大手とベンチャーの特徴とメリットは?

できれば大手企業に就職したいと思っていますが、この時代大手企業もいつどうなるかわからないと聞き、ベンチャー企業にも目を向け始めました。
しかし、あまり名の知られていない企業よりは、やはりブランド力や知名度、資産のある大手企業のほうがいいのかと思っています。
大手企業とベンチャー企業それぞれのメリットや特徴が知りたいです。

鹿児島県 中島さん(仮名)

価値を生むからこそ、企業は大きくなってきた。

たとえば、小郡商事、中交総社、ユニソン・ワールドという会社があったとします。
どれも社員数は数人から十数人、ブランドも知名度も資産もありません。
中島さんは、どの会社だったら「入りたい」と思います? どの会社にメリットを感じますか?

たぶん多くの学生が誤解していることなのですが、ブランド力や知名度や資産って、「ある」ものじゃないんです。
一般に言われる大手企業や有名企業が、大手になりブランドを培ってきたのって、それが既に「ある」状態だったわけではなく、それを創ってきた人たちがいるからこそ現時点でそうなっている、というだけの話です。

ブランド力や知名度や資産って、誰かが創ってきたものなんです。
時代やその価値観や技術や市場を見ながら、「もっと良い価値を」と考えて、工夫をして、リスクを冒して、もっと多くの価値を、と考え続けてきたからこそ、いまの大手企業や有名企業はブランド力や知名度や資産が増えていっただけです。

そこには「価値を拡大再生産する人」か「新しい価値を生み出す人」がいて、それを繰り返してきたから、そういう企業になったんですね。

「乗っかるだけの人」が増えると、会社は……?

そして一方では、世の常というか、苦労したくない人の習性なのかはわかりませんが、そこに「乗っかるだけの人」が出てきます。
それまでは「価値を拡大再生産する人」や「新しい価値を生み出す人」によって、企業のブランドや知名度や資産を生み出してきたけれど、そうじゃない人も増えていきます。
会社にそういう人が増えると、どんなに大手でブランド力があって、知名度や資産があった会社であっても「いつどうなるかわからない」状態になります。それはソニーやシャープや東芝といった家電メーカーを見てみても、近年のメガバンクや地方銀行、JALや旅行業界や衰退していく地方を見ていても明らかですよね。

つまり、どんなに大手であっても価値を出してなかったら、いつどうなるかはわからない。
価値を出しているのであれば、大手であってもベンチャーであっても、どうにかなる可能性は高まりそう。
そういうことだと思うんです。

という話を踏まえて、中島さんはどんな価値を出せる人になりたいですか?
そのためには、どんな環境で、どんな経験を積んで、どんな力を身につける?

最初から「大手」の会社は、ありません。

それこそ大手企業だろうがベンチャーだろうが、企業はいつどうなるかどうかわかりません。
ただ、企業は「いつどうなるかどうかわからない」けれど、自分自身が価値を生み出せる人になりさえすれば、どうにかなる可能性はいくらでもある、とぼくは考えています。

冒頭で紹介した、小郡商事、中交総社、ユニソン・ワールドという会社は、いまではファーストリテイリング(ユニクロ)、日清食品、ソフトバンクという会社になって、世界中に大きな影響を与えています。
それらの会社が現在の状態になったのって、「新しい価値を生み出す人」がいて、「価値を拡大再生産する人」がいたからです。
たぶん、「そこに乗っかるだけの人」が少なかったからなんです。

「大手かベンチャー、どっちがいいか」は、誰にもわかりません。
自分がどんな価値を生み出したいか、生み出せるようになれる環境か。
自分が生み出したい価値はどんなもので、そのためにはどんな環境で何を身に付けたいか。
それを考えるほうが「所属する組織のメリットや特徴」を考えるよりも、自分の価値になるんじゃないかな、と思います。

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ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人

光城 悠人

立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。

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