【大学院就活】就活を成功に導く5つの方法を紹介!
2024/8/26更新
はじめに
大学院生の中でも研究の道に進まずに、一般企業への就職の道を選択する学生も多いですが、大学院卒の就活は学部卒の学生とは多少異なるアプローチが必要となります。
その違いを良く理解した上で就活を進めないとピントがズレた就活になったり、アピール不足に陥ったり、研究との狭間で疲弊したりして手詰まり感が出てくることもあります。
本記事では大学院生と学部生における企業側の採用スタイルの違いや就活のスケジュール感、大学院生が就活を成功へ導くための5つの方法を解説します。
- 企業が大学院卒と学部卒に求めることの違いは?
- 大学院生の就活スケジュールは?
- 大学院生が就活を成功させるための方法は?
就活の準備をしないとはいけないとは薄々感じているけど、いつ頃から何をどのように始めればいいのか不安になっている大学院生は、ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を読むことで、先の見通しが立って研究も就活もスムーズに進められるようになりますよ。
なお、M1学生の就職のポイントについて下記記事で詳しく解説していますので、対象の方はぜひご覧ください。
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企業側から見た「院卒」と「学部卒」の採用の違いは?
「企業側から見ると大学院生はどう捉えられてるの?学部生との違いは?」など、大学院生の就活は有利なのか、不利なのか気になるところだと思います。
筆者が人事責任者として採用現場から見ていた大学院生の採用の特徴は、大きく5つありますので1つずつ解説していきますね。
①即戦力採用に近い
通常の学部卒採用では、「ポテンシャルの高い学生を選ぶ」「会社に入ってから育てる」「勉強内容はそこまで重視しない」といった気持ちで採用を行っていますが、大学院生の採用は少し毛色が異なります。
どちらかというと社会人の「即戦力採用」に近い感覚です。
要は大学院で研究したテーマや専門性が企業の仕事にマッチするかどうか、その専門性が必要なレベルを満たしているかを中心にチェックしていく傾向があります。
そのため、質問内容は「ガクチカ」よりも「研究内容」を中心に深掘りしていきます。
企業によっては大学院生の専門が企業ニーズと合致しているのか、専門性の深さはどうかなどを確認するために面接で研究内容をプレゼンテーションさせるケースもあります。
大学院卒は学部卒よりも初任給が高く設定されているため、企業側の求める技術と異なったり、専門性が浅かったりする場合は生産性が低くなるので、技術を重視するのは当然かもしれませんね。
②問題解決能力や論理的思考力を評価
大学院生の場合は学部生以上に研究や論文執筆などの活動に取り組むため、学部生に比べて問題解決能力や論理的思考力が高いだろうという見立てで面接を行っています。
それらの能力は仕事でも非常に大切な要素となりますので、アピールが成功すれば学部生との差を見せつける絶好の武器となります。
面接だけでなく、グループディスカッションなどでも実際に問題解決能力や論理的思考力を発揮できる姿を見せられると評価が高くなるでしょう。
③学部生との差を見ている
面接官は学部生と大学院生両方面接しているので、どうしても両者を比較して見てしまう癖があります。
たいていの場合、大学院生のほうが専門性や問題解決能力、論理的思考力において学部生よりも優れているのですが、あまり変わらない場合は不利にはたらくことも。
なぜなら、同じ能力であれば初任給の低い学部生を採用したほうが、企業側としてはコストパフォーマンスがいいからです。
「就活は大学院生と学部生とではどちらが有利か?」とよく聞かれますが、企業側が大学院生に求める優位性をうまくアピールできるかどうかで、有利か不利が決まるといえます。
なお、大学院生の就活と学部時代の成績の関係について下記記事にて解説しています。
④大学院に進学した理由を問われる
大学院生が一般企業を志望した際には、採用担当者から「なぜ大学院に進学したのか」を問われることがあります。
これは絶対に学部生にはない質問ですね。
その際「就活したくないから」「社会に出るのが怖いから」といった消極的な理由を答えてしまうと「嫌なことから逃げる学生」というネガティブな印象を面接官に与えてしまいます。
「大学院に進学して〇〇を学びたかったから」「〇〇といった知見を得たかったから」「〇〇の分野の△△に興味があった」というように、ポジティブな言葉で説明できるようにしておきましょう。
⑤「ガクチカ」よりも「研究内容」が評価される
先述のとおり大学院生は即戦力採用に近いので、「ガクチカ」よりも「研究内容」の評価ウェイトが高いです。
学部生の場合は面接官も「たいした研究もしてないだろうから専門性もそこまでないだろう」と高を括っている面があり、研究内容よりもむしろガクチカを中心に質問していき、将来性を重視した上で面接を進めていきます。
逆に大学院生の場合は「この志望者の研究テーマや専門性がどのように仕事に活かせるか?」といった観点で質問していきますので、研究内容を詳しく聞かれます。
したがって、研究内容や専門性がその会社が求める職種と近い場合は内定をもらえる可能性が高まるわけですが、そうでない場合は即戦力採用に近いだけに内定は遠のきます。
このあたりが学部生にはない大学院生ならではの特徴となりますので、即戦力採用に近いと意識しながらアピールしていきましょう。
大学院生の就活スケジュール
大学院生の就活は基本的に学部生と同じスケジュール感だと考えてください。
大学院1年目は学部生3年、大学院2年目は学部生4年と捉えて同じように就活を進めていくことになります。
つまり、学部生3年の6月から始まるインターンシップが大学院生1年目の6月と同じタイミングになります。
なので、インターンシップが始まる大学院生1年目の6月までには少なくとも自己分析や業界研究、企業研究を完了しておかなければいけません。
大学院2年目直前の3月には会社説明会やエントリーが開始されますし、6月には内定出しが行われますので、その基準月に合わせてそれぞれ対応することが重要です。
大企業の場合はほぼこのスケジュールで選考が行われますが、ベンチャーや中小企業などは前倒しで採用活動を行っている企業が多く、インターンシップ経由の早期選考などを実施している企業もありますので、臨機応変に対応していく能力が試されます。
そして、大学院生は研究活動と就活との両立がハードです。
特に大学院2年目になると学会発表や修論などに時間を充てる必要があり、就活の本選考との両立が時間的にも体力的にも大変です。
「今、何を優先すべきか」を常に考え、細かな隙間時間をうまく使いながら、スケジュールをコントロールしていきましょう。
教授と良好な関係を築き、就活に対して理解してもらうとスムーズに進めていけるものです。
また、ときにはゆっくりと休みを取ることも大切。
いずれにしても就活準備は余裕を持って行うことが重要です。
なお、大学院生の就活のスケジュールについて以下の記事で詳しく解説しています。
大学院生が就活を成功に導く5つのアプローチ法
ここでは、大学院生が就活を成功させるための5つの方法を解説していきます。
就活サイトに登録し、選考のお誘いがあった企業の面接を受ける通常のやり方だけでなく、いろいろな引き出しを複数持っておいたほうがあなたの就活の安定性が増します。
5つの方法の全部、あるいは一部をうまく活用すると内定が出やすいので、ぜひ試してみてください。
①学校推薦を利用する
大学院生ならではの就活方法の一つとして「学校推薦」があります。
学校推薦とは企業側がある大学の採用枠を優先的に設けており、そこに教授からの推薦を受けた就活生が応募して採用試験を受ける方法です。
通常の就活よりは合格率も高く、就活を有利に進められることが大きな特徴です。
ただし、学校推薦を受けたからといって必ず合格するわけではなく、企業が求める一定水準に達していないと落ちますので注意してください。
また、学校推薦経由の内定は原則として断ることは禁じ手です。
通常の就活のように「志望度の高い企業から内定が出たから」といって学校推薦の内定を蹴ると、推薦してくれた大学や教授の顔に泥を塗ることになりますし、企業側の信頼も損ねてしまいます。
あなたが行きたい企業が明確にある場合は、学校推薦の利用を控えたほうがいいでしょう。
②逆求人就活サイトを活用する
次に「スカウトを待つ」という方法です。
現在は逆求人就活サイトが充実しています。
逆求人サイトとはあなたのプロフィールを見て、興味のある企業が「あなたと会ってみたい」と声をかけてくれるスカウトサービスを指します。
スカウトのメリットとしては、以下が考えられます。
- あなたの専門性と親和性の高い企業からオファーがある
- スカウトが来た会社なので内定確度が高い
- あなたの知らない優良の中小企業に出会えるチャンスがある
やらないよりはやったほうが可能性が拡大しますし、無料なので登録することをおすすめします。
③研究内容と仕事のマッチング度をアピールする
冒頭でも説明しましたが、大学院生の就活は即戦力採用に近いです。
つまり、あなたが研究でやってきたことと、企業側の求める職種の相性がいいと内定が出やすいですし、そうでない場合は落ちる可能性が高いでしょう。
受ける企業に対して、いかに自分の研究内容や専門性が有益なのかを伝えることにより成功確率が上がるのです。
したがって、「その企業がどのような技術を欲しているのか?」を逆算したうえで、あなたの経験やスキルを最大限に活かし、その技術に合致する形でアピールすることがポイントになります。
④志望企業や志望職種に縛られ過ぎない
志望企業や職種を絞り過ぎて駒が少ない状態で就活を進めるのは避けましょう。
特に大学院生は自分の専門が活きる仕事に就きたいという欲求が高く、志望企業や志望職種をピンポイントで攻める学生が多いですが、仮にすべてが不合格になった場合、取り返しがつかない事態に直面します。
そうならないために、自分の専門を活かせる周辺技術の求人がある企業や職種にもアプローチして、間口を広げて保険をかけておいたほうが無難です。
自分がやってきたことを仕事にしたい気持ちはわかりますが、そのことが自分の首を絞めることにもつながりかねません。
一発勝負の就活においては、最悪の結果に備えたリスク管理を行うことのほうがもっと大切です。
特に理系の場合は専門分野に就職する以外にも、以下のとおり専門分野外に就職する方法や文系が就職する分野の仕事に就く人もいます。あわせて、メリットやデメリットもみていきましょう。
就職先 | 内容 | メリット・デメリット |
専門分野就職 | 専門に勉強した分野の延長線上の仕事に就くこと 例)研究、開発、設計、製造技術、生産、生産管理、品質管理など | ・大学で勉強した専門が仕事で活かせる ・機械、電気、情報など業界との親和性が高く、求人需要も多い ・専門分野の企業に学校推薦してもらえる ・専門分野の枠にとどまり、視野が狭くなる可能性がある |
専門分野外就職 | 専門に勉強した分野とは別の領域の仕事に就くこと 例)特許、知的財産、技術営業、SEなど | ・専門分野外に枠を広げて仕事ができるので、自分の可能性を広げることができる ・理系大学院で勉強したことが、就活でのアドバンテージになりにくい |
文系就職 | 専門に勉強した分野とはほぼ関連性のない文系領域の仕事に就くこと 例)コンサルタント、金融関係業務、営業、事務など | ・文系企業の就活生は圧倒的に文系学生が多いので、理系学生が応募すると印象に残りやすく、差別化をはかりやすい ・デメリットとしては文系就職は選考プロセスが多く、応募してから内定をもらうまでに時間を要する ・加えて、選考プロセスの省略がないため、就活準備や対策に時間が奪われ、学業に支障をきたすケースが考えられる |
⑤先手先手で就活を進める
研究や実験が忙しいからといって、就活が後手後手になってしまう大学院生も結構います。
そうならないためにも研究と就活のバランスをとりながら、先手先手で就活を進めることが大切です。
特に大学院の場合は研究に没頭し過ぎて、「就活は大学院生2年目直前の3月から始めたらいいか」と早計な判断を行う人も見かけますが、ハッキリいって3月からでは遅すぎです。
3月に入ると会社説明会やエントリーシート提出、選考など、スケジュールが目白押しです。
そんな多忙な時期に業界研究やら自己分析を、ゆっくりやる時間を取るのは難しいでしょう。
「就活は3月から始めるのではなく、3月までに準備を終わらせる」といった心構えで取り組むことが何にも増して重要です。
まとめ
大学院卒は学部卒と比べて専門性が重視され、即戦力に近い働きを期待されています。
学部生と比べて問題解決能力や論理的思考力が高い人材が求められているので、これらの能力が備わっていることをアピールしましょう。
また、大学院生は研究と就活の両立が大変なので、余裕を持った計画を立てて行動することが重要です。
本記事があなたの就活のお役に立てば幸いです。