東京への憧れ、正直に言っていい?

東京で就職したいです。
理由は東京への憧れや、大都市で働きたい、地元をでて 親から独立したいという気持ちからなのですが、面接で「どうして東京で働きたいのか」と聞かれた際には正直に答えたほうがいいのでしょうか。

広島県 佐々木さん(仮名) 

どちらでもあまり変わらないと思います……。

「正直に答えたほうがいいかどうか」という質問だけに答えるのであれば、正直に答えたとしてもそうじゃないにしても、どっちであっても「企業からの評価は得にくい」という意味では、どっちでも変わらないと思います。
正直に言ったからといって、企業としてはそれで採否が決まるような要点ではないですし、正直に言わずに表面的な言葉でどうにか話そうとしても、それが佐々木さんの本意ではないのであれば、たぶん企業の人はそれを察知して「違うな~」と思うはずです。

どういうことかというと、「東京への憧れ」や「大都市で働きたい」ことや「親から独立したい」という気持ちって、ただただ佐々木さんの都合だし、手段でしかないんですよね。
だから、それを「正直に答えるかどうか」は、企業にとっては「採用基準に関係ない」という意味でどちらでもいいんです。

手段と目的―― 漫画『スラムダンク』の教え。

憧れや大都市で働こうとする意思や親からの独立、そうした感覚をもって自分を広げて成長していきたいと考えていることそのものは、とっても素敵なことだと思います。

けれど、それらはどれも「手段」でしかありません。
東京への憧れは、何かを目指して、何かを成すための手段。
大都市で働くことも、そんな競争の中で磨かれた先に何者かになるための手段。
親からの独立だって、自分自身が独り立ちするためのドライブをかける手段。

憧れの東京で働いて、親から独立できればそれでオッケー、それこそが目的!なのであれば、それでいいかもしれません。
でも、たぶん佐々木さんの求めているものって、そこじゃないですよね。
もし「東京に行きさえすれば、何かがあるはず!」というだけで考えているとしたら、漫画『スラムダンク』の谷沢くんのエピソード(22巻)を読んでみてください。
「憧れの場所」に行けば「なりたい自分」になれるわけじゃない、ということが描かれています。

もっと先にあるはずの「目的」は何だろう。

社会人になる上で大事なことって、
「どんな自分になりたいか」
「どんな生き方をしたいか」
「社会とどう向き合っていきたいか」
ということです。大事なのは手段ではなく目的であって、目的があるから手段が選べる、のはずなんです。

そういう意味では、「正直に答えるべきかどうか」と悩んでいるのは、どこかで「これって、自分の都合でしかないからなぁ……」ということをわかっているんじゃないかな、とも読み取れます。
そう答えるべきかどうかと悩んでいるのって、どこかで「東京で働くのは手段でしかなくて、自信を持って言うほどのものじゃない」と感じていたりするのかなぁ、と。

もしそう感じているとしたら、あとはその先の「目標」を考えて、言葉にしていけばいいだけです。

「正直に答えたい」と思える言葉を。

佐々木さんにとって、「東京で働くこと」や「親から独立すること」は、どんな目的を達成するための手段なんでしょうか?
それを言葉にして、「自分はこうなりたい」、「こんな生き方をしていくために、東京で働くことが大事だと思ってる」というところまで言葉にすることができたら、それはどんどん「正直に答えて」いったほうがいいと思います。

まずは、自分の「目的」をちゃんと言葉にできるようになること。
それをした上で、正直に答えることで、評価を得られるくらいになっていけたらいいんじゃないかな、と思います。

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ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人

光城 悠人

立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。

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