休学は就活で不利なのか?与える影響を徹底解説
2024年8月29日更新
はじめに
学生が持つ特権、それは「休学制度」です。
名前の通り、学校を長期間休む制度のことを言いますが「休んだ分就活はどうなるの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、どのように休学期間を過ごしたら良いのか、どのようにアピールしたら良いのかについて、話していきます。
- 大学における休学の現状
- 休学が就活に与えるメリット、デメリット
- 休学を就活で活かす方法
「休学を考えているけれど、就活がうまくいくか不安」「現在休学中で、就活に不安を感じている」という方にとって、ぴったりの内容かと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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大学における「休学」の現状
大学における休学制度とは、復学することを前提として、大学に籍を残したまま「一時的」に休みをもらうことを言います。
多くは半年~1年以上など長期で大学を休みたい場合に用いられ、休学期間は大学の在籍期間にプラスされないというルールを設けています。
また他にも多くの大学は休学の上限が「4年」、また国公立大学は休学中に学費がかかりませんが、私立の場合は学校により学費がかかるケースも。
大学によって様々なルールが設けられている休学ですが、厚生労働省の発表によると2021年年度(12月時点)で国内大学生の休学者数は6万人を超えたと発表されました。(計:6万4,783人)
そして休学理由は以下の割合で推移しています。
- その他:53.8%
- 経済的困窮:15.0%
- 学生生活不適応・修学意欲低下:10.6%
「その他」には留学・長期インターンなど社会人でも役立つ経験をする学生が含まれますが、事実としてネガティブな理由で休学する学生も一定数いることが分かります。
そのため休学と聞くと「人生のレールを外れてしまった…」となんとなくマイナスな感情を引き起こす方も少なくありません。
しかし国内最難関の国立大学「東京大学」では年を経るごとに休学者数が増加し、2009年には209名だった休学者数が、2022年(5月時点)で「386名」で推移。
意外にも休学を決意する学生は多い現状があり、中には休学経験を活かして大手企業から内定をもらっている学生もいるのではないでしょうか。
「休学」と「就活」については下記で徹底的に解説していくため、ぜひ続けて読んでいってください!
そもそも休学しても就活はできるのか?
現在休学中の方、そしてこれから休学を考えている方にとって、就活への影響は不安になりますよね。
結論から言うと、休学した場合でも就活はできます。
さらに、理由によっては付加価値だととらえられ、プラスになる場合もあります。
大学生活を送る中で、様々な理由により長期間休まなければならなくなった、といった状況が訪れるかもしれません。
そんなときは、大学にある休学制度を利用してみるのも一つの方法でしょう。
休学制度を利用すれば大学に籍を残して休める
けがや入院、留学、経済的理由などで、大学に通えなくなった場合は、大学の休学制度を利用することができます。
また先ほども触れたように、国立大の場合は休学期間中の学費は全額免除、私立大の場合でも、授業料の一部を支払うケースや、在学費を支払うケースがあります。
この休学制度を利用することにより、大学に籍を残したまま休むことができるので安心ですね。
ただし、休みたいだけという理由で休学制度を利用するには、注意が必要。
大学を長期間休んでいるため、就活には次のようなデメリットが生じる可能性があります。
休学が与える就活へのデメリット
休学による就活へのデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 社会人になるのが一年遅れる
- 何もしていないと不利になる可能性がある
- 自主性を保てないと時間を浪費してしまう
明確な理由がない場合は、不利になる場合があるので気をつけましょう。
社会人になるのが1年遅れる
単純に1年間休みをとっているので、まわりの友達と比べると1年遅れてしまいます。
会社説明会に出向くと、周りはみんな年下という状況に置かれるでしょう。
就活に悩みはつきものです。
その悩みや情報共有をする相手が少ないというのは、デメリットといえるでしょう。一人で抱えてしまい、気分が落ち込んでしまうような状況には注意が必要です。
大学にあるキャリア支援のサービスを頼るなどがおすすめです。
そして、企業側に与える影響もあります。
就活のときに、企業がまず目を通すのは、エントリーシートなどの書類です。
