上京しても知り合いがいません。
地方からの上京で知り合いがほとんどいません。
就職が決まり、東京での生活がスタートした後、会社以外で人づきあいを広げるにはどうすればいいのかわかりません。
宮城県 西村さん(仮名)
「マイルドヤンキー」的な生き方を求める……?
博報堂の原田曜平さんという方がつくった言葉なのですが、彼らにはこんな特徴がある、と言われています。
・地元から出たくない
・都会は未知の世界
・「絆」「家族」「仲間」という言葉が好き
・意外と寂しがり、強がり
・一人で行動できない
・主に昔話が多い
雑に表現するなら、地方に留まって、幼なじみとの人付き合いで、特定の小さな地域で、小さな幸せに満足を感じる人たちです。都会に行くよりも、地元のイオンモールで休日を過ごして、中学高校時代の思い出に浸りながら、日々をすごすことに幸せを感じているそうです。
もし西村さんがそういう人生や環境を求めているなら、そんなマイルドヤンキー的な生き方をしていくほうが幸せなのかもしれません。
でも、たぶん違いますよね。
小学校や高校に入学したときも同じはず。
西村さんが「地方から上京したい」、「東京で生活したい」と考えているのであれば、それっておそらく「地方では味わえない刺激や成長」を求めているからだと思います。
そして、地方と東京を比べたら、言うまでもなく確実に東京のほうが人の密度が高い場所です。もっと言えば、日本全国でいちばん若い人が多く、老人が少ないのが、東京です。
そういう意味で、普通にすごしていて日本のどこよりも「若い人とたくさん出会える場所」が東京だと言えます。
西村さんはこれまでの20年間で、東京よりも人と出会う確率の少ない環境で、東京よりも若い人が少ない地域で知り合いをつくり、人づきあいをしてきたはずです。
それなら東京に行ったら、その可能性はもっと高まるような気がしませんか?
そもそも、西村さんが小学校に入ったときや高校・大学に入ったときって、そんなにたくさんの知り合いっていました? たぶん入学式の前日には、「ちゃんと友だちできるかな?」「知り合いもいないし……」って考えていたと思うんです。
それでも小学校や高校、大学では、それなりにちゃんと友だちもできて、人づきあいもできているわけですよね。
これからのことだって、実質的にはそれと変わらないように思います。
「おっさん化」することなく、変化を楽しもう。
もちろん、そこで不安になってしまうのもわかります。
これまでとはぜんぜん規模も違えば、イメージできる範囲も違う。さらには、これまでの20年間で培ってきた友だち関係が、逆に安心できる環境だからこそ、そこから抜け出すことの怖さもあるかもしれません。
ただやっぱり、過去のやり方や過去の成功体験に縛られて新しい環境に飛び込まないとか、今のラクな環境を守ろうとするだけになるって、いわゆる「おっさん化」とも言えます。ものを持つほど失うのが怖い。居心地が良いほど、チャレンジしなくなる―――。
せっかく東京で就職をすると考えているなら、刺激を楽しむ、新しい関係をつくることそのものを楽しむくらいのつもりで考えるほうが、よっぽど楽しくなると思いますよ。
ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人
立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。