東京の就活が孤独で、この先も不安です。
『やりたい仕事ができる場所』という軸を優先し、東京での就活を始めましたが、東京には知り合いがいないので、すでに孤独を感じています。
このままどこかの企業に採用してもらえたとして、友人がいない環境の中で、その後の生活も仕事以外で孤独になるのではと暗い気持ちになり、地元で就活を始めようか迷っています。
なにかアドバイスをいただけると嬉しいです。
愛知県 斉藤さん(仮名)
「やりたい仕事」をしている自分は、孤独……?
すみません。いきなり質問に質問で返してしまうのですが、斉藤さんにとって、「やりたい仕事をしている自分」のまわりにいるのは、どんな人たちでしょうか?
やりたい仕事をしている以上、嫌々かかわっている?
仕事は仕事だから、日常生活ではかかわりたくない?
プライベートでは干渉しない、仕事だけのドライな関係?
世の中のほとんどの仕事って、自分とは違う能力や役割や得意分野をもった他の人と協力しながら進めるものです。
よっぽど特殊な仕事、特異な能力をもった独自の分野じゃないかぎり、誰とも協力せずにたった一人で完結する仕事はありません。
そういう意味で、こんなにも「知り合いがいない」ことで、斉藤さんを悩ませる「やりたい仕事」って何だろう……? と思っちゃうんです。
その「やりたい仕事」が一人で完結できる仕事なら、地方でも東京でもあんまり関係なさそうだし、それなら就職しないで独立しちゃったほうがよさそうです。
でも、もしその「やりたい仕事」が、人と協力したり、違う能力や分野をもった人とかかわりながらやるような仕事であれば、そもそもそこで悩む必要はないんじゃないかな、とも思うんです。
「やりたい仕事」をしている自分のまわりにいる人が、仕事以外ではかかわりたくない人だらけだなんて、なんだか楽しそうじゃない。
プライベートを共にしたい「仕事仲間」もいる。
いま世の中的には、なんだか「ワークライフバランス」と言われています。
その考え方が間違ってるとは言わないけれども、ぼくは「そんなに仕事とプライベートをくっきり分けなくてもいいんじゃないの?」と思っちゃうんです。
質問文にある、「企業に採用してもらえたとして、友人がいない環境の中で、その後の生活も仕事以外で孤独になる」って、「仕事は仕事、プライベートはプライベート」だから、その関係性は別のもの、ということですよね。
それって、「やりたい仕事だから仕事上では付き合う」けれど、「日常生活ではかかわりたくない人と働く」のを前提としているのでしょうか。
たしかに、最近では「仕事とプライベートは別だから、上司や取引先の人に飲みに誘われても行かない」と考える人もそれなりにいるようです。
ただ、ぼくの場合は「プライベートでも一緒の時間を過ごして楽しい」と思える人と働きたいし、実際にこれまでも、そういう人たちと過ごし働いてきて、たくさんの刺激やアドバイスをもらいました。
むしろどんなに「やりたい仕事」であっても、そこでかかわる人たち(社内外かかわらず)が魅力的じゃなかったら、なんだか楽しくなさそうな気がしちゃいます。
環境は、自分で変えることができます。
もちろん「仕事とは関係なく、日常生活を一緒に楽しめる友だち」がいることは息抜きや遊びができるという意味で必要なことかもしれません。
その一方で、同じ目的や目標を追いかけながら、違った個性や能力を活かして協力しつつ、その成功や失敗を共有できる「仕事仲間」がいる、というのもけっこう刺激的で楽しいですよ。
「仕事と日常生活」を分けすぎないほうが、ぼくは楽しいと思うし、それは同時に「就活と日常生活」でも同じです。
それこそ、同じように就活をしている学生はたくさんいます。まずはそういう人たちとかかわってみて、自分で「孤独に感じる環境」を変えてみるところから始めてみたらいいんじゃないかな、と思います。
ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人
立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。