足並みを揃えて就活をする学生の中に、1年遅れで就活をしている書類を見ると「なぜだろう?」と、少しネガティブな目線で気になってしまうのが本音です。
なにか明確な理由がある場合を除いて、ネガティブな印象を与える可能性があることを理解しておきましょう。
何もしていないと不利になる可能性がある
前述にもあるように、休学するにあたっての明確な理由がない限り、ネガティブな印象を与えてしまいます。
例えば休学の理由として「留学」を挙げた場合、1年間での語学の上達が見込まれます。
その場合は、前向きな理由での休学となるので、企業へのアピールポイントにつながります。TOEICなどの受験歴を合わせると、さらにプラスの評価になるでしょう。
しかし「ただ休みたかった」などの理由では、企業へアピールするポイントがなく「何をやっていたのだろう…」と思われてしまいます。
もしあなたが「自分探し」のような抽象的な理由で休学に至ったのであれば、探した結果に何を見つけたのか、何を得られたのかを明確にする必要があるでしょう。
そうすることで、企業に向けるアピールポイントへと繋がります。
自主性を保てないと時間を浪費してしまう
そもそも自主性とは「自ら率先して行動する性質」のこと。
「やる気」や「瞬発力」とも言い換えられるかもしれません。
目的に対して指示を受けて動くのではなく、自分から率先して行動できるような人を「自主性のある人」と言います。
ビジネスシーンにおいて、この「自主性」はとても大切です。
指示を待つだけでなく、自分で考えて動くことは、新入社員に求められるスキルになります。
ずっと指示を待っていては、仕事は進んでいきません。
しかし、自主性を持った社員が仕事を前に進めていくことで、利益アップにつながります。
結果的に、将来自主性のある部下を持つことは、企業にとって大きなメリットになるので、そういう部下に成長してくれそうな学生を探しているのです。
このように、企業は学生の時間の使い方を重視しています。
せっかく取得した休学期間を浪費することは、非常にもったいないので、ぜひ有効活用したいところです。
休学が与える就活へのメリット
ここまでネガティブな話をしてきましたが、デメリットばかりではありません。
少し考え方を変えてみると、下記のようなメリットがあります。
- 自主性が磨かれる
- 自分の人生・進路について見直せる
- さまざまなことに時間を充てられる
休学期間の過ごし方次第で、遅れをポジティブに捉えて、自分自身を企業にアピールすることができるでしょう。
自主性が磨かれる
休学の理由は様々だと思います。
いずれにせよ、せっかく取得した長期間の休みです。
「なぜ、休学をしたのか」という目的を再認識して、自ら行動に起こすことで自主性を磨くことができます。
例えば、自分のやりたいことを見つけるという目的であれば、なにか新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
違う環境に身を置いてみたり、資格の取得を目指してみたりなど、自分の意思で行動を起こしてみましょう。
目的のないまま過ごすのでは、1年間という貴重な時間を浪費してしまいます。せっかくなら、社会人になってからではできないようなことにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
時間は有限です。
自分の人生・進路について見直せる
休学は、一旦立ち止まって考える良い機会です。
大学生活をただなんとなく過ごし、ただなんとなく就職する、という流れでは結果的に早期退職に繋がるというケースも少なくはありません。
せっかく入社した会社にも迷惑をかけることになり、なにより自分のキャリアにも影響を及ぼしかねません。
そうなると、心身ともに疲れてしまうでしょう。
自分の進路を決める時間は、長いようで意外と短く、あっというまに過ぎ去ってしまいます。
筆者も同じようなことを経験し、焦った経験があります。
そうならないために、社会に出て生活してみるのも一つの方法なのです。
身近な例で言えば、インターンやボランティアなどへの参加があります。
学校の外にある実社会を知り、身をもって経験することで、広い視点で会社選びをすることが可能です。
自分が知らない世界や、自分が知らなかった自分に出会える、そんな見直し期間であれば、貴重な1年は価値のある時間になるのではないでしょうか。
インターン・ボランティアについては下記記事で解説しているため、休学中にどんな経験をするべきか迷っている学生はぜひ目を通してみてください。
さまざまなことに時間を充てられる
休学の一番の強みは、なにより「時間」があることです。
社会人として働いたり、学校で勉強やバイトをしたりしていると、時間を上手くつくれず他のことにチャレンジしにくくなります。
しかし、休学をすれば以下のような物事にチャレンジすることが可能です。
- 長期インターン|週5で会社に出社し働きながらお金と経験を得る
- デザイン|デザイン力を鍛えて将来のプレゼンに役立てる能力を培う
- リゾートバイト|お金を稼ぎならコミュニケーション能力UP
など、他にも学生のうちに起業する人もいるでしょう。
重要なことは、自分の時間をどのようにコーディネートできるかということなのではないでしょうか。
大切なのは「企画」と「計画」です。
あなたがやりたいことを企画し、それを遂行するために計画を立てる。休学中の学生の場合、これを1年間で実行しなければなりません。
決められた期間で何を得るかによって、就活の武器へと変身します。
休学によって就活への影響がプラスになる伝え方
価値のある休学期間を過ごした場合であっても、企業にアピールしない限り、相手には伝わりません。
伝えるポイントは以下の内容です。
- 休学理由をきちんと述べる
- 休学中に何をしたのかをまとめる
- 休学経験によって何を学べたのかを伝える
伝え方次第で、結果は大きく変わります。
休学理由をきちんと述べる
休学していたこと自体は、マイナスになることはありません。
企業が評価するポイントは、休学するに至った理由です。
会社にも、休職という制度があります。
休学の事実を前にすると、企業側は「入社しても休んでしまうのでは…」と考えてしまう場合があります。
そうならないためにも、きちんと説明しなければいけません。
「なぜ休学をしたのか」「その期間でなにを得たのか」「なにを考えたのか」を話せる学生は好印象に捉えられるはずです。
休学中に何をしたのかをまとめる
休学中に行動したことをできるだけ具体的に話せるようにしましょう。
その際ポイントとなるのは、思い出話をするのではなく、成果を伝えることです。
例えば、インターンに通っていた人の場合、話せる範囲で良いので携わったプロジェクトの内容・達成率・伸び率などを数字を交えて話すと、より具体性が増します。
「〇〇という会社で、△△のポジションを担当しxx期間でyy%の成果を出しました」などと、期間を強調することも一つの方法です。
また、なにか制作した人などは、ポートフォリオも有効です。形あるものでアピールすることは、視覚的に訴えることができます。
休学経験によって何を学べたのかを伝える
行動の後に得られた利益(ベネフィット)を企業は最も重要視しています。
これは仕事にも共通して言えることです。
企業は、入社後のあなたを透かしながら、見ています。
「私は、こんなことを経験しました」だけでなく、「その結果、こう考えるようになった」など、得たものを一緒に話すようにしましょう。
休学期間中、世界一周に出かける人もいるかもしれません。その場合、ただ遊んでいただけでは日本に帰っては来れなかったでしょう。
言葉が通じない中、自分なりのやり方でなんとかコミュニケーションをはかり、さらにはトラブルにも見舞われたかもしれません。
そのときにどのように対処したのか、その結果どう感じたかを伝えられると、あなただけのアピールができるのではないでしょうか。
さいごに
今回は就活における「休学」について詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?
この記事の内容を簡単にまとめます。
- 休学する大学生は全国で6万人を越える
- 休学が就活に与えるデメリットは「社会人になるのが一年遅れる」「休学中に何もしていないと不利になる可能性がある」「自主性を保てないと時間を浪費してしまう」の3点
- 一方、休学が就活に与えるメリットは「自主性が磨かれる」「自分の人生・進路について見直せる」「さまざまなことに時間を充てられる」の3点
- 休学を就活で生かすためには、休学理由・休学中で経験したこと・経験から得た学びを明確に伝えることが必須
休学は、人生でも稀に見る貴重な長期休みの期間です。
ゆっくり自分を見つめ直すこともできますが、安易な気持ちでの休学は推奨できません。
学校によっては休学期間もお金がかかる場合があるので、経済的理由の場合さらなる負担になりかねないからです。そして、目的がない場合は、時間の浪費につながりかねません。
しかし有効に使えば、就活にだけでなく、これからの人生においても、だれにも負けない武器となることでしょう。
レールに乗って進むことも大切ですが、自分が何をしたいのかを見つけることができた人材は、とても強く、まさに自分の力で立ち上がることができる、自立した人材と言えます。
限りある時間を有効に使い、成功した休学体験を武器にしてみてください。
なお、卒業が遅れるという点で共通する「留年」が就活に与える影響については下記記事で解説しているため、気になる方は読んでみてください。