【文系・理系別】就職に有利な学部を徹底解説!
2024/8/24更新
はじめに
新しい人生の一ページを刻む就活を通して、さまざまな企業を訪問できるのも、ある意味とても貴重な体験です。
大学生の特権と言っても過言ではないでしょう。
そして、就活を始めると就職に有利な学部や不利な学部が気になる人もいるかもしれませんね。
そこで今回は、就職に有利な学部を文系理系別にそれぞれ解説していきます。
対象は以下の疑問を持つ就活生です。
- 就職に有利な学部や不利な学部は?
- 総合職に有利な学部は?
- 学部ごとの平均年収は?
学部と就職に関する疑問に分かりやすく答えている記事となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
以下の記事で大学や学部を選んだ理由を聞かれた際の対処法を解説しているので、ぜひご覧ください。
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就職をする際に有利・不利な学部ってあるの?
旺文社教育情報センターの情報によると、2024年3月卒業新卒(大卒)の文系の就職率は97.9%、理系の就職率は98.8%となっているので、就職率の面でいえばほとんど優劣はないと考えられます。
しかし、専門性のある分野においては、特定の学部に所属していたほうが良いです。
たとえば将来、弁護士や医師といった職に就きたい場合は、法学部や医学部などで勉学や実技を習得しなければいけません。
このように専門性があり、その職に就くためには特定の学部を卒業していることが条件となるケースもあります。
また、理系出身であれば専門的な知識を持っている人が多いので、就職しやすい傾向が見られます。
特に、データ処理やプログラミングの知識がある学生は貴重です。
就職に不利だというイメージを持たれやすい学部としては「文学部」「人間科学部」などがあります。
これらの学部で学ぶことは実務に直結しなかったり、専門的な資格を取得しづらかったりするためです。
とはいえ、総合職や事務職などに就職をするなら、学部での優劣はあまり関係ないと思っていいでしょう。
なぜなら専門性は求められていないからです。
学部によって就職しやすさが変わるのは事実ですが、一番重要なのは人柄ややる気などです。
学部別の平均年収
30代の出身学部別の平均年収ランキングは以下の通りです。
順位 | 学部 | 年収 |
1位 | 医・歯・薬学 | 506万円 |
2位 | 理・工 | 495万円 |
3位 | 経済・経営・商 | 480万円 |
4位 | 法・政治 | 476万円 |
5位 | 情報 | 471万円 |
6位 | 農・獣医・畜産 | 423万円 |
7位 | 教育 | 416万円 |
8位 | スポーツ・健康科学 | 407万円 |
9位 | 国際 | 402万円 |
10位 | 社会 | 394万円 |
この表から上位には理系学部が多いことが分かります。
特に医療や薬学は専門性の高さや、専門の資格が求められることも、高い年収につながっていると考えられます。
ほかには技術職やエンジニア職は人手不足でもある職種なので、今後も年収が上がっていくでしょう。
文系の中では「経済・経営・商」「法・政治」が比較的年収が高いです。
【理系・文系共通】総合職に就職するなら有利・不利は学部関係ない
理系でも文系でも、総合職に就職するなら優劣はありません。
総合職は営業や事務などさまざまな仕事をこなし、将来的に管理職を目指す職種です。
専門性よりチームを引っ張ることのできるリーダーシップやコミュニケーション能力が求められ、多くの企業で学部や専攻に関わらず幅広く人材を募集しています。
入社時に専門的な知識がなくても、入社後の研修プログラムで必要な専門知識を身につけられれば問題ありません。
総合職では、その人の適性や仕事への意欲、ポテンシャルなどが重要視されるのです。
【理系編】就職に有利な学部
ここまで、専門性のある学部に所属し、その専門性を活かせる企業に就職する際は、他の学部より有利になる可能性が高いことを解説してきました。
ここからは理系の「就職に有利な学部」を見ていきます。
理系で就職に有利な学部は以下のようなものがあります。
- 工学部
- 理学部
- 農学部
- 土木学部
- 建築学部
- 医学部
- 薬学部
- 看護学部
一部、ジャンルが近いものはまとめてご紹介します。
工学部|「設計」「モノづくり」
工学部は主に「設計」や「モノづくり」に関する職に就職するケースが多いです。
- 自動車
- 飛行機
- ロボット
自分が思い描くものを図面に起こし、製品化します。
すべて思い通りに作れるわけではありませんが、自分が手がけたものを世の中に広める仕事ができるのです。
また、「モノづくり」も「設計」と近い部分があります。
図面のデータを元に形にしていくので「自分で創造している感覚」を得られるものです。
「モノづくり」にはスマートフォンや電車なども含まれます。
理学部|「研究」「メーカー」「IT」
理学部は「研究職」のイメージがあるかもしれませんが、実際はもっと幅広いです。
特に「メーカー」に就職する人が多く、最近で言うと「電気自動車(EV)」の普及も化学メーカーなどが関わっています。
また「IT業界」も人気が高いです。
膨大なビッグデータを分析したり、AI(人工知能)の研究や開発を行ったりします。
農学部|「食品」「製薬」
農学部出身者は、主に「食品」「製薬」に関わる仕事に就くことが多いとされています。
コンビニやスーパーにある、冷凍食品や加工食品などの商品開発に携われることも少なくないです。
学部でも異なる場合もありますが、生物や化学を学んできた人も多いです。
そういった人には「製薬業界」であれば、学んできたことを活かせる機会が多く、おすすめです。
土木・建築学部|「ゼネコン」「鉄道」「公務員」
土木・建築の仕事は私たちの生活に不可欠な施設や建物を、建築・維持・修繕しているので、就職は安定しています。
政府も「災害に強いまちづくり」を掲げているので、今後も安定的に需要があるといえるでしょう。
総合建設業(ゼネコン)も、同様に安定しているのが特徴的です。
具体的には、橋・道路・ダムなどの設計や施工を行います。
また、土木関係の公務員枠の募集も多いので、公務員を目指すのもいいかもしれません。
医学・薬学・看護学部|「医師」「薬剤師」「看護師」
学部の名前の通り医師・薬剤師・看護師を志望する人が多いのが特徴です。
医師は、理系の中でも特に就職に有利であり、患者さんの病気を診断し適切な処置をする仕事を行います。
内科、外科、産婦人科、整形外科、皮膚科、精神科など幅広いです。
薬剤師は、医師がまとめた処方箋を元に薬を調剤します。
病院やドラックストアにいるイメージがありますが、学校、製薬会社、メーカーなどでも薬剤師は活躍しており、開発や研究を行っているのです。
看護師は、医師のサポートを務めることも多いですが、患者さんとも距離が近いため心のケアをするときもあります。
なお理系の就活の注意点について下記記事で解説しています。
【文系編】就職に有利な学部
専門性がある学部というのは、理系だけではなく文系にもあります。
- 法学部
- 商学部
- 経済学部
- 経営学部
それぞれ詳しく見ていきます。
法学部|「弁護士」「金融」
法学部は弁護士・裁判官・検察官、いわゆる「法曹三者」と呼ばれている代表的な職を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。
とはいっても、法学部を卒業した学生全員が法曹界に進むわけではありません。
一般企業に就職する人も多く、金融関係や企業のコンサルタントになる学生もいます。
特に「金融」と「法律」は関連性が高いとされていて、金融商品の多くは法律への知識が必要になってくるからです。
法律の知識は、就活でも十分に活かしていける専門性のあるものといえるでしょう。
商学部・経済学部・経営学部|「メーカー」「金融」「商社」
商学部は商社などで商品企画や開発、マーケティング部門に就く学生が多いとされています。
経済・経営学部は、銀行や保険などの金融関連メーカーなどに就職する人も多いです。
商品を売る仕組みやマネジメントについて他の学部より学ぶことが多いので、就職でも有利に働くことが理由となっています。
また、商学部・経済学部・経営学部の知識は経営にも役立つので、就職せずに起業を考えている人も少なくないです。
就職と学部に関するよくある質問
就職と学部に関するよくある質問は以下の通りです。
- 文系で将来性のある学部は?
- 工学部で就職に強い学科は?
- 就職で女性に有利な学部ってあるの?
- 理系は大学院まで行った方が就職に有利なの?
- 学部と関係ない業界に就職することは可能?
それでは具体的に見ていきましょう。
文系で将来性のある学部は?
文系の中でも専門性が求められる学部は、「法学部」「経済・経営」「国際学部」などです。
特に最近では、グローバル化が進んでいるので、「語学力」は大きな武器になります。
旅行業界や航空業界、商社などでも、語学に強い人は重宝されるでしょう。
工学部で就職に強い学科は?
「情報工学科」「機械工学科」「電子・電気工学科」は就職に強いといわれています。
これらの学科は知識や思考力に加え、専門性が求められるからです。
IT業界、Web業界、システムエンジニア、整備士など幅広い分野でその能力が求められています。
さらに、論理的思考能力や仕組みづくりが得意であれば、企業の総合職や一般職でも力を発揮できるでしょう。
就職で女性に有利な学部ってあるの?
「女性が活躍している業界」「女性でも専門性を磨ける学部」の2点を考えてみるといいかもしれません。
たとえば、女性が多く活躍している業界は看護師や航空業界などが挙げられますが、そのためには「医学部」「国際学部」に属しているほうが有利です。
また、理系の分野で活躍する女性も増えています。
企業では女性の活躍を推進しており、工学部や理学部で専門的な知識を学んでいる人材を積極的に採用する傾向があります。
現在は、性別に関係なく活躍できる社会が広がりつつあるので、自分が目指す業界に対して、臆せずチャレンジしましょう。
理系は大学院まで行ったほうが就職に有利なの?
専門性のある仕事に就く場合は、有利になるケースがあります。
大学院まで進むことで、学部卒と比べ2年分知識や技術を多く学んでいるので、院卒者を優遇する企業も少なくないです。
また、初任給も院卒は高い傾向にあります。
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査の概況によると、20~24歳の年収では大卒が229.4万円であるのに対し院卒では245万円となっています。
また、研究をさらに深めたい人は、大学院まで行くのがいいかもしれません。
一方、「学問を深めるより早く社会に出て活躍したい」と考える人は、大学院に行く必要性は高くないといえます。
学部と関係ない業界に就職することは可能?
自分の志望する業界が学部と関係なくても、就職できる可能性は十分にあります。
進学時点で明確に就職先が定まっている人のほうが少ないもの。
ほとんどの就活生は、就活の時期に自己分析や企業訪問などを重ねて自分の志望企業を決めています。
特に求人が多い、以下の業界では学部・学科に関係なく採用されます。
- 営業職
- 事務職
- IT
- 介護
医療系など専門性が高い一部の職種を除いて、学部を気にする必要はないことを覚えておきましょう。
おわりに
この記事では就職に有利な学部についてご紹介しました。
理系の人材はさまざまな企業で不足しているので、就職に有利な傾向があります。
しかし、もっとも重要なのは人柄やコミュニケーション能力、熱意です。
一部の専門職を除いて、学部に関わらず採用されるチャンスはあります。
自分の就きたい業界や職種について、しっかりリサーチしてチャンスを掴みましょう。
また、「自分が属している学部が果たして有利なのか?」と疑問に思うこともあるかもしれません。
しかし、大事なのは「自分が何をやりたいか」「何に興味があるか」です。
軸や方向性が決まっていれば、それだけでも十分なアピールにつながります。
自分自身を見つめ直して就活に励んでいきましょう。