になる場面も少なくありません。
これに対応するべく登場したのが、「新QC七つ道具」です。
「新QC七つ道具」とは主に言語データをわかりやすく図や表に整理することで、数値化が難しい問題や混沌とした問題を解決するための発想を得る手法です。
新QC七つ道具は下記の7つの手法で構成されています。
①親和図法
➁連関図法
➂系統図法
➃マトリックス図法
➄アローダイヤグラム法
⑥PDCA法
➆マトリックスデータ解析法
QC検定の実施時期と受検地
年2回3月と9月に実施されます。
会場は全国120か所設置されており、お近く主要都市で受検が可能です。
試験開催地はコチラより確認ができます。
申し込み方法
申し込みは個人と団体で分かれていて、個人で申し込む場合はインターネット申し込みのみとなります。
QC検定の受検料
下記のように受検料は受験する級によって異なります。
併願することも可能となっており、たとえば1級と2級を併願する場合は15,730円と1,650円割引が利きます。
【個人申し込みの場合】
等級 | 受検料 |
1級 | 11,000円 |
2級 | 6,380円 |
3級 | 5,170円 |
4級 | 3,960円 |
1級・2級併願 | 15,730円 |
2級・3級併願 | 10,450円 |
3級・4級併願 | 8,250円 |
準1級と認められた方の1級受験 | 10,450円 |
QC検定は就活で有利になる?
最初から現実的な話を言うようで申し訳ないですが、QC検定を取得しているからといって就活では有利になりません。
理由は大きく2つあります。
①入社後に必要な人には会社側が取得させる
➁職種によって使う使わないがハッキリしている
1つずつ深掘り解説していきます。
入社後に必要な人には会社側が取得させる
1つ目の理由は、そもそも会社側は就活生にQC検定の取得を求めていないからです。
会社側はどんな感じでQC検定を捉えているかというと、
「必要な人には会社がお金を払ってQC検定を取得させる」
という程度です。
なので、「QC検定を持っているから内定」という会社はまずありません。
QC検定は衛生管理者や宅地建物取引士といった資格のように法律で専任を義務付けられている類の資格ではないので緊急性もないですし、公認会計士のように入社前に取得しておかないと仕事に支障が出るといった資格でもありません。
それがQC検定の取得が就活のウリにならない1つ目の理由です。
職種によって使う使わないがハッキリしている
QC検定の知識を仕事で活用するような職種は限定的です。
たとえば、人事や経理、情報システム、営業などは仕事でQCの知識を使う場面はまずありません。
あるとすれば、あとで説明する「QC活動」ですが、それはQCの知識があればいいレベルで、わざわざQC検定を取得するレベルまでは要求されません。
仕事でQCの知識を使う可能性のある職種であれば、生産技術や技術開発、設備技術、品質管理、製造現場ぐらいですかね。
それらの職種であっても、別にQC検定の取得が必要なわけでもなく、QCの知識さえ持っていれば仕事に影響はありません。
実は、QC検定の取得はQCに対して一定の知識を持っていることは客観的に確認できますが、実際に仕事で使えるかどうかは別の話なのです。
自動車免許でいう免許証は持っているけど、自動車を運転できないペーパードライバーだとビジネスにおいては役に立ちませんからね。
まとめると、職種によって仕事でQC知識を使う使わないがハッキリしていて、使う職種でもQC検定の取得は必須ではなく、グラフや図を見て理解したり、分析できるなど製造現場と丁々発止議論できるレベルのQC知識があれば事足ります。
なので、従業員であってもそこまで取得を強要されませんし、なおさら新卒で採用するような学生にQC検定の取得を求める企業は皆無だといえます。
それでは、就活生がQC検定を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
QC検定を取得するメリット2つ
ここまではQC検定の取得が就活では有利にならないというお話をしてきましたが、取得するメリットについては2つあると思っています。
それは就活で1つ、入社後に1つです。
1つずつ解説していきます。
就活上でのメリット
まず就活上のメリットですが、これは特に製造業(以下、メーカー)を受験する場合のメリットです。
私はメーカーの採用責任者として、たくさんの面接を行ってきましたが、「QC検定〇級取得」と記載された大学生の履歴書を見たことがありません。
そんな状況下で資格欄に「QC検定〇級取得」と書かれていたら、人事はどう感じると思いますか?
「レアな資格取ってるなぁ。よほど製造業に興味があるんだな」
と思うはずですよね。
その時点でメーカーに対する志望度が高いことを匂わせることができるので、仮に内定を出した場合に他社へ逃げられたくない人事にとってはその資格が確証に見えるわけです。
もちろん、志望度の高さ以外の能力や知識、人物が会社の求めているレベルに達していることが前提ですが、それらが及第点であれば、QC検定の取得は志望度の高さを表し、人事にとっては内定を決定する際の「引き金」になります。
わかりますかね?
要はQC検定を取得しているから内定が出るわけでなく(=就活で有利になるわけでなく)、内定を出そうか出すまいか迷っている段階で背中を押してくれる材料(=志望度の高さを表す確証)だと捉えてもらえればOKです。
入社後のメリット
次にQC検定を取得していると、もちろん入社後のメリットもありますね。
QC検定受験の際にQCに関する様々な知識を勉強してきているので、たとえばQCの知識を仕事で使う技術職であれば、改めて勉強する必要がないので即効性があります。
また、人事や経理などQCを仕事で使わない職種であっても、QC活動でその知識が活きますので取っておいても損はないのかなと思います。
QC検定が仕事で活きる場面
それでは実際にQC検定が仕事で活きるかという話ですが、配属された職種によっても異なると思います。
先ほど説明したとおり、人事や経理、情報システムなどのスタッフ業務や営業などは、ほぼほぼ仕事でQCの知識を使う場面はありません。QC活動で時々必要になるぐらいです。
一方で、生産技術や技術開発、設備技術、品質保証などの技術職に配属された場合は不良品発生による製造工程の見直しや改善、新ラインの導入や試作などで現場のオペレータと一緒になってQCの知識を使う場面が多々あります。
いずれにしても、その会社がQC活動を行っているのか、QCの知識を仕事で使う場面があるのかどうかを予めOB・OG訪問や会社説明会で確認しておくのがベターです。
さいごに
本記事ではQC検定の就活での有用性や仕事上の活用実態などを現場レベルで解説したうえで、QC検定の内容についても触れてきました。
QC検定を持っているからといって決して就活では有利にならないと断言してきたところです。
逆にQC検定を持っていなかったとしても就活ではまったく不利になりませんし、必要な場合は入社後に会社がお金を払ってQC検定を受験させてくれます。
なので、学生のうちに取得する需要はありません。
それよりも就活の根幹スキルである、業界研究・企業研究や筆記試験対策、自己分析、ESなどのライティングスキル、面接スキルに時間とお金とエネルギーを注ぎ込みましょう。
それらのスキルを磨いたほうがよっぽど就活を有利に展開できます。
一方で、QC検定を取得するメリットも就活と入社後の2つの場面に分けてお伝えしてきました。
もし、あなたがこれらのメリットを享受したい場合は時間と余力がある範囲内で資格勉強に勤しめばいいと思います。
本記事があなたの就活のお役に立てば、幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